評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人愛隣会

【事業所名称】

白寿荘

【サービス種別】

養護老人ホーム

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)経営方針「隣人愛」

2)経営方針「私たち愛隣会はすべての人に心を尽くして支援します」

3)施設目標「あかるく きれいに いつまでも」

職員に求めている人材像や役割

1.明るく、素直で、礼儀正しく。                                                                            

2.自分で担当できる業務を一つでも多く増やしていく姿勢をもっている。                                                                                         

3.常によりよい方法を模索し、場合によっては提案することができる。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

1.高齢者福祉のセーフティネットとしての役割を理解し、プライドを持っている。                                                                                                                                              

2.職員自身が健康であり、個人の生活や精神が安定していること。                                                                                                                                                    

3.利用者様の抱える痛みを、自分の親の痛みとして捉え、痛みに寄り添う支援ができること。

全体の評価講評

特によいと思う点

当施設は緊急ショートステイのケースや困難な状況にある高齢者を積極的に受け入れている。地域における養護老人ホームの役割を全うし、多様なニーズに対応している。当施設は他の区からも幅広く利用者を受け入れており、一定の評価を得ていることが伺われる。全人的な視点から、利用者がどう生きたいのかを大切にしている。利用者は当施設を選ぶ際に、喫煙や一人部屋の有無、管理が厳しくないことなどを考慮できる。選ばれる養護老人ホームでありたいという姿勢を積極的に打ち出している。

利用者の主体性や自主性を尊重し、各自が持つ力を活かして、できる限り自由な生活を目指している。外出・外泊・入浴・テレビ視聴等の決まりは最小限で、原則自由に行っている。食堂での食事はバイキング形式で利用者が自分で皿に盛りつける。季節の行事やクラブ活動が多種多様で、参加の有無は利用者自身が選択できる。利用者自主運営のカラオケクラブ、ボランティアサークルもある。希望者には内職の紹介、就労支援をして、利用者が活躍できる機会を設けている。利用者自治会の活動が活発で、施設運営に意見や要望を提示して職員と毎月協議している。

利用者自治会(信和会役員会)から様々な意見が直接施設に対して寄せられている。新入所の利用者に関しては、声を上げにくいことに配慮して新入荘懇和会を開催し、意見を集めている。年2回と誕生月には担当者による面談を活用して、利用者一人ひとりの想いを把握し、施設運営に反映させている。実際に施設見学中にも利用者やボランティアとの挨拶やちょっとした会話から利用者の意向を引き出す職員の姿勢が度々見受けられた。職員からは会議や委員会・ミーティングのほか、アンケート等も活用し、意見を集め施設運営に活かしている。

さらなる改善が望まれる点

コロナ禍に中断した家族との外出・外泊・面会は再開して、可能な限り希望に応じている。家族が参加できる施設行事は、敬老会・懇親会・喫茶・演芸会など多数開催していたが、感染予防のために家族の招待を中止したままになっている。同様にクラブ活動や行事の一部、喫茶なども中断している。職員は家族参加行事やクラブ活動等を再開したり、現在の利用者の状況に合わせて新たな取り組みをやりたい気持ちがある。コロナ禍以前を知る職員が徐々に減り、経験やスキルの共有が難しい中でそれらをどう具現化し実行するかが課題となっている。

長期にわたる新型コロナ感染対策の結果、利用者の虚弱化や認知症状の重度化が進行している。運動マシンの設置はあるものの、利用には動機付けが必要である。感染対策で人の自由の制限が、人と人の関係を次々に切断した影響も指摘されている。今後は利用者を外部と繋げ、人との関係作りを促進する動機付け策を検討する必要がある。骨折した利用者に静養室での養生時、車椅子を使わずにシルバーカーを選択するなど、歩行能力のサポートにも注力している。個別支援の充実や社会資源の再活用を検討していく必要がある。

虐待ケースや立ち退き請求、ゴミ屋敷、他施設対応困難ケース等、緊急的に受け入れるケースも多々ある。通常の入所と異なり、荷物の不足や荷物の処分、感染対策、健康管理等入所と並行して職員が対応しなければならないことも多く、情報も絶対的に不足していることもある。入所後の人間関係や地域との関係に課題となることも発生し、それでも職員はごく自然に受け入れにあたっている。しかしながら、困難ケースに対処するためにはさらなる職員のスキルアップは必須であり、今後は施設外研修も含めた幅広い研修体制の構築を期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

光熱水費等物価の高騰を受け、事業活動上の支出を見直し、経営の健全化を目指している。夕食後の入浴を廃止。、夕刊およびスポーツ紙の購読廃止、エアコン運転の温度27度原則化、紙パンツ類を買える人は自己負担で購入、コピーの原則白黒設定、利用者に頼まれる買い物などの超過勤務を振替に改めた。1階洗面所に水溶性のタオルペーパーを設置しトイレつまりを減少させた。ゴム手袋、マスク、消毒液の購買先を見直した。信和会(利用者自治会)役員会との意見交換を通じて、利用者の生活に配慮しながら効果的な節約策を実施していく予定である。

サービスの開始時に個別のニーズに基づく対応を実践している。施設見学を希望しながら様々な事情から直接施設見学に来ることができない利用者に対しては、各種資料を持参し相談員が訪問、入所までに少しでも利用者の不安が軽減できるよう配慮している。入所までに荷物の整理ができない利用者に対しては、一時的に倉庫やレンタルルームを活用し、入所後利用者とともに荷物を確認しながら、リサイクルや処分を後々後悔とならないように支援も実践している。入所後も同性による通院同行等、個別のニーズに基づく支援も提供している。

利用者の自主性・主体性を大切にして、利用者自治会、ボランティアサークル、環境整備クラブ、内職の紹介等の取り組みがある。クラブ活動は運動系・文化系あわせて十数種類ある。利用者の関心が高まるように、参加する度にポイントが溜まり、景品と交換できるスタンプ制度を実施している。施設内には図書室、簡単な調理ができる給湯室、インターネットの動画も視聴できる大型テレビ、広いウッドデッキテラスなどがあり、パソコン、ピアノ、トレーニングマシーン、卓球台等を共有スペースに設置して、利用者が各所で自由に過ごすことができる。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者調査実施当日(調査票配布日)に在籍していた利用者全員。
  • 調査方法:アンケート方式  
    利用者の自記によるアンケート方式にて実施した。
    施設より利用者一人ひとりにアンケート票を配布してもらい、記入後、提出用封筒に入れてもらい回収。施設より評価機関に一括して返送してもらった。
  • 有効回答者数/利用者総数:73/164(回答率 44.5% )

施設に対する総合的な感想では、「大変満足」が7名、「満足」が35名と回答者の6割弱が満足以上の意向を示している。以下、「どちらともいえない」が28名、「不満」が1名、「大変不満」が2名であった。
自由意見では、職員の対応や気遣いなどに感謝の念を述べるコメントが複数挙げられていた。また、食事や設備面、利用者同士のトラブルへの対応等に関する意見や要望も出ていた。

アンケート結果

1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか

はい 33名 (45%)
どちらともいえない 15名 (21%)
いいえ 7名 (10%)
無回答・非該当 18名 (25%)

4割以上の回答者が「はい」としている。自由意見では、あまり多くのコメントは挙がっていなかったが、食事内容や量に満足を示すコメントがあった。

2.入浴時間は個人の状況に応じた設定になっているか

はい 40名 (55%)
どちらともいえない 8名 (11%)
いいえ 6名 (8%)
無回答・非該当 19名 (26%)

半数以上の回答者が「はい」としている。自由意見では、「唯一の至福の時間です。ありがとうございます」、「いつも温かく気持ちのいい入浴をさせてもらっています」、「入浴はあまり得意ではないため、むしろ時間など決めてもらっていることにホッとしています」などのコメントがあった。

3.施設に、楽しみな行事や活動があるか

はい 23名 (32%)
どちらともいえない 15名 (21%)
いいえ 14名 (19%)
無回答・非該当 21名 (29%)

3割以上の回答者が「はい」としている。自由意見では、楽しみにしていることとして健康体操、洗濯たたみ、出店などが挙げられていた。また、サークル等は嫌いではないが身体状況により参加が難しい、といった内容のコメントや好きな趣味の設備(道具)が充分でないといった内容のコメントもあった。

4.日常生活に必要な各種情報を、施設からの情報提供により知ることができるか

はい 32名 (44%)
どちらともいえない 17名 (23%)
いいえ 6名 (8%)
無回答・非該当 18名 (25%)

4割以上の回答者が「はい」としている。自由意見では、「生活上において必要なことは大丈夫です」、「わかりやすく放送され、わからない人には伝えにきてくれる」などのコメントがあった。また、場合により放送が聞こえにくいといった内容のコメントもあった。

5.利用者の状況に応じた見守り、声かけは行われているか

はい 34名 (47%)
どちらともいえない 18名 (25%)
いいえ 4名 (5%)
無回答・非該当 17名 (23%)

4割以上の回答者が「はい」としている。「忙しい中でも気を付けてくれている」、「感じの良い人が多い」などのコメントがあった。

6.健康維持・介護予防に向けての相談をしやすいか

はい 25名 (34%)
どちらともいえない 27名 (37%)
いいえ 2名 (3%)
無回答・非該当 19名 (26%)

3割以上の回答者が「はい」としている。「何でも話せます」、「これから相談しようと思う」などのコメントがあった。

7.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 34名 (47%)
どちらともいえない 17名 (23%)
いいえ 5名 (7%)
無回答・非該当 17名 (23%)

4割以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

8.職員の接遇・態度は適切か

はい 36名 (49%)
どちらともいえない 16名 (22%)
いいえ 5名 (7%)
無回答・非該当 16名 (22%)

5割弱の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙がっていなかったが、「制服ではなく私服の方が人柄がわかるような気がする」、「その人その人で言い方が違う」といった意見があった。

9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 38名 (52%)
どちらともいえない 15名 (21%)
いいえ 2名 (3%)
無回答・非該当 18名 (25%)

半数以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 16名 (22%)
どちらともいえない 21名 (29%)
いいえ 9名 (12%)
無回答・非該当 27名 (37%)

「トラブル自体がない」ということで「無回答」とした利用者も多い。自由意見では、利用者同士の関係で困っていることや感じていることがコメントとして挙げられていた。

11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 32名 (44%)
どちらともいえない 19名 (26%)
いいえ 4名 (5%)
無回答・非該当 18名 (25%)

4割以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

12.利用者のプライバシーは守られているか

はい 31名 (42%)
どちらともいえない 21名 (29%)
いいえ 2名 (3%)
無回答・非該当 19名 (26%)

4割以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 26名 (36%)
どちらともいえない 27名 (37%)
いいえ 5名 (7%)
無回答・非該当 15名 (21%)

3割以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 35名 (48%)
どちらともいえない 25名 (34%)
いいえ 5名 (7%)
無回答・非該当 8名 (11%)

4割以上の回答者が「はい」としている。あまり多くのコメントは挙げられていない。

15.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 32名 (44%)
どちらともいえない 23名 (32%)
いいえ 7名 (10%)
無回答・非該当 11名 (15%)

4割以上の回答者が「はい」としている。「してくれると思います」、「信じてもらえないこともあった」などのコメントがあった。

16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 25名 (34%)
どちらともいえない 24名 (33%)
いいえ 11名 (15%)
無回答・非該当 13名 (18%)

3割以上の回答者が「はい」としている。「今のところ担当の職員さんが対応してくれているので」、「役所や第三者委員に相談したいことが未だありません」などのコメントがあった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
「あかるく きれいに いつまでも」を施設目標として日々支援に努めている

隣人愛を経営方針とし、施設の理念および基本方針は職員会議や毎朝の職員連絡会において、施設長から説明をして理解を深めている。また、理念等は事業計画書や職員ハンドブックに明確に記載されている。施設目標と運営方針は玄関ロビーに掲示し利用者、職員に意識づけを図っている。また、利用者にはホームページや広報誌、自治会、各種行事などを通して事業計画等について説明を受ける機会がある。職員は利用者からの問い合わせには積極的に説明する心構えで日々支援を行っている。

経営層を先頭に、様々な事情を持つ入所者の心に寄り添った支援に努めている

当施設の経営層について、組織上の職責と職務は明確に運営規定や業務分掌に記載されている。職員ハンドブックにも記載し職員に配布している。経営層の職員はこれらの規定やハンドブックに従い、業務遂行の先頭に立ち、部署間の連携を取りながら多職種協働による職員参加型の運営を目指している。養護老人ホームの一般財源化以降、区市町村による措置のハードルが上がっており、様々な生活困難者への対応が求められている。幅広く対応できるスキルや知識をさらに広げていく必要性を職員に説明している。

各会議など物事を検討するツールが多く、物事を決めるルールや手順が明確になっている

重要な意思決定に関連する検討課題は、伺書や提案書、各種委員会、運営委員会、職員会議などで検討および決定される手順が整備されている。具体的な決定事項は朝の連絡会や運営委員会、職員会議、支援ソフトの掲示板などを通じて、非常勤職員を含む全職員に周知される。また、利用者に係る重要な決定事項は利用者自治会の役員会や懇談会などで施設長が利用者に説明し、廊下に掲示するほか「施設からのお知らせ」を配布するなど、利用者の理解を得るための仕組みが整えられている。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者の意向を様々な場面で確認しサービスに反映させ満足度向上を目指している

サービス提供において、利用者の意向を重視している。個別支援計画作成時の面接や利用者アンケート、利用者自治会との懇談会などを通じて、利用者の希望や意見を確認し、サービス内容を迅速に変更している。施設の運営方針についても効率やリスク管理、コスト削減のみを重視せず、家庭での当たり前を施設での当たり前とイコールにしていくことも重視することにより施設を「家庭」に近づけていく。入浴時間の長時間設定や外出制限のない環境、バイキング制の食事など、利用者の自由度を重視している。

職員と地域との連携を重視して、養護老人ホームの運営向上を目指している

職員の意向と要望は、 職員アンケートや施設長面談を通じて把握している。職員の能力向上への取り組みとして、施設長は職員との積極的なコミュニケーションを図り、職員会議や研修などの機会で情報を共有しモチベーションアップを図っている。地域の福祉ニーズについては、 区の入所判定委員会に参加するほか、地域交流委員会と連携し、ニーズを把握している。また、33ヶ所のホームが集まる養護分科会や生活相談連絡会などで他のホームと連携しながら、情報収集に努めている。

重点課題を踏まえた事業計画の着実な推進と利用者本位の支援を実践している

中期計画に基づいて単年度事業計画を策定している。単年度事業計画書で当年度の重点課題を提示している。規程やマニュアルの原案、計画書作成などにおいては職員が提案しやすい仕組みを整えている。また、利用者の希望や意見を取り入れて計画書を策定している。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
職員会議で職員ハンドブックの読み合わせを行い、法令順守を徹底している

福祉サービスに従事する者として遵守すべき法や基本および倫理について、倫理規定を定め職員ハンドブックに明記している。職員会議や新人オリエンテーション等において職員ハンドブックの読み合わせを行い、職員に法令や倫理的原則を遵守させている。職員会議や委員会で虐待防止対策に取り組み、第三者委員や見学者、ボランティア(令和5年度の実績 奉仕284名、地域交流30名、訪問84名)、実習生、第三者評価など外部機関を受け入れて施設運営の透明性を高めている。

苦情解決制度を周知し利用者の声を尊重することにより、円滑な苦情解決を目指している

苦情解決規程を定め、苦情解決責任者と第三者委員の氏名と連絡先を事業計画書に記載し施設内の廊下や玄関に掲示している。利用者や家族に苦情解決の仕組みを説明し、理解を浸透させている。苦情解決の仕組みとして、第三者委員を設けている。職員は利用者の意向を傾聴し、面接や相談、懇談会を通じて把握し、サービスに反映させている。施設長は職員や利用者に声をかけながら、サービス提供の現場の状況を把握するよう努めている。

地域との相互交流活動を活性化させ、地域福祉ニーズに応える取り組みを行っている

当施設は近隣の病院や福祉事務所、各区と連携を深め、地域ネットワークの一員として地域福祉ニーズに対応することを心がけている。また、緊急入所に関する対応方法や体制を整え、虐待等による緊急入所を積極的に受け入れ、各区との信頼関係構築を図っている。現在は「経済的困難者」より「家庭からの虐待」が最も多い入所理由となっている。認知症や知的障害、精神障害、人格障害、発達障害などを抱えた入所者も多く、介護保険外の幅広いニーズに対応しており、地域の福祉拠点としての役割を果たしている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事故や感染症、災害、経営上のリスク対策等を各委員会で議論し実行している

リスクマネジメントの仕組みとして、事故や感染症、侵入、災害などが発生した際に、事故防止検討委員会、感染症対策委員会、災害対策委員会などで要因と対応を分析し、再発防止と対策の見直しを実施している。また、法人として「事故防止並びに安全管理マニュアル」を整備している。さらに、リスクへの対策や規程・マニュアル、計画書策定については、運営委員会や職員会議等で協議し、職員間で共有している。今後の課題としては事業継続計画(BCP)のブラッシュアップ、次に利用者の確保を意識している。

災害や感染症発生時にも事業継続できるよう、事業継続計画(BCP)を作成している

当施設では災害や感染症発生時にも事業継続できるよう、事業継続計画(BCP)を作成している。また、職員ハンドブックに災害や深刻な事故の対応を掲載している。BCPに基づく災害時の設備の復旧などの研修を実施するとともに、職員と利用者が参加する火災や地震、夜間などの想定避難訓練や通報訓練、消火訓練を計画的に実施している。地域防災への取り組みとして、防災懇談会(新入所懇談会)を開催し、地域にある地域包括支援センターと協力して、地域防災学習会を計画し、防災冊子を地域に配布している。

電子データのセキュリティを強化しつつ支援に有益な情報は職員間で共有している

個人情報保護に関して個人情報保護規定を定め、収集・管理方法、利用、外部提供の制限、開示方法など詳細に定めている。職員には会議等で規定の遵守について説明している。 個人情報保護方針や利用目的を施設内に掲示し周知している。非公開電子情報にはパソコン管理システムにアクセス制限を設けて情報の保護と機密性を強化している。ウイルス対策ソフトを導入し外部からの侵入を防止している。同時に支援に有益な情報は支援ソフトや共有フォルダに個別のIDとパスワードを設定してセキュリティを確保しつつ、職員間で活用している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
就職希望者には養護老人ホームの成り立ち、存在意義などを説明し理解を深めている

明るく、素直で礼儀正しい姿勢と担当できる業務を増やしていく意欲を持ち、常に改善方法を模索し、提案できる人材を求めている。平均年齢が41歳で、平均勤続年数が7年と当施設での経験が浅い職員が多いため、新卒の若手職員と他事業所を経験して入職してくる中堅職員と世代間の偏りを少なくするよう採用戦略を検討している。就職希望者には養護老人ホームへの理解を深めるよう取り組んでいる。個人別に職員育成シートを作成し、育成に取り組んでおり、幅広いニーズに対応し法人研修、職場内研修、Web研修などの研修制度を充実させている。

高齢者福祉のセーフティネットとしてのプライドを持つことを職員に期待している

人材育成において、職員人材育成計画を策定している。新人には通年で法人研修計画を作成している。それ以降は職員人材育成シートを作成し、施設長面談で課題を共有している。施設長面談で「目標としている職員とその理由」を全職員から聞き取り、集計結果を公表する取り組みを継続して実施している。この取り組みにより職員のモチベーションが向上し、チームの意識が前向きに循環することを期待している。また、職員には高齢者福祉のセーフティネットとしての当施設の役割を理解し、プライドを持って仕事に取り組むことを期待している。

余暇支援、福利厚生制度の充実など働きやすい職場環境作りに努めている

利用者への対応策の一つとして、認知症等で気分の変動が激しい利用者への有効な対処方法や虚弱化防止策について、職員会議で意見交換を行い、組織的な取り組みを実施している。職員の対応についての利用者アンケートを実施し、サービス向上に対する職員の意識向上を図っている。職員アンケートを通じて働きやすい職場環境の実現、業務改善に取り組んでいる。職員研修制度の充実(法人研修、職場内研修、外部研修)や外部専門職との連携、余暇支援、福利厚生制度の充実などにも力を入れている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

築47年が経過し老朽化した施設設備の更新が必要となってきた。何年かかけて、内装、設備を明るくしたいと考えている。また、1階2人部屋を4人で使っていたものを本来の2人使用に改めたい。設備改修工事を進め、利用者ならびに職員にとって快適な生活環境・職場環境を整えていく必要があり、以下の工事を計画し実行した。
①1階第1期居室改修工事(4月): 1階の4人利用の部屋を本来の2人使用に戻すための工事を実施した。
②2階喫煙室ファンコイル整備工事(5月):2階の喫煙室のファンコイルを整備し、快適な環境の提供を図った。
③自家発電装置更新工事(5月): 施設の自家発電装置を更新し、安定した電力供給の維持を図った。
④屋上給湯器改修工事(6月・7月): 屋上の給湯器を改修し、利用者と職員の快適な生活環境をサポートした。
⑤濾過装置改修工事(8月): 水の濾過装置を改修し、清潔な水の供給を確保した。
⑥防災監視盤更新(12月): 防災監視盤を更新し、施設の安全性の向上を図った。
これらを計画通り実行した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

サービス事業の維持向上をさせるためには設備改修の充実が欠かせない。計画通り実行した取り組みにより、利用者と職員にとって快適な生活環境と職場環境が整えられていることが示されている。西口ゴミ置き場拡張工事は、100万円を超える工事となるので次年度に繰り越しとした。未実施のものは翌年度に実施できるよう計画するとしている。
急激な物価高など計画策定に不利な環境ではあるが、改修工事の全体像がわかる年次改修計画書が整えられることが期待される。
全国の養護老人ホームの入所率は、平均90%弱とされているが、措置控えが厳しい中で当施設は、入所率が96%、前年度は100%満床で支援が始まっている。改修工事を通してより入所したくなる施設に近づけたい。そのためにもいきいきネット等でのPRを強化していきたいと考えている。各区の担当課により広く当施設の存在を知られること、担当課や地域包括支援センターでの相談から申込により養護老人ホームの入所に繋がることを入所希望者により広く知られることが期待される。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

前年度からの光熱水費等物価の高騰を受け、事業活動上の支出を見直し、経営の健全化を目指した。以下は具体的な取り組みである。
①入浴時間の見直し: 夕食後の入浴を廃止し、エネルギー節約を図った。
②新聞類購読の見直し: 夕刊およびスポーツ紙の購読を廃止し、経費削減を図った。
③エアコン運転の温度27度原則化: 快適な環境を保ちつつ、電力消費抑制を図った。
④紙パンツ類の自己負担の見直し: 買える人は自己負担で購入する方針を採用した。
⑤誕生日プレゼントの見直し: 1,500円から1,000円に見直し、適切な予算で贈り物を提供した。
⑥コピーの原則白黒設定: 無駄なカラーコピーを削減した。
⑦超過勤務を勤務時間の振替に設定: 利用者に頼まれる買い物などの超過勤務を振替に改め、効率的な運用を図った。
⑧トイレつまりの減少: 1階洗面所に水溶性のタオルペーパーを設置することで、トイレつまりの減少を図り経費削減を目指した。
⑨ゴム手袋、マスク、消毒液の業者見直し: 仕入れ先を選定し、経費の最適化を図った。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

取り組みの結果、令和4年度に比して5年度の光熱費が下がるなど節約対策が実り、支出を減少させることができた。今後の具体的な取り組みと方針を以下にまとめる。
①節約対策の実施: 毎年の予算削減目標について、「さらに多く削減したい」との考え方であるが、前年比何%あるいは金額でいくら等おおまかな数値化した計画を策定すると努力しやすいと思われる。引き続きの無駄な支出削減、健全な経営を期待したい。
②生活習慣の見直し: 無駄遣い体質を引き締めるため、日常の生活習慣を振り返っている。マスク、ティッシュをビニール袋入りに替えてみるなど、効率的な選択を行うようにしている。
大型電機製品の買い替え計画: 15台のテレビを買い替える計画を立てるにあたり、地元の電気店での見積もりは38万円だったが、量販店では32万円、他の量販店では30万円以下で購入できることがわかった。
信和会(利用者自治会)役員会との意見交換を通じて、利用者の生活に配慮しながら効果的な節約策を実施していく予定である。健全な経営を維持しながらの利用者の満足度向上が期待される。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
ホームページで施設情報を広く発信するとともに、比較可能な情報にもアクセスできる

ホームページは見やすく作成されている。施設の沿革がわかる施設長挨拶や施設情報、当施設の特徴から入所案内まで簡潔にまとめられている。施設情報では多彩な活動が写真で示され、当施設の特徴では全食バイキング等が明示されている。パンフレットや広報紙がバックナンバーも含めて閲覧・ダウンロードできるようにもなっている。その上で養護老人ホームのパンフレットもダウンロードでき、都の第三者評価サイトへのリンクが貼られ、自施設のPRだけではなく他の施設や第三者評価を比較して利用希望者とのミスマッチを防ぐ配慮がなされている。

パンフレットや広報紙を活用して地域に情報を発信している

ホームページでも広く情報発信はされているが、地域に対してはパンフレットや広報紙を活用して情報発信をしている。行政のケースワーカーや病院のソーシャルワーカーには定期的に訪問し、施設の情報を伝えている。新型コロナウイルスの影響が残り希薄になってしまった自治会等の地域にも情報発信を続けている。その効果が緊急ケースや困難ケースの受け入れに繋がるほか、近隣との大きなトラブルに発生してもおかしくないようなケースも未然に防ぎ、地域から信頼される関係作りに結びついている。

見学は希望に基づき随時受け入れ、実習・ボランティアを積極的に受け入れている

見学は随時受け入れ、施設の概要や特色のほか、養護老人ホームの社会的な役割等も含めて丁寧に案内し、説明している。自立度の高い方は3階、見守りや支援が必要な方は1階というフロア別の特色を説明し、入所後のご自分の生活がイメージできるように配慮しながら見学にあたっている。様々な事情で入所前に見学を希望しながら見学ができない利用者に対しては相談員が各種資料を持参の上訪問し、見学ができない不安を少しでも軽減できるように対応している。また、実習生やボランティアも積極的に受け入れている。

1.利用者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用開始時には基本的なルールや重要事項を利用者に合わせて説明している

施設見学時にも基本的なルール等は説明し、入所を迎えている。事情により見学できない方に対しては相談員が訪問し基本的なルール等は説明し、ミスマッチを防いでいる。その上で、入所時には「白寿荘を初めて利用される方へ」や「新入荘受け入れチェックシート」を活用しながら重要事項説明書に基づき、食事・入浴・外出等の生活上必要なルールや重要事項を時間をかけて説明している。緊急的に入所される方に関しては保護を最優先し夕方や夜間に入所となることもあり、当日の説明は必要最低限として改めて説明をじっくり時間をかけて行うこともある。

利用開始時には身体状況等にあったフロアへの入居など不安軽減に努めている

見学時にも利用者の不安軽減のためにも身体状況等に応じたフロア分けをしていることを説明し、実際の入所時にも利用者の負担の最も少ないフロアに入所してもらっている。3階は自立度の高い方、1階には介護支援の必要な介護度の高い方が入所している。入所後は性格や生活習慣が異なることにより入所した居室がストレスになる場合には、職員が利用者の声を丁寧に聞き取り、できうる限り居室変更などの対応をして自分らしい生活が送れるように配慮している。入所間もない方を対象に懇話会を開催し、不安なく生活が送れるように支援している。

退所後も関係各所と連携し、支援が途切れないように配慮している

利用開始時には利用前の生活が継続できるように、私物の持ち込みに関して配慮している。緊急利用でその時間が取れないケースは倉庫やレンタルルームを活用し、利用後時間をかけて職員と少しずつ整理を行い、利用前の生活が途切れないように実践している。特養入所や入院等でサービスが終了となる場合には、退所後の移行先と情報交換を密にとり、支援が途切れないようにしている。ご永眠された場合にはマニュアルに基づき告別式や利用者との墓参りをするなど、温かい支援を実践している。これは利用者の安心感にも繋がっている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、理解を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要な事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容について、利用者の理解を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
施設独自のパッケージプランで利用者の希望に基づく支援計画を立案している

利用前の生活を継続させ利用後も主体的な生活が送れるように、利用者一人ひとりの状況や要望を把握し、個別性の高い支援計画を立案している。そのためのツールとして施設独自のパッケージプランを活用している。マニュアルにパッケージプラン作成・活用やアセスメントについて明記されており、個別支援計画の立案は職員による差が少なく施設内で標準化できるようにしている。個別支援計画は半年ごとの更新を原則としているが、必要に応じて支援会議を経て、随時見直しをしている。

利用者ニーズの把握のために、施設独自の取り組みを行っている

利用者一人ひとりのニーズや想いを把握するために年2回の面談と誕生日面談で丁寧に聞き取りを行っていて、支援計画の策定や見直しに活かされている。また、利用者自治会である「信和会役員会」からも様々な意見が寄せられている。利用間もない方は発言しにくいため別に「新入荘懇話会」を開催し、生活上のルールの再確認や不安を少しでも軽減できるようコミュニケーションを図っている。新入所の場合は、入所後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月のタイミングでモニタリングにて点検し、新入所モニタリング会議にて検討し、全体で共有している。

支援に必要な情報は集約され、職員間で共有されている

生活全般や健康、栄養等の利用者支援に必要な情報は支援ソフトに集約し、職員間で共有している。その記録内容に関しても定期的に検証されていて、記録自体も職員による差が少なく、施設内で標準化されたものとなるようにしている。朝の全体ミーティングでは日々の引き継ぎや申し送りが行われ、その後各セクションのミーティングでは直接支援に必要な事項が全職員に共有されている。その他、随時共有すべき内容に関してはLINEを活用して、タイムリーに利用者情報の共有を図りながら支援にあたっている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別支援計画に基づいて自立生活が営めるよう支援している
  • 個別支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
  • 利用者の支援は関係職員が連携をとって行っている
  • 介助が必要になった利用者には、介護保険サービスの利用による支援の体制を整えている
【講評】
個別支援計画に基いた実践から記録し、見直しを行っている

利用者一人ひとりの状況や要望を把握し、個別性の高い支援計画を立案するために施設独自のパッケージプランを取り入れ、個別支援計画を立案している。個別支援計画は年1回作成し、半年経過後に原則見直しをしている。その他、必要時には支援会議を経て随時見直しを行い、新入所の場合には1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月経過時にもモニタリングを行い、支援計画の実効性を確認している。個別支援計画の着実な実行によって、利用者一人ひとりの自分らしさ実現を目指している。

利用者が自分らしく生活できるようにコミュニケーションを工夫している。

職員ハンドブックやマニュアルの中にも「コミュニケーション」や「アサーション」が明確に示されていて、施設が利用者とのコミュニケーションを最重要に考えていることが見て取れる。職員は利用者一人ひとりに合わせて筆談や補聴器等コミュニケーションの取り方に工夫をし、面談や自治会を始めとして日常業務の中のほんの僅かなコミュニケーションからも利用者の意向や想いを汲み取り、利用者の自分らしい生活が実現・継続できるように取り組んでいる。

介護サービス事業所とも連携し、必要な介護保険等のサービス利用を支援している

利用者支援に必要な情報は支援ソフトに集約されていて、職員間で共有されている。その上で、朝のミーティングおよび申し送りで再共有されているほか、緊急事項はLINEにてタイムリーに共有し、利用者支援に漏れがないように徹底されている。要介護の利用者も50名近く入所しており、介護サービス事業所と連携し、利用者が不自由なく自分らしい生活を送れるように支援している。毎月開催している支援会議にて支援内容を点検し、必要に応じてサービス担当者会議にも出席し、利用者の主体的な生活を支えている。

2.食事は、利用者の状態や要望を反映したサービスを行っている
  • 利用者の状態に応じた食事提供や支援(見守り・声かけを含む)を行っている
  • 利用者の状態や嗜好に応じて献立を工夫している
  • 利用者が選択できる食事を提供している
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • 食事を楽しむ工夫をしている
【講評】
利用者の状態に合わせた食事を提供して、安心して食事ができるように支援をしている

食事の形態は常食・一口大・刻み・ペーストがあり、咀嚼や嚥下、身体状況に応じた個別対応ができる。体調に合わせて粥への変更も可能で、麵・パン・味付きご飯の時でも白飯・粥を用意できる。医務の指示に従い治療食や代替食を個別に提供している。食堂ではバイキング形式で、献立の掲示と見本を参考に利用者が各自で盛りつけて席に移動する。混雑を避けるために、3グループに分けて時間をずらしている。配膳・下膳が難しい場合は職員や利用者ボランティアが手伝っている。食堂は季節の飾り、生花・書道の利用者作品を展示して明るい雰囲気があった。

「楽しくおいしく食べること」を目指して、日々の献立や季節の行事食を工夫している

「楽しくおいしく食べること」に取り組み、日常の食事の工夫に加えて、季節の風習・行事に合わせた行事食を提供している。暑気払いの「うなぎの会」、ゆうゆう祭り・敬老会等の施設行事にあわせた特別食を工夫している。その他にこれまでの企画では、調理員の得意分野を活かして腕を振るう「お楽しみ食事」、誕生月の方のリクエストメニュー、学校給食や有名店の人気メニューを実現する「再現メニュー」を実施して、いろいろな料理を提供してきた。今年度は厨房の人手が足りず企画メニューは中止したが、楽しくおいしい食事の工夫は継続している。

利用者のニーズや感想、意見を献立や支援に反映し、食生活を豊かにする配慮がある

個別の食事カルテを作成して利用者のニーズを把握し、懇談会・嗜好調査・利用者アンケート等で感想や要望を聞き献立を工夫している。一食に使う食材の種類が多く、一品ずつ味のバリエーションを変えて、常食は咀嚼や食感を考慮した形と硬さを配慮していた。食堂での食事は3食ともバイキング形式で、利用者が食べられる物や量を自分で選択できる。身体状況や利用者の意向で居室で食事をする場合は、職員が配膳・下膳等の必要な支援をしている。食事が遅れる場合は利用者の希望に応じて、衛生面に配慮して一定時間の取り置きをしている。

3.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態や希望に応じた入浴方法や支援(見守り・声かけを含む)を行っている
  • 入浴できる曜日や時間など利用者にわかりやすいように明示している
  • 浴室や脱衣室は清潔で、快適な状態にしている
【講評】
利用者の状態や希望に応じて、支援が必要な場合は見守り浴、介助浴を実施している

入浴方法は利用者の状態や希望を考慮して、一般浴(自立)・見守り浴・介助浴・個浴(訪問介護サービスによる入浴介助)の4種類を実施している。利用者が都合のよい時間に入浴することを基本としている。浴室への誘導・更衣・洗身等に職員の支援が必要な場合は、あらかじめ時間を決めて、見守り浴や介助浴を実施している。介護保険の訪問介護サービスを利用して入浴する場合は、介護支援計画に沿って曜日や時間を調整し、個浴の時間を設けて入浴している。

入浴は毎日実施して、時間帯を幅広く設定し、利用者が都合のよい時間に入浴ができる

1階に男女それぞれの浴室があり、月曜日から土曜日(祭日も含む)は10:00~18:00の間(食事時間帯を除く)で、利用者の都合のよい時間に入浴ができる。日曜はシャワー浴のみ実施している。入浴できる曜日や時間を幅広く設定することで、個々の生活リズムやその日の都合などに応じて、利用者が選択できるように配慮している。一週間の入浴時間帯を示す表を、各階の廊下と浴室の前に掲示している。見守り浴・介助浴・個浴の時間は一般浴と色を変えて表記して、利用者がわかりやすく、いつでも確認できるようにしている。

浴室と脱衣室は毎日清掃して清潔に保ち、利用者が快適であるように環境を整えている

浴室と脱衣室は清潔に保つことに留意するとともに、利用者が快適であるように環境を整えている。浴室と脱衣室は毎日の清掃を実施している。衛生チェック表を用いて、見落としがないように確認し、快適な環境を維持するように努めている。令和元(2019)年に浴室大規模改修工事を実施して、その後も脱衣室ソファの入れ替え、浴室チェアの入れ替え等のメンテナンスを実施しており、衛生面と安全面にも配慮している。

4.利用者が主体的に健康管理や介護予防に取り組むための支援体制を整えている
  • 健康管理や介護予防等に関する利用者からの相談に応じる体制を整えている
  • 利用者の主治医や常用薬等について把握し、服薬管理は利用者の状況に応じた支援を行っている
  • 精神的なケアが必要な利用者に対して支援の体制を整えている
  • 日常生活上で介護予防につながるような働きかけや工夫をしている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 日頃から医療機関と連携を図り、必要時には措置を講じている
【講評】
看護師と定期的に来苑する医師・心理士等の専門職が、利用者の健康管理や相談に応じる

1階に医務室・静養室があり、看護師2名体制で利用者の健康管理や相談に対応している。さらに、内科医(週2回)、精神科医(月2回)、歯科医師(月2回)、リハビリ専門職(週1回)、臨床心理士(月2回)が、利用者個々に必要な診察や相談に応じている。薬は自己管理の人から見守り、介助が必要な方まで様々で、先ずは看護師が処方薬を把握して管理し、必要な場合は薬局に一包化を依頼している。医療職による個別支援も支援ソフト内の個別支援記録に記入して、相談員・支援員・栄養士等の他の職員と情報を共有して連携している。

心身の健康維持に利用者が自ら取り組める環境を整えて、専門職とともに支援している

利用者の健康維持と介護予防のために、自由に使える血圧計、ステップ・サイクル等のトレーニングマシン、卓球台があり、ラジオ体操、口腔体操を毎日実施している。歩行に不安がある人、退院直後の人はリハビリ専門職が体力チェックを実施し、トレーニングメニューを指導したり、シルバーカー・歩行器等の使用を検討している。肥厚爪等に対処する訪問フットケアが毎月来ている。余暇活動では、体操・ストレッチ・呼吸法等を行う訪問レクリエーション、構内ウォーキング、健康体操・太極拳等のクラブ活動があり、楽しく体を動かす機会を工夫している。

精神科医・臨床心理士の助言を得て、利用者の気持ちに寄り添うケアを心がけている

最近入所した利用者や精神的に不安定な方には、精神科医・臨床心理士の助言を得て精神的なケアに取り組んでいる。住居の立ち退き、虐待などと入所理由は様々で、個々の状況や気持ちに寄り添うことを心がけている。日頃から利用者の心身の状態や変化を観察して、個々のかかりつけの医療機関と電話連絡などで連携を図り、必要に応じて通院時に職員が付き添うことがある。急変による救急対応は、職員ハンドブックに手順を定めて内部研修を実施している。看護師が不在の時間帯は、嘱託医に電話連絡をして直接指示を受ける体制がある。

5.日常生活では、利用者の状態や意思を反映した支援を行っている(食事・入浴以外)
  • 利用者の状態に応じて、身の回りのことができないときには支援する体制がある
  • 区市町村・福祉事務所等と連絡をとり、必要に応じ利用者への情報提供・手続き等の援助を行っている
  • 利用者同士の人間関係を良好に保つ工夫をしている
【講評】
利用者の意思を尊重し主体となって過ごせるように配慮して、必要な支援を提供している

利用者個々の意思を反映して、在宅と同じように当たり前の生活であることを目指している。外出・食事・入浴・日課等の生活の各場面で、利用者が主体となり過ごせるように支援を提供している。利用者の体調や心身の変化に応じて、洗濯・掃除・買い物等のできない部分を個別支援計画に盛り込み、職員が支援する。食品や衣類の出張販売が定期的にあるほか、必要に応じて職員が買い物を代行することがある。預貯金管理では郵便局の出張が毎月あり、眼鏡の修理・調整、理容・美容は関係団体の協力を得て来訪があり、施設内でサービスを受けることができる。

関係機関と連携して、利用者に必要な制度やサービスが利用できるように援助している

介護保険サービスを利用する場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所と連携を図り、状況に応じたサービスの提供に繋げている。これまでに訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ、デイケア・デイサービス等を利用するケースがあった。現在も複数の事業所と連携して取り組んでいる。福祉事務所や行政機関との連携では、利用者への情報提供や手続きの際に、施設長補佐、主任生活相談員が担当して、必要に応じて手続きを代行するなどの援助をしている。

利用者の相互理解と良好な関係を築く機会に、自治会・サークル等の自主的活動がある

利用者同士の人間関係を良好に保てるように工夫している。食事の下膳、洗濯物の仕分け等を手伝うボランティアサークル、カラオケクラブ、利用者自治会など、利用者の自主的活動が様々にある。これらを通して利用者同士が交流し、相互の理解が深まるように配慮している。居室は2人部屋で、利用者の身体状況や特性に加えて、利用者同士の相性も考慮して部屋を決めている。利用者間のトラブルは、職員が間に入り解決に向けて対応している。障害の程度や個性の強い利用者が多く、利用者の多様化で人間関係の調整に難しさを感じている。

6.利用者の生活が健康で明るくなるよう、施設の生活に工夫をしている
  • 日常生活の中で楽しめる機会を設けている
  • 施設内で利用者一人ひとりに応じた役割や生きがいを見出せるよう支援している
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、原則として自由である
  • 利用者が落ち着ける雰囲気づくりをしている
  • 食堂やトイレなどの共用スペースは汚れたら随時清掃を行う体制があり、安全性や快適性に留意している
【講評】
利用者の主体性や自主性を大切にして、自由に過ごしながら活動・活躍の機会が多数ある

利用者の主体性や自主性を大切にして、風通しがよくできる限り自由な生活を目指している。外出・外泊・入浴・テレビ視聴等、生活の決まりは最小限で原則自由に行っている。日常生活を豊かにする季節の行事やクラブ活動を多種多様に実施しているが、参加の有無は利用者が選択できる。また、利用者自治会が施設運営に意見や要望を提示して、改善に向けて職員と協議している。利用者の意欲に応えて内職の紹介、就労支援をしたり、利用者自主運営のカラオケクラブ、ボランティアサークル活動を支援して、利用者が活躍できる機会を設けている。

利用者の興味や趣味に応じられる多種多様な活動やその人らしく過ごせる環境がある

クラブ活動は運動系や文化系あわせて十数種類あり、カラオケは利用者の自主クラブになっている。環境整備クラブは花や野菜を育て、じゃがいも掘り、梅の収穫作業がある。コロナ禍はクラブ活動が中断したが、半数以上が再開している。健康活動で訪問レクリエーション、構内ウォーキング等も実施している。余暇活動への利用者の関心が高まるように、参加するとスタンプが溜まり景品と交換できる仕組みを取り入れている。また、施設内には図書室、トレーニングマシーン、卓球台、ピアノ、パソコン、麻雀卓等もあり、利用者が楽しめる環境を整えている。

設備改修や随時清掃を実施して、安全かつ清潔で明るく快適な生活環境にしている

快適かつ個々の過ごし方で落ち着ける生活環境を整えようと、計画的に設備等の改修を進めている。玄関・食堂・浴室・談話室・喫煙室等の共有スペースや居室は、明るくきれいに保つように努めている。特に食堂・トイレ等は衛生面に留意して、職員の清掃に加えて専門業者を導入している。貸し出し自由な図書室、簡単な調理ができる給湯室、インターネットの動画も視聴できる大型壁面テレビ、広々としたウッドデッキテラス、ピアノを設置したホール等があり、利用者が各所で自由に過ごすことができる。

7.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 家族との接し方について本人や家族等の意思を確認している
  • 家族等との外出・外泊・面会時間は可能な限り希望に応じている
  • 家族が参加できる施設の行事を実施している
  • 利用者と家族がゆっくり話せるように配慮している
  • 緊急時に家族等と連絡が取れる体制を整えている
  • 家族からの相談に対応する体制を整えている
【講評】
家族との接し方は利用者と家族の関係や意思を確認して、状況に合わせて対応している

利用者と家族の関係は個々に事情が異なるので、十分に配慮している。入所の経緯が家族との関係に起因する場合があり、入所前の面接で利用者および家族それぞれの意思を確認し、個々の状況に応じて対応している。虐待保護の場合は家族との連携が難しいが、利用者と家族の関係が回復できる見込みがある場合は、行政と連携して協議しながら家族関係の再構築を支援している。家族には面会に訪れた時に直接話を聞いたり、電話連絡で意向を確認している。

家族の相談に応じる仕組みや緊急時の連絡体制を整えて、信頼関係の構築に努めている

家族からの相談は、内容に応じて支援員・看護師・相談員が対応して信頼関係の構築に努めている。緊急時に速やかに家族と連絡が取れるように、家族の連絡先は台帳に記載して管理している。さらに、職員が業務で使用する支援ソフトにも緊急連絡先を入力して、直ぐに確認できるようにしている。連絡先の変更は変更届を提出してもらい、書式に沿って確認して管理している。年2回発行する施設広報誌「白寿荘だより」は、可能な場合は家族にも配布している。

家族との外出・外泊・面会を積極的に支援して、家族参加行事も再開したいと考えている

家族との外出・外泊・面会を積極的に支援して、可能な限り希望に応じている。施設内での面会は、応接室、玄関ロビーの談話コーナー、食堂、各階の談話室を利用する。家族が参加できる施設行事は、敬老会・懇親会・喫茶・演芸会など多数開催していたが、新型コロナウイルス感染症の流行以降は、行事・イベントを縮小して家族の招待を中断している。敬老会はお祝いする利用者の家族に式典の写真を送付して様子を伝えた。家族参加行事を再開したい意向があり、以前を知る職員が減った中で新たにやりたいことを含めてどう具現化するかを課題としている。

8.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  • 利用者が職員以外の人と交流できる機会を確保している
  • 利用者が地域のさまざまな資源を利用する機会を設けている
【講評】
地域の最新情報を利用者に伝えて、町会・老人会・学校等と良好な関係を維持している

地域の情報は広報紙等を集めて、最新のものを掲示して利用者に知らせている。例年は地域の祭りや防災訓練などに参加していたが、新型コロナウイルス感染の大流行で地域の催しが中止になり交流が減少した。同法人の他の施設との交流も中断している。町会・地域老人会・学校等とは良好な関係の維持に努めており、町会と一緒に防災備品点検を実施し、老人会には暑気払いで菓子を配ったり、今年度はうなぎ料理の食事会を予定している。学校とはクリスマス訪問や年賀状などの交流がある。感染症流行の推移を見て、地域との交流を再開したい意向がある。

ボランティア等の来訪者が多く、利用者がいろいろな人と交流する機会がある

地域とのつながりの中で利用者が生活できるように、以前は年間延べ2,000名以上のボランティアを受け入れていた。地域の人が多く出入りして、施設内の生活が閉鎖的にならないように配慮している。新型コロナウイルス感染症の流行でボランティアの来訪が中断していたが、感染状況に応じて、クラブ活動講師、理美容や労働奉仕などの来訪を次第に再開している。ボランティアとリモートで交流会を毎月開催する工夫もある。社会福祉協議会のボランティア担当者と連携を図り、新たに手話ボランティアや手話ダンスの来訪が具体化している。

利用者が地域の資源を利用できるように、様々な機関や団体と連携して協力を得ている

利用者が地域の資源を利用して生活の幅が広がるように、地域の様々な機関や団体と連携して協力を得ている。ボランティアセンター、社会福祉協議会等の協力があり、ボランティアの確保に努めて、施設内の様々な活動に関わっている。働く意欲がある利用者には内職を紹介したり、以前は就労希望者にシルバー人材センターを紹介して支援したケースがある。利用者の外出は可能な限り自由なので地域の催しに参加できるように、最新の情報を掲示板でお知らせしている。

【講評】
利用者個人の情報は、個人情報保護規定に基づき保護している

利用者の個人情報の保護は、個人情報取扱規程に基づいて実施されている。個人情報の取り扱いに関しては、個人情報の保護・取り扱い説明及び同意書にて説明し、同意を得ている。利用目的はサービス担当者会議や医療機関を始めとする関係協力機関との連携等を具体的に示した上で、ホームページや広報紙に使用する場合には改めて個別に利用者から承諾を得ている。特徴的な食事風景等、写真等でよりPRしてもよいのではないかとも考えられるが、施設では個人情報の保護を最優先し、最小限の活用にとどめている。

利用者の尊厳を尊重するため、利用者の声に耳を傾ける努力をしている

利用者のプライバシーを守るため郵便物等の個人宛の文書等は、直接本人に手渡している。歴史のある施設のために設備的には劣る部分もあるが、それを改修や同性介助、カーテン等の工夫で補っている。利用者の声には耳を傾けるよう努め、定期的な面談やアンケート等を活用して尊厳を守るための意向把握にも配慮している。その他、利用者が主体的に意思を施設に示せる場として「信和会」と「新入荘懇話会」を設けている。信和会は利用者自治会で、特に入所間もない利用者には新入荘懇話会という別の集まりを開催し、発言しやすい場作りに注力している。

利用者の尊厳のみならず、地域高齢者の尊厳も意識した実践を行っている

利用者はもとより、地域高齢者の尊厳も意識した実践を行っている。日常生活で尊厳を守ることのできない高齢者は緊急的に受け入れを行っている。虐待やゴミ屋敷、退居請求等の理由で受け入れ先のない地域高齢者の即日の入居も多く、準備もままならず、情報も不足した中で入所を迎えることもある。通常の入所に比べて入所後に特別な支援が必要で様々なトラブルが発生することも多々ある。それでも職員が至極自然体で積極的に緊急受け入れを行っている姿勢からは、「地域高齢者の権利や尊厳を自分たちが守る」という強い意識が感じられる。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
職員ハンドブックとマニュアルを活用し、サービス水準を担保している

職員ハンドブックには、運営規定や業務分掌、指針、規定、重要事項説明書から職務心得まで網羅されている。職員心得では理念や目標、大切にしていることや求める人材、支援の基本等がまとめられており、特にコミュニケーションやアサーションの項目から事業所の目指すサービスを明確に読み取ることができる。マニュアルも簡潔にまとめられ、フローチャートも活用し見やすいものとなっている。食品事故や捜索願、防犯、利用者同乗、告別式までがマニュアル化しており、時代の流れや利用者ニーズに基づき更新されている。

職員研修の充実によるサービスの向上および標準化を推進している

職員からは、研修が充実しているとの声も多く出ている。Eラーニング導入により、多くの職員が学ぶ機会を得た効果が表れていると思われる。研修報告はしっかりと作成されているが、さらなる効果を得るためには、一人ひとりの職員が研修を通して何を学び、何に気づき、何を現場の支援に活かせると考えたのか等も記録に残すことが必要ではないだろうか。また、各階に主任・副主任を配置したことにより効果的な新人研修やOJTが実施されるようになり、より業務水準が担保されるように改善されている。

利用者や家族、ボランティア等施設にかかわる多くの意見をサービス改善に活かしている

第三者評価による外部評価、各種会議やアンケートによる職員の気付き、信和会(利用者自治会)と懇話会、年2回の面談と誕生日面談による利用者の意向確認、面会時の家族との情報交換やボランティアからの意見等、施設に関わる様々な関係者からの意見や提案を施設運営に活かしている。職員ハンドブックやマニュアル類もそれらを踏まえて毎年更新し、現場からも「様々な場面で活用しやすい」と評価されている。見学・実習・ボランティアも積極的に受けて入れており、さらなるサービスの向上および業務標準化に向けたシステム作りが期待できる。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2024年5月15日~2024年9月13日

【評価者修了者No】

H1901079,H0403017,H0601059,H2001039

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