評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
基本理念
「自他の別なく人身を守れ」
運営方針
1) 人間を信頼し、尊重する。
2) 経済性・効率性を基本に財務管理を行うこと。
3) 合法的経営の追求により、社会的評価の向上を図ること。
4) 職員のレベルアップを図るべく、計画的な教育訓練を図ること。
5〉 自由で楽しい日常生活の提供。
6) 利用者の社会的参加を援助。
7) 地域との交流を進める。
8) 管理でなく協働。
職員に求めている人材像や役割
1)利用者の個々のニーズと意思を尊重すること。
2)誠意をもって質の高いサービスを提供すること。
3)利用者の生活を支えるため常に援助力向上に努めること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
職員は常に資質、専門性の向上に励むこと。
全体の評価講評
特によいと思う点
「自由と個性の尊重」「共に助け合い励まし合い」の方針の下に、心身の障害、被虐待、環境上、経済的理由等で居宅での生活が困難な方を受け入れ、地域のセーフテイネットの役割を果たしている。職員は利用者への声掛けを重視して、一人ひとりの存在感を大切にしている。利用者は食事の片づけや掃除など役割を担い、ラジオ体操や散歩などで健康を維持し、職員は出来る様になったことを褒め、活動は自由であり、尊厳を守り生き甲斐を感じる様に支援している。亡くなられた方にはお通や葬式を行い皆が参列し、お墓の無い方は共同墓地に入れて貰っている。
利用者が施設の食事を楽しく美味しく食べるために、居室で聞き取った利用者の要望と給食委員会で多職種が話し合った内容を参考にして献立作りに反映している。誕生会には利用者が好きな出前をとっているが、誕生日でない利用者にも特別にてんぷらやお刺身を出し、夕飯にはお赤飯をふるまいみんなでお祝いしている。季節感を重視した特別食・食器・盛り付けを工夫するなど美味しい食事を残さず食べてもらうことを目指して栄養士と調理員が日々取り組んでいる。利用者調査・施設見学に来た方・入所見学者からも美味しいと高評価を頂いている。
日々の健康管理や予防活動を通し、健康的な生活が送れるよう支援している。複数の医療機関との協力や定期的な専門医の往診、また看護師や薬剤師、栄養士、支援員などと連携し情報の共有を図っている。また、散歩やラジオ体操などの運動習慣の支援、介護予防活動の参加などを促している。利用者には認知症や精神疾患などがあり、職員は日々の声かけに配慮し一人ひとりの存在感を大切にしている。「利用者一人ひとりの生きることに特化するお手伝い」と、職員の力強い信念のもと利用者が最期まで健康的で自分らしく生ききる支援に取り組んでいる。
さらなる改善が望まれる点
内部研修は身体拘束廃止や虐待防止等高齢者権利擁護の研修、事故防止研修、感染症対策研修、誤嚥防止研修、AED救急研修など計画し実施している。入所者の背景は様々多様であり、職員の支援力も多様な支援能力が求められる。当施設では支援の中で最も重要なことは利用者一人ひとりへの声掛けで存在感を尊重する事としているので、内部研修でもコミュニケーション研修や精神的な支援研修を期待したい。また、介護など重度化が進みつつあり、外部介護サービスも活用しているが、職員負担を軽減するため3大介護の研修等も望みたい。
長く働ける職場づくりは、休暇を4週8休、年123日休と設定し、プライベートと仕事の充実を図っている。また、勤務状態を把握し業務改善と負担軽減に努めている。また、人間関係の良い助け合う職場風土である。今後さらに職員が一層幸せで魅力的な職場に発展するために、職員一人ひとりの長所や強味を認め合い、支援力の成長を認め合い、社会貢献の成果を具体的にフィードバックし自己肯定感を高め、利他の精神で感謝し合う組織作り等を今後一層進め、この職場で働くことが「幸せ」と思えるシステムの構築を望みたい。
心身の障害、被虐待、家族人間関係、住環境など、様々な理由で地域の居宅で暮らし続けることが困難な高齢者を受け入れ、個人の尊厳を守り、健康を維持し、自立する生活を支援する等の地域のセーフテイネットの役割を果たしている。重要な社会的役割を担っている当施設の理解が地域の関係者に必ずしも深まっていないと思われる。地域高齢者を支える社会的組織としては、地域包括支援センター、居宅支援事業所、民生委員、町内会、地域代表の議員等と思われるので、当施設のセーフテイネットとしての役割を一層理解を深めて頂く様に望みたい。
事業者が特に力を入れている取り組み
入居高齢者の発生頻度が高く優先順位の高いリスクとして誤嚥と転倒による骨折と想定し、誤嚥の危険性のある利用者は食事時に配置食とし見守っている。転倒を起こしやすい利用者は体操・運動や散歩での筋力強化や注意力向上により転倒事故防止を図っている。事故発生時には報告書で原因の究明と設備面、対応技術などの問題点を抽出し、防止対策を実施している。また、地震や火災を想定した防災訓練を毎月実施し、避難訓練によって、利用者の避難を優先事項としてリスクマネジメント意識の徹底を図っている。
施設では経済的理由や様々な疾患を抱え生きづらさを持っている利用者に対し、一人ひとりに寄り添いプライバシーの配慮や本人の意思を尊重した支援を行っている。居室訪問時の声掛けやドアノック、玄関は10時まで施錠せず自由に外出が可能、お小遣いは本人と相談して決めている。また、サービス実地にあたり本人の残存機能を見極め、ギリギリまで本人が自発的、主体的に生きようとする本人の意思を尊重する支援である。利用者の権利を守る観点から、虐待防止や身体拘束廃止など高齢者権利擁護の研修を行い組織として取り組んでいる。
利用者の高齢化で日常生活動作の低下が見受けられるようになって、医療・介護サービスの導入が必要になってきている。そのため利用者の意向を聞き取りながら、居宅介護支援事業所の介護支援専門員と連携を取りながら支援計画書の見直しが行われている。訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護・デイサービス・デイケアの利用や福祉用具(ベッド・車イス)の導入など外部のサービスをスムーズに活用できる取り組みが行われている。利用者の気持ちを大切にして、入院せず施設での生活が継続でき、普段通り暮らせることを目指している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:施設の全利用者を調査対象とした。
- 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
事業所と協議しアンケート方式と聞き取り調査で実施した。アンケートは事業所よりアンケート用紙を配布して頂き、封筒に入れ回収し評価機関に送って頂いた。聞き取り調査は利用者と1:1の聞き取り調査で実施した。 - 有効回答者数/利用者総数:91/94(回答率 96.8% )
総合的な感想は「大変満足」と回答された方は21%、「満足」55%、「どちらともいえない」20%、「不満」4%であった。「満足」以上回答の合計が76%を占め、総合的に高い評価であった。
項目別には肯定的な{はい」回答が70%台の項目は7項目44%であった。
項目別には肯定的な{はい」回答が60%台の項目は3項目19%であった。
項目別には肯定的な{はい」回答が50%台の項目は1項目6%であった。
項目別には肯定的な{はい」回答が50%以下の項目は5項目31%であった。
60%以上の肯定的な回答項目が全体の73%を占め、項目別にもおおむね満足している結果であった。
アンケート結果
1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか
「はい」回答74%、「どちらともいえない」回答19%、「いいえ」回答5%であり、満足度は高いと思われる。代表的な発言は「丁度良い美味しい」「食事の量と味は、私に合っている」「美味しい」「今のままで満足しています」「こんなものでしょう」「申し分ない」「充分満足。栄養士さんがきちんと作ってくれている」等であった。
2.入浴時間は個人の状況に応じた設定になっているか
「はい」回答70%、「どちらともいえない」回答19%、「いいえ」回答7%で満足度は高いと思われる。代表的な発言は「週2回1:30~2:30に一人で入浴する」「楽しみにしている」「友人と一緒に入る」「予定の時間で入浴できる。温度がちょうどよい」「気持ちがいい」「週2回(水、土)午後2:30 大丈夫です」「希望時間に入れている」「介助してもらい入浴している」「空いている時間を見て、いつでも入れる」等であった。
3.施設に、楽しみな行事や活動があるか
「はい」回答34%、「どちらともいえない」回答24%、「いいえ」回答33%であった。代表的な発言は「読書の時間が、楽しみ」「部屋の掃除が、楽しみ」「塗り絵、体操をしている」「テレビ、ニュース」「食事が楽しみ。いつもはラジオ体操をしている」「部屋で休んでいることがほとんど」「昔はあったが、今はない」「あまりないです」「楽しみはないが問題はない」等であった。
4.日常生活に必要な各種情報を、施設からの情報提供により知ることができるか
「はい」回答46%、「どちらともいえない」回答31%、「いいえ」回答18%であった。代表的な発言は「イベント情報あり」「旅行の情報、楽しみ」「「七夕まつり、誕生日会情報など」「十分ではない」「館内放送の案内が,分かりにくい」等であった。
5.利用者の状況に応じた見守り、声かけは行われているか
「はい」回答66%、「どちらともいえない」回答21%、「いいえ」回答9%で満足発言が多く見られた。代表的な発言は「良く話しかけてくれる」「自然体で声をかけてくれるのが良い「おはようと声をかけてくれる」「気に掛けてくれている」「よく話しかけてくれるので、ありがたい」「朝、挨拶をしてくれる」「皆優しい」等であった。
6.健康維持・介護予防に向けての相談をしやすいか
はい」回答70%、「どちらともいえない」回答23%、「いいえ」回答5%で高い評価であった。代表的な発言は「大丈夫です」「相談しやすい」「夜に吸入。月に1回通院。職員が同行してくれる」「相談すると、対応してくれる」「できます」等であった。。
7.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい」回答70%、「どちらともいえない」回答22%、「いいえ」回答5%で高い評価であった。代表的な発言は「自分で、身のまわりのことをする」「・自分のスペースは、自分でしている」「清潔で心配はありません」「半年に1回、寝具を消毒」等であった。
8.職員の接遇・態度は適切か
はい」回答73%、「どちらともいえない」回答21%、「いいえ」回答3%で高い評価であった。代表的な発言は「優しく声をかけてくれる」「普通です」「必要に応じて声をかけてくれる」「優しい」「良いです」等であった。
9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい」回答76%、「どちらともいえない」回答16%、「いいえ」回答7%で高い評価であった。代表的な発言は「対応してくれる」「具合の悪い時に、対応してくれる」「具合が悪くなったことがないが、対応してくれると思う」「気に掛けて、様子を見に来てくれる」「病院にも連れて行ってくれる」「すぐ来てくれる」等であった。
10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい」回答58%、「どちらともいえない」回答24%、「いいえ」回答5%であった。代表的な発言は「いさかいやいじめがあった時は、対応してくれる」「トラブルがない。あったら対応してくれると思う」「普通」等であった。
11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
はい」回答69%、「どちらともいえない」回答24%、「いいえ」回答5%で満足発言が多く見られた。代表的な発言は「温かい目で見てくれている」「何かあったら、すぐに相談する」「充分やってくれている」「「相談してくださいと職員から言われている」「大事にしてくれる」「人による」「皆いい人たち。よく気にかけてくれる」「よくしてくれる」等であった。
12.利用者のプライバシーは守られているか
はい」回答70%、「どちらともいえない」回答22%、「いいえ」回答5%で高い評価であった。
13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
はい」回答42%、「どちらともいえない」回答29%、「いいえ」回答13%であった。代表的な発言は「自分でやりたいことをやらせてくれる」「買い物にも行っている」「要望なし」「自分でやる」「任せている」等であった。
14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい」回答43%、「どちらともいえない」回答34%、「いいえ」回答9%であった。発言としては「良く分からない」「覚えていない」等であった。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
はい」回答63%、「どちらともいえない」回答27%、「いいえ」回答8%であった。代表的な発言は「自分で解決するようにしている」「話すことができる」「不満を伝えることができる、対応してくれると思う」「言いやすい」「言いづらい」「充分満足している」「何でも言えばやってくれる」等であった。。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい」回答47%、「どちらともいえない」回答26%、「いいえ」回答15%であった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
施設を取り巻く厳しい環境条件を把握して重要課題を抽出している
当養護老人ホーム施設を取り巻く環境条件は厳しく、施設のセーフテイネットとしての存在価値を地域高齢者を支援する関係機関に理解を深めて頂くことが重要課題としている。利用者ニーズはフロアー懇談会、個別面談、給食懇談会、利用者アンケート等により意向・要望を把握しサービスの向上に繋げている。今回の利用者アンケートでは76%の方が「満足」以上の高い評価であった。職員ニーズは会議や面談で把握し、職員の確保、効率の良い職員配置、職員の資質の向上などが課題としている。
施設の重点目標に基づき各部門別に目標を設定している
事業計画の重点目標として、人材の確保・育成、安全・安心なサービスの充実、地域関係機関との連携強化、R6年度補助金50%削減対策と充足率の安定、組織運営の円滑化と効率化、重度化対策等を課題として掲げている。組織運営の対策として各セクションへの権限の委譲と責任の明確化を目標に設定している。施設長は計画作成方針を説明し、生活相談、支援員、保健衛生、健康管理、食事・栄養管理の各部門が目標を設定している。短期的には物価高騰の対策、中長期的課題としてエレベーター交換の資金繰り対策である。
計画・目標の進捗や新たな課題は各会議で検討し全職員で共有している
年度目標の進捗は、セクション会議(各部門の代表が参加)、支援員会議、生活相談員会議、職員会議等で確認し課題を解決している。各フロアーのミーティングや支援員会議で利用者への支援方法や課題を把握しサービス向上を図っている。また、各部門をまたぐ連携の課題はセクション会議で各部門の代表が参加して、人員配置、運営体制、楽しい食事、健康維持、事故などリスクマネジメント、レクリエーション・行事など検討している。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
高齢者の権利擁護・虐待防止の研修を行い、個性や意向を尊重した温かい支援をしている
高齢者の権利擁護・虐待防止の研修を行い職員会議で適切な言動を指導している。また、施設の使命の一つとして地域の被虐待高齢者を受け入れ温かい支援により安心で居心地の良い生活を支援している。「老人福祉倫理綱領」「服務の基本・心得・規律、セクハラ防止規定」など法令・倫理規定を整備し、職員会議や研修で説明し遵守を徹底している。基本理念のもと、利用者一人ひとりの個性と意思を尊重し、誠意をもって利用者の生活の支えとなることを運営方針に掲げ、あらゆる機会で職員に周知を図っている。
面談や懇談会等で要望をお聞きし、安心で楽しい生活の支援に努めている
「副施設長との個人面談」「利用者アンケート調査」「給食懇談会」「フロアー懇談会」などで、利用者の意向・要望をお聞きしている。寄せられた意見として、カラオケ、イベント行事、食事等への要望、対人関係のトラブルの苦情などに対応して、楽しみな行事の工夫や部屋の入れ替えなど要望や苦情の解決を図っている。苦情解決制度は利用者のフロアー懇談会での説明や各階のポスターにより周知を図っている。今回の利用者アンケートでは「はい」回答47%であった。制度の理解と意見箱の活用も併せて一層の理解が深まるように望みたい。
運営内容はホームページを中心に公開し透明化を図っている
運営の透明化はホームページで基本理念や方針、活動内容、財務諸表、第三者評価報告書など公開し透明化を図っている。ボランテイア受け入れはコロナ感染対策のために中断していたが今年度より復活し、中高生のボランテイア活動を受け入れている。当施設の立地は高齢者の多い公営住宅の中に位置し、随時ソーシャルワークとして相談を受け入れている。区の高齢者施設協議会に参画し、地域ニーズや課題を把握して、地域課題の解決に貢献している。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
発生頻度の高い誤嚥や転倒防止を中心に安全確保に努めている
発生頻度が高く優先順位の高いリスクは誤嚥と転倒による骨折である。誤嚥の危険性のある利用者は食事時に配置食とし見守っている。転倒を起こしやすい利用者は体操・運動や散歩での筋力強化や注意力向上により転倒事故防止を図っている。事故発生時には報告書を事故対策委員会に報告し、原因の究明と設備面、対応技術などの問題点を抽出し、防止対策を検討している。新型コロナ感染は5型に分類されたが高齢者施設であり、消毒や手洗い健康管理を徹底し感染防止に努めている。
毎月防災訓練を実施し、BCP事業継続計画を策定している
防災委員会により、地震や火災を想定した防災訓練を毎月実施していいる。また、年1回は消防署の協力の基に避難訓練を実施し、AED自動体外式除細動器の使用法や消火器の扱い方など指導を受けている。避難訓練によって、利用者の避難を最優先事項として職員に意識の徹底を図っている。大災害に備えて、BCP事業継続計画を策定している。大災害時の想定される事態とリスク、運営体制の確保、避難方法、業務の継続方法など研修し模擬訓練などによって計画を見直すことが望ましい。
情報の守秘義務の宣誓書を提出し徹底している
個人情報保護規定や情報の守秘等は職員には守秘義務の宣誓書を提出し職員会議や研修で徹底している。また、実習生やボランティアにはオリエンテーションで説明し周知している。利用者には各階の掲示板に掲示し、フロアー懇談会など利用者に説明して周知している。経営上の重要情報や人事情報や利用者の個人情報記録、マイナンバーカード等は施錠し保管を徹底している。パソコン内記録はアクセス権、パスワードを設定しセキュリティソフトで保護している。保管書類は保管期間に基づき、経過後は稟申の上書類を破棄している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
ハローワークや求人会社の紹介で人材確保に努めている
職員の確保はハローワークや求人媒体会社等からの紹介で確保しているが厳しい状況である。新人教育は施設長が理念や仕事の心構え、倫理・規則等を教え、その後は各セクションで支援の基本を教えている。また、外部の初任者研修を受講し介護福祉士資格に挑戦している。OJT育成は日課や利用者の状況と支援計画を各フロアの先輩職員から教わり、成長を個人面談で確認し3か月位で夜勤が出来る様に育成している。なお、日課のリストと手順、育成シートを整備し、未経験新人の育成体系を明確にすることが望ましい。
内部研修でコミュニケーション研修など多様な利用者ニーズに対応する研修を望みたい
職員育成は個人別に目標を設定し、年2回の面談で成長を確認している。内部研修は身体拘束廃止や虐待等人権擁護の研修、認知症介護研修、感染症対策研修、口腔ケア研修、誤嚥防止研修、AED救急研修など実施している。今後、利用者の多様なニーズに応えるために、コミュニケーション研修や精神的な支援研修、重度化に備えた3大介護などWebを活用した研修を検討することが望ましい。外部研修ではコロナ感染が5類になったので、実務者研修に参加し介護福祉士資格にチャレンジしたり、リーダー層のマネジメント研修等に参加する予定である。
長く働ける職場づくりに努めている、さらに職員の幸せで魅力的な職場づくりを望みたい
長く働ける職場づくりは、休暇を4週8休、年123日休と設定し、プライベートと仕事の充実を図っている。また、勤務状態を把握し業務改善と負担軽減、互助会による福利厚生等働きやすい職場づくりに努めている。今後さらに職員が幸せで魅力的な職場に発展するために、職員一人ひとりの長所や強味を認め合い、支援力の成長を確認し合い、社会貢献の成果を具体的にフィードバックし自己肯定感を高め、利他の精神で感謝し合い信頼関係を高めるシステムの構築を望みたい。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
(人材の確保と育成)
ハローワークや求人媒体会社等からの紹介で確保しているが厳しい状況である。新人教育は施設長が理念や仕事の心構え、倫理・規則等を教え、その後は各セクションで支援の基本を教えている。また、外部の初任者研修を受講し介護福祉士資格に挑戦したりしている。OJT育成は日課や利用者の状況と支援計画を各フロアの先輩職員から教わり、成長を個人面談で確認し3か月位で夜勤が出来る様に育成している。職員は個人別に目標を設定し、年2回の面談で成長を確認している。内部研修は身体拘束廃止や虐待等人権擁護の研修、認知症介護研修、感染症対策研修、口腔ケア研修、誤嚥防止研修、AED救急研修など実施している。外部研修ではコロナ感染が5類になったので、実務者研修に参加し介護福祉士資格にチャレンジしたり、リーダー層のマネジメント研修等に参加する予定である
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
人材確保は2名紹介会社から確保したが、厳しい現状である。地域の中高年などの未経験者を育成する体制を充実することが必要であり、日課のリストと手順、育成シートを整備し、未経験新人の育成体系を明確にすることが望ましい。また、内部研修では利用者の多様なニーズに応えるために、コミュニケーション研修や精神的な支援研修、重度化に備えた3大介護などWebを活用した研修を検討することが望ましい。職員の定着率を高めるために魅力的な職場づくりが求められ、職員が幸せで魅力的な職場に発展するために、職員一人ひとりの長所や強味を認め合い、支援力の成長を確認し合い、社会貢献の成果を具体的にフィードバックし自己肯定感を高め、利他の精神で感謝し合い信頼関係を高めるシステムの構築を望みたい。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
(事業計画)
当養護老人ホーム施設を取り巻く環境条件は厳しく、施設のセーフテイネットとしての存在価値を地域高齢者を支援する関係機関に理解を深めて頂くことが重要課題としている。利用者ニーズはフロアー懇談会、個別面談、給食懇談会、利用者アンケート等により意向・要望を把握しサービスの向上に繋げている。職員ニーズは会議や面談で把握し、職員の確保、効率の良い職員配置、職員の資質の向上などが課題としている。事業計画の重点目標として、人材の確保・育成、安全・安心なサービスの充実、地域関係機関との連携強化、R6年度補助金50%削減対策と充足率の安定、組織運営の円滑化と効率化、重度化対策等を課題として掲げている。組織運営の対策として各セクションへの権限の委譲と責任の明確化を目標に設定している。施設長は計画作成方針を説明し、生活相談、支援員、保健衛生、健康管理、食事・栄養管理の各部門が目標を設定している。短期的には物価高騰の対策、中長期的課題としてエレベーター交換の資金繰り対策である。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
年度目標の進捗は、セクション会議(各部門の代表が参加)、支援員会議、生活相談員会議、職員会議等で確認し課題を解決している。各フロアーのミーティングや支援員会議で利用者への支援方法や課題を把握しサービス向上を図っている。また、各部門をまたぐ連携の課題はセクション会議で各部門の代表が参加して、人員配置、運営体制、楽しい食事、健康維持、事故などリスクマネジメント、レクリエーション・行事など検討している。成果としては今回の利用者アンケートでは76%の方が「満足」以上の高い評価であった。しかし、人材確保の点では厳しい状況が続いているので、魅力的な職場づkりを高い優先順位として取り上げ、職員が知り合いに誘いたい職場づくりを第一優先として実現するように望みたい。
サービス分析結果
【講評】
パンフレットやホームページに施設の概要などを掲載して、情報の提供を行っている
入所希望者・家族や関係機関などにパンフレットとホームページを活用して、養護老人ホームへの理解を図っている。パンフレットには、施設の概要・日常生活の基本的スケジュール・行事やクラブ活動の様子・健康管理について記載し、ホームページには、施設の概要以外に財務情報や季節ごとの様子を写真で掲載して生活の様子を紹介している。入居希望者には、施設での生活の流れや約束事などを項目ごとに見てわかりやすいように大きな字でふりがな付きの「生活にしおり」を活用して説明を行い、施設への理解を図るようにしている。
行政からの緊急入所の依頼にも積極的に受け入れをするように取り組んでいる
東京都高齢者福祉施設協議会養護分科会を年4回行い、生活相談員が参加して措置や生活に関すること・困難ケースの取り組みなどの事例を出しながら意見交換や交流会を行い情報の共有をしている。また、個々の施設の基本情報・医療対応・居室の様子・施設のPRを記載した表を作成して情報の配信を行い施設ごとの特性を理解してもらうように取り組んでいる。入退所状況を行政に定期的に書面で報告し空床情報を提供して、行政からの見学や緊急入所の依頼にも施設では積極的に受け入れをするように取り組んでいる。
見学者には、概要説明や施設内の案内だけでなく昼食の試食を勧めている
個別の状況に応じて窓口の生活相談員が、見学の時には施設内を案内し、当日の昼食を食べて頂くお試し見学を勧めている。見学時には、養護老人ホームの概要やサービス内容などを丁寧に説明するように努めている。施設入所希望者には、行政の窓口への相談や申し込み・入所判定・措置決定に至るまでの手続きが必要であることをわかりやすく説明し理解を図るようにして、緊急の支援が必要な時には、地域担当の包括支援センターなどの窓口を紹介している。入所している利用者には、地域の情報をアナウンスすることやチラシの掲示でお知らせを行っている。
1.利用者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入所案内に基づいて、入所受け入れのオリエンテーションを実施している
入所の依頼があった時には、施設見学に来てもらい、事前に面接を行い記録を残して入所前チェックリストを作成している。入所時は入所案内に基づいて、入所受け入れオリエンテーションを施設長・生活相談員・看護師・栄養士・主任支援員などが参加して実施している。利用者の部屋・一日の流れ・入浴について・理髪などの記載したプリントと「生活のしおり」で担当者ごとにわかり易く説明を行い理解を得て、基本的ルールには特例を付けないように努めている。急変時の緊急対応は意見確認書を活用して、内容を説明して同意を得るようにしている。
事前に聞き取った情報を個別のケース記録に入力し、職員全体で周知する仕組みがある
事前に聞き取った情報を個別のケース記録に入力し、入所後の施設での生活の様子はコミュニケーションを取りながらアセスメントをするようにしている。生活リズムの変化による不安やストレスに気を付けながら、支援員が寄り添い傾聴・声がけなどで不安軽減を図り、慣れるまで様子を見るように努めている。入所者の日々の細かな情報については、日時と入力者を支援経過と共に入力して、多職種が情報を共有し連携を取るようにしている。利用開始直後に多くの情報を伝えると混乱してしまうので、最小限の情報にとどめて、適宜お知らせしている。
施設を終の棲家と考える利用者が望む終末期を見守り、支援をするようにしている
体調の変化により入院・他の施設への移動などの時には、施設での必要な情報を提供するなど病院や福祉施設への連携が行われている。また、高齢化により医療・介護が必要なケースもあるため、居宅介護支援事業所の介護支援専門員と連携を大切にして、施設入所継続のための支援が行われている。疾病により施設での看取りを行った利用者や病院で亡くなった身寄りがいない利用者が、近隣の共同墓地に葬儀や納骨を行っている。施設を終の棲家と考えている利用者も多いため、安心して過ごせる養護老人ホームとなるような支援に取り組んでいる。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、理解を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要な事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、利用者の理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の基本情報や生活状況をアセスメントし、利用者の理解につなげるようにしている
入所前面接の記録や入所時の基本情報をフェイスシートに記載して、生活歴・生活状況・精神状況・健康状態・日常生活動作など必要な情報を丁寧にアセスメントして個人ケースにファイルしている。入所後の様子は、生活相談員・看護師・栄養士・支援員が生活の様子を支援経過に記録することで見えてくる利用者の本当の気持ちを汲み取り、課題を明確化するようにしている。利用者は、身寄りがなく寂しさや孤独を感じているケースも多く、利用者と職員が家族のような時間を過ごせるように個々に合わせたアポローチの方法を模索して対応している。
緊急に変更が必要な時には、随時ミニカンファレンスで支援の見直が行われている
利用者の要望やアセスメントされた情報から導き出された課題やニーズをケアカンファレンスで多職種が意見交換を行い、利用者の立場に寄り添う支援を検討し、集団でするのではなく個別性を重視した支援計画書を作成して、説明を行い利用者に同意を得るようにしている。支援計画書の目標の達成や支援の内容は定期的にモニタリングし、年に1回見直しを行っている。心身状況の変化により、緊急に支援の変更が必要な時には各セクションで話し合い、ミニカンファレンスを開催してチームケアで支援に取り組むように努めている。
個人ケース記録の確認と申し送りによる口頭での情報伝達で共有化が図られている
毎朝の朝礼や夜勤者との申し送りの他にパソコン内の記録の確認や口頭による情報の伝達で共有化が図られている。定期的に開催す支援員会議では、全支援員が参加して利用者個々の状況確認と支援方針、業務内容の話し合いがなされている。ケアカンファレンスでは、利用者の相談や生活への課題について意見交換が行われ、支援計画書の見直しをするようにしている。個人の支援経過は多職種がパソコン内に入力することで、体調や精神面での変化を把握することが容易になり、速やかな支援内容の変更や病院受診につなげている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別支援計画に基づいて自立生活が営めるよう支援している
- 個別支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 利用者の支援は関係職員が連携をとって行っている
- 介助が必要になった利用者には、介護保険サービスの利用による支援の体制を整えている
【講評】
利用者の特性に応じたコミュニケーションの取り方やアプローチの方法を工夫している
職員は、精神疾患のある方・認知症状がある方・難聴の方など利用者の一人ひとりの特性に応じたコミュニケーションの取り方を工夫して要望などを聞き取るようにしている。挨拶の時には、出身地の方言や英語を話せる利用者には英語で声がけするなど、生活歴の中から知り得た情報でアプローチするなど、まずは利用者個々の理解をするように取り組んでいる。利用者の状況はさまざまで、一人ひとりの意向や気持ちを受け止めて、施設の中で利用者が自ら選択や自己決定できるよに支援の方法を模索して、支援計画書を作成するように努めている。
施設の中でも利用者自身が主体的に生活ができるように寄り添うサポートを行っている
施設では、利用者自身に役割を持ってもらい居室の掃除・洗濯干しやたたむ作業が主体的に行えるように支援員が様子を見てサポートしている。食堂のお手伝いや布団の交換など、ボランティア活動として参加している利用者も見受けられた。ボランティア活動からシルバー人材センターに登録できたケースもあり、その人らしい生活ができるような支援が行われている。また、精神疾患での社会復帰のため病院からの受け入れなど、利用者個々の課題を職員が一緒に解決できるような寄り添うサポートに努めている。
介護サービスを活用して、利用者の気持を大切に穏やかな暮らしを目指している
利用者の心身状況を多職種で話し合いながらチームケアで行えるように職員会議や支援員会議を定期的に開催して意見交換が行われている。施設では、利用者の高齢化で医療・介護サービスの必要性が増し、介護申請を行い24時間連絡が取れる訪問看護・訪問リハビリ・モーニングケア対応の訪問介護・心身状況に合わせと入浴ができるデイサービス・デイケアの利用と福祉用具のレンタル導入など外部の介護サービスとの連携がスムーズできるようになってきている。利用者が希望する入院せずに施設での生活が継続でき、普段通り暮らせることを目指している。
2.食事は、利用者の状態や要望を反映したサービスを行っている
- 利用者の状態に応じた食事提供や支援(見守り・声かけを含む)を行っている
- 利用者の状態や嗜好に応じて献立を工夫している
- 利用者が選択できる食事を提供している
- 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
- 食事を楽しむ工夫をしている
【講評】
利用者の嚥下状態に応じた食事形態の提供やサポートを行い、誤嚥予防に取り組んでいる
利用者の嚥下状態に応じて常食・お粥・キザミ食・ミキサー食などで対応して、禁食・アレルギーに対しては代替え食品を提供するようにしている。毎日の食事は決まられた時間内に自分でカンターに行き主食・副食などを取り、好きな座席で食事をとるようにしている。食事が運べないや嚥下機能が低下した利用者は、30分早めに食事を開始するようにして支援員の声がけやサポートを行い、自分のペースで食事ができるように支援が行われている。また、通院により帰宅が遅れても一定時間内であれば昼食の取り置きも可能にしている。
給食委員会や利用者からの聞き取り・嗜好調査を定期的に行い、献立作りに反映している
施設では、階ごとに一週間分の献立を掲載し、食堂の前のホワイトボードには大きな字で朝食・昼食・おやつ・夕食の献立をわかり易く記載している。以前は、給食懇談会を開催していたが、新型コロナ感染後は居室に栄養士が直接訪問して食事に関する具体的な要望の聞き取りや適宜嗜好調査を行うようにしている。また、給食委員会では施設長・栄養士・調理員・看護師・生活相談員・主任支援員が話し合いを行い献立や特別食などの検討を行っている。利用者調査・職員の検食・見学に来た行政の職員や見学者からも美味しいと高評価をもらっている。
季節感を重視して特別食や飾りを考えた盛り付けなど、食事への楽しみを大切にしている
誕生会では、食べたい昼食を出前で取り、お菓子のプレートにチョコペンでお祝いの言葉を添えている。夕食には、お赤飯を出してみんなでお祝いするようにしている。誕生日でない利用者にもその日は、献立の中にてんぷらやお刺身などの特別食をふるまって、食事の楽しみを提供している。美味しい食事づくりのために、食材の下ごしらえはすべて手切りで行い、購入にもこだわりを持っている。また、行事食は飾りや盛り付けで視覚から楽しみ、季節感を重視して食事時の環境や雰囲気などに気を配り、誤嚥なく美味しく食事がとれるように取り組んでいる。
3.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態や希望に応じた入浴方法や支援(見守り・声かけを含む)を行っている
- 入浴できる曜日や時間など利用者にわかりやすいように明示している
- 浴室や脱衣室は清潔で、快適な状態にしている
【講評】
入浴は利用者の状態や意思を反映し、転倒防止など安全な入浴を支援している
利用者のアセスメント情報より、心身面や入浴状況を確認し利用者が安全で安心した入浴ができる支援を行っている。浴室の床はタイル張りで滑りやすいため転倒の防止や浴槽でおぼれないよう細心の注意を払っている。介護の必要な利用者には脱衣所で衣服の着脱、浴室までの手引き誘導し、シャワーの出し方や洗髪・体の洗い方などを伝え浴槽まで誘導している。認知症や精神疾患の利用者には、本人の言うことに耳を傾け、相手のペースを守り共感し刺激のない穏やかな対応に努めている。安全で安心した入浴支援となっている。
利用者のコミュニケーションや入浴剤、季節の香りを活用し楽しむ入浴を支援している
支援員は入浴チェック表で利用者の入浴状況を確認している。入浴は週2回、時間は男性と女性に別れ、また、自立者と要介護者を区分し安心して楽しめる入浴環境を整備している。7~9月の期間、希望者には入浴日以外のシャワー浴を提供している。心身面で入浴が難しい、または消極的な利用者には清拭で対応し清潔保持に努めている。利用者とは昔話や出身地の話、子ども時代の話題などを共有し楽しい時間となっている。月1回のお風呂の日にはバスクリンを入れ温泉気分や季節感のある菖蒲湯などを用意して入浴を楽しむ支援を行っている。
安全で快適な入浴ができる環境を整備して、入浴の楽しみを提供している
用務員は浴室や脱衣室の衛生管理に努めている。毎回の入浴時の温度管理や入浴使用後の清掃、塩素消毒、レジオネラ菌などの水質検査を行っている。老朽化した施設のため、浴室や脱衣室の冷えを少しでも軽減するための温度管理、また、段差での見守り、足マット使用時や浴室内での転倒防止などに留意している。職員は利用者間でのいさかい、例えば浴槽の入り方が汚い、他人の洋服を着ているなどに対して仲介役となっている。環境面と良好な人間関係を保つなど両面から快適な入浴ができるよう支援している。
4.利用者が主体的に健康管理や介護予防に取り組むための支援体制を整えている
- 健康管理や介護予防等に関する利用者からの相談に応じる体制を整えている
- 利用者の主治医や常用薬等について把握し、服薬管理は利用者の状況に応じた支援を行っている
- 精神的なケアが必要な利用者に対して支援の体制を整えている
- 日常生活上で介護予防につながるような働きかけや工夫をしている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 日頃から医療機関と連携を図り、必要時には措置を講じている
【講評】
他職種と利用者の情報を共有、連携し健康管理の支援に取り組んでいる
利用者の健康状態の把握は、支援員と共に毎朝の居室訪問や廊下で出会ったときの声掛けを通し、顔色や話し方、目の表情、浮腫などの観察を行っている。今年の猛暑日続きのなか、特に皮膚感覚が低下した利用者には、衣類の調整や部屋の適切な換気、十分な睡眠や水分補給など促し脱水や熱中症などの予防対策に留意している。利用者の状態変化の観察、および受診が必要な場合には医療につなげている。また、医師や栄養士、支援員など全セクションと連携しカンファレンスを開催、情報の共有を図り健康的でリズムのある生活ができるよう支援している。
疾病管理や服薬管理は他職種と連携し、安全で安心した生活を送る体制が整備している
利用者のほとんどが生活習慣病や精神疾患、認知症などの疾患をもっており、複数の医療機関と連携し利用者が安心して生活できる環境を整えている。往診は内科や精神科、歯科、眼科、そして総合医療として24時間体制でスムーズに入院につなげる仕組みがある。健康診断は春と秋の2回、結果は看護師に届き、各医師にデータを渡し利用者本人に結果説明を行っている。また、月1回の体重と血圧測定を実施しデータに大きな変動がある場合は医師に報告している。通院時の情報提供や服薬管理は看護師や薬剤師、支援員など他職種と連携した支援となっている。
医療連携や共同墓地設置など健康管理から看取りまで安心した生活支援を行っている
入所時には、もしもの時は救急車を呼ぶか、また延命治療どうするかを確認しサインをもらっている。緊急時には受診や入院ができる体制が整備されている。また、施設には共同墓地があり、利用者が亡くなった時は職員及び利用者全員で黙とうを捧げ、通夜と告別式を行い参列している。このような情景を利用者が自分のこととして受け止めることで、自分の終末期のイメージができ安心して暮らせる環境となっている。今後、利用者が年々心身機能が低下し介護度が進むなか、利用者の生活が最期まで安心感につながる支援となっている。
5.日常生活では、利用者の状態や意思を反映した支援を行っている(食事・入浴以外)
- 利用者の状態に応じて、身の回りのことができないときには支援する体制がある
- 区市町村・福祉事務所等と連絡をとり、必要に応じ利用者への情報提供・手続き等の援助を行っている
- 利用者同士の人間関係を良好に保つ工夫をしている
【講評】
利用者が望む生活ができるよう、本人の意思を尊重・反映した支援を行っている
利用者が自分でできることは自分で行い、できないことは職員や関係機関と連携する支援体制が整備されている。利用者の生活の楽しみの一つに買い物があり、自立している利用者は近隣のコンビニまで外出し好きな物を購入する、介助が必要な利用者は職員の付き添い、または買い物支援の介護サービスを利用している。また、認知症利用者が昼食を食べたことを忘れお腹が空いたと買い物を希望する場合は、本人が買い物に行きたいと言う気持ちに寄り添い怒りや不安が残らないように対応している。利用者本人が望む生活を支援している。
利用者間の良好な関係が維持できるよう、全職員で課題を共有する支援体制がある
お部屋は2人部屋で入所時のアセスメント情報より、相性を考慮し人間関係が良好に保つよう工夫している。利用者同士の人間関係に困難が生じた場合は、職員が介入しトラブルの概要やお互いの意見を聞き取り、その時にできる解決策を探る対応に努めている。大きな声を出す利用者が得をしないように、その一方我慢して何も言えない利用者への配慮に努めている。半年経過しても改善しない場合は支援員会議やケース会議など職員間で課題の共有化を図り部屋を変更するなど、利用者同士の良好な人間関係の保持に努めている。
区市町村や関係機関と連携を図り利用者本人が望む生活を支援している
利用者の身体機能の低下や疾病進行のため施設対応が困難になった場合は、介護施設や区市町村窓口と連携し本人の状態や意思を反映した支援を行っている。浴槽がまたげない、または経口摂取が困難な利用者などに対し、介護サービスや特別養護老人ホームの利用に向け、利用者の情報提供や手続きなどの援助を行っている。また、他の施設で受け入れできない利用者の引き受けについては、繰り返し利用者と面接を行い本人ができること、できないことの整理や本人がどうしたいのかなど意思を反映し信頼関係を深めることで本人が望む生活を支援している。
6.利用者の生活が健康で明るくなるよう、施設の生活に工夫をしている
- 日常生活の中で楽しめる機会を設けている
- 施設内で利用者一人ひとりに応じた役割や生きがいを見出せるよう支援している
- 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、原則として自由である
- 利用者が落ち着ける雰囲気づくりをしている
- 食堂やトイレなどの共用スペースは汚れたら随時清掃を行う体制があり、安全性や快適性に留意している
【講評】
利用者の主体性や自主性を尊重し明かるい生活となるよう支援している
利用者がやりたいこと、したいことのニーズ把握に努め明るく楽しい生活となるよう支援している。利用者がおしゃべりを楽しんでいるその輪の中に入り、利用者の要望を引き出している。ぬり絵やパステル画、絵手紙、カラオケなど多くのクラブ活動を支援している。麻雀やけん玉体操活動では利用者同士で声を掛け合い楽しい時間を過ごしている。映画は時代劇や人情味あふれるシリーズ物が人気である。今後コロナ前に実現したバス旅行の実現に向け、利用者の意見を聞き相談しながら継続していくことに期待したい。
施設生活のルールの下、原則として自由でアットホームな生活を支援している
施設生活では他の利用者に迷惑を掛けないことを原則として自由である。ルールとしては利用者同士の金銭の貸し借りは禁止、喫煙は2ヵ所の喫煙室を設置し利用者間のコミュニケーションを深める空間となっている。門限は10時、日中は玄関の鍵をかけず出入りは自由である。近くの公園に行き自然に触れる、または電車に乗って買い物や小さな旅を楽しんでいる。談話室ではスポーツ番組や歌番組などテレビを見て楽しむ、隣のスペースでは利用者同士の分かち合いや懇談を行っている。このように自由でアットホームな雰囲気づくりを支援している。
利用者同士の支え合いを通し、本人の役割や生きがいを見出せる支援を行っている
利用者本人が他の人の役に立つことを積極的に行い、生きがいにつながる支援となっている。廊下で転倒した利用者を発見した時や同室の人の状態が悪いと直ぐ職員に声をかけに来る。杖歩行の利用者に対して本人自ら腕を組み転倒防止に寄り添う姿が見られる。また、利用者が起床後、自主的に共有部分のトイレや洗面所の清掃、または食後に食堂の掃除や階段の清掃を主体的に行うボランティアの会を立ち上げている。共有スペースは清潔で快適な環境となっている。職員が利用者の行動や役割に感謝を伝えることで生活の生きがい支援となっている。
7.施設と家族との交流・連携を図っている
- 家族との接し方について本人や家族等の意思を確認している
- 家族等との外出・外泊・面会時間は可能な限り希望に応じている
- 家族が参加できる施設の行事を実施している
- 利用者と家族がゆっくり話せるように配慮している
- 緊急時に家族等と連絡が取れる体制を整えている
- 家族からの相談に対応する体制を整えている
【講評】
家族関係が希薄なケース多いが、生活相談員が仲介役となり信頼関係に努めている
家族関係については、入所時に行政と連携し利用者情報や家族の連絡先等を確認している。普段の状況報告が必要な場合や緊急性がある場合は随時連絡を行っている。また家族関係が疎遠である場合は、生活相談員が家族と頻回に面会を行い信頼関係の形成に努めている。その結果利用者と家族の面会が増え親子関係の改善につながるなどがある。なお利用者との面談は施設長と相談員が年1回それぞれ行い、利用者の困りごとや悩み、ときには家族関係等について利用者の想いに寄り添う支援を行っている。
家族と協力して、利用者本人の願いを叶える支援を行っている
施設では生活背景や家族関係が複雑で身寄りのない利用者が多く、自宅で生活が困難な方を受け入れている。そのようななか家族の面会も少ない状況であるが、施設の1階と2階に面会室を設置し利用者が家族とゆっくり話ができるように配慮している。また、超高齢者で心身機能が低下している場合でも、本人が切に願う旅行を家族や行政と密に連携を図り人生最期の願いが叶う支援を行っている。利用者が亡くなった場合は家族に連絡し職員や他の利用者とともに供養に参列ができる支援を行っている。最期まで家族とともに生きる機会の提供に努めている。
8.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が職員以外の人と交流できる機会を確保している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用する機会を設けている
【講評】
地域の情報を収集し、さまざまな方法で利用者に情報を提供している
地域には様々な社会資源があり、職員は公的機関や町内会等のネットワーク、あるいは個人的なつながりなど地域資源の情報を入手している。趣味活動やボランティア活動、各介護保険サービスまたは学校や保育園などがある。各専門機関および地域のイベント情報など掲示板で紹介し、または個別に伝え地域の住民と交流ができる機会を確保している。今後、生活相談員は民生委員と連携し施設の現状や役割等を伝え、また利用者には民生委員の業務や役割について情報を提供し、利用者が地域住民として安心して生活ができる取り組みに努めている。
地域との連携のもと、生活の幅を広げ楽しみのある生活を支援している
地域のイベント案内や体操教室などのチラシを配布、地域のネットワークを活用した行事等、利用者の参加する機会をつくっている。商店街主催のお祭りや地域主催の介護予防体操教室、学生の施設内ボランティア活動の受け入れなど職員以外の人との交流を確保し、生活の幅を広げ楽しみのある生活を支援している。また、車を借りてお花見やいちご狩り、浅草ぶらり旅などが行われ、当日の写真を掲示し楽しめるよう工夫している。現講師のネットワークを通し新規の地域資源開発にも取り組み、利用者の楽しみを増やすよう努めている。
【講評】
日常のさまざまな生活場面で利用者のプライバシーに対する配慮を徹底している
個人情報の保護のやりとりについては、個人情報保護規定を定め、利用者には入所時に説明、必要性があるときはその都度了解を得て対応している。個人宛に届いた郵便物は本人同意の上開封している。金銭管理は本人管理と施設管理に分かれており、本人管理の小遣いは話し合いで金額を決めている。入浴は同性介護とし排泄時はカーテンをするなどプライバシーの保護に努めている。利用者の居室はそれぞれの家として尊重し、お部屋を訪問する際には必ず声掛けやドアノックをするなど利用者のプライバシーに対する配慮を徹底している。
利用者の自由な生活を尊重し、その人らしい生活ができるよう支援している
利用者が認知症や精神疾患のある方、また身体機能の低下のため日常生活活動が制限されるなど様々な生きづらさを持った方たちが生活している。職員は利用者のギリギリまで本人の残存能力を見極め自分の手で自分の口で食べる、できるだけ自分の足で歩くなど主体性や自立性を尊重した日常生活が過ごせるよう支援をしている。また、利用者が頑張っている姿を褒めることで自分の存在感が意識化され笑顔が返ってくる支援となっている。他者に迷惑をかけないと言う原則のもと、職員の見守り体制を通しその人らしい生活を尊重した支援に取り組んでいる。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
その場に応じた適応能力を持つ支援員を育てていくことに、重きを置いている
生活相談員業務マニュアルは、入所前の見学者面接・入退所の手続き・年間の業務などを明記、その他環境整備・緊急時の連絡フローチャート・夜間利用者緊急時対応マニュアルが整備され、その都度活用しやすいように追加の項目を記載して見直しが行われている。セクションごとのマニュアルは、大まかな流れを記載しているが、利用者の活動動作や精神面の幅が広く、個々の状態に応じた支援をしていくために、定期的な見直しが必要であるが、養護老人ホームではその場に応じた適応能力を持つ支援員を育てていくことに、重きを置いている。
課題がある時はミニカンファレンスを開催して、話し合いができる体制を整えている
職員の標準化のために内部研修は身体拘束廃止や虐待防止等高齢者権利擁護の研修、事故防止研修、感染症対策研修、誤嚥防止研修、AED救急研修など計画し実施している。個別の対応に対しては、現場で行われるOJTなど、利用者の理解するために見えてくる支援やアプローチの方法を検討している。「自由に楽しい日常の提供」を大切に利用者に笑顔が見られたときなどには、支援経過記録に入力して見える化し情報を共有して、課題がある時はミニカンファレンスで話し合えることができる体制を整備している。
支援員の意見や提案を反映して、活用しやすいマニュアルの見直しに期待している
毎月の支援会議や職員会議で支援方法や状況の確認、利用者とのコミュニケーションの取り方やアプローチの方法などの基本的事項について意見交換を行い支援の標準化につなげている。主任支援員を中心に現場でのOJTにより標準化を図っているが、習得レベルに課題がある支援員や新人支援員のスキルの向上させるためには、各種支援マニュアルや手順書を現場の声を反映して見直しを定期的に行うことが望まれる。今年度、副施設長の指導の下で改訂を行っているようなので支援員の意見や提案を反映した活用しやすいマニュアルの見直しに期待している。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2024年5月15日~2024年10月25日
評価結果のダウンロード
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【講評】
運営理念に基づく方針を朝礼や職員会議で伝えている
運営理念「自他の別なく人身を守れ」の実践について、朝会や職員会議で施設長より「自由で楽しい日常生活の提供」「や「管理でなく協働」「社会参加の援助」など施設の有り方を伝えている。利用者には懇談会や避難訓練、集会の機会に伝え、家族には来所時に伝えている。新しい職員も増えているので「理念に基づいて、どの様に行動するか」を皆で考え話し合い、行動指針として明文化すると良いと思われる。
施設の方向性と課題を示しリーダーシップを発揮している
施設の内外の環境条件を把握して、施設が進むべき方向性を示し職員会議等で説明している。運営方針は①利用者本位の対応、安心・安全・快適な生活、サービスの充実 ②施設の存在価値と関係機関との連携 ③職員の確保と専門性の向上 ④運営体制の充実 ⑤介護度の重い方への介護サービスの活用 ⑥充足率の向上と財政の健全化等について職員会議で方向性と課題を説明している。
運営上の案件は各会議にて検討し全職員で共有している
運営の重要な案件は理事会にて検討し、会議等で職員に周知している。日常の運営上の案件は職員会議、セクション会議、各部門別会議等で検討している。セクション会議は課題が有る場合に各セクションの代表が集まり検討する。支援員会議は毎月支援員全員で個別利用者の状況確認と援助方針、業務内容の話し合いがなされる。ケース会議は利用者別の援助方針が話し合われる。職員会議では全職員が集まり全般的な情報を共有している。