評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

学校法人東京大谷学園

【事業所名称】

東京大谷幼稚園

【サービス種別】

認定こども園

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)【多様性の尊重と承認】・子どもの多様性を尊重し、ひとり一人の子どもの“ありのまま”を寛容に受け止める。
2)【自分を表現する力】・受け止めてくれる人がいるから気持ちを溢れ出す。
3)【チャレンジする力】・できることを一人でやる。できないことはやってみる。
4)【相手を思いやる力】・優しさは優しさが育てる。
5)【自分の考えを持つ力】・遠回りしても良いんじゃない?自分が輝くゴールを目指すんだ!

職員に求めている人材像や役割

・子どもの多様性を理解し尊重できること。また、ありのままの子どもを受け止めることができる寛容さを持っていること。園で起こる問題や課題に対して当事者意識をもって関り、チームでより良い教育環境をつくっていくことに尽力できる人材を求めている・

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・どのようなことにも当事者意識をもって関り、多様な子どもたちを前に真摯に向き合う姿勢をもって、試行錯誤できる教師であってほしい。

全体の評価講評

特によいと思う点

園が目指す教育・保育の基本理念が明確であり、実現に向けた協働体制が定着している。「多様性の尊重と承認」がその指針であり、「子どもの多様性を尊重し、一人ひとりの子どもの「ありのまま」を寛容に受け止める」ことである。日常の活動を通し子どもたちは「自分を表現する力」、「チャレンジする力」、「相手を思いやる力」、「自分の考えを持つ力」の4つの非認知能力を育み、一人ひとりが抱く楽しさを子ども同士で共有し合う姿が見られている。子どもたちには、「みんな違ってみんないい」と、互いの違いを認め合い、受け止める心が育っている。

園は、子どもたち自身が主体となり、楽しさを工夫するための環境づくりをしている。室内遊びでは、コーナーごとに遊び道具を設定し、子どもたち自身が好きなものを選択し遊びに集中できるように環境設定をしている。また、園庭においてもコーナーが自然にできる環境であり、異年齢の子ども同士がつながりをもちながら遊びを楽しめる工夫をしている。園長をはじめ保育者全員が本気で子どもたちと楽しみを共有する園生活の中には、ともに笑顔が絶えることがない。子どもたちは互いに信頼感を深めながら、「自己理解と他者理解」の力を培っている。

子どもたちが自分の好きなこと、得意なことを活かしながら遊び込める園庭環境を整えることを大切にしている。裸足で遊んでも怪我をしないために園庭の小石を毎朝拾い集め、常に安心して思い切り遊べるように注意を払っている。園庭環境では、子どもたちの遊びも多様で、学年やクラスの枠を超えて子ども同士が繋がりを持って遊びを楽しむ様子が見られている。裸足で捉える地面の感触や刺激が幼児期に大切であるとしている。足裏に良い刺激が入ることで、小脳の働きが活性化し、正しい体の使い方や姿勢を正しくした、健康な身体作りを目指している。

さらなる改善が望まれる点

園は、自然災害(地震・台風)への備えとして「災害発生時対応マニュアル」を作成し、園長をトップとした体制及び、職員一人ひとりの役割の明確化を図っている。地震に係る避難訓練については、教室内での保育時間帯に限定せず登園時も想定するなど、実際に即した内容となっている。大規模地震を想定した事業継続計画については、策定の目的として「園児・職員・家族の生命を守ること、地域の安全への貢献、事業の早期再開により園児への影響を極力減らすこと」を掲げている。今後は、本計画の実効性を高めるため想定訓練などの実施が期待される。

職員の育成については、事業計画書に方針と方法を明示し取り組んでいる。園と職員の将来展望の共有に不可欠な、「キャリアパス」については、人事考課表をもって、役職ごとに求められる「情意・行動・技術・役割」を明確にし周知を図っている。育成に資する方法の一つとしての研修は、計画的に進められている。今後は、「人材マネジメント」の観点から、「目標設定」と「その達成度に対するフィードバック」時には、それぞれ面談を行うことなどが期待される。併せて、「育成方針と方法、取り組みと結果」の連続性を明確にする書面の作成も期待される。

本園は、職員の平均在職年数が長く、豊富な経験に基づく知識の共有化が図られている。また、朝礼、終礼を通じ連絡、相談もし易い環境がある。日常の主たる業務手順等は、業務マニュアルとしてまとめ、全職員に配付している。保育者としてあるべき身だしなみや日常業務などのほか、書類関係や年間行事など多岐にわたるものである。しかし、このほかにも衛生・危機管理関連のマニュアル6種類のほか、併せて12種類のマニュアルがあり、その内の一部は業務マニュアルと重複するものもある。業務のスキルアップを一層進めるための見直しが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

個々の子どもに合わせた指導を行うために、職員全体で子どもを丁寧に観察し、一人ひとりの発達状況や特性、子どもが抱く興味、関心など全体の姿の周知、理解を図っている。園長は、職員に対し、子ども理解をさらに深めていくための保育者自身の「自己理解」の重要性を伝えている。このことが、子ども同士の相互の認め合いにもつながっている。子どもが常に「みんなと一緒であることに固執せず」、一人ひとりの「楽しさを共有できる」ことを大切に考えている。こうして築かれた、子ども一人ひとりが互いに尊重し合う園の風土づくりに力を入れている。

園は、子どもの健康な心と体を育む4つの力の1つに、「自分の考えを持つ力を育みます」と挙げて、子どもが自分で選択し、判断する力を積み重ねていくことを大切にしている。室内遊びでは、コーナー毎に遊び道具を設定し、子どもが好きなものを自ら選択しながら遊ぶことができるように環境設定をしている。保育者は、子どもの遊びの状況を観察し、子どもが主体的に興味や関心を持って、本気で遊び込む事で工夫する力を育て、明日も続きを楽しみたいと継続性を育む体験ができるために夢中になって遊べる環境づくりに取り組んでいる。

安心安全な手作りの自園給食で子どもたちはみんなと同じメニューを食べ、苦手であった食材も少しずつ口にできるようになっている。「残さず食べる」ではなく、「食を楽しい雰囲気の中でみんなで味わう」食環境が子どもたちに良い影響を与えている。食育活動でも、米作りを土づくりから始め、収穫後は干して脱穀し、おにぎりにして食べることにしている。中途半端ではなく、最初から最後まで子どもたちに体験させ、作り手の苦労を実感させている。年齢によって食材に触らせたり、味噌づくりを体験させたりして、食に関心が持てるように取り組んでいる。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:2024年9月11日現在の施設の利用者(保護者) 143世帯(利用者総数 149名)を対象とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    WEBアンケート。施設にて担任が保護者に手渡しする形で案内状を配付。保護者任意のデバイスにてアンケートに回答。
  • 有効回答者数/利用者家族総数:104/143(回答率 72.7% )

総合満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、(99%、103人)となっている。

●各設問のうち、「はい」の比率が高かった上位は、以下の項目であった。
問12.お子さんがけがをしたり、体調が悪くなったときの、職員の対応は信頼できますか
問14.あなたは、職員がお子さんの気持ちを大切にしながら対応してくれていると思いますか
(各々 99%、103人)
問2.園での活動は、お子さんの教育や心身の発達に役立っていると思いますか
問3.園での活動は、お子さんが興味や関心を持って行えるものになっていると思いますか
問11.あなたは、職員の言葉遣いや態度、服装などが適切だと思いますか
(他、問15 各々 98%、102人)

アンケート結果

1.運動や休息の配分は、子どもの発達の状態や在園時間に応じて工夫されているか

はい 91名 (88%)
どちらともいえない 10名 (10%)
いいえ 3名 (3%)

帰ってきてもグズることなく、夜も布団に入ればすんなり寝てくれるので、丁度いいと思います。 子ども主体で、それぞれの子どもが好きなことを見つけ存分に遊び込める環境を準備してくださっています。 工作する時間があったりするので良いアイデアが芽生えて良い。 などの意見があった。

2.園での活動は、子どもの教育や心身の発達に役立っているか

はい 102名 (98%)
どちらともいえない 2名 (2%)

色々チャレンジさせてくれるし、園で新たに覚えてくることもあって助かっています。 園で過ごす全ての時間が子どもの成長にとっていい影響を与えていると思う。先生方のあたたかいかかわりを常に感じている。 にじいろキッズプログラムがとても魅力的です。先生方の普段の対応も温かく子どもが優しくなったと感じます。 などの意見があった。

3.園での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか

はい 102名 (98%)
どちらともいえない 2名 (2%)

子が個人的に興味を示さない活動に関しても、先生方が工夫来て声掛けをしてくださり、取り組めるようにしてくれている。 いつも先生方がワクワクを提供してくれるので特に運動会などの行事前は楽しそうに通っています。 特に運動会でストーリー仕立てになっているのが楽しいようで「今日はお手紙が届いたよ」と楽しそうに話してます。 などの意見があった。

4.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか

はい 98名 (94%)
どちらともいえない 6名 (6%)

子どもに必要な栄養をたっぷり摂り入れ、もっとこうしたら食べやすくなるのでは?と考えて提供してくださってます。 とても美味しい給食で、我が子は苦手なものでも完食してきてしまいます。 幼稚園の美味しい給食のおかげで、偏食の我が子が野菜を食べられるようになった。大変感謝している。 様々な食材を使い、季節の行事なども取り入れたり、食べやすいように小さく切るなど、忙しい中で手をかけて頂きありがたいです。 などの意見があった。

5.園の生活の中で、身近な自然や社会と十分関わっているか

はい 97名 (93%)
どちらともいえない 7名 (7%)

特に年長さんになり、探検やプラネタリウム鑑賞、郵便ポストへ出しに行ったりと、様々な体験が出来ていると感じます。 泥遊び、裸足で過ごせる園庭、のびのびできる環境と先生方の配慮があると思う。 もっと増えてもいいと思っていますが、とても先生方、工夫して行事を提供してくださっていると思います。 などの意見があった。

6.保育時間の変更が急きょ必要になった場合、開園時間内において、園の可能な限り、柔軟に対応されていると思うか

はい 95名 (91%)
どちらともいえない 9名 (9%)

電話で対応していただけてると思っています。 疾病の時に先生たちにはとてもお世話になりました。 仕事や兄弟の体調、用事などで急に送迎時間を変更しても、快く対応してくださいます。 などの意見があった。

7.安全対策が十分取られていると思うか

はい 89名 (86%)
どちらともいえない 14名 (13%)
いいえ 1名 (1%)

今現在、防災訓練等が十分に行われていると感じていて、不足を感じていない。 といった意見があった。

8.園の活動に保護者が参加しやすいよう、工夫されているか

はい 84名 (81%)
どちらともいえない 20名 (19%)

土日開催でありがたいです。 といった意見があった。

9.子どもの教育・保育について家庭と園に信頼関係があるか

はい 101名 (97%)
どちらともいえない 3名 (3%)

バス通園のため、中々お会いできないですが、園送迎日には、担任の先生や他の先生方がいつもお声掛けしてくださり、お話しできるので、子供の様子が分かり安心しています。 とても親身になって話を聞いてくださいます。 ふと思いついたときに気軽に話せて、頻繁に相談してしまいます。 クラス担任だけでなくどの先生にでも相談できます。 などの意見があった。

10.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 91名 (88%)
どちらともいえない 12名 (12%)
いいえ 1名 (1%)

先生方が、朝と降園時間等にお掃除していただいているので、いつも綺麗だと感じます。 古いので大々的なメンテナンスができるとより良いです。 などの意見があった。

11.職員の接遇・態度は適切か

はい 102名 (98%)
どちらともいえない 2名 (2%)

いつも笑顔でポジティブな雰囲気で接してくださっている。 いつも明るくにこやかに接していただけます。 先生たちはみなさん子どもに寄り添って子どもがわかりやすいように声掛けしてくれくださるのですごいなと尊敬しています。 などの意見があった。

12.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 103名 (99%)
どちらともいえない 1名 (1%)

状況を詳しく教えてくださるので、いつも助かっています。 いつもと変わった事があった時は、 必ずお電話を下さいます。 すぐ冷やしたりしてくれます。 などの意見があった。

13.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 91名 (88%)
どちらともいえない 13名 (13%)

まだ年少さんなので、子供同士のトラブルは経験ありません。 子どもたちの成長のためにあえてすぐ介入せず見守るなど、その時の子どもたちに必要な対応をしてもらえていると感じます。 まだ大きなトラブルなく過ごせている。 などの意見があった。

14.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか

はい 103名 (99%)
どちらともいえない 1名 (1%)

発達に偏りがある我が子だが、今まで一度も否定的な事を言われたり悲しい気持ちになる事を言われた事がなく、「こういう面があるから、こうしようと思います」と、子の気持ちを大切にする支援をその都度提案してくださる。 とても細やかに子供が嫌がることは楽しめるようにと気持ちを大事に参加を促してくれるのはありがたいです。 大変、素晴らしいです。 どんな時も、気持ちを大切に接して下さいます。 などの意見があった。

15.子どもと保護者のプライバシーは守られているか

はい 102名 (98%)
どちらともいえない 2名 (2%)

特記すべき意見なし。

16.教育・保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 101名 (97%)
どちらともいえない 3名 (3%)

先生方に専門的な知識があり、それを実践してくれていることがよく分かるし、説明もいつも丁寧だと思う。 わかりにくい所も少々ありますが聞けば解決するし受け入れられます。 毎月、頂く案内や、活動などを 分かりやすくイラストや文字にして 配布してくださいます。毎日の様子を、 インスタグラムでも見られて、幼稚園の 子供の様子が知れて助かります。 などの意見があった。

17.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 99名 (95%)
どちらともいえない 5名 (5%)

特に要望したことがないです。 といった意見があった。

18.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 62名 (60%)
どちらともいえない 35名 (34%)
いいえ 7名 (7%)

機会がなかったため質問したことがない。 そこまで困ったトラブルになったことはありません。 第三者が必要な状況になっていないため、経験がない。 などの意見があった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
園は非認知能力プログラムを作成し、子どもの「問題解決能力」の育成を目指している

園は「多様性の尊重と承認」を理念とし、その実現に向け「にじいろキッズプログラム(非認知能力プログラム)」を作成した。このプログラムでは、困難を乗り越えようとする力である「問題解決能力」の育成を目指し、各年齢において非認知能力が養われる環境を計画的に作っている。職員が協働して完成したものであることから、十分な理解のもと保育活動は展開されている。園長は、保護者会での説明や園だよりのコメントにより、詳細を説明している。入園を検討している保護者へは、ホームページを通し周知が進み、理解と共感を得ている。

園長は理念に掲げる「多様性の尊重と承認」を大切にし、職員個々と向き合っている

園長は、理念である「多様性の尊重と承認」については、子どもに対してだけではなく、職員に対するものでもあると捉え、「にじいろキッズプログラム」に掲げる「好奇心・本気で楽しむ・夢中になれる」を大切にし向き合っている。「早期発達支援士」や「発達支援ファシリテーター」の資格を取得し、自ら講師として、「子どもの発達、発達支援」などの理解を深めるための園内研修を実施している。このことは、理念の更なる浸透に注力している証左である。次年度に向けた運営体制については、3月に周知するとともに、職員個々へも役割を説明している。

計画については、原案作成から決定までのプロセスが明確化され定着をしている

理事会の承認案件については、事務長がとりまとめ、理事である園長が説明を行い承認を得ている。園で完結する案件については、例えば行事であれば、担当者が前年の実施内容などを確認し、原案の作成と職員への回覧を行う。その後、意見の受付と必要な修正を行い、副園長・主任の確認を経て、最終的に園長が決定をしている。原則的には他の案件であっても、このプロセスを踏んでいる。決定の内容などについては、終礼における説明と、終礼ノートへの記載により周知を図っている。保護者に対しては、内容を記した手紙を連絡アプリにて発信している。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
保護者の意向については、「保護者ノート」への記載を確認するなど把握に努めている

保護者の意向については、各自が用意したメモ帳サイズの「保護者ノート」への記載を日常的に確認し、ニーズ把握を行っている。バス通園児は約80%に上がることもあり、このノートは有効に活用されている。保護者役員会では、園と良好なコミュニケーションが交わされており、広く保護者の意向を聞き取ることができる場となっている。アンケートについては、行事の見直しを検討する際などに実施し、ニーズの把握に努めている。職員の意向は、面談などにおいて聞き取り、特に職場環境に関する声を大切にし、改善に向けた検討を図っている。

中期計画の方向性に沿った詳細については、職員と共に決定していくこととしている

現在の中期計画については、期間を2024年~2027年までの4か年とし策定をしている。将来に向けた、「園づくり、環境整備、人材の確保・育成」などに加え、昨今の状況を踏まえ、「情報発信の強化」を掲げている。本計画については、トップダウンにより策定されているが、職員には十分な周知が図られており、この方向性に基づく詳細は職員とともに決定することとしている。職員との計画内容の更なる共有化と検討に向けては、計画の各項目を「取り組み内容とその予定年度」の一覧表にまとめるなど、「将来展望」の可視化が期待される。

事業計画書の各項目に対する振り返り結果を、事業報告書に記録化することが期待される

取り組みについては、教育理念を共有し方向性を確認しながら推進している。園長は、到達目標や達成度合いを随時口頭で職員に伝え、一人ひとりが状況を把握できるよう努めている。進捗状況の確認は学期ごとに行っている。行事については、保護者の感想なども参考にし、振り返りの時を持っている。12月には一年間の総括を行い、新年度計画の策定に活かしている。今後は、「事業計画書」記載の各項目に対する振り返り結果を「事業報告書」に落とし込み記録化することが、マネジメントサイクルの明確化および継続的運営に寄与することとして期待される。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
「にじいろキッズプログラム」の作成を通し、子どもの尊厳に対する理解が更に深まった

「にじいろキッズプログラム」は、理念である「多様性の尊重と承認」の実現を目指したものであり、職員が協働し作成に当たったことは、子どもの尊厳に対する理解をさらに深めることにつながっている。人事考課表には、「倫理観・道徳性」を評価項目として設け、面談において理解と実践状況の確認を行っている。園長は、他園における不適切な保育などの報道に際し、その都度注意喚起に努めている。今後は、職員が自己の言動を客観的に振り返るために、業界団体作成の「自己チェックリスト」の活用とその結果のフィーバックや研修などが期待される。

保護者からの意向については、配慮する姿勢をもって対応することを周知徹底している

保護者からの意見・要望・苦情については、マニュアルにおいて保護者の意向に配慮する姿勢をもって対応することとし、「受付、報告、対処方法の決定、回答、共有、内容の公表(必要に応じて)」のフローを作成し、周知を図っている。保護者に対しては、「重要事項説明書」と年度初めの「園だより」により、受付体制などの周知を行っている。現在、園長が受付担当者と解決責任者を兼ねているが、内部牽制と保護者への配慮の観点から、それぞれを選任することが望ましい。不適切保育・虐待防止に向けては、内部研修の実施などの取り組みが期待される。

園は小中学校への協力などを通じて、地域の社会資源としての役割を果たしている

園は透明性の確保として、ホームページやSNSを用い活動内容などの情報発信に努めている。今回の第三者評価の結果については、ホームページにおける公表に加え、保護者へは「園だより」により伝えることとしている。小学生の授業(町の仕事を調べる探索)での来園に際しては、幼稚園の仕事について職員が説明を行った。中学生の職場体験は積極的に受け入れている。地域の未就園児が利用できる「子育て広場、園庭開放」については定期的に実施し、育児相談も受け付けている。これらの取り組みを通して、地域の社会資源としての役割を果たしている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事業継続計画については、想定訓練の実施により実効性を高めることが期待される

園は、地震・台風などの自然災害を高リスクとして捉え、「災害発生時対応マニュアル」を策定し、防火管理者としての園長をトップとした体制と、職員の氏名を明記した役割を一覧表にまとめ明示している。地震に係る避難訓練については、教室内での保育時間帯に限定せず、登園時も想定し行っている。火災訓練についても、同様に実施している。大規模地震を想定した事業継続計画については、策定の目的の一つとして「事業の早期再開により園児への影響を極力減らすこと」を掲げている。今後は、本計画の実効性を高めるための想定訓練の実施が期待される。

事故・ヒヤリハットについては再発防止に向け、事例の検討・共有を徹底している

事故・ヒヤリハットが発生した際には、園長は報告書の提出を受け、事例ごとに「根本的な対策や検討の必要性」などを判断している。再発防止に向けた注意喚起と共有は、終礼にて行われている。園舎・園庭・備品などについては、日常的な見回りを徹底し危険性のチェックに努めている。園バス内には、「置き去り防止装置」を取り付けるとともに、職員による降車時の人数チェックなどを周知徹底し、ハードとソフトの両面から置き去り事故防止の徹底を図っている。不審者対策については、マニュアルを策定しているが、具体的な訓練は未実施である。

規程・マニュアルにより、「知りえた情報」の適切な取り扱いや管理に努めている

個人情報については、個人情報保護規程を策定し「取得・利用」などを定めている。プライバシー保護マニュアルには、事務作業や外部との連絡など具体的な場面や状況ごとの注意点を例示し、プライバシーにも十分配慮し「守秘義務」の周知徹底を図っている。年度初めには、情報の適切な取り扱いと管理について確認を行っている。子どもの写真については、アンケートにより利用範囲を確認し、特にSNSの利用にあたっては、その都度同意を得ている。取得した情報については、電子媒体・紙媒体ともにセキュリティ対策を講じ、適切な管理を図っている。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
園の離職率は低く推移しており、常勤職員の確保については現在特に苦慮はしていない

園の離職率は低く推移しており、幼稚園教諭・保育士の有効求人倍率は高い中ではあるが、実習生が採用につながることもあり、常勤職員の確保については、特に苦慮はしていない。求人活動では、ホームページにおいて専用のページを設け、「教育理念、働きやすい職場環境」をアピールしている。無料通信アプリは、就職希望の学生に向けて有効活用している。非常勤職員の採用については、その働きを実際に担っている非常勤職員の紹介によるところが多い。異動については、面談などにより職員の意向を聞き取り、園が適材適所の観点から行っている。

職員育成にあたっては、定期の面談と取り組みなどの記録としての書面作成が期待される

事業計画において、「低年齢児に専門で関わる職員・年長児を担任できる職員・学年プロフェッショナル・サポートプロフェッショナル」の育成を進めるとし、その方法などを明示している。人事考課表においては、役職ごとに評価項目を変え、園が求めるそれぞれの役割の明確化を図っている。職員は自己評価を行い、それに基づく面談により、「評価の結果」の確認と「次期の目標の設定」を行っている。その際、必要なキャリアアップ研修についても確認をしている。今後は、「目標・取り組み・結果」の連続性を書面で明確にし、育成を図ることが期待される。

経験豊富な職員の各学年への配置は、職員同士が支え合う職場風土の醸成に寄与している

職員の自己実現に密接な関係のある「キャリアアップ」については、外部研修の受講費用・交通費を園で負担し、出勤扱いとしている。勤務体制の調整等も行い、職場に負担が生じないようにも努めている。職員が「互いの得て不得手」を理解し補い合う風土は、働きやすい職場環境を作り出している。経験豊富な職員の各学年への配置は、不安や悩みを抱え込まずに支え合う、チームづくりの一助ともなっている。園長は、保育日誌から職員一人ひとりの良い点を拾い上げ、週に一回は具体的な「誉める言葉」を書き記し、職員の意欲向上を図っている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

従来より、職員と保護者間で共有が進み始めた「多様性の尊重と承認」というマインドを、見える形で教育活動に落とし込んでいき、地域にも本園の特色として認知される教育活動を作るとの目標を掲げていた。そのことから、具体的なプログラムの作成を行うこととし、プログラム名は「にじいろキッズプログラム(非認知能力プログラム)」とした。
取り組みは、①各学年で取り組んだ教育活動を振り返り、それぞれ学年で養っていきたい「非認知能力」を抽出した。②パンフレット制作を通し、職員・保護者と新たな本プログラムへの意識共有を図った。③本園の特長的な活動のPRとなる本プログラムを核に据え新しいホームページを作成した。
結果として、①各学年で養っていきたい非認知能力を設定したことにより、活動のねらいが明確となった。加えて、目標の実現に向けた教育環境の設定等について、職員間のコミュニケーションが深まった。②保護者とは、作成段階から本プログラムの情報を共有していたので、高い評価を得ることができた。今後は、本ブロググラムは完成したものではなく、さらに作り上げていくものとの意識を持ち、活動内容をSNSなどで発信し、認知力を高めたいと考えている。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

【課題・目標】 従来から、「多様性の尊重と承認」というマインドを教育活動に落とし込んでいき、それが地域に本園の特色として認知されることが目標であり、その実現に向けたプログラムの作成を課題に設定した。目標に向け課題は適切に抽出されている。
【取り組み・結果】 ①職員が協働し「にじいろキッズプログラム(非認知能力プログラム)」作成した。②パンフレット制作によって、職員・保護者間での意識共有を図った。③本園のPRとして、本プログラムを核に据えた新しいホームページを作成した。
その結果、①学年ごとに養っていきたい非認知能力の設定は、活動のねらいの明確化につながり、目標などに関し職員間のコミュニケーションが深まった。②保護者とは、作成段階から情報を共有したこともあり、高い評価を得ることができた。
以上、取り組みは課題に対し具体的であり、目標を適切に目指すものである。
【振り返り・今後の方向性】 本ブロググラムは、完成したものと捉えることなく、さらに作り上げていくとの意識を持っている。本プログラムが本園の特色として認知を得るには、時間を要すると認識しているが、SNSなどで発信し、認知力を高めていきたいと考えている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

園が位置する地域においては、低年齢の子どもに対する保育ニーズがあり、それに応えることを目指し、「プレ保育」の体制の見直しと「満3歳児クラス」の創設を検討していくこととした。「プレ保育」の充実と「満3歳児クラス」の創設は、喫緊の課題である。取り組みとして、教室の確定と職員体制を整備し、隔週で実施していた「プレ保育」の回数を増やした。「子育て広場」と「園庭開放」を月一回実施した。それにより、各家庭の保育ニーズに応えることができた。加えて、地域に住む子育て世代の家庭の「つながり」を生む機会の提供ともなった。次年度に向けては、地域の保護者の「保育ニーズ」に応えることを目指した、「プレ保育」の実施回数をさらに増やすことと、「満3歳児クラス」の創設については、具体的な検討を進め、実現に向けた準備を始めることができた。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

【課題・目標】 地域における、低年齢の子どもに対する保育ニーズを的確に把握し、それに応えることを目指し、「プレ保育」の体制の見直しと「満3歳児クラス」の創設を重要課題とした。 
【取り組み・結果】 具体的な 取り組みは、体制・保育環境を整備し、「プレ保育」の実施回数を増やし、「子育て広場」と「園庭開放」を定期実施した。結果として、各家庭の保育ニーズに応えることができ、目標に向けた取り組みが進んだ。副次的には、地域に住む子育て世代の家庭の「つながり」を生む機会の提供ともなり、地域に貢献することができた。
【振り返り・今後の方向性】 地域の保護者の「保育ニーズ」が取り組みを通し確認できた。それに応えるための「プレ保育」の更なる実施回数増と「満3歳児クラス」の創設については、次年度に向け具体的な検討に入ることができ、実現に向けた準備を始める段階に至った。低年齢児に専門で関わる職員の育成は、中期的な課題としている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
市発行の情報誌や園のHP、SNS等を通じ情報が希望者に届きやすい工夫がされている

園が所在する市では、地域の子育て支援拠点だよりとしての情報誌を隔月で発行し、公民館や児童館などに設置している。これは、未就園児保護者が園の情報を得る媒体の一つとなっている。園が発行する紙媒体「入園のごあんない」の表紙には、園のホームページおよびソーシャルメディア上で公開している情報を閲覧するための二次元バーコードを載せている。保護者は各自のスマホを用いて、さらに詳しく知りたい園の情報を直ちに閲覧することができるための工夫をしている。

園の教育内容を分かりやすく記す入園案内が未就園児保護者の有効な情報源とされている

「入園のごあんない」には、園が取り組む「健康な心と体を育む4つの力」と、それを実践するために設定した園の環境が記されている。具体的事例に基づく説明に写真を添え、理解しやすい。また、入園希望者が知りたいクラス数や職員数、保育時間や預かり保育、給食などについては、Q&A形式にして、さらに分かりやすく工夫されている。子どもの一日の園生活の流れと代表的年間行事を楽しむ子どもたちの姿をスナップ写真で紹介している。一人ひとりが自分で表現し、相手を思いやり、チャレンジし、自分の考えを持つ、4つの力を育む姿が示されている。

HP上の問合せや園見学用の申込みフォームにより利用希望者の利便性が高められている

園が実践しているプログラム「にじいろキッズ」とは、「自分を信じ、周りの力を信頼し、様々なことに挑戦できる」問題解決能力の育成である。「多様性の尊重と承認」を基本理念とし、子どもたちが通園する玄関には、「それぞれ得意なこと、苦手のことがあるけれど、『みんな違ってみんないい』」と掲示している。園に対する問合せや見学には随時対応しているが、ホームページ上に設けた申込みフォームで気軽に申請することができる。また、SNS上には「プレ保育」向け説明会の案内も載せ、二次元バーコードで申込みできるようにしている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入園時の「プロフィールシート」が園と家庭との保育の「つながり」に役立てられている

入園時の保護者から、園における子ども一人ひとりへの適切な指導や支援に必要となる「生活調査票」の提出を求めている。家族構成や保護者の就労状況など、子どもの家庭状況を把握するためのものである。園ではこれに加えて、「お子さんの素敵なところを教えてください」と書き添えた「プロフィールシート」の提出を依頼している。子どもの好きなこと・苦手なことや子どもに対する家族の夢と願いを家庭と園とで理解し合える「つながり」が、子どもの園生活には最も大切なことであるとの考えに基づくものである。

子どもの安心な園生活には日々交換する連絡ノート(保護者ノート)が役立てられている

親元から離れ、初めて新しい環境の中での生活を始める子どもたちにとって、園生活には不安が伴う。日々の生活の中で保育者は、子どもたち一人ひとりとの愛着関係を最重視している。子どもの園での過ごし方や家庭での様子や変化などについての情報交換を密に図るために、連絡ノート(保護者ノート)を活用している。園指定の形式を設けず、ノートの種類や記載方法など、いずれも保護者の考えに基づくものとしている。ノートに記載できないような内容などについては、必要に応じて電話や面談の機会を設けている。

年長児と小学校1年生との楽しい交流会が、卒園や進学への不安軽減に役立てられている

卒園後の子どもたちのスムーズな進学に向けて、年長児を対象にした近隣小学校との交流の機会を設けている。子どもたちが訪問し、1年生の児童との楽しい遊びを通じて小学校の環境や雰囲気を感じることができる交流会は、期待に伴う不安を払拭することに役立てられている。年度末には小学校教員が来園し、卒園後の子どもの支援のために「聞き取り」も行われている。進級時および家庭の事情による退園時の保護者が抱く不安に関しては、担任が丁寧に耳を傾け、必要に応じて面談の場を設けるなどの対応を行い軽減に努めている。

1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  • サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、子どもの指導・援助に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  • サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
教育課程に基づいて年間、月間、週の指導計画を作成している

園の教育課程は、1年を3期に分け、年間目標や養護・教育のねらいを記載している。また、教育・保育の内容を養護と教育(5領域)に分けて明記している。これを踏まえ、年齢ごとに年間・月間・週の指導計画を作成し、さらに保育内容を具体的に明記した園独自の「にじいろキッズプログラム」を作成して、日々の教育保育に活用している。幼児期に、自己肯定感、協調性、問題解決能力を育み、3歳から5歳児までの発達を踏まえて、各学年で非認知能力が養われる環境を構築し、園が大事にしている「問題解決能力」を育むことに力を入れている。

担任は個々の子どもの状況の変化や発達の推移を個人ノートに細やかに記録している

子どもたちの様子は毎日の終礼等で報告しているが、子ども一人ひとりに関する必要な情報は、クラス担任が個人ノートに記載して管理している。このノートは子どもの名前をインデックスで表示して、すぐに開けるように工夫されており、その都度書き込めるようにできるノートで、日々の変化や発達の推移、保育者の気づき等を細やかに記録している。子どもの困った行動や対応などについては、保育者一人で抱え込まず、学年間で情報を共有し対応できるようにしている。保護者の情報等で園全体で対応が必要な場合には、終礼で報告している。

個々の子どもの理解を深めるために、事例を持ち寄って考える時間をとっている

現場で起きた事例等を取り上げ、園全体で子ども理解や対応について考える時間を設けている。また、職員室で、子どもの問題を話し合い、支援に繋がることもある。支援が必要な子どもについては、定期的に話し合う時間をつくっており、そこで話し合われた対応については、園全体で共有する仕組みがある。会議の種類に関わらず、園全体で知っておく情報は終礼等で報告し、対応を意識共有することで、子ども理解や対応について考える時間としている。また、子どもの発達支援をテーマにした園内研修を実施して、園全体で子ども理解を深めている。

1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  • 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画(教育課程を含む)や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
  • 指導計画は、全体的な計画(教育課程を含む)を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  • 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、指導の過程を踏まえて作成、見直しをしている
  • 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  • 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  • 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
  • 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 指導計画に沿った具体的な指導・援助内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 指導計画の内容や個人の記録を、指導・援助を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
  • 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、指導事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた指導・援助を行っている
  • 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで指導・援助している
  • 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  • 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  • 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の教育・保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう指導・援助している
  • 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  • 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、指導・援助している
【講評】
子ども一人ひとりの状況を把握して、適切な支援を心掛けている

クラス担任は、子どもの状況や気づきを個人ノートに記録し、対応に困った場合でも職員同士で協議し、園全体でも情報を共有し、担任以外の職員も対象児の様子を観察し対応を図っている。子どもの対応については、園が大切にしている「多様性の尊重と承認」の精神を全職員で共有し行っている。日頃から子どもたちを観察し、問題が出てきたときには職員間で話し合い、支援→振り返り→検討→支援のPDCAサイクルをまわして解決に導いている。年中児から、年長児への進級では、クラス担当も持ち上がりにし、スムーズな状況把握ができるようにしている。

子どもが主体的に遊びを選ぶための物的・人的環境を整えている

園庭には、子どもが興味、関心に応じて選択できる物的環境を用意している。園庭の片隅にはメルヘンチックな大きな固定遊具があり、体を使って遊べる環境がある。また、一輪車をきれいに並べて収納できる駐輪場や1本歯の高下駄が大・中・小と取り揃えて靴箱に並べている。自由遊びでは年長児を中心に高下駄で歩く子や一輪車を乗り回す年長児の姿を年下の子が憧れを持って眺め、挑戦しようとする姿がある。また、サッカーでも十分走り回れる広さの園庭は、子どもたちにとって好きな遊びを自分で選んで自由に遊べる楽しい場所になっている。

配慮の必要な子どもが「楽しさを共有」できる方法を探し、適切に援助をしている

個別支援の必要な子どもへの対応はフリー職員が当たり、個々の興味に寄り添えるような人員配置をしている。個々の支援ニーズの違いに応じて「楽しさを共有」できる方法を探し、指導や援助に生かしている。4・5月頃は、子どもの状況把握がまだ十分とはいえず、子どもを追いかけることも多いが、保育者との信頼関係が生まれると、落ち着いて遊ぶことができるようになっている。子どもへの対応については全職員が、園が大切にする「多様性の尊重と承認」の精神を理解し共有しており、同じ考えに基づき、日々の子どもの様子を話し合う機会が持てている。

2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した教育・保育を行っている
  • 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  • 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう指導・援助している
  • 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  • 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
基本的な生活習慣の確立は個人差を考慮し、家庭と連携して無理なく進めている

食事、排せつ、所持品の始末などについては、園での指導方法を手紙や懇談会などで保護者に伝え、連携して生活習慣の確立を進めている。トイレトレーニングを終了する時期は決めず、プールでは紙パンツでは入れないことなどを目安として伝えている。子ども一人ひとりの発達の状況、特性に合わせた指導方法を見つけるため、丁寧に子どもを観察し、それぞれの職員の気づきを基に有効な支援方法を探っている。実施する支援は、定期的に振り返り子どもが安心して過ごすことができるように配慮し、無理強いすることはしていない。

子どもの生活リズムに配慮した午睡のための環境を整えている

長時間の預かり保育を利用する子どもの状況や登園時の保護者との会話を通じ、十分な睡眠がとれていない子どもや体力のない年少児の場合などで、休息時間が必要な子どもが見られている。そうした子どもたちのために、降園バス待ちの時間帯で、休息できる「時間」と「部屋」を用意し、午睡時間を確保している。午睡は、預かり保育で使用する部屋で行っている。長時間寝かせるのではなく、適切な時間で休むことができている。こうした配慮により、バスの中で眠ってしまう子や機嫌が悪くなってしまう子は見られず、安定した生活を送ることができている。

バス通園の保護者には手紙(メモ)や電話を活用し、情報を伝えている

保護者に必要な連絡は、バスの添乗員や担任からの手紙(メモ)で伝えている。直接の会話が必要な場合は電話で連絡し、情報の共有をしている。徒歩通園やバス通園など、個々の子どもの登降園方法が異なるため、クラス担任と直接会話を交わす機会が取りにくく、園での子どもの様子や保育中のエピソードなどを伝える方法として、園だよりやクラスだより、懇談会などの機会を活用している。クラス担任は、伝えられた子どもの家庭での情報や変化をノートに記録するとともに、日々の保育に役立てている。

3.日常の教育・保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
  • 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  • 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう指導・援助している
  • 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  • 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  • 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  • 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
子どもの自主性・主体性を尊重し、好きな遊びを選択して遊べるよう環境設定をしている

集団遊びの楽しさを知らせる方法として、初めのうちは保育者が遊びの中心となり楽しさを伝えている。子ども自らが主体的に遊べるようになり始めると、子ども同士の遊びの展開を見守っている。室内遊びではコーナーごとに遊び道具を設定し、子どもが自分で玩具などを選び、遊ぶことができるようにしている。園長は、自由遊び時に裸足保育の延長として1本歯の高下駄を履いて子どもたちに見せ、子どもの興味や関心を引き出している。興味を持つ子どもは難しい下駄でもすぐに履きこなしている。園庭での多様な遊びが発展出来るよう環境を設定している。

積極的に戸外活動を取り入れ、自然の移り変わりを肌で感じられるようにしている

自然豊かな環境の中に立地する本園は、広い公園が隣接し、戸外散歩コースに困ることはない。子どもたちが季節の移ろいを肌で感じられるように、学年単位や全園児が一緒になって園外に散歩に出掛けている。子どもたちは、散歩道で拾ってきた木の実を使い、思い思いの遊びや制作に使用するなど楽しみながら創造力を育んでいる。戸外に出掛けることで、園内では感じることができない気分転換や発見、探検心も味わうことができている。園は、子どもたちが自然環境に触れながら、感性と身体感覚を育む戸外散歩を積極的に取り入れている。

子どもが決まりを守る大切さを知って、自分の気持ちを調整する力を育てている

各学年、クラス単位で、それぞれの生活の中で「何故そのルールが必要なのか」を子どもたちと考えながら、ルール作りをしている。また、園には、「生活のきまり」があることを子どもたちに伝えている。園庭での一輪車遊びやサッカー、リレーなど動きの大きい遊びでは、子どもの動線を一方通行にするなど、遊びの決まりを設定し、怪我の予防ができている。日常生活の中で、子どもたちは約束事があることを理解し、自分の気持ちに折り合いをつけることができ、気持ちを調整する力を身に付けることができている。

4.日常の教育・保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
  • 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  • みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
【講評】
普段の遊びから非日常的な活動へと展開し、皆が本気で楽しめる行事になっている

園では、日常の生活が行事のための活動展開になっていないか、日常の子どもたちの生活に活かされているかを量と質を常に振り返りながら日々の活動を展開している。行事の内容は子どもたちのミーティングで何度も話し合い決定している。その活動が苦手な子どもでもチャレンジする気持ちを大切にしている。訪問時、5歳児室で子どもたちが描いた「運動会の絵」を観る機会を得た。どの絵も活き活きと躍動感が伝わる作品であった。園長に、「また運動会がしたい」、「リレーをやりたい」と訴え、楽しかった行事の余韻を楽しむ子どもたちの姿も見られた。

子どもたちが主体的に協力してやり遂げ、達成感のある行事を実施している

運動会や生活発表会は、各学年で取り組む内容は違うが、どのクラスも、子どもがやりたいことを考え、友だち同士で協力しながら進めている。達成感や充実感を味わえる行事作りを大切にした活動計画を作成している。「つづきをやってみたい」、「つづきが楽しみ」という行事には、子どもの主体性が生かされ育まれている。また、行事は子どもとともに、保育者も本気で楽しめるように工夫をしている。最初は友だち2人で始めていた遊びがクラス中に広がり、それを行事に取り入れ全員で楽しむなどの結果を生むことも見られている。

5.在園時間の異なる子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
  • 在園時間の異なる子ども同士が楽しく遊べるよう配慮をしている
  • 在園時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  • 在園時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
保育時間の長い子が安心して保護者の迎えを待てるように、保育体制を整えている

午前10時から午後2時までは、主活動を行う時間帯であり、それ以外は、子どもたちが自分で遊びを選択できる時間になっている。預かり保育の登録児は、約40名弱である。保育士資格を持つ預かり専門の保育士が5名おり、子どもの多い日には2クラスに分けて保育を行っている。午後6時30分には補食(夕飯に影響しない程度)を食べており、降園後保護者が慌てなくても済むように配慮している。預かり担当の保育者は、午前中の教育・保育をサポートしながら、子どもの状況を把握し、預かり時には、子どもに適した活動ができている。

預かり保育の子どもが安心して保護者の迎えが待てるように配慮している

午後2時から預かり保育を利用する子どもは、体力に応じて午睡時間を1時間取っている。午後3時におやつを食べた後、室内に設定されているコーナーでゆったりと好きな遊びを楽しみながら保護者の迎えを待っている。預かりの部屋は、静かな環境と子どもが興味を抱く玩具が豊富に用意してあるため、好きな遊びを見つけてゆっくりと遊ぶことができている。保育者も、子どもたちとゆったり対応し、子どもたちが安心できるように配慮している。保育者は、子どもが寂しくなった時には寄り添い、絵本を読み聞かせる等、家庭的な雰囲気作りに考慮している。

年齢の違う子ども同士が一緒になって仲良く遊べる環境がある

預かり保育では、異年齢で過ごす環境がある。年上の子が遊びを工夫し、ブロックの見事な作品を作る様子に年下の子は尊敬したり、憧れたりする。年上の子は、かわいい年下の子の世話をしたがり、遊びを教えるなどして、異年齢での交流ができている。日中の自由遊び等で子どもたちが顔を合わせた時には、ごく自然に仲良く一緒に遊ぶ姿にその成果が見られている。突発で預かり保育を利用する子どもの不安感や戸惑いを軽減するために、クラス担任から預かり担当保育者に細かな配慮事項や必要な情報を密に行い、子どもが安心できるための配慮をしている。

6.子どもが食事を楽しめるよう配慮している
  • 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  • 園で提供する食事は、メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  • 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  • 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
  • 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
楽しい雰囲気を大切にしながら、落ち着いて給食を食べることができている

安心・安全な手作りの自園給食を行っている。子どもたちは、弁当持参の場合とは異なり、みんなと同じメニューを食べることで苦手な食べ物に対しても少しずつ口にすることができている。給食が苦手な子どもへの配慮として相談時間、チャレンジ時間を決め、残さず食べるのではなく、楽しい雰囲気の中で落ち着いて食事が摂れる環境を作っている。調理室はガラス張りで、年少児室に隣接しており、子ども目線でもよく見える環境になっている。調理スタッフの働く様子や子どもたちと声を交わす環境があり、子どもたちは給食を楽しみに待つことができている。

アレルギー児の給食は、トレーの色や食器の色を変えて誤食を防いでいる

入園前の個人面談で、保護者から申し出がある場合には、丁寧に聞き取りを行っている。除去食対象の子どもが誤食をしないために、食器の色やトレーの色を変えている。トレーにはアレルギープレートを乗せている。アレルギー食を取りに行く保育者と調理担当者が子どもの名前とアレルゲンに間違いがないか確認している。配膳するテーブルも専用にしている。また、職員がそのまま当該児と一緒に食事を摂り、誤食の防止と共に、子どもに「自分だけ何故」という不信感を持たせない配慮もしている。

食育体験活動を実施して、子どもの食材への興味や関心を深めている

食育体験活動は米作り、サンマ焼き会、味噌づくりなどを実施している。米作りは子どもたちと一緒に土壌作りから脱穀までをすべて体験させ、米のできるまでの大変さと食を大切にする精神を実体験させている。また、教室前にプランターを置いてラディッシュやミニトマト、キュウリなどを栽培して食材の育つ様子を観察している。収穫した米を使って5歳児がおにぎりを作り、味噌を作った4歳児が豚汁を作って、食べるという楽しいイベントも行っている。子どもたちは、保護者でつくる「おやじの会」の、流しそうめんやピザづくりを見て楽しんでいる。

7.子どもが心身の健康を維持できるよう指導・援助している
  • 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように指導・援助している
  • 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  • 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組みを行っている
【講評】
怪我や病気から自分で身を守ることができるための指導を行っている

園は、健康な心と体を育む環境として「思いっきり裸足で遊べる環境」と「美しい食文化を学べる環境」を掲げている。裸足で自由に園庭で遊びまわる環境から良い刺激を足裏から取り入れ、心も体も健康になるように、園庭の環境を安心安全に整備している。また、「健康な体作りはバランスの取れた食事から」として、自園給食や食材にこだわって提供している。子どもたちの日々の生活の中で、健康や安全を自然に学んでいけるようにしている。近年は、子どもたちが怪我をすることが減っている。子どもの健康な体作りが怪我や病気から身を守っている。

医療的なケアの必要な子どもが入園を希望した場合には対応できるようにしている

園には看護師が常駐していないが、医療的な対応については嘱託医などに相談しながら、園全体で情報を共有し、対応できる体制を整えており、健康診断は毎月1回嘱託医が来園して行っている。健康診断日は保護者や地域の人に知らせて、育児相談の機会として利用している。定期的に投薬する必要がある場合などでは、「お薬依頼書」によって園で預かる場合もある(例:ダイアップなど)。また、健康マニュアルを作成して、登園児の対応、病後の子どもの受け入れなど、健康について園の対応方法を詳細に記している。

保護者と連携を図りながら、子どもの健康維持に向けて取り組んでいる

子どもの健康状態については登園時の保護者との会話で、家庭での状況などを聞き取っている。バス通園などで直接担任と保護者が会えない場合でも欠席状況は、アプリを利用して連絡を受けている。また、感染症が流行する時期には、メールや手紙で注意喚起をし、子どもの健康観察を園と家庭で強化する仕組みを整えている。園が考える「健康な心と体」を育むという理念を実践するために、思いきり裸足で遊ぶことができる環境について、園だよりなどで詳細に伝え、保護者の理解を得ている。

8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
  • 保護者には、生活形態や子育ての考え方の違いなど、個々の事情に配慮して支援を行っている
  • 保護者同士が交流できる機会を設けている
  • 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  • 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  • 保護者の養育力向上のため、園の教育・保育の活動への参加を促している
【講評】
個々の保護者の事情に配慮した園の支援が利用者調査結果の満足度99%に示されている

幼稚園から幼稚園型認定こども園に移行した後、就労する保護者が年々増えてきている。そうした家庭の実態に併せ、園では「預かり保育」を実施するなど支援に向けた取り組みを行っている。保護者に対する「配慮する姿勢」を明確にし、「保護者との協力体制のもとに、子どもの最善の利益を第一義にした『共に育て合う・育ち合う保育』の実現を目指す」ことと定めている。今回実施した利用者調査の中で、子育てなどについて話をしたり相談したりすることができるような職員との信頼関係があるかとの設問にも、97%の保護者が「はい」と回答していた。

毎日掲示する「今日の活動」ボードは、園と保護者との保育の共有化につなげられている

送迎の保護者が利用する玄関には、「今日の活動」を記すボードを置いている。前日の教育活動終了後、交替で職員がつくるしくみになっている。2歳児クラス、年少から年長の3学年にプレ保育を加えたすべての子どもたちのその日のメインの活動を記すものである。給食の献立も、デザートを含めて記している。このボードは、園で過ごす子どもの様子を知ると同時に、帰宅後の子どもとの会話にも役立っている。また、SNS上には、子どもたちの園活動の様子のほかボードの写真も掲載して、バス利用の保護者や家族全員で共有することができている。

父母の会主催研修会や父親の会主催の諸行事は、園の理念の共有化につなげられている

本園には、保護者全員が加入する父母の会組織がある。会の役員が中心となり「父母の会研修会」を主催し、子どもの発達や防犯、演劇など多岐にわたるテーマで研鑽している。保護者の参加率も高く、子育て感の共有、養育力の向上につながっている。また、「おとっつあんの会」と名付けた父親の会もある。毎学期趣向を変え、キャンプや運動会などを開催したり、男性の園長も加わり焼きそばづくりをしたりなど、相互理解を深めている。保護者のこうした活動は、園が目指している「多様性の尊重と承認」という根本理念につながるものと評価される。

9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  • 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
恵まれた自然環境を活かす日常活動の実践により子どもたちの豊かな感性が育まれている

園は自然公園に隣接し、緑に恵まれた環境にある。子どもたちは、園庭の片隅に稲を植えて米作りをするなどの体験もしている。園での生活に慣れた秋のシーズンを迎える頃からは、日常保育の中に園外活動を積極的に取り入れている。春には、全園児による近隣公園への徒歩遠足がある。秋には、近隣農家の協力を得て、さつまいもやジャガイモ掘りの体験も行い、年中児が落ち葉と小枝を集め、焼き芋大会につなげている。子どもたちの遠足の行き先は、近隣の動物公園や交通公園、国営公園などと、恵まれた地域環境を子どもたちの生活に活かしている。

近隣中学校との交流を密に図り園児の生活の幅を広げるとともに学びにつなげられている

園児たちの足でも5分程度の近距離に、同市内の公立中学校がある。在学している卒園児もいる。同校との交流の機会も持つことができている。年長児2クラスをそれぞれ2組に分けた少人数で中学校を訪問し、児童・生徒間の交流を行っている。また、同校の家庭科カリキュラムの一環として、職場体験を目的とした生徒が訪問し、園児たちとの交流の機会ともなっている。3月末には卒園児たちが、中学校の卒業式を終えたその足で園を訪問している。離職率が低い本園には当時の職員が多くおり、在園児も加わり全員で楽しい交流のひとときを迎えている。

子どもと地域との関わりをさらに深めるために、人的資源発掘の必要性が検討されている

園の取り組みの一つとして、近隣のデイサービスセンターを利用する高齢者や障がいを持つ方々との交流会がある。幼児たちとのふれあいは利用者に新たな生きる力を与え、子どもたちにとっても喜びと学びにつながっている。しかし、コロナ禍の影響を受け、現在は中断を余儀なくされている。子どもたちの生活の幅を広げるために、自然環境を活かした取り組みについては最大限実践しているが、地域の人的資源の活用が今後の課題であり、地域の方々との交流を深めながら人的資源を発掘していきたいと園長は考えている。

【講評】
子どものプライバシーを保護するための規程とマニュアルに基づく対応が徹底されている

子どものプライバシーを保護するための「個人情報保護規程」および「プライバシーの尊重と保護」に関するマニュアルを策定している。外部機関と子どもの情報を共有する必要が生じた際の取り扱いに関しては、あらかじめ保護者の同意を得ることとし、その他、第三者への個人データ提供の制限や適正管理などについての規定を定めている。園児や保護者の個人情報に係る書類等については、「職員以外の人の見えるところに置かない、掲示しない、配布しない」ことと同時に「人に言わない、張らない、持ち出さない」ことの原則を定め厳守している。

園の基本理念『みんな違ってみんないい』が、子どもと職員、保護者にも浸透されている

「子どもの人格は、1ミリたりとも否定しない」。このことが、園長が目指す本園の教育・保育の根底にある。子どもたちの合い言葉は、「出来ないことはやってみる」、「上手くいかないことは工夫する」、「みんな違ってみんないい」である。子ども一人ひとりがもつ多様性を尊重し、「それぞれ得意なこと、苦手なことがあるけれど、『みんな違ってみんないい』」という理念を全職員が共有し、保護者にも浸透している。利用者調査の中で、「園は、子どものプライバシーを守ってくれているか」との設問に対する「はい」の回答は98%を占めている。

横並びの指導ではなく、個々の子どもの思いを尊重した教育・保育が展開されている

教室内の一斉活動においても横並びの指導ではなく、個々の子どもの思いを尊重しながら進行している。担当する職員の力量が発揮され、バラバラな状態ではなく、クラス全体としてはまとまった活動となっている。各教室には、子どもが座ると身を隠せる高さのパーティションを用意し、着替えの際のみでなく、子どもの逃げ場としても利用することができている。入園当初、集団に入ることへの不安や、気持ちを抑えられなくなる子どものために、教室から離れた一角に「リソーススペース」を設けている。子どもが自然に気持ちを落ち着かせることができている。

1.子どものプライバシー保護を徹底している
  • 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  • 子どもの羞恥心に配慮した指導・援助を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
  • 日常の教育・保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  • 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した指導・援助を行っている
  • 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
すべての業務を網羅したマニュアルを策定し、全員でブレのない業務対応がされている

園では、朝礼および終礼(職員会議)を毎日行っている。職員全体の約3割を占める非常勤職員は、特に必要な時以外は参加することはない。業務の標準化を図るための「幼稚園保育業務マニュアル」を策定し、非常勤を含む全職員に配付している。一日の勤務の流れをはじめ、週案、月案などの各種書類関係のほか、預かり保育、年間行事等々園業務のすべてを網羅する手順書となっている。作業のステップ・バイ・ステップが分かりやすく記されており、全職員によるブレのない業務対応に活かされている。

業務マニュアルに加え事例別に策定された多数マニュアル類の整理と見直しが望まれる

日常業務の全般にわたる手引書としての「幼稚園保育業務マニュアル」を策定し、全員で共有を図っている。さらに、業務の細部にわたる手引書として、12種のマニュアルがある。プライバシー保護、個人情報保護、虐待対応などのほか、保護者対応、実習生とボランティアの受け入れについても目的や園としての考え方を示すものとしている。その他にも、衛生管理や感染症対策など危機管理に関する6項目があるが、個別化されすぎて若干の重複もあることで活用のしにくさが感じられる。日常的に活用しやすい手引書にするための全体的な見直しが望まれる。

教育時間終了後の終礼(職員会議)で重要事項を諮り直ちに園全体での共有がされている

教育時間の終了後、毎日終礼(職員会議)を実施している。伝達事項等が主となる朝礼とは異なり、時間をかけた話し合いを行うことができている。業務上で問題点が生じたような場合には、この場で取り上げ、検討した改善点はスピード感をもって実行に移すことにしている。職員の気付きに基づくマニュアル等の内容に関する見直し、検討もこの場で行い、タイムリーに園全体でのシェアを図っている。なお、会議に参加できない非常勤職員や預かり保育担当者は、会議録を閲覧することで周知を図っている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価機関名】

株式会社 地域計画連合

【評価実施期間】

2024年5月1日~2025年1月29日

【評価者修了者No】

H0302070,H1901068,H1001062

評価結果のダウンロード

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