評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
・『その子らしく、伸びていく。』をブランドメッセージとして、真に利用者の立場に立った保育園運営を目指している
・保育理念「よりよく生きる力(Benesse)」の基礎を育てる
・子どもが個性と人格を尊重され、安心・安定して生活し成長できる園
・保護者にとって「子育てのパートナー」になる
・職員の意欲と満足度の向上による保育の質の向上
職員に求めている人材像や役割
・子どもと保護者のためにどうしたらよいかを自ら考え行動する人。
・子どものよき理解者であること。
・子どもの遊びを積極的に援助する役割を担うこと。
・保護者のことを理解し、子どもの成長を共に考えるパートナーになること。
・各職種の職員同士が考え方を共有し、連携を行い、高めあえる関係性を築いていく。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・子どもの命をお預かりしている重要性を自覚し、安全面と衛生面に責任と緊張感を持つ。
・乳幼児期が人格形成の重要な時期であることを自覚し、各職種の専門性を高め、自己研鑽に努める。
・一人ひとりの子どもたちが、『その子らしく、伸びていく。』ために、子どもの発達を理解したうえで、4つの環境【時間】【空間】【人・仲間】【遊び・生活】と保育者の関わり方【認める】【見守る・待つ】【見つける】【しかける】にこだわる。
全体の評価講評
特によいと思う点
2歳児までは、発達の現れが著しく、発達段階による援助の内容も異なり、愛着形成の大切な時期でもあることを踏まえ、生活面の援助などを行う保育者を緩やかに固定する、担当制を採り入れており、発達の微細な変化や特性をより詳しく把握した保育者が、丁寧に援助を行えるようにしている。また3歳以上児においても、保育計画の振り返りの際には、年齢別の活動の様子だけでなく、異年齢保育における発達相応の配慮の内容や、個別の子どもの姿、実際に行った援助・配慮の内容についても振り返り、発達や個性に応じた育ちを支えられるようにしている。
上記の通り、子どもの発達段階の把握に努め、得られた情報を、環境構成の工夫にも活かしている。生活の流れを一定に保ち、子どもが見通しを持って自発的に行動できるよう、食事・睡眠・遊びの空間を設定し、玩具・絵本や道具等の保育教材は、子どもの発達の推移を示した「発達チャート」や全体的な計画をもとに、標準的なものを揃えるほか、子どもの興味や粗大・微細の運動面の発達、人間関係、季節などを考慮し、必要なものを用意している。またそれらは自由に選び、手に取れるよう提示するほか、遊びやすいコーナーの配置や広さにも配慮している。
子どもがそれぞれに「その子らしく」自己を表現できる力の育みや機会の設定にも努め、乳児期の保育者との応答的な関わりを経て、幼児は子ども同士で話し合う「サークルタイム」「子ども会議」をはじめ、自分なりに思いを表出し、他者の思いに傾聴する経験を重ねている。種々の行事も、子どもたちが自発的に関わり、創り上げる過程が自己表出の機会ともなり、保護者や地域の人々、卒園児や系列園の仲間たちなどとも、「プレイデイ」や夏祭り、音楽会や「卒園児訪問デー」などの機会に、一緒に楽しみながら関係を深め、協同性や社会性を養っている。
さらなる改善が望まれる点
前回の評価からの継続課題となるが、職員が日々誠実に保育と子どもに向き合い、丁寧に、また質の向上に対して貪欲に取り組む組織の文化が、一面では業務量の増加ももたらしている。園としても試行錯誤を続け、仕事の棚卸しと実現可能な省力化・合理化に取り組んでおり、経営層は仕事を行ううえでの計画性やタイムマネジメントの意識を、それを得意とする職員の知恵なども活かし、現場に根づかせたいと考えている。現場の熱意や保育者としての矜持にも配慮しつつ、いわゆるスモールステップを重ねながら解決を図ってゆくことを期待したい。
園の今後3か年の「目指す姿」を定め、その今年度の内容を到達目標として、「運営計画」に年度の重点課題などを定める仕組みがある。現在は園長がこれらの策定の主たる役割を担っているが、組織の体制は比較的安定しており、中堅・リーダー層の職員も育ちつつあることから、各計画の立案や振り返りには、経営層を含め、組織の総意を反映させてゆく工夫も可能であろうと思われる。職員がそれぞれの成長段階に応じ、園の運営に積極的に関わろうとする意識や、目指す近未来像を園全体で考えてゆく組織の気風を培ううえでも、一考を期待したい。
保護者との共通理解が深まるよう、さまざまな情報発信を行っている。懇談会では資料や写真などを用いて、各年齢の発達の特徴や1年の見通しのほか、乳児の担当制保育や幼児の異年齢保育など、年齢ごとの保育の特色を説明している。クラス便りや「ドキュメンテーション」での視覚的な工夫を活かした発信にも注力しており、ドキュメンテーションについては効果的な活用に向け、組織内で学びを深めている。保護者が何を知りたいのか等も探りつつ、伝える内容の整理や場面・話題の選び方などの検討を重ね、発信媒体としての質をより高めたいと考えている。
事業者が特に力を入れている取り組み
園内研修では保育の環境・援助や安全・保健衛生など、毎月多様なテーマを設けて研鑽に取り組むとともに、その中での話し合いも大切にし、保育のエピソードの共有や、子どもの人権の尊重の視点による、保育者の言動や食事の援助に関する検討、保育や子どもの育ちを伝える「ドキュメンテーション」や、昨年度末に行った、子ども同士で話し合う「子ども会議」に関する学びなど、さまざまな視点で相互理解を深め、同僚性を高めている。今年度は保育や安全衛生など4分野のチーム活動も本格化させるなど、現場の協同的な学びと改善に取り組んでいる。
季節や行事にちなんで行う制作のほか、歌や楽器の体験、ごっこ遊びなどの表現活動を通じ、創造性や表現力が育まれている。3歳以上児は「サークルタイム」で、生活・遊び・行事などさまざまなことについて意見や気持ちを言葉にしたり、人の話を聴いたりするほか、話し合って決める体験もしており、対話の力や協調性の成長が促されている。また戸外での活動や食育は、自然の不思議や生命の大切に触れる機会となっており、季節に合わせた保健面の指導や日々の援助、雑巾がけ等を通じて、生活するうえで必要となる知恵や所作が身につけられている。
日頃の子どもの姿は、クラス便りの発行や「ドキュメンテーション」の掲示・配信を通じて保護者に知らせており、懇談会の際には具体的な活動の一端やクラス・年齢ごとの発達を、資料や写真などを用いて説明している。また「サークルタイム」での子ども同士の対話で生じた気づきや意見を可視化し、保護者に知らせるほか、小学校との連携のもとで、実際に1年生が使用する教科書を玄関に置くなどの工夫もなされている。保育参観では子どもの普段の姿や活動を見てもらうほか、各種の行事参加を通じて、楽しく過ごしながら子どもの育ちを共有している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:調査開始時点での当園の利用世帯48(在籍児童数58)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。
- 調査方法:アンケート方式
調査票及び調査項目は共通評価項目に準拠した。
回収は専用封筒を用い、回答者からの弊機関への直接郵送、または同方式と事業所内回収による未開封のままの弊機関への郵送の併用にて行った。
自由意見については回答者の匿名性に配慮し、表記の加工などの処理を適宜行った。 - 有効回答者数/利用者家族総数:34/48(回答率 70.8% )
総合的な満足度は「大変満足」88.2%・「満足」8.8%の計97.0%と高い値を得ており、設問別でも「発達に配慮した保育活動」「子どもの興味・関心の伸長」「食事」など、全17問で80%台~100%の高い支持を得ている。
自由意見では「担任の先生だけでなく、他クラスやフリーの先生方も子どもの名前・顔・特徴を覚えてくれ、信頼(安心)して子どもを預けられ、連絡アプリ等のコミュニケーションツールも積極的に活用され、特に毎日配信される園での生活の写真は、文字だけでは伝わらない子どもたちの様子がわかってとてもありがたく、食事の献立も素晴らしい」「子どもを一人の人間としてみてくれ、お迎えの際には一日の様子を丁寧に報告し、ケガなどの報告をきちんとしてくれる点もありがたい」「各年代の先生がいてとてもバランスがよく、どの先生方もいつも笑顔で、わが子も楽しく通うことができており、行事の日程や実施方法など、年々アップデートされ、クオリティも高い」「保育者の皆さんが子どもの気持ちに寄り添い、しっかりと保育してくれている」などの声が寄せられている。
要望などとして複数見られたのは、保護者への情報発信や保育・行事に関することである。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
実質的な満足度(「無回答・非該当」を除いた割合・以下同)は、有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「いつも大変世話になっており、わが子の成長を感じている」「園長や担任の先生も子どもの個性を理解して接している」の2件があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「食育活動や実験系の体験が特にわが子には刺さっているようである」の1件が寄せられている。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見は、「おやつも手作りで、甘さも控えめでよい」の1件があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
「はい」が94.1%、「どちらともいえない」が5.9%となっており、「はい」の値は前回(2021年度・以下同、82.9%)から改善傾向が見られる。 自由意見は3件で、「今年は地元のお祭りにも参加していて驚いた」「真夏以外は毎日戸外への散歩を実施してくれており大変ありがたく、夏は毎日プール遊びもしている点もありがたく、忙しい中、さまざまなイベントを考えてくれている」のほか、戸外活動等のさらなる充実を望む声が見られる。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
有効回答者27人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「急な時でも補食を出してくれるのでとても助かる」の1件が寄せられている。
6.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」が94.1%、「どちらともいえない」が5.9%となっており、「はい」の値は前回(82.9%)から改善傾向が見られる。 自由意見には、外部侵入対策に関する意見が1件寄せられている。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」が88.2%、「どちらともいえない」が11.8%となっている。 自由意見は2件で、行事の日程の設定について、さらなる検討を望む声が寄せられている。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」が97.1%、「どちらともいえない」が2.9%となっている。 自由意見は2件で、「どの先生も話しやすく、ベテランの先生はもちろん、若い先生も皆さん感じがよく、明るい挨拶が気持ちいい」のほか、日頃の子どもの様子などの伝達・報告について、さらなる配慮を望む声が見られる。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には記入がなかった。
10.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が94.1%、「どちらともいえない」が5.9%となっている。 自由意見には記入がなかった。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「実際にケガをした時にも迅速に対応してくれた」の1件があった。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が92.0%、「どちらともいえない」が8.0%となっている。 自由意見は「まだ経験がない」「対応を直接見ていないため、何ともいえない」の2件があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
有効回答者34人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には記入がなかった。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」が97.0%、「どちらともいえない」が3.0%となっている。 自由意見には記入がなかった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が91.2%、「どちらともいえない」が8.8%となっている。 自由意見には記入がなかった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
有効回答者28人全員(100%)が「はい」と答えており、「はい」の値は前回(74.2%)から改善されている。 自由意見には「私自身の要望ではないが、年間スケジュールを紙で配付してほしいという意見をすぐ採り入れて対応していた(とても役立っている)」の1件が寄せられている。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が80.0%、「どちらともいえない」が20.0%となっており、「はい」の値は前回(68.2%)から改善傾向が見られる。 自由意見には記入がなかった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
園の近未来像と年度の重点課題、現場の各種業務について、各期間の計画を作成している
保育や家庭・地域支援、食事・食育、安全衛生など、園運営の主要6分野について、年度の「運営計画」に重点テーマ・実行項目を定めるとともに、各分野における今後3か年の各年度の「目指す姿」を、別に作成する3ヵ年計画に示している。3ヵ年計画は運営計画の定性目標とも位置づけ、毎年度更新するとともに、運営計画は半期ごとに振り返りを行っている。また保育・行事や食育・保健、防災・安全など、現場の実務全般について、年間及び各期間の実行計画を作成し、期間に応じた目標・ねらいや取組内容を定め、必要な進捗確認のもとで実施している。
園運営や計画立案の参考として、保護者や職員の意向をさまざまな方法で把握している
保護者全体の意向を、懇談会や保護者代表が出席する運営委員会、各行事後の感想収集のほか、毎年度の本社のCS(顧客満足度)調査や、第三者評価受審年度の利用者調査などから把握している。また本社が入園後・卒園後にもアンケートを行い、当園を選んだ理由や「保活」の状況、園でわが子が得た成長など、当園の強みや地域・利用者のニーズの動向を把握している。職員の意向は前述の各会議や個別の面談、毎年度本社が行うES(従業員満足度)調査などから把握している。保護者・職員の声は、園運営や上記の各計画の立案の参考とされている。
事業環境の動向もさまざまな機会に把握し、経営状況は本社が園と連携して管理している
入園前見学や各種の子育てイベントの来園者から、地域内の保育・教育や子育て等の状況・ニーズを把握し、見学者には施設選択のポイントや園生活で重視する事柄などを尋ねる、本社のアンケートも設けられている。また墨田区の私立保育所園長会や地域内の公私立園の交流、保・幼・小の連絡会などからも、区内・地域内の状況を把握し、関連の制度・政策の動向は、前述の区園長会のほか、本社の系列園園長会・事業部会、自治体や本社の発信物などから把握している。予算の作成・進捗をはじめとする経営状況の管理は、本社が園と随時連携して行っている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
子どもの人権・尊厳の尊重をはじめ、職員の規範意識を高める機会を折々に設けている
本社の手引書「ベネッセの保育の考え方」や行動宣言・行動基準「ベネッセスタイルケア宣言」に、子どもの人権・尊厳の尊重と虐待的言動の排除、各種不正・ハラスメントの禁止や情報管理の徹底など、全職員に求める倫理・規範が明示されている。これらは各種マナーをはじめとする社会人としての基本心得とともに、入職時の基礎教育や毎年度の同宣言に関する園内研修などを通じ、理解と徹底が促されている。新年度開始時の園内の会議でもこれらを確認し、園内研修でも子どもの人権の尊重や一人ひとりの心情に配慮した関わりについて、研鑽を重ねている。
虐待等の防止に努め、保護者の意向の把握と案件に応じた検討・対応にも取り組んでいる
新年度開始時の会議では、虐待等の疑いや事案が生じた場合の発見から通報までの流れを確認し、対象の子ども・家庭の在籍時には、行政機関との連携のもとで支援にあたっている。また虐待の早期発見・防止に必要な知見が記載される手引書「安全衛生基準」も常備されている。玄関の「ご意見箱」や苦情解決制度について、保護者に周知を図り、必要の際の利用を促すほか、日々の会話・アプリ連絡帳や面談からも個別の意向を把握し、寄せられた声への案件に応じた対応や、系列他園の苦情案件を自園の学びとするための組織内の検討にも取り組んでいる。
地域に開かれ、親しまれる園であるべく、情報・機能の提供と種々の交流に努めている
ホームページや墨田区を通じて園の各種情報を発信し、実習生やボランティアの受け入れを、本社共通の規定に基づいて受け入れている。また栄養士の離乳食講座や主任による「ふれあい遊びの会」、移動水族館をはじめとする各種行事の開放、卒園児の保護者を中心に、地域のさまざまな人の助力を得て行う音楽会など、園を地域に開き、種々の機能を提供する場を活発に設けるほか、区の私立園長会など、地域内の保育・教育施設間の交流にも複数参画している。音楽会では多様な楽器の音色や卒園児のダンス・オペレッタを、地域を交え園全体で楽しんでいる。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
園運営における各種重要リスクを明確にし、対策としての多様な取組を行っている
安全・保健から組織のモラル・風評面まで、発覚後即時に上長・本社に報告すべき事態・リスクを「即時報告事項」に一覧化し、事務室に掲示している。また毎日の園内各所の安全点検のほか、「安全衛生チェックシート」をもとに、散歩・睡眠・水遊びやケガ・アレルギーを含む各種保健、防災・防犯など、保育中のリスク全般について、半期ごとに総点検と改善策の検討を行っている。ケガ等の事故や関連の各種ヒヤリハットの検証も随時行い、毎週の会議や記録の掲示などによる周知、重要な事例を複数の観点で考察する「SHEL分析」にも取り組んでいる。
災害・不審者対策や、さまざまな機会での安全・保健面の各種研鑽にも取り組んでいる
毎月園内で行う「リスクマネジメント委員会」では、上記の各種事例の共有・検討のほか、水遊び・感染症など時季ごとのリスク、周辺のAED設置場所や各公園の危険箇所など、現場の視点で安全対策の検討や情報共有を行っている。また園内研修でも、それらの成果の共有や上記のSHEL分析、嘔吐物処理手順など、安全・保健に関する研鑽に取り組んでいる。毎月の防災訓練による各種災害時の対応の確認、年間複数回の不審者対策訓練や、それらを通じた警察・消防との連携もなされており、災害版・感染症版の各BCP(事業継続計画)も整備されている。
各種情報の利活用推進と適切な管理の両立に向け、必要な環境と仕組みを整備している
各種情報の取り扱いについて、本社の手引書類や全入職者が提出する誓約書に、職員が守るべき実務上の運用ルール全般が定められ、職員には入職時及び毎年度の研修による啓発がなされ、実習生等には受け入れ時に守秘義務の厳守を求めている。保護者には個人情報の利用目的や開示請求等への対応について、入園時に説明と同意確認を行っている。また連絡・通信や各種事務のICT化など、情報利用の効率化を図るほか、書類・情報端末類の施錠管理、端末類のセキュリティ設定など、漏洩防止に配慮し、情報管理全般に関する本社の内部監査も設けられている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
園の状況に応じた人材構成の実現と、働く場としての環境の整備に取り組んでいる
職員の募集・採用は、本社が系列全園について、各種ウェブ媒体の活用や在職者への人材紹介奨励、養成校や関連業者との連携など、多様な方法により行い、配属・異動は各園の体制の状況をもとに、各人の意向やキャリア形成等も考慮して決定している。園内では各人の意向と経験・能力等を踏まえ、乳児・幼児それぞれのチームとしての能力発揮や、担任継続による保育の安定等を考慮して人員を配置している。職員の就業状況は園・本社が連携して管理し、多様な働き方や各種の福利厚生の提供、常勤者のストレスチェックなど、労働環境整備もなされている。
職員の成長・キャリア形成の指標と、これを軸とする人材育成の仕組みが整備されている
保育・給食・看護の各職種・等級で、系列園共通の能力・研鑽等の指標を定め、これを軸とする個別の評価・目標管理制度や各種の社内研修を整備している。常勤者には等級・職種別の項目と、組織内の協力・育成に関する自己・上長評価のほか、年度の園の重点課題も踏まえた成長目標の設定を行い、評価や達成の状況が、園長と各職員との定期的な面談を通じて共有されている。これらは人事や賃金にも反映させ、意欲の向上にもつなげるほか、新人の基礎力養成のための「ウェルカムシート」や、中堅層への後輩育成に関する目標管理制度も設けられている。
社内・園内の多様な研鑽と、会議やチーム活動による現場主体の改善活動がなされている
社内研修では等級・年数や職種に応じ、保育や安全・保健衛生、マネジメント、今年度開始のアートを題材とする多様な視点・価値観の受容など、多様な研鑽が促されている。また行政等主催の社外の研修の受講や、「保育留学」と題した事業部内の系列園間の職員の学び合いもなされ、園内研修では「ベネッセの保育園」としての基本や子どもの人権に配慮した援助、安全・保健面など、毎月種々のテーマを設けて学びを深めている。各種会議や「職務分野別リーダー」を中心とする職員4チームの活動など、現場の話し合いを活かした改善活動にも取り組んでいる。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
系列全園で、保育や保護者・地域支援、安全衛生など、運営全般に関する6分野における年度の重点テーマ・実行項目を「運営計画」に定める仕組みがある。
昨年度、当園では園長・主任が交代し、運営の体制が改まったことを踏まえ、運営計画の「家庭支援」の分野では保護者との信頼関係の再構築、また「園組織」の分野では同僚性の向上や、継続的な課題とする現場の業務の効率化・合理化を重点テーマに据え、取組を行った。
対面での保護者との懇談会を4年ぶりに再開し、各クラスで保育や子どもの成長の見通しなどを保護者と共有するとともに、座談会の場も設け、保護者・家庭同士の交流も支援した。また日々の送迎時のコミュニケーションや、写真と文章で構成される「ドキュメンテーション」の配信などを通じ、毎日の子どもの様子や保育内容を保護者に伝え、ドキュメンテーションはクラス間での保育や子どもの育ちなどの相互の共有にも好影響をもたらしている。
園組織の分野では、各種の会議に加え、園内研修でも保育や安全・保健など、毎月のテーマに沿って学びを深める中で、毎回さまざまな話し合いを行い、7月以降は子どもの人権への配慮を視点に採り入れ、組織全体で意識を高めていった。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
業務の効率化・合理化については、リーダー会での話し合いのほか、組織内SNSでも職員からアイディアを募り、計画的な業務の消化、休憩室の清掃等の園内環境の美化を業務時間内で行うことや、各種書類の重複記入の解消・記入量の配慮などによる作成業務の軽減など、実施可能な改善に取り組んでいる。
毎回の懇談会は、座談会の設定を含め、保護者から好評がさまざまに寄せられている。一方で、日々の各種連絡・発信を電子化したことについては、以前の紙媒体への回帰を望む声も一部寄せられるなど、保育や子どもの様子などの保護者との共有については、引き続き最善のあり方を模索する意向である。
また、会議や園内研修でのさまざまな学びと語らいは、保育をはじめとする業務全般の質的向上のほか、目標とした同僚性の向上にも結びついている。ただし、業務の効率化・合理化については、各職員の「やってみたい」の尊重との両立や、現場に定着した習慣の見直しの進め方等に難しさも生じ、経営層は組織の活力の維持・向上と共存可能な方法を、中・長期的な視点で模索していきたいと考えている。
今年度も各分野でこれらを踏まえた重点テーマを設定し、取組を進めている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
上記の昨年度の運営計画における「子ども支援」の分野では、子ども一人ひとりを心身ともに健やかに育めるよう、生活習慣面の援助や活動・遊びの提供を、個々の発達段階に即して行うことを重点テーマとし、そのための保育者の見守り・仕掛けや、PDCAを意識した計画の作成などを実行項目とした。
また全体的な傾向として、子どもの体幹が弱く、体力・運動面に課題が見られることから、運動遊びの充実にも注力することとした。
毎週・毎月のクラス・全体の各会議で、保育や子どもに関する情報共有と、実践を踏まえた振り返りを行うとともに、玩具・絵本等の設置や室内レイアウトなど、環境構成の見直しの検討も随時行った。また園内研修では実践記録をもとに、グループ討議形式で保育のエピソードについて語り合ったり、子ども同士で話し合い、対話や傾聴の力を、子どもそれぞれの心の成長度合に応じて高めてゆく「子ども会議」について、動画をもとに学ぶなど、保育に対する見識や子どもへの理解を、職員の話し合いを通じて深め、組織として共有する機会もさまざまに設けた。運動遊びについても、各クラスで器具や遊具を活用しながら、午前中の主活動を中心に採り入れた。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
経営層は、会議や園内研修での話し合いと振り返り・検討の積み重ねは、園全体で子どもを見守り、支援していく組織の文化につながりつつあると考えている。室内環境の充実についても、各クラスで子どもの興味の動きをとらえながら玩具等の設置を行うなど、継続的に進められた。また幼児では上述の子ども会議にも力を入れ、子どもたちが思いを言語化し、友達に伝えるとともに、友達の声にも耳を傾ける機会として、心の成長につながっている。昨年度は学年別の小グループで行っており、今年度は異年齢の小グループを設定し、より多様な意見に触れる機会を作っていきたいと考えている。
また運動遊びについては、午後の活動量をより多くしてゆくことが課題となったほか、発達上の特性などから個別の配慮が必要な子どもが増える中で、そのための人員配置により、結果として室内の大人が多くなり、子どもが頼ったり、甘えたりすることで、本来目指す自発的・主体的な遊びや学びがなされない場面もあり、併せて検討課題としている。
今年度も一連の取組を継続するとともに、SDGsを意識した取組や、子どもの自由な発想を大切にしたアート活動・表現遊びの充実も重点テーマに加え、取組を行っている。
サービス分析結果
【講評】
利用希望者等に向け、ホームページで保育や子どもたちに対する思いなどを表明している
ホームページには、「その子らしく、伸びていく。」というブランドメッセージとともに、保育の理念・方針と、その育ちを支える具体的なアプローチや保育者の関わりなどを紹介している。また、クラス編成・園内環境・1日の過ごし方や行事の考え方、食事・安全面・保護者支援など、保護者の視点から園選びに役立つ情報を、象徴的な写真を添えて掲載している。園のページには、乳幼児期の愛着関係を基盤とし、その後の子どもたちが遊びや人との関わりから自ら育っていくことを支援する「とことん遊ぶこどもの応援隊」としてのメッセージを掲載している。
行政等の各種媒体を活用し、園に関連するさまざまな情報公開を行っている
行政との連携を図りながら、地域の方々に向けた情報公開を行っている。行政のサイトには園の所在地・連絡先の掲載とともに、園のホームページへのリンク設定が設けられ、「第2のお家」「乳児期の担当制」「幼児期の異年齢保育」など、園の特徴や概要を記載した資料も閲覧・ダウンロード可能となっている。また都の『福ナビ』その他の各種サイトでも、園の多様な情報が紹介されている。地域向けのイベントは園前の掲示にて参加を募っており、「ふれあい遊びの会」や離乳食講座などに一緒に参加し、園の雰囲気や取組などを知ってもらう機会としている。
園見学や地域交流を通じ、園の雰囲気や具体的な内容などの周知に努めている
園見学は平日の午前中で普段の様子を見られる日や、主に土曜日に行う地域交流の際に受け入れている。園内を案内しながら、クラスごとの特徴や環境などを見てもらっている。園の生活や1日の流れなどへの理解が深まるよう、子どもがやりたいことに取り組めることや、遊びの保障、食事の際の対応のほか、子ども同士の関わりや話し合いなど、年齢や場面ごとでの事例を交えながら説明している。また、系列園や学童といった園以外の人との交流があることも伝え、前述の地域イベントに誘いかけるほか、園案内や「コンセプトブック」などを渡している。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
保護者に対して、利用開始にあたっての重要事項の丁寧な説明を心がけている
入園が内定した方には、入園説明会と個別の面談を実施している。「園のしおり」をもとに、理念や方針、園の特徴、年間行事予定、園生活や食事・アレルギー対応などのほか、登降園や子どもの健康管理、災害時や体調不良時の対応などを説明している。同しおりは事前に配付し、保護者が目を通すことができるようにしており、、説明後に一つひとつの項目を確認するほか、面談時及び後日の質問も受けるなど、説明の漏れや不明点がないよう、丁寧な説明に努めている。これらのうえで、重要事項や個人情報に関する同意を得ている。
入園前に、一人ひとりの子どもの成育歴や家庭の状況などの情報を把握している
子どもの成育歴や家庭の状況など、保育に必要な情報を入園前に把握している。各ブースに分かれて面談をしており、保護者の提出した書類の内容を確認するとともに、保育者・栄養士・看護師などの専門職が、必要な情報の聴き取りをしている。その際、面談シートをもとに漏れなく情報が取得できるようにし、家庭での生活の状況や保護者の意向などを確認したり、育児の相談を受けたりするほか、離乳食やアレルギーなどの具体的な内容や配慮の確認、保護者の仕事復帰や意向等を踏まえた「慣れ保育」の大まかな日程調整も行っている。
親子で安心できるような支援と、利用終了後の継続的なつながりの仕組みを整えている
入園後は子どもが安心して過ごせるよう、園長・主任・看護師等のフォロー体制を整え、慣れ保育での短時間からの無理のない保育提供や、乳児への担当制による個別の支援を行っている。送迎時には子どもの様子を伝え、保護者と職員との関係づくりや安心感につながるよう努めている。卒園等の利用終了の際には、送迎時の会話や面談などを通じて子どもと保護者の不安軽減に配慮するほか、いつでも園に来てほしい旨を伝え、夏休み中の「卒園児訪問デー」、「プレイデイ」や夏祭りなどへの招待、学童との連携など、継続的なつながりが持たれている。
1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
子どもの成長・発達や保健面の状況を定期・随時に把握し、記録に残している
体格的な成長を、毎月の身長・体重測定(年2回は頭囲・胸囲も実施)で把握し、結果を保護者とも共有している。また予防接種の履歴は、保護者から定期的に把握し、台帳を更新しており、肥満度の指標となるカウプ指数も算出し、援助の参考としている。心身の発達状況は、年齢別の主な発達の現れに関するリストを用いて確認し、リストに網羅されない子どもの個別の姿について、保育者の所見を「保育経過記録」欄に記述している。記録の際には子どもの姿を肯定的にとらえることを大切にし、次の成長・発達を想定して、援助や配慮のあり方を記載している。
全体的な計画をもとに保育計画を策定し、周期ごとの振り返りを次期につなげている
保育計画の全体的な計画を、年度当初に職員全員で共有するほか、年度末には次期に向けて内容の検討を行っている。年間を4期で構成する長期的な計画には子どもの成長の姿や見通しを示し、より実践的な月・週の計画に展開させている。3歳以上児の指導計画は、異年齢で作成し、年齢別のねらいを立てており、保育所保育指針における、幼児期の終期までに育てたい10の姿との関連も明らかにしている。2歳児までは担当制保育を行い、個人別の指導計画を作成し、援助に活かしている。保育の各計画は周期ごとに振り返りを行い、次期につなげている。
保育計画の振り返りを次期の保育に活かし、保護者にも保育のねらいを伝えている
月案会議の際に行う保育の振り返りでは、クラスの保育内容や集団としての育ちだけでなく、個々の状況や育ちについても振り返るようにしており、保護者の意向や家庭での様子も、職員間で共有している。また調理担当も話し合いに参加し、食事・食育に関する所見を述べている。得られた情報は、個別の計画や援助に反映させており、クラスの月のねらいをクラス便りに掲載するほか、懇談会では年間のねらいや保育内容、成長の見通しを写真も活用しながら、プレゼンテーション方式で伝えるなど、保育のねらいの保護者との共有に努めている。
1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
- 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
- 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
- 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
- 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
- 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
- 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
- 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
- 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
- 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
- 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
- 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
- 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
【講評】
子どもの興味・関心や発達を踏まえ、環境構成の工夫に取り組んでいる
子どもの興味・関心や発達の状況は、日々の子どもの姿や保護者から得た家庭での様子から把握に努めており、保育計画の振り返りの際には、職員間で子どもの情報を共有している。把握した子どもの姿をもとに、環境構成の工夫に取り組んでいる。保育環境を設定する際には、食事・睡眠といった生活と遊び、双方の営みを保障する動線や空間を確保すること、子どもが主体的に遊びを選択できるように玩具を提示することを大切にしている。また情緒の安定を図れるよう、天蓋をかけ、絨毯のスペースを設けたり、観葉植物を設置するなどの工夫にも努めている。
異年齢の子どもたちが生活と遊びをともにすることで、育ち合いが促されている
年下児は年上児と一緒に遊んだり、様子を観察したりする中で、憧れから意欲を高め、遊び方ややり取りの仕方、道具の使い方などを学んでいる。年上児には年下児の世話をしようとする姿が見られるなど、心の成長が促されており、5歳児が行っている雑巾がけや当番活動、夏季保育や「プレイデイ」の跳び箱などは、年下児の憧れとなっている。また発達の異なる子どもたちの関わりでは、同じ遊びでもしたいことが異なったり、意思疎通が図れなかったりすることもあり、保育者はやり取りを見守りつつ、必要に応じて代弁等の援助を行っている。
発達段階や個々の特性に応じた援助に努めている
発達の過程で見られるかみつきや引っかきへの対応では、できる限り未然に防げるよう努め、双方の気持ちや痛みへの共感に努め、代弁したり、言葉を使った関わり方を伝えたりしている。個別の配慮を必要とする子どもへの対応では、職員間で子どもの姿を話し合うほか、保護者とも連携を図り、必要に応じて個別の指導計画も活用して、個々の特性に応じた援助を行えるよう努め、専門家による巡回相談で得た助言も参考としている。5歳児では就学への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っており、子どもたちが見学に出かけ、学校の雰囲気に触れている。
2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
- 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
- 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
- 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
- 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
登園時に健康状態を確認し、降園時には子どもの様子を保護者に伝えている
登園時には受け入れを担当する保育者が子どもと挨拶を交わしながら、顔色や表情のほか、目視できる範囲内の傷・あざの有無を保護者から聴き取り、その内容は「申し送り表」に記録して職員間で共有している。受け入れ後、各担任が視診を行い、前日からの状態の変化や肌の状況を含め、子どもの様子を確認し、状況を「健康観察リスト」に記載している。視診は午後も実施し、朝の状態と異なる点があれば、同リストに色を変えて記載している。降園時には、その日の様子をできる限り一人ひとりのエピソードを添えて保護者に伝えている。
休息は子どもの体力や体調に応じて取れるよう、援助と環境づくりに努めている
休息は子どもの体力や体調に応じて取れるよう対応しており、保育室内には安心して心身を休めることのできる空間を用意している。乳児の午前寝や夕寝に対応するほか、食事中に眠気を帯びている様子が見られる時には、子どもの意思と口の中の安全を確認したうえで、寝られるよう援助している。午睡は身体を休ませる時間として採り入れており、寝つけない場合には無理強いはせず、身体を横にして休むことを伝えている。5歳児は年明けから、就学を見すえて午睡を徐々になくしてゆくとともに、子どもの希望や必要に応じて、眠れる場所も用意している。
基本的生活習慣の習得への援助は発達と意欲を踏まえて行っている
生活習慣の習得への援助は、発達の状態をもとに意欲を尊重し、家庭と連携を図りながら行うことを基本としている。排せつの自立への援助は、興味や尿意を伝える様子、排尿間隔などを踏まえて、便座に座るところから始め、成功した時には誉めることで意欲や自信を高め、感覚を身につけることができるようにしている。衣服の着脱の援助は、一緒に行って手順を伝え、徐々に援助の割合を減らし、自分で行う姿を見守り、してもらいたい心にも寄り添いながら行っている。また日々の対話やアプリ連絡帳でも、子どもの様子を保護者と共有できるよう努めている。
3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
- 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
- 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
- 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
- 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
- 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
- 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
子どもたちが遊びに集中し、集団活動に主体的に参加できるよう工夫に努めている
子どもたちが遊びに集中できるように、興味や発達を踏まえた玩具や絵本・道具を用意して遊びごとにコーナーを設け、自由に遊びを選べるようにするほか、遊び方や広がりに応じたコーナーの配置等の空間構成を工夫している。子どもたちが集団活動に主体的に関わることができるよう、導入では活動の楽しさを味わったり、遊びをイメージしたりできるようにするほか、活動の経験をもとに子どもたちの間で自然発生する、小集団での遊びの充実や広がりに向け、環境を整えたり、きっかけとなる言葉かけをしたりするなど、大人の「仕掛け」の工夫に努めている。
制作や音楽などの子どもの創造性を育むさまざまな活動を行っている
制作活動は絵の具に触れたり、紙を破ったりするなど、感触を楽しむ遊びから始めており、さまざまな素材に触れ、道具や表現技法を体験できるよう取り組んでいる。季節をテーマにしたものや自然物を使ったもの、制作や行事の際の共同制作など多彩な活動が展開している。音楽の活動として、わらべ歌や手遊び、季節の歌を通じて、多様な言葉・リズム・メロディを体験し、リトミックでは動物の形態模写などを楽しんでいる。楽器は打楽器から始め、5歳児には、鍵盤ハーモニカやハンドベルなどの音律楽器を用いた合奏を披露する機会を設けている。
「サークルタイム」や戸外活動を通じて、心身のさまざまな成長を促している
3歳以上児では、生活・遊び・行事などさまざまなことについて話し合う時間「サークルタイム」を設けている。自分の意見を話したり、職員や友達の話を聴いたりする体験を日々重ねており、子どもたちの対話の力や表現力が培われている。好天時には戸外活動を行っており、公園では追いかけっこなど、身体を存分に使った遊びを楽しむほか、草木から自然の変化を感じたり、虫の探索や自然物を収集したりするなど、健やかな身体と感性を育んでいる。戸外活動は交通ルールやマナーを学び、道行く人との挨拶を行うなど、社会性を養う機会にもなっている。
4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
- 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
- みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
- 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
「プレイデイ」では技や心身の成長を保護者に披露し、達成感や充実感が得られている
今年度の「プレイデイ(運動会)」は、テーマを「つなげよう菊川北の輪」とし、友達と協力してやり遂げ、一緒に身体を動かすことを楽しむことをねらいに定めて実施しており、4・5歳児がパラバルーンに取り組み、技を披露し、3歳以上児でリレーを行い、協力や勝負を通じて心に折り合いをつけることを体験している。また5歳児は「チャレンジ魂」として、跳び箱に一人ずつ挑戦し、跳ぶ段数は自分で決めるほか、マットや鉄棒、縄跳び、ボールつきなど、取り組みたい運動を自分で決め、皆の前で宣言して披露し、達成感や充実感がもたらされている。
日常とは異なるさまざまな体験を通じて、協調性を育み、好奇心の広がりを促している
5歳児が取り組む「夏季保育」は、「サークルタイム」で何をするのか話し合っており、今年度はバスで臨海部にある都立公園に出かけて磯で遊び、園に戻ってスイカ割りのほか、絵本を題材に設定した宝探しを協力しながら楽しんでいる。他にも3歳以上児が公共交通機関を利用し、プラネタリウム見学に出かけており、公共のルールやマナーを学ぶ機会となっているほか、知的好奇心の広がりが促されている。芋掘り遠足にも出かけており、土に触れ一緒に掘ったり、大きさを比べたりしながら収穫の喜びを体験し、帰園後には制作や食育にもつなげられている。
季節の各種の行事で多様な文化に触れ、保護者や地域と一緒に楽しむ機会も設けている
七夕などの季節の行事の際には、ペープサート(紙人形劇)等を用いて意味や由来を伝えている。七夕飾りや鬼のお面などの制作にも取り組み、歌を歌うほか、短冊に願い事を書き、ハロウィンでは自分で作った衣装を披露し、節分で豆まきごっこを楽しむなど、諸活動を関連させて行う文化体験の機会となっている。夏祭りは地域の未就園児や卒園児にも開放して行われ、子どもたちは保護者とともにゲームを楽しみ、盆踊りを踊っている。また室内の祭りの装飾には3歳以上児が制作したものを用い、おみくじは5歳児が作るなど、子どもたちの力も活かしている。
5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
- 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
- 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
保育時間が長くなる子どもたちが、健康的に過ごすことができるよう配慮している
保育時間が長くなる子どもたちが、健康的に過ごすことができるよう配慮している。休息は子どもの体力や発達に応じて取れるよう対応しており、0歳児では午前寝・夕寝に応じるほか、食事中の眠気にも、口の中の安全を確認したうえで対応している。室内にはゆっくり過ごすことができる絨毯敷きのスペースを設けるほか、天蓋を用いて天井の高さを緩和している。健康状態は視診や検温を実施して確認し、水分補給は適宜促すほか、3歳以上児では自由に飲める環境を整えている。延長保育では栄養の補給と空腹による不安の緩和を目的に補食を提供している。
長い時間を過ごす子どもたちが意欲的に過ごせるよう、保育内容に工夫を持たせている
長い保育時間を楽しく過ごせるように、集団活動と自由遊びや、戸外活動と室内活動、身体を使った動の活動と机上での静の活動など、1日の活動内容のバランスとバリエーションを考慮して、日案を立てている。夕刻以降の保育では自由に遊びを選んで過ごせるようにし、体力面への配慮として活動の強度を下げることを基本としながら、子どもの体力や精神面の状況によっては、午後の補食後にも、廊下を使い、身体を動かす遊びを楽しんだりしている。また週明けや週末の子どもの疲労や体調などの状況に応じて、活動内容は柔軟に変更している。
子どもの情緒面の不安の軽減や安全面への配慮に努めている
子どもたちの降園が続き、保護者の迎えを待つうちに寂しくなってしまうなど、情緒面に不安が見られる場合には、保育者がスキンシップを持ち、一緒に絵本を読んだり、園内を散歩したりするなど、気分転換を図って安心できるようにしている。入園直後には「慣れ保育」を実施して、徐々に保育時間を延ばし、その後の長時間保育につなげている。18時15分以降の延長保育は全年齢の合同保育になっており、安全面への配慮として、年上児に小さい子どもがいることを伝えて注意を促すほか、事故が起こらないよう、職員間の情報共有や連携に努めている。
6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
- 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
- メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
- 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
- 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
- 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
食事に意欲的に向かえるよう、楽しい雰囲気づくりや言葉かけなどの配慮に努めている
日々の食事では、保育者は食事中の子どものそばでおいしさへの共感を示したり、話に耳を傾けたりするなど、会話を楽しめるよう援助し、苦手なものがある際には、無理強いはさせず、誘いかけるようにしている。3歳以上児では配膳時に子どもと対話しながら、盛りつける量を調節し、減らした分は「おかず銀行」として、食べてみてもう少し食べたいと思った時に、再度盛りつけることができるようにしており、子どもたちにも好評の取組となっている。子どもの喫食状況は、保育者と調理担当が連携を図って共有し、調理や盛りつけの参考としている。
献立は多様な食を体験できるよう工夫され、食物アレルギー対策も講じられている
献立は2週間で1サイクルとし、ひと月に複数回同じメニューを体験できるようにしている。旬の食材を用いた和食を中心に、さまざまな調理法を採り入れるほか、味つけは味覚の基礎を育めるよう、素材の味を感じられる薄味としている。また子どもが使いやすい食具を用いるほか、落ち着いて食べられる空間を確保できるよう、食事と遊びの場所を分けるなど、環境面の工夫にも取り組んでいる。食物アレルギー対応食の提供では、保護者との献立の確認のほか、提供までの各段階での複数職員による確認、着座の位置の工夫など、誤食防止の対策を講じている。
食の基礎を育み、体験から食への意欲や関心を高める食育活動が行われている
子どもたちの将来にわたり続く食の基礎を育めるよう、2歳児までは、子どもの発達や好みをより詳しく把握した担当保育者が、愛着関係のもとで丁寧に介助や援助を行っている。トマト・キュウリ・紫蘇・バジルなどを栽培し、ピザ作りでは、3歳児は餃子の皮で、4・5歳児は生地作りから始め、それぞれトッピングも楽しみ、サツマイモをマッシャーで潰すなど、調理保育も行っている。5歳児は例年味噌作りに取り組み、大豆や味噌に関する絵本を読んで関心を高め、米麹をほぐす・豆を潰すなどの工程を体験し、調理器具を用いて豚汁を作っている。
7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
- 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
- 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
- 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
【講評】
子どもが健康や安全に関心を持ち、自ら行ったり、言葉にできるような支援に努めている
年間保健計画をもとに、手洗い・鼻のかみ方・衣服の調整・プライベートゾーンなど、看護師による時期に応じた保健指導を行っており、絵本等の教材を用いて子どもたちの理解が深まるよう工夫している。また、これらに子どもが自ら取り組めるよう、手洗いのイラストを掲示したり、お茶を準備して適宜水分補給ができる環境を整えている。日常の子どもとの対話の際には、身体の不調があれば自分から伝えられるようにしたり、ケガをした時には共感しながら、どうするかなど問いかけたりするなど、少しずつ自分の状況を言葉にできるような支援も行っている。
日頃の体験や対話を重ね、ケガの防止や安全な避難などを学び合っている
散歩の際には交通ルールやマナーなどを子どもに伝えており、警察による交通安全指導も行われている。火災・地震等の避難訓練を毎月実施し、安全に避難する方法と身の守り方などを体験から学ぶとともに、消防署の立ち合い訓練の際には話を聴いたり、練習用の消火器の訓練をしたりする経験が得られている。日常の遊びや生活の場面でケガにつながるような時には、「サークルタイム」で議題に挙げ、子どもたちが話し合い、危険の回避につなげている。そこでの子どものつぶやきや意見などはホワイトボードに書き留め、保護者に写真を配信して共有している。
医療機関との連携を図りながら、健康や保健に関する情報を保護者に発信している
子どもの既往歴や園での対応が必要な事項がある場合は、保護者を通じて専門的な指示・助言を把握するほか、嘱託医に相談できる関係を作りながら、随時及び定期健診の際に子どもに関する助言や感染症などの情報を得ている。歯科医の健診時には、事前に気になることを保護者に募り、それを確認したうえで回答するほか、歯にまつわる歯科医からの便りも保護者に配信されている。園内では感染症発生時やSIDS予防・予防接種などのお知らせを掲示するとともに、園便りでは季節ごとの感染症の予防や対策、登園前の健康観察のポイントなどを知らせている。
8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
- 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
- 保護者同士が交流できる機会を設けている
- 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
- 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
- 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
保護者の心情や各家庭の状況に寄り添い、それらに応じた支援に努めている
各家庭の状況や子育ての考え方、就労等の事情など、子どもをとりまく環境を、入園時やそれ以降のコミュニケーションを通じて把握し、必要な支援を行っている。まず傾聴することを大切にし、担任に加え園長等も声をかけ、相談しやすいような関係づくりを心がけ、保護者がどんな不安を抱えているのか、何を知りたいのかなどを汲み取り、それに応じた対応に努めている。延長保育の実施と補食の提供など、就労面の支援を行うほか、アプリを活用した連絡帳のやり取りや各便り・「ドキュメンテーション」の配信など、利便性の向上も図っている。
クラス内の子ども・保護者を知る工夫を行い、その後の自然な関わりが持たれている
新しいクラスになると、子どもの友達を知ることを目的として、賛同する保護者の協力のもとで、子どもの好きな遊びや食べ物、お気に入りの場所や本などを園内掲示で紹介し、クラス内の子ども・保護者同士の会話のきっかけとなるよう工夫している。また、クラス懇談会では、自己紹介をしたり、テーマをもとに話をしたりして、保護者同士や、職員と保護者との会話ができるようにしている。その他、お迎えのタイミングが合った時や、夏祭りや「プレイデイ」などの行事に参加した際に、顔を合わせて挨拶や会話をするなど、自然な関わりが持たれている。
日頃の子どもの生活や活動、育ちの見通しなどを保護者に知らせている
保育参観を実施しており、子どもの意識が向かないような場所から、普段の姿と、子ども同士や大人とのやり取りなどを見られるようにしている。懇談会ではクラスの年間目標、年齢ごとの子どもの発達の特徴や1年の見通しなど、資料や写真などを用いて保護者に説明している。年度や必要に応じて、クラスごとの特徴の一つである「子ども会議」や異年齢保育などについて説明をすることで、園の保育の方針や具体的な内容への理解が深まるよう努めている。また、「ドキュメンテーション」の掲示や配信など、写真と保育者のコメントによる発信も行っている。
9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
- 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
学童クラブの利用児や小学生など、少し年上の人たちとの関わりが持たれている
「卒園児訪問デー」では卒園した新1年生が来園し、昔のように朝の「サークルタイム」から保育に入り、小学校の話をしてもらったり、生活や遊びをしながら一緒に楽しめる機会となっている。近隣の系列園に力士を招いた際には、一緒に参加して相撲体験をするほか、学童クラブに通う子どもが来園し、一緒に遊ぶといった関わりも持たれている。また5歳児には、就学を見据えた「チャレンジ活動」の時間があり、学童クラブに出かけ、その場所や雰囲気を知る機会を設けており、近隣の小学校への訪問も行い、校内の探検や遊びの体験などを経験している。
地域資源や人とのつながりを活かし、子どもたちの体験の幅を広げている
日常の散歩の際に公園や商店などに出かけ、地域の方と挨拶や会話をしたり、公園等では身体を使った遊びや自然散策を楽しんでいる。プラネタリウム遠足では、3歳以上児が電車に乗って出かけ、七夕の物語を聞きながら星座や宇宙などへの関心を高めるとともに、公共のルールやマナーを学ぶ機会となっている。また芋掘り遠足に出かけて、土に触れながら収穫するといった体験もなされている。その他、「プレイデイ」や夏祭り、移動水族館などでは、地域の方を園に招いており、ともに楽しいひと時を過ごしている。
【講評】
個人情報の取り扱いや、援助の際の子どものプライバシーや羞恥心への配慮に努めている
子どもの情報を外部に提供する必要が生じた場合には、そのつど保護者に確認を取っている。子どものプライバシーの保護や羞恥心の芽生えへの配慮に努めており、おむつ替えは他からの視線を遮って行うほか、園庭で行う水遊びの際には、目隠しを施している。着替えの援助の際には、上下を順に行うようにしており、自分で着替えられる子どもにもその旨を伝えている。またこれらの援助の際には、子どもの意思を確認し、許可を得たうえで行うことを基本とするとともに、子どもたちが着替えを行っている場合には、見学者等の入室を制限する配慮も行っている。
子ども一人ひとりの思いや個性を受容し、保護者への支援も意識した関わりに努めている
子ども一人ひとりが「その子らしく、伸びていく。」ことを大切にし、それぞれの思いや個性を受けとめた支援に努めている。新年度会議では「保育の考え方」をもとに、排せつ・着脱・食事等のポイントやねらいなど、年齢別に大切にすることについて、職員間で目線合わせをするほか、その後の会議でも職員間の連携や行動の意味、子どもへの言葉かけなど、折々のタイミングで認識を共有している。また、事例を踏まえたグループごとの考察を行ったり、子どもだけでなく、保護者への支援も意識しながら最適な方法を検討するなど、個別の支援に努めている。
虐待防止や育児困難家庭への支援に向け、見守りと必要の際の対応の仕組みを整えている
年度当初には園内分掌をもとに虐待の見守りと対応のフローを確認するほか、毎年「ベネッセスタイルケア宣言研修」にて、業界内の他県の事例の記事なども踏まえ、職員による虐待の防止の徹底を図っている。「安全衛生基準」には、家庭での虐待の早期発見に必要な知見が記されており、これを事務室内に常備し、万が一の対応に備えている。育児困難家庭への支援について、関係機関と連携を図りながら対応するほか、りーダー層で相談したり、他の職員にも情報共有をしたりして、園全体での見守りやフォローなどを行う仕組みを整えている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
- 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
- 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
- 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
系列園共通及び園の業務の参考となる手引書類を整備し、会議等での確認を行っている
系列園共通の手引きとして、「ベネッセの保育の考え方」「安全衛生基準」「給食の考え方」「保育のパターン・ランゲージ」などを整えており、保育実践における基本的な考え方や、安全・衛生管理などに関する標準的な手順や業務遂行の流れなど、具体的な内容をまとめている。これを日常の手引きとして運用し、再認識や周知が必要な内容があれば、会議にて職員と確認している。また「園内分掌」に、書類の提出期限や記入方法、当番業務や職員の遵守事項のほか、安全・衛生管理や虐待対応などの基準や考え方をまとめ、年度当初の会議で確認している。
各種の手引きやサービス内容などを見直し、最適化に努めている
各種の手引きについては行政の方針や通知、各園の意見等を踏まえ、本社が改訂を行う仕組みとなっており、更新された内容は、適宜、各園への共有と、会議等での職員への周知がなされている。前述の園内分掌等の園で運用する手引きも毎年見直し、職員間で内容の確認を行っている。また毎年のCS・ESの各アンケートや、運営委員会及び行事で寄せられる保護者の声などを踏まえ、改善の検討に役立てるほか、各職員の提案や、分野別のチーム活動での話し合いなども行い、地域向けの活動や保護者支援、安全対策など、さまざまな取組につなげている。
運営上必要となる知識や技術などを不断に高め、業務水準の維持・向上を図っている
各種の業務が確実に実行されるよう、清掃や散歩、SIDS対策や健康観察、安全確認(施設内)などのリストを作成しており、これらを活用して実施漏れを防止し、業務水準を担保している。園内研修や会議では、リスクに対する職員の意識を高めるため、事例をもとにした検討会を行ったり、水遊び・プール遊びや食物アレルギー食の提供、散歩時のルールなどの対応手順や考え方の周知を図っている。保育実践に必要なわらべ歌の技術習得、子どもの育ちや心の動きなどを可視化する「ドキュメンテーション」などの学びも深めている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2024年6月1日~2025年1月27日
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【講評】
園・法人の保育や子どもに寄せる思いを、保護者や職員に浸透させるべく努めている
ブランドメッセージ「その子らしく、伸びていく。」や保育理念「よりよく生きる力=Benesse」の基礎を育てる」、目指す子ども像を示す保育目標や、これらの具現化に向けた保育の方針が、来園者を迎える玄関に掲示されている。保護者にはこれらを、見学・入園時に説明するほか、園長が懇談会や行事の際の挨拶や、毎月の園便り「きらり」につづるコラム等でも、これらの園や法人が保育や子どもの育ちに寄せる思いを伝えている。職員には入職時及びその後の園・本社の研修や、園内の会議での話し合いなどを通じ、周知と折々の確認が促されている。
園の年度と今後数年の方向性を組織全体で共有し、諸事子どもを中心に運営を考えている
4月の園内研修では、手引書「ベネッセの保育の考え方」をもとに、保育において全園共通に大切にするものを確認している。また今後3か年の園の「目指す姿」を示す3ヵ年計画と、その実現のための年度の重点テーマ等を定める「運営計画」を、園長が年度開始時に職員に説明し、各常勤者の成長目標にも反映させ、園の課題解決と人材育成における方向性を組織として共有できるようにしている。各職員が専門職者として、常に子どもを「真ん中」に置きながら発想し、保護者や地域とも協働しながら育ちを支援してゆくことを、運営全般の基本方針としている。
意思決定と業務全般に関する各会議を設け、必要な事柄が職員・保護者に周知されている
園運営における各種案件は、毎週の「連絡会議」や、そのうち原則第1週に出席可能な常勤者が集う職員会議、随時行うリーダー間の会議により、案件に応じて検討・決定し、不参加者には議事録や組織内SNS等を通じ、必要な情報を周知させている。またこれらの場では、本社が発信する系列園共通の施策・方針の共有も随時なされ、他に安全面全般に関する「リスクマネジメント会議」、保育や保護者・地域支援、食事・食育、安全衛生の各分野のチーム活動に関する会議も持たれている。保護者には主にアプリでの配信により、各種の重要事項を伝えている。