評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)その人らしく生き抜く:利用者と支援者の関係形成に重点を置いた支援をし、意思決定、自立支援にも注力し、自己決定、自己コントロール力を身につけて頂き、自立支援を促し、利用者が地域で生き生きと暮らす事をサポートしていく。
2)それぞれのスタッフが持つ個性と多様性をお互いに尊重し、仲間として利用者と地域でともに暮らし、自分らしく人生を歩む。
3)障がい児・者が家族や周囲の人々、地域社会と交流しながら、生活を楽しみ、周囲に適応し、生き抜く力を身につけ、それぞれかげがえのない個性を輝かせるよう支援する。
職員に求めている人材像や役割
・課題や改善点を見つけるだけでなく、その解決に取り組む人材。
・利用者の気持ちを汲み取り、周りへ伝えることのできる人材。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・障がい者支援が楽しいということに気づき、この仕事に誇りを持って働いて欲しい。
・こげら会の理念を体現できる支援を意識してほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
評価者がこげら会への入職の理由を問うと、管理者は「障害者福祉に携わりたかったからです。」、リーダーは「こげら会に在職している友人の誘いが入職の動機です。」と話してくれました。その場面から評価者は二人が共通して障害者福祉に関わるインセンティブは「障害者が好き!」と確信しています。訪問調査時、ノートパソコンを使って私達評価者に要求する資料を説明してくれる際、「あれっ!」「これっ!」で通じる場面のその微笑ましい姿から、評価者は「二人が宇奈根の礎である。」と認識しました。
利用者の希望により移動支援を組み合わせ、作業所が終わってからの外出、作業所までの付き添いなどに対応しています。外出先は、利用者の希望や、その方の趣味や好みからの提案などから決定し、行く先が同じ方とは一緒に行動することもあります。また、職員間でも行先や経路・費用などの情報が共有されており「職員によって行く場所が異なり、色々な所に出かけている。」と管理者も話します。保護者からも「長時間のガイドや宿泊の付き添いをしてくださり~本人はとても楽しみにしていて~家族も助かっている。」などのコメントがあります。
保護者から「基本的にショートは好きではなく、当日のメンバーによってイライラしたり不穏になったりします。」とのコメントがある通り、小規模とはいえ集団生活の場であり、他者からの影響は受けやすく、その組み合わせや部屋割り、生活のスケジュール調整などは苦慮するところで、常に気を配って対応しています。2021年にケアこげら調布が開設されたことで生活空間の選択肢が増え、「ケアこげら調布短期入所ができ、利用者の組み合わせは、よりスムーズになりました。」と管理者も実感しています。
さらなる改善が望まれる点
こげら会は20代、30代の若い職員が多く勤務しています。今回の保護者アンケートより、ご本人の性別の割合は、男性利用者が65%を占めています。管理者は「若い女性職員が男性利用者からセクハラ行為を受けた事例がある。」と話します。評価者は、最近、今まで蓋をしていた(主に)女性職員に対する男性利用者のセクハラ事例を顕在化させ、委員会活動やグループワークといった組織的な活動で対応するケースを見聞きし始めました。
職員アンケート“【4-5①】家族対応を心がけていますか?”の認知度は前回同様100%と最高位ですが、保護者アンケート全13問の「はい」回答の平均は73%(前回90%)へダウン、総合的な感想は“大変満足”22%(前回65%)、“満足”65%(前回29%)の結果でした。保護者からは「職員(ベテランさん)が辞めたりするので、≪略≫長く続けて欲しいと思う。わからないこと、困ったことは親に聞いて欲しいと思う。」「職員同士がしっかり情報共有すべきだと思う。」などのコメントがありました。
前回の課題“利用者の要望に応えやってしまう傾向を職員間で見直す”について、管理者は「支援会議で職員とヘルパー共通の支援方向が決められるようになったが実際は完璧ではない。職員とヘルパーの同泊の機会がない限り現場での教えは難しい。」とし、“改善していない”との認識です。殆どが一人勤務であり、他の職員の支援を見ることや、疑問などを話し合うことが難しいため、個々のやり方が見直されることなく、職員の対応に差がでていると評価者は推察します。利用者の安心や信頼につながる部分のため検討して欲しいと思います。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:アンケートは、全利用者41名に配付、23名から回答を得ました。回答者の利用者属性は、男性15名・女性8名、平均年齢25歳でした。
- 調査方法:アンケート方式
アンケートは、郵送方式とWeb方式の併用で実施しました。
郵送方式では、アンケート・返信用封筒をセットにして配布、利用者からは直接当機関に返送してもらいました。
Web方式では、QRコードとURLを配布し、スマホやパソコンから回答してもらいました。 - 有効回答者数/利用者総数:23/41(回答率 56.1% )
アンケートは、41名中23名から回答を得ました(有効回収率56%(前回94%))。回答した利用者の状況は前回と比べて、平均年齢は25歳(前回:20歳)にアップしました。
利用者調査全体の満足度は“はい”73%、“どちらともいえない、いいえ”14%、“非該当・無回答” 13%(前回“はい”80%、“どちらともいえない、いいえ”6%、“非該当・無回答” 6%)でした。
職員へ一言(オプション設定)では「色々トラブルはありますが、こんな大変な子どもでも受け入れて対応して下さることに感謝しております。」「わからない事、困った事などは親に聞いて欲しいと思います」が意見として上がり、意見や要望では「支援者の方々の連携、情報の共有を高め、安定した支援をお願い致します。」「親も70歳を過ぎて、この先いつまで介護できるかと考えさせられます。」が上がりました。
アンケート結果
1.利用中の生活はくつろげるか
19名(83%(前回“はい”82%、“どちらともいえない、いいえ”18%)が“はい”、3名(13%)が“どちらともいえない、いいえ”と回答しています。8件の意見を頂きました。参考となる意見として「利用を楽しみにして「こげら、いつ?」と何度も聞いてます。」との意見があがりました。
2.事業所の設備は安心して使えるか
16名(79%(前回“はい”88%、“どちらともいえない”12%))が“はい”、5名(22%)が“どちらともいえない”と回答しています。3件の意見を頂きました。参考となる意見として「ほとんどの職員さんは大変良く対応して下さっています。が、ごくわずかな職員は安心して預けられるスキルなく不安を感じる事があります。」との意見があがりました。
3.利用時の過ごし方は個人のペースに合っているか
19名(83%(前回“はい”82%、“どちらともいえない”18%))が“はい”、2名(8%)が“どちらともいえない、いいえ”と回答しています。3件の意見を頂きました。参考となる意見として「利用して長いので、本人の特性など、理解して下さっていると思います。」との意見があがりました。
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
13名(57%(前回“はい”82%、“どちらともいえない”6%(“非該当・無回答” 12%)))が“はい”、5名(21%)が“どちらともいえない、いいえ”と回答しています。4件の意見を頂きました。参考となる意見として「家族が見る機会がない。」との意見があがりました。
5.職員の接遇・態度は適切か
16名(70%(前回“はい”94%(“非該当・無回答” 6%)))が“はい”、4名(17%)が“どちらともいえない、いいえ”と回答しています。5件の意見を頂きました。参考となる意見として「連絡シートの文面でヘルパーさん方々のお人柄がわかります。」との意見があがりました。
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
15名(65%(前回“はい”94%(“非該当・無回答” 6%)))が“はい”、3名(13%)が“どちらともいえない”と回答しています。6件の意見を頂きました。参考となる意見として「職員全員が自閉症を理解していない感じがある。」との意見があがりました。
7.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
15名(65%(前回“はい”88%(“非該当・無回答” 12%)))が“はい”、3名(13%)が“どちらともいえない”と回答しています。4件の意見を頂きました。参考となる意見として「本人がおしゃべりしすぎてしまうのですが、上手く距離を取ってくださっていると思います。」との意見があがりました。
8.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
21名(91%(前回“はい”94%、“どちらともいえない”6%))が“はい”、1名(4%)が“どちらともいえない”と回答しています。6件の意見を頂きました。参考となる意見として「ヘルパーさんの作ってくださる料理が美味しいので、おかわりを要求してしまうのですが、ちゃんとおかわりを下さるので喜んでいます。」との意見があがりました。
9.利用者のプライバシーは守られているか
16名(70%(前回“はい”88%(“非該当・無回答” 12%)))が“はい”、3名(13%)が“どちらともいえない”と回答しています。1件の意見を頂きました。特記すべき意見はありませんでした。
10.サービスの利用に当たって、利用者の状況や要望を聞かれているか
20名(87%(前回“はい”94%、“どちらともいえない”6%))が“はい”、2名(9%)が“どちらともいえない”と回答しています。5件の意見を頂きました。参考となる意見として「ショートの時はコンビニの買い物は近くに居てくれる。」との意見があがりました。
11.サービス内容に関する職員の説明はわかりやすいか
12名(52%(前回“はい”88%、“どちらともいえない”6%(“非該当・無回答” 6%)))が“はい”、3名(13%)が“どちらともいえない”と回答しています。3件の意見を頂きました。参考となる意見として「用紙が送られてくるだけなので、説明はありません。」との意見があがりました。
12.利用者の不満や要望は対応されているか
16名(67%(前回“はい”94%(“非該当・無回答” 6%)))が“はい”、6名(25%)が“どちらともいえない、いいえ”と回答しています。4件の意見を頂きました。参考となる意見として「頑張ってくれているとは思いますが、重度の子を2人で夜間一人と言うのは対応しきれるのか不安。」との意見があがりました。
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
22名(96%(前回“はい”94%、“いいえ”6%))が“はい”と回答しています。2件の意見を頂きました。参考となる意見として「何かあって相談したところで、問題となって事業所利用できなくなると、利用者も困ります。」との意見があがりました。
サービス分析結果
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
【現状】“【2-1③】利用者・家族からの要望理解”の認知度は高位継続です。
職員アンケートの“【2-1③】利用者・家族からの要望を理解しているか?” の認知度は100%(前回:86%)とアップ、管理者も“課題なし”としています。一方、管理者からは「アセスメントシートやガイド計画書の特記事項に記録している。現在、管理者以外の職員も見学対応を実施しているが、契約に関してはまだ限定的です。」との見解もありました。また、「見学時には本人同伴を希望しています。その際、本人の状況を確認し、契約の可否を判断しています。」と話します。
【課題】保護者から「希望通りに入れない事が多くなって来ました。」との意見です。
保護者から「支援員不足の問題があるのでしょうが、希望通りに入れない事が多くなって来ました。また、支援者の都合で当日キャンセルになるというのは安心して出かけられないので、職員が緊急時はサポートできる体制をとって下さい。」との意見がありました。
【目標】評価者は「現在の利用状況を保護者に説明する必要性がある」との認識です。
事業プロフィールでは、“サービスを希望しながら待っている人はいるか?”の設問に対し、「 ほぼサービス提供能力に見合った利用者数で、待っている人はほとんどいない(ほぼ定員を満たしている) 。」との回答、また3年後の見通してでは、「 サービス提供能力を拡大する計画はないが、ほぼ現在のサービス提供能力に見合う利用者数は維持できると思う 。」との回答でした。評価者は保護者に対し、「現在の利用状況を保護者に説明する必要があり、保護者に協力を求めるべきである。」との認識です。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者等の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者等の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
【現状】前回目標「サービス提供記録の新たな取組み」は“改善傾向”との認識です。
前回“サービス提供記録を活用した新たな取組みを考えています”の表題のもと「サービス提供記録には利用者の様子を書く欄があります。利用者の様子が手に取るように書かれたものや簡単な記入のものと職員によりまちまちです。保護者からは「様子を知りたい」という意見も寄せられていることから、視点を定め、どのように記入していくかの検証も必要と思われます。」との目標を設定しました。今回それに対し管理者は「職員にマイクロソフトアカウントを発行し、クラウド上で確認できるようにし始めた。」を背景に“改善が進んでいる”との認識です。
【課題】“【3-3②】個別支援方針を頭に入れて記録” は“ギャップあり”です。
職員アンケートの“【3-3②】個別支援方針を頭に入れて記録しているか?” の認知度は80%(前回:71%)にアップしました。一方、管理者は“【3-3②】支援方針を頭に入れて記録するよう周知していますか?”について、「サービス提供記録をつけているがそれを参照した新たな取り組みが出来ていない。」を背景に“課題あり”とし、両者にギャップが存在します。また、管理者からは、個別支援方針の基としているアセスメントシートについて「移動支援に関する項目が多く、短期入所の記載欄が小さい。」との意見がありました。
【目標】利用者の記録への職員の認識を高めることが目標です。
職員は記録に務めているが、管理者はまだまだとの認識です。一方、保護者からは「職員間の情報共有を高め、安定した支援をお願いします。」との意見です。評価者は「保護者の意見からすると、管理者の認識が現状に近い。」と認識し、利用者の記録への職員の認識を高めることが目標と考えます。さらに管理者は「(担当者について)先月は支援者A、当月は支援者Bと支援者が変わると情報が途切れる。」ことも課題としています。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援方針を作成している
- 支援方針は、利用者等の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 支援方針を利用者等にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 支援方針は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 支援方針を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 支援方針に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 支援方針の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援方針をいかしながら、利用者に合った自立生活を送るための支援をしている
- 支援方針に基づいて支援を行っている
- 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 必要に応じて、さまざまな情報を提供し、または相談に応じる体制を整えている
【講評】
【現状】利用者の特性などに合わせて支援を工夫しています。
利用者の特性や心身状態などが記載されたアセスメントシートや、支援の留意点をまとめ、それらを基に支援しています。支援の際は、その時の表情や態度などの観察、これまでの傾向からの推察、利用者に合わせた声のかけ方や話す内容・補助の仕方の工夫などから、できる限りその方の思いや希望に沿うよう努めています。利用時に職員をつねる方について「大きく痛がると更に力を入れる」「自分を受け入れてくれるかを確認しているのでは?」などの情報から「騒がずに受け入れる態度で接する」ことで、行動がエスカレートしなくなった事例がありました。
【課題】“個別支援方針に基づいて支援しているか?”の認知度がダウンしています。
前回“ベテラン職員の後姿を見ながら接し方のスキルを身に付けましょう”を目標としました。これについて管理者は「支援会議を通して職員とヘルパーの意見交流ができ、共通の支援方向を決められるようになった。」を背景に‟改善が進んでいる”との認識ですが、職員アンケート“【4-1①】個別支援方針に基づいて支援していますか?”の認知度は60%(前回100%)へダウンしています。
【課題】相談支援に関して、職員と保護者の認識にギャップが出ています。
職員アンケート“【4-1③】利用者の相談に応じるよう心がけていますか?”の認知度は100%(前回86%)にアップしていますが、保護者アンケート“【問12】不満や要望にきちんと対応してくれましたか?”の満足度は67%(前回94%)にダウンしています。保護者からは「問題を起こすことが続いた時に事例を集めて検討していただきました。」とのコメントの一方で、「作業所へお弁当持参の日、空のお弁当箱を洗ってほしいと連絡メモをお願いしても≪略≫そのままの状態だったことがありました。」とのコメントも寄せられていました。
2.利用者の主体性を尊重し、利用中の生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
- 利用者の状況や希望に沿って生活を楽しめるように取り組んでいる
- 室内は、利用者の状況に応じて快適で落ち着ける環境・空間にしている
【講評】
【現状】「利用者が落ち着いて楽しく過ごせるプラン立案」を実践しています。
前回課題の「利用者が落ち着いて楽しく過ごせるプラン立案」について、職員からは“改善が進んでいる”の回答が多く、「一緒に動画などを見て過ごしている。」「事前に利用者の相性を確認し、必要に応じてコーディネーターに伝えている。」といったコメントがありました。職員アンケート“【4-2①】利用者が生活を楽しめるよう心がけていますか?”の認知度は前回同様100%と最高位を継続、保護者アンケート“【問1】ご本人は落ち着いて過ごしていますか?”の満足度も83%と高位で「利用を楽しみにしている。」とのコメントがありました。
【現状】ケアこげら調布短期入所と連携しながら支援しています。
保護者から「基本的にショートは好きではなく、当日のメンバーによってイライラしたり不穏になったりします。」とのコメントがある通り、小規模とはいえ集団生活の場であり、他者からの影響は受けやすく、その組み合わせや部屋割り、生活のスケジュール調整などは苦慮するところで、常に気を配って対応しています。2021年にケアこげら調布が開設されたことで生活空間の選択肢が増え、「ケアこげら調布短期入所ができ、利用者の組み合わせは、よりスムーズになりました。」と管理者も実感しています。
【現状】利用者の好みやこだわりに応じながら支援しています。
事業所では、DVDやタブレットでの動画鑑賞、紙ちぎりなど、それぞれの利用者が楽しめるよう準備しています。宿泊室用のTVは2台用意されており、TV鑑賞を好む方には、TVのある部屋を割り振る、若しくはその方の部屋にTVを移動したり、使用品にこだわりがある方にその物を使用してもらったり、細やかに対応しています。保護者アンケート“【問10】職員はご本人の“こうしたい”との要望を聞いてくれましたか?”の満足度は87%と高位で、「無理強いしないで対応していただいています。」とのコメントがありました。
3.利用者一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
- 利用者の意向を尊重しつつ、自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
- 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
【講評】
【現状】利用者のペースに合わせて支援しています。
入浴や食事、歯磨き、服薬、食器片づけなど利用者ができることは自分で行うよう行動を促しています。また、集団が苦手な方には部屋で食事をしてもらう、一番風呂に入りたい・食後にお風呂に入りたいなどの希望に応じるなど、可能な範囲でスケジュール調整を行い、利用者の生活リズムに合わせるよう配慮しています。職員アンケート“【4-3②】利用者のペースに配慮するよう心がけていますか?”の認知度は、前回同様100%と最高位、保護者からは「次の行動に移る時、時間がかかるが待っていてくださる。(【問8】)」とのコメントがありました。
【課題】「職員によって対応が違う」と保護者からの意見です。
保護者アンケート“【問5】職員の言葉遣いや態度は丁寧ですか?”の満足度は70%(前回94%)。“【問8】職員は本人の気持ちを大切にしてくれますか?”の満足度は87%(前回94%)と、高位ながらもダウンしています。コメントでは「≪略≫(食事について)ちゃんとおかわりをくださるので喜んでいます。」「本人の気分で苦労されていると思います。」と肯定的なものが多い一方、「職員によって違うように感じます。」や、【自由意見】では「≪略≫利用する時は必ず職員さんの名前をチェックしています。」などのコメントもありました。
【目標】職員の対応差を解消することが目標です。
前回の課題“利用者の要望に応えやってしまう傾向を職員間で見直す”について、管理者は「支援会議で職員とヘルパー共通の支援方向が決められるようになったが実際はまだ完璧ではない。職員とヘルパーの同泊の機会がない限り現場での教えは難しい。」とし、“改善していない”との認識です。殆どが一人勤務であり、他の職員の支援を見ることや、疑問などをその場で話し合うことが難しいため、個々のやり方が見直されることなく、職員の対応に差がでていると評価者は推察します。利用者の安心や信頼につながる部分のため、検討して欲しいと思います。
4.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の健康状態や服薬に関して、利用者や家族から必要な情報を収集している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制を整えている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
【現状】感染症予防など健康管理に留意しています。
事業所では、到着した時に手洗い・うがいを行い、感染症予防に努めています。また、保護者や作業所などからの伝達事項に健康に関することがないかの確認や体温測定、顔色や表情などの様子観察を行い、健康状態を確認しています。歯磨きは就寝前と朝食後に行い、利用者のできない部分を職員が手伝っています。利用者の体調に変化がみられた際は、現場→管理者→保護者の順での報告・確認を原則としています。保護者から「職員全員が自閉症を理解していない感じがある。」とのコメントを受け、管理者は「勉強を強化していきたい。」との考えです。
【課題】服薬忘れ防止が課題です。
処方薬は、利用者が到着後、付き添いや宿泊の職員が利用者の荷物から薬を取り出し、リビングにある引き出しに保管。食後などの決められたタイミングで与薬を行い、空袋を利用者の荷物に戻し、サービス提供記録の服薬確認欄にチェックをいれる仕組みになっていますが、「服薬を忘れてしまい、利用者が帰宅した際に保護者が発見するケースがある。」と管理者は話します。処方薬の取り出し忘れから始まり、与薬忘れに気付かない、服薬チェック記入が機能していないなど、服薬管理の仕組みが形骸化しているように評価者は感じました。
【目標】服薬管理を徹底し、服薬忘れをなくしましょう。
前回“(服薬確認について)二重チェックの習慣化を図る工夫をしましょう”を目標としましたが、管理者は「二重チェックの管理表は未作成。処方箋の持参は周知している。」ことを背景に“改善していない”との認識です。一人勤務の時間が長く、職員二人が一緒に確認することは難しいかもしれませんが、服薬管理の流れの中で、確認する内容やタイミングをそれぞれに割り振るなどの服薬管理システムの見直しや、「服薬忘れを起こさない」という職員への意識付けの強化など、全職員で原因を探り、意見を出し合いながら取り組んでください。
5.家族等との交流・連携を図っている
- 家族等との交流・連携に際して、利用者本人の意思を確認し、その意向に基づいた対応をしている
- 必要に応じて、家族等への情報提供や相談に乗るなど支援をしている
【講評】
【現状】サービス提供記録などで利用時の様子を伝えています。
外出や宿泊時の様子は、サービス提供記録に記入し複写部分を保護者へお渡ししており、電話連絡や送迎などの対面時にも口頭でお伝えしています。また、毎月、法人全体の動きがわかりやすく記載された「ケアこげら通信」も保護者に配布しています。職員アンケート“【4-5②】利用者の様子を家族に知らせていますか?”の認知度は、前回同様100%と最高位です。保護者からは「いつも細やかな連絡帳、ご報告に感謝します。自宅以外の様子が伺えてとても参考になり、良い所も見つけて報告してくださいます。」とのコメントがありました。
【課題】保護者の満足度が下がりました。
職員アンケート“【4-5①】家族対応を心がけていますか?”の認知度は前回同様100%と最高位ですが、保護者アンケート全13問の「はい」回答の平均は73%(前回90%)へダウン、総合的な感想は“大変満足”22%(前回65%)、“満足”65%(前回29%)の結果でした。保護者からは「職員(ベテランさん)が辞めたりするので、≪略≫長く続けて欲しいと思う。わからないこと、困ったことは親に聞いて欲しいと思う。」「職員同士がしっかり情報共有すべきだと思う。」などのコメントがありました。
【目標】保護者との関わり方や連携方法の見直しが目標です。
保護者から「面談をしないので正直色々なことがわからない。書面でのお知らせなどはあるが、職員ときちんと話をする機会がなく、よくわからないことが多い。」とのコメントや、「こちらの要望を伝える手段としてミニ連絡帳みたいな物があるといいかな!と思う。」との提案もありました。連絡帳は、利用者側が用意(作業所とも共有)した場合に対応していますが、他の方々は付箋やメモを荷物の中に入れている状況で、「見落とす場合がある。」と管理者も話します。また、評価者は「個別面談ができる旨を知らせることも必要では?」と考えます。
6.地域で自立した生活を送れるよう支援をしている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 必要に応じて、利用者が地域の資源を利用し、多様な体験ができるよう支援している
- 必要に応じて、関係機関(日中活動事業所、相談支援事業所等)と情報共有を行い、支援に活かしている
【講評】
【現状】移動支援も利用でき、利用者の楽しみにもつながっています。
利用者の希望により移動支援を組み合わせ、作業所が終わってからの外出、(宿泊後)作業所までの付き添いなどに対応しています。外出先は、利用者の希望や、その方の趣味や好みからの提案などから決定し、行く先が同じ方とは一緒に行動することもあります。また、職員間でも行先や経路・費用などの情報が共有されており「職員によって行く場所が異なり、色々な所に出かけている。」と管理者も話します。保護者からも「長時間のガイドや宿泊の付き添いをしてくださり~本人はとても楽しみにしていて~家族も助かっている。」などのコメントがあります。
【現状】「社会性が出てきて嬉しく思う」と保護者の意見です。
前回目標“移動支援を通して社会性や地域生活にもつながるでしょう”について、管理者は「少しずつ外出制限が解除され、週末活動など団体活動も再開された。」ことを背景に“改善が進んでいる”との認識です。保護者からは「一人の職員さん(慣れた)でないと対応が難しかったのですが、最近では新しい方とでも利用できるようになり、外出を含め、社会性が出てきて嬉しく思っています。」「将来に向け、身の回りの整容など細かいことも練習させたいと思います≪略≫」「いろんな場所に慣れてもらい経験させてあげたい。」などのコメントがありました。
【現状】他の短期入所施設などの情報も提供しています。
必要に応じ、ミドルステイができる施設や区内の他の短期入所施設など、事業所が知りえる地域の情報を提供しています。移動支援の利用者には、地域のイベント情報なども伝え、参加しています。また相談支援事業所やケースワーカー、通所先などと連絡を取り、それぞれの情報を共有し合い支援に活かしています。職員アンケート“【4-6①】地域情報を利用者に提供していますか?”の認知度は80%(前回57%)へアップしており、その要因について管理者は「移動支援に加え、相談支援事業所との連携が増えたことも影響しているのでは?」と話します。
【講評】
【現状】前回の課題“さらなるプライバシー配慮”は“改善傾向”との認識です。
前回、“管理者はさらなるプライバシーの配慮を視野に入れています”との表題のもと、「勤務体制上、コロナ禍で常勤・非常勤職員が一堂に会するのは難しい中、虐待研修やエリア会議などの研修や会議ではリモートの活用を考えています。」との課題を設定しました。今回それに対し管理者は「権利擁護の研修を年2回行っている(参加率約75%)。」を背景に“改善が進んでいる”との認識です。
【課題】職員から「異性介助をなくすべきである。」との意見がありました。
職員アンケートの“【5-1②】プライバシーに配慮した支援を心がけていますか?”の認知度は100%(前回:100%)と高位継続でしたが、「異性介助をなくすべきである。」「男女同泊がある。」との意見がありました。保護者アンケートの“【問9】職員はプライバシーに配慮してくれていると思いますか?”の満足度は70%(前回:88%)にダウンです。
【目標】職員をハラスメントから守る組織的な対応の検討が目標です。
こげら会は20代、30代の若い職員が多く勤務しています。今回の保護者アンケートより、ご本人の性別の割合は、男性利用者が65%を占めています。管理者は「若い女性職員が男性利用者からセクハラ行為を受けた事例がある。」と話します。評価者は、最近、今まで蓋をしていた(主に)女性職員に対する男性利用者のセクハラ事例を顕在化させ、委員会活動やグループワークといった組織的な活動で対応するケースを見聞きし始めています。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
【現状】“【6-1③】日常的にマニュアルを活用”の認知度はダウンです。
職員アンケートの“【6-1③】日常的にマニュアルを活用しているか?” の認知度は40%(前回:86%)にダウン、一方管理者は「宇奈根手順書を活用している。」を背景に“課題なし”としており、両者にギャップが存在します。また保護者アンケートの“【問2】安心・安全に配慮してくれていますか?”の満足度も70%(前回:88%)にダウンし、「ほとんどの職員さんは大変良く対応して下さっていますが、ごくわずかな職員は安心して預けられるスキルなく不安を感じる事があります。」との意見がありました。
【課題】標準的な一日の流れを個人別の一日の流れに落とし込むのが課題です。
管理者は“【6-2①】サービスの手順(業務の流れ(フロー))の見直し内容を職員に周知していますか?”の項目について、「見直しの時期や基準は明確には定められていない。」 を背景に“課題あり”としています。一方、職員アンケートの“【6-2①】サービスの基本や手順の見直しの基準を理解していますか?”の認知度は80%(前回:43%)にアップ、両者にギャップが存在します。管理者は「標準的な一日の作業の流れを個人別まで落とし込みたい。」としており、ギャップの背景を垣間見ることができます。
【目標】複雑な月間宿泊予定表作成のマニュアル化が将来的な目標となります。
評価者は、短期入所のサービス提供時に大きなトラブルに見舞われない背景は、管理者が作る月間宿泊予定表にあると推測しています。利用者の特性はもちろん、職員と利用者の相性や宿泊する利用者同士の関係性といった詳細な情報をもとに、職人技を駆使した予定表の作成がトラブル回避のプラットフォームとなっています。『個人別の一日の流れ』も、マニュアル化しなくても当日勤務する職員の頭に刻まれていることでしょう。評価者は「複雑な月間宿泊予定表作成のマニュアル化は管理者本人の頭を整理する観点からトライする意義がある。」との認識です。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
【現状】“【1-1③】自治体提供情報の理解”の職員の認知度はダウンです。
職員アンケートの“【1-1③】自治体に提供している情報を理解しているか?” の認知度は 40%(前回:71%)にダウン、一方管理者は「簡単な概要(サービス時間やサービス内容など)を世田谷区の相談支援事業所や作業所などに提供している。」を背景に“課題なし”としています。保護者アンケートの“【問13】困った時に職員以外に相談できることをご存知ですか?”の満足度は 96%(前回:94%)と高位継続、「何かあって相談したところで、問題となって事業所が利用できなくなると利用者も困ります。」との意見です。
【課題】前回の課題“情報提供媒体の再確認”は“改善していない”との認識です。
前回“利用者への情報提供媒体を再確認する機会を設けるとよいでしょう”との表題のもと、「管理者は、事業所の情報を提供しているホームページやパンフレット、「ケアこげら通信」などの媒体に具体的に記載している内容を職員全体が把握していない可能性があるとしており、今後、意識をもって理解してもらうよう非常勤職員にも周知していくことを課題としています。」との課題を設定しました。今回それに対し管理者は「今年度から情報のICT化を目指したいと思います。」を背景に“改善していない”との認識です。
【目標】まずは職員にホームページへ関心を持ってもらうのが目標です。
今回の職員アンケートの“【6-1①】ホームページに関心はありますか?”の認知度は80%(前回:100%)とダウンしています(職員からの意見なし)。評価者は「まずはホームページやブログの更新により職員に関心を持ってもらい、やがて新規利用者の獲得へと繋げて欲しい。」との希望を抱いています。また、管理者は「新規利用者情報をいただく相談支援の窓口は自分が担当している。」と話します。