評価結果
基本情報
【法人名称】
【事業所名称】
ソルのアソシエ/月のアソシエ 他2ユニット
【サービス種別】
共同生活援助(グループホーム)
【現地調査をした
ユニット名】
金星のアソシエ、月のアソシエ、水星のアソシエ
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)人への想いが響き合い、人への想いを奏で合う
2)ソルのアソシエが、より良い未来に繋がる場所である
3)ソルのアソシエは、幸せに繋がる社会資源である
職員に求めている人材像や役割
・過去と相手は変えられない。未来をより良くする思考・言動・行動を自分が実践する
・他責にすることなく、自分にできることは何かを考え、実践する
・ひとの「とき」を思いやる心をもつ
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・相手目線の伴走者として支援にあたることができる。
・自分をご機嫌にすることで、良い空気感を伝播することができる。
全体の評価講評
特によいと思う点
入居前に偏食が激しい利用者に対して、本人が食べられるものを選択し、他の利用者との食事の共有を促進し、利用者皆が食事を楽しめるようにしている。さらに、世話人が一所懸命料理を作っていることをアピールし、食べられるものを増やしている。食事の準備から皆で協力して楽しむ例がある。レタスをちぎる、キュウリをざく切りして塩もみ、茹で卵を剥く、かき混ぜる、パンの耳を切る、などの作業を分担して作って食べる楽しみがある。その他、自分で決められない利用者に働きかけ、コンビニエンスストアで弁当を自分で選べるようになった例もある。
事業所は、利用者が望む活動や興味を基本にした個別支援計画を策定している。職員の都合や期待を押し付けるのではなく、利用者の意見や選択肢を優先し、利用者が自分の望む活動に参加できるよう、目標や具体的な支援方法を共に検討している。その人の立場や視点を理解し、そのニーズに合わせた支援を心掛けているが、「本当に利用者が望んでいることなのか」を自らに問い続けることが必要である。よかれと思うことが相手に伝わり、職員が喜ぶことを利用者が選択するようになっては本末転倒であることを強く意識している。
事業所は、利用者を観察し、利用者が望む方向に合わせて作成した個別支援計画に基づいて、日中活動先や家族との連携を重視した支援を提供している。親の高齢化に伴い、通院同行をホームに依頼する家族にも対応している。また、親の高齢化や親亡き後を見据え、利用者の家族と連携も積極的に行っている。さらに、困難な事例に対しては、他の事業所から先進的な取り組みを学ぶ研修を受け、職員が知識と技術の向上を図っている。職員への支援も重視することが、職員の専門性向上につながるだけでなく、利用者へのより質の高い支援に繋がっている。
さらなる改善が望まれる点
事業所は地域のネットワークやハローワークなどの活用で、有意の人材が事業所で活躍できるよう採用活動に力を入れている。当面は人員体制を充実させながら、時折日曜日を休業としているユニットを完全に稼働できるようにしたいと考えている。また、休日や日中活動の後には利用者が積極的に外出して、余暇活動を楽しんでもらいたいとの思いから多くの人材を採用していく方針である。明るさと思いやりあふれる事業所を多くの求職者に知ってもらい、利用者たちと楽しみながら活動できるよう、積極的な人材採用が進められることを期待する。
事業所の2つのユニット近隣には一級河川が流れており、水害時など危険地域に指定されている。実際台風があった際には高台にある他のユニットや法人本部に利用者や職員を避難させた経緯もあり、現在もその時の教訓を活かしてさらに完成度の高い災害対策を講じる必要を感じている。具体的には避難訓練など実施しつつ、日頃から防災食を電気を消した環境で食べるなど被災時を想定した生活を体験したり、避難所に退避するさいには簡易テントを持ち込むなどプライバシーに配慮した対応など事業所が求められる対応を今後も進めていく予定である。
事業所では開設時にパンフレット作成して近隣の関連機関に配布してきたが、ほぼ定員を満たす状況になってからはパンフレットの更新を行っていない。また、ホームページも現在作成中とのことである。事業所はこれまで利用者支援や関連機関との連携に力を入れてきたので、これら業務に積極的に取り組める状況にはなかった。しかしながら、これまでの活動を整理して、事業所の取り組みを直感的に利用希望者などに伝えたいと考えている。また、職員にとってもこれまでの活動を振り返る機会とも捉えており、事業所らしいホームページの完成が待たれる。
事業者が特に力を入れている取り組み
事業所では利用者一人ひとりに対して、個別化した対応ができるよう、常に職員がそれぞれの利用者の真のニーズを意識するよう徹底させている。職員会議などの機会に利用者の生活状況などを職員間で共有しながら、利用者の価値観に沿った支援を提供しているのか、支援が職員の主観によるものになっていないかなどの検証を行っている。事業所ではこうした問題について職員が話しあいを持てる機会をつくることに力を入れている。基本一人仕事となる業態にあって、職員一人ひとりが自己覚知できる機会を意図的につくっている事業所の姿勢が評価される。
事業所では利用者の現在の生活だけでなく5年後、10年後といった将来を見据えた支援を提供する必要があると考えている。事業所は利用者にとっての自宅であり、サービス提供の期間も若年層であれば20年から30年の期間で関わることになる。また、その間親の高齢化や親亡き後の生活から、本人自身の老いについても向き合う必要があるので、事業所では一人ひとりのライフステージにおいて必要な支援について日ごろから考える機会を設けている。利用者の真のニーズを把握し、職員の良かれと思う気持ちに流されない支援の提供に力を入れている。
事業所では、利用者の生活を充実させるために移動支援を積極的に活用している。利用者が移動支援を通じて外出する機会を得ることで、日常では発しない単語が増えた例もある。これらの取り組みによって、利用者の生活の充実度が向上している。しかし、グループホームの多くが移動支援従事者の不足に悩んでいる。そのため、当事業所は法人として移動支援事業を行っている。そして、毎月ハローワークに通い、グループホームとガイドヘルパーの募集をしており、その成果があって移動支援従事者を確保している。それがホームの職員充実にもつながっている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:利用者数13名(男性5名、女性8名)。平均年齢41.5(男性44.6歳、女性39.6歳)。平均利用期間3年6ヶ月。障害区分内訳、区分6:1名、区分5:4名、区分4:3名、区分3:2名、区分2:3名である。
- 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
利用者6人が面談での聞き取りを希望したため、自室にて聞き取り調査を行った。また、その他の利用者についてはアンケート用紙を配布して、直接評価機関に郵送にて回答してもらった。 - 有効回答者数/利用者総数:11/13(回答率 84.6% )
聞き取りとアンケートにより11名の利用者から回答を得た。全体的な満足は10名が「大変満足」「満足」と回答して事業所の取り組みに対して高く評価していることが窺えた。アンケートについては質問に回答できない利用者に代わって家族などが回答したと思われるが、事業所への高い信頼を寄せていることが回答傾向から明確になった。事業所の細やかな支援に対する感謝が本調査から窺える結果となった。
アンケート結果
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
「はい」の回答が9名、「どちらともいえない」が2名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
2.利用者は、主体的な活動が尊重されているか
すべての回答が「はい」であった。「毎週土曜日、豊田で詩吟をしている。」との意見が寄せられた。
3.グループホームでの生活はくつろげるか
「はい」の回答が10名、「どちらともいえない」が1名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
4.職員が利用者の家族等に連絡をする場合、方法や内容等についてあらかじめ利用者の希望が聞かれているか
「はい」の回答が7名、「どちらともいえない」「いいえ」がそれぞれ1名、「無回答」が2名であった。「代わりに連絡してもらっている。」「言葉が話しできないので、少し不安がある。」との意見が寄せられた。
5.グループホーム内の清掃、整理整頓は行き届いているか
すべての回答が「はい」であったが、具体的な意見は寄せられなかった。
6.職員の接遇・態度は適切か
「はい」の回答が10名、「どちらともいえない」が1名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」の回答が10名、「どちらともいえない」が1名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」の回答が9名、「無回答」が2名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
すべての回答が「はい」であったが具体的な意見は寄せられなかった。
10.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」の回答が9名、「どちらともいえない」が2名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」の回答が9名、「いいえ」が2名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」の回答が9名、「いいえ」が2名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
13.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」の回答が10名、「どちらともいえない」が1名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」の回答が8名、「どちらともいえない」が2名、「いいえ」が1名であった。具体的な意見は寄せられなかった。
サービス分析結果
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入所時に事業所のサービス内容や基本的ルールを利用者に分かりやすく説明している
入所時には利用者にサービス内容や事業所の基本的なルール、料金などの重要事項を書面で説明し、同意を得ている。事業所ではこうした説明は利用者本人を中心として行えるよう、利用者にわかる言葉や事例などで説明しているが、利用者本人に理解することが難しいケースでは保護者や後見人などに説明している。こうした説明は事業所からの一方的なものにならないよう、利用者や家族の意向を伺いながら十分に納得してもらえるように務めている。また、こうした説明は多岐に渡るので、一度で理解できない場合は必要に応じで入所後に説明をしている。
新たな生活にストレスなく適応して、前向きに生活できるよう職員が寄り添っている
入所直後は、通所先や保護者・相談支援専門員などに協力を求め、利用者が安心して生活できる環境づくりに配慮している。利用者に対してはこれまで経験のない共同生活において、これまでの自宅での生活の違いを説明したり、拒食・偏食などこれまでの生活習慣を改めるための働きかけなどの工夫をしながら新たな生活に慣れて貰えるように務めている。また、事業所では支援者にとっては当然と思えることでも、利用者にと取っての価値観などにより必ずしも当然とは認識していないことをよく理解したうえで、職員が利用者と向き合うよう心掛けている。
事業所では一人ひとりの5年後、10年後を見据えた支援を提供できるようにている
事業所は利用者の一生に渡る支援を提供するために、一人ひとりの5年後、10年後の生活環境を考えた支援を提供できるように利用者や家族などと丁寧に話しあいをしている。また、事業所には20代から60代まで幅広い世代の利用者が住んでいるが、家族などの高齢化といった課題もあり、こうしたケースではそれぞれの意向を確認しながら、必要な対応を早期に行うようにしている。事業所では利用者の望む人生を送ってもらえるよう、可能な限り対応できるようにしているが、そのための意向を日々確認しながら有機的な支援が提供できるよう務めている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の意向を丁寧に聞き取りながら、個別支援計画の作成を行っている
事業所では個別機能計画書の作成にあたっては、利用者の意向が十分反映されるよう、可能な限り利用者と話しあいをしている。計画の作成時はその1ヶ月前のユニット会議にて個別案を職員に提示し内容を協議した上で、利用者に提示して同意を得ている。事業所は計画作成に関する作業はルーティン化されており、遅滞なく計画の作成・更新がなされているが、利用者が知的障がいであることから直接ニーズを聞きだすことが困難なことも事実であり、可能な限り家族などから意向を聞き取り、その思いを支援に活かしていけるよう努めている。
利用者の状況を職員間で共有しながら、計画の実施状況を評価している
事業所では個別支援計画を6ヶ月ごとに更新しているが、生活状況や環境が変化した場合にはその都度、更新時と同じ手順で行っている。事業所の利用者が知的障がいを持つ者ということもあり、本人からニーズを直接聞きだすことが難しいので、日頃から本人の様子をよく観察しながら、したいことや好きなことなど把握して、利用者と生活への目標を共有できるようにしている。また、サービス管理責任者は他の職員から日ごろの生活の状況を良く聞き取り、計画の評価を共に行い、利用者の実情にあった計画が作成されるようにしている。
職員会議では利用者支援に対する熱心な検討が行われ、職員の自己研鑽の場となっている
事業所では毎月の会議で利用者の生活状況の共有・協議、振り返りを行っている。会議では様々な情報共有や検討事項があるが、毎回熱心な検討が行われ、時間が足りないこともあるとのことだった。また、こうした熱心な検討を行うためには、日々の記録が適切になされていることが重要な条件になるので、記録の付け方について研修を実施している。事業所では自分以外の職員の記録を読むことは、自分にはない視点や考え方を学ぶことに繋がると考えている。利用者との関わりだけでなく、他の職員からも学びを得て自己研鑽に励む職員の姿勢が評価される。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
- 関係機関と連携をとって、利用者一人ひとりに応じた支援を行っている
【講評】
事業所は利用者の課題を計画に盛り込み、その計画に基づいて支援している
例えば、ごみが捨てられずかばんの中に溜まってしまう利用者に対し、支援計画で同意を得て定期的に一緒にゴミを片付けるような支援を行っている。また、世話人のお願いを拒む一方で、他の利用者の真似をする傾向がある利用者に、他利用者と一緒に行動を促すなど、集団の力を活用して支援している。さらに、体重が増えすぎた利用者に対しては、個別支援計画で食事制限や運動を取り入れ、健康的な体重に戻す支援を行っている。この際、特定のハンバーガーが太りやすいという日中活動先から得た情報をもとに、利用者のやる気が出るよう支援をしている。
発語のある人にもない人にも言葉の力に頼らないコミュニケーションの工夫をしている
事業所は、利用者の様子を見ることで、その状況や感情を理解し、必要な支援を提供するよう努めている。言葉だけでなく、身振りや表情などの非言語コミュニケーションを通じて情報を得ている。世話人や事業所の都合ではなく、利用者が望む方向に合わせて支援を行い、利用者との合意のもとで目標に向かって進めている。そして、その人の立場や視点を理解し、そのニーズに合わせた支援を心掛けている。例えば、風呂に入ったまま出てこない利用者に対しては、近くでシャンプーのボトル詰め替えなどの作業を通じて関わり、コミュニケーションを深めている。
事業所では、利用者の支援の質を向上させるために、職員への支援も重要と考えている
事業所では、ユニットや職員間の情報共有に関する課題を認識しており、情報共有の重要性や方法について職員に周知することを考えている。そのためには、たとえば、必要な情報をわかりやすく可視化し、共有するためのツールやシステムを導入することが効果的と考えられる。データベースやチームコラボレーションツール(グループウェア)などを活用することで、職員間で情報を効率的に共有しやすくなる。情報共有が組織文化の一部として浸透するように、情報共有を奨励し、その重要性を認識するための活動が望まれる。
2.利用者が主体性を持って日常生活を楽しく快適に過ごせるような取り組みを行っている
- グループホームでの生活は、主体的な活動が尊重されている
- グループホーム内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 休日の過ごし方や余暇の楽しみ方については、利用者の意向を反映し、情報提供や必要な支援を行っている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っているグループホームのみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者が望む活動を選択できるよう、職員は常に利用者の意向を尊重している
事業所は、利用者が望む活動や興味を基本にした個別支援計画を策定している。職員の都合や期待を押し付けるのではなく、利用者の意見や選択肢を優先し、利用者が自分の望む活動に参加できるよう、目標や具体的な支援方法を共に検討している。たとえば、卵焼きを作る、皆で力を合わせてサンドイッチを作るなど活動の支援もしている。さらに、職員同士が利用者の支援に関して内観し、定期的なミーティングやケースカンファレンスなどを通じて話し合う機会を設けることを検討している。
事業所は、利用者の休日と余暇活動に、積極的に移動支援を活用している
事業所は、移動支援事業を運営する法人の強みを活かし、様々な工夫を行っている。例えば、入居前には公共機関などに貼られた掲示物などを欲しがっていた利用者も、入所後に他の利用者と外出するようになると、その関わりが楽しくなり掲示物などに関心を示さなくなった。このような協力やコミュニケーションを通じて、利用者同士の支え合いや理解が深まり、共同生活の質が向上している。移動支援を通じて外出する機会を得ることで、日常では発しない単語が増えた例もある。これらの取り組みによって、利用者の生活の充実度が向上している。
食事は、利用者のニーズや好みを尊重し、楽しんで食事を摂れるよう取り組んでいる
入居前に偏食が激かった利用者に対しては、既存の利用者が食べているものの中から本人が食べられるものを選択させている。また、本人の好きな食材や料理が他の利用者も食べられるものであれば、それを取り入れることで、他の利用者との食事の共有を促進し、利用者自身も食事を楽しむようになった。さらに、世話人が一所懸命に料理を作ることに対する声掛けを通じて、食べられるものを増やしている。その他、自分で考えたり決めたりが苦手な利用者に働きかけ、数年かけてコンビニエンスストアで食べたい弁当を自分で選べるようになった例もある。
3.利用者の状況に応じて、生活上の支援を行っている
- 利用者の状況に応じて、身の回りのことについて必要な支援を行っている
- 利用者の状況に応じて、家事(調理、洗濯等)について必要な支援を行っている
- 利用者の状況に応じて、金銭の管理や使い方について支援を行っている
【講評】
利用者がより快適で充実した生活を送ることができるよう支援している
利用者のニーズや目標に合わせ、快適で充実した生活を送ることができるよう支援している。たとえば、寒冷時にレッグウォーマーなどの暖かい衣類を利用者に提案することで、寒さ対策を行っている。世話人は、利用者が気に入ったら「暖かくて気に入っているから」と、家族に電話して購入してもらうよう働きかけている。このときに、肯定的な表現を使い、「冷たいから」のような否定的表現を避けている。さらに、世話人は自らの価値観に囚われず、利用者のニーズや目標を尊重し、支援の目的を明確にして、見守ることと、手助けすることを切り分けている。
工程の細分化や適切な支援を行い、利用者が能力を最大限に発揮できるよう努めている
事業所は、利用者の能力に関わらず、できることとできないことを分けず、どうしたらできるかを考え、適切な支援を行っている。利用者が少しずつ進歩する様子を見守り、適切なアドバイスや手助けを提供することで、自己の能力を伸ばし、自立した生活を送るためのステップを踏むことができるよう支援している。たとえば、洗濯の工程を細分化することで、利用者ができることを最大限に行うことができるようにしている。洗剤の計量を簡単にするため1回分のボトルを用意し、操作方法を丁寧に教え、繰り返し練習するなどの工夫をしている。
利用者のニーズや希望に合わせた個別の金銭管理に関する支援を行っている
利用者が経済状況をより良く理解し、自己のニーズを満たすために資金を適切に管理できるよう支援している。例えば、買いたいものが多い利用者に対して、毎月一定額を貯金し、貯金がある程度溜まったら自分の欲しいものを購入するように促している。この際、収入から必要経費を除いた金額を貯金することで、利用者が資金を管理しやすくしている。また、レシートや出納帳を活用して収支を管理することで、利用者が経済状況を把握しやすくしている。また、市や就労先、相談支援機関と連携し、経済状況を適切に管理できるよう支援している。
4.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのあるグループホームのみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者が健康な生活を送るため、健康診断や受診結果など医療情報を収集している
事業所は、健康診断を実施しない日中活動先に通っている利用者に対しては、希望を聞き、健康診断の申し込みや同行支援をしている。また、家族が健康診断に対応している場合は、結果の提供を受け、適切な医療情報を得るようにしている。さらに、家族が通院に対応している利用者の場合には、家族との情報共有が十分できるよう努めるとともに、利用者や家族の高齢化に伴うリスクに備えたバックアップ体制を充実させていくことを目指している。これらの取り組みにより、利用者が健康で充実した生活を送ることができるよう支援を継続している。
利用者一人ひとりの疾病に対応し、健康管理に注意を払い、健康維持に努めている
事業所は、健康管理や食事摂取に注意を払いながら、利用者が心身ともに健康的な生活を送れるよう努めている。例えば、心臓疾患を抱える利用者への白米は必ず計量して提供し、食事の栄養バランスを考慮しながら適切な量を摂取するよう配慮している。また、体重増加などのリスクを軽減するために、プールやウォーキングなどの楽しい運動の機会を提供している。さらに、食事に関する世話人間の意見の相違に対しては、市の保健所や保健師に相談し、管理栄養士にアセスメントしてもらうなど、専門家の助言を得ながら適切な食事支援を行っている。
事業所は、利用者が適切に服薬し、健康状態を維持するよう支援している
事業所では、会議などで一人ひとりの利用者が服薬を忘れないように職員に周知し、適切な服薬管理を行っている。利用者に合わせて、日付を入れた薬袋を使用し、1回分ごとに服薬管理ケースに入れて管理することで、利用者が自己の服薬状況を把握しやすくしている。また、一部の利用者は世話人から薬を受け取って服薬している。薬を飲み忘れることが致命的な問題を起こすことがあるので、自宅で薬を飲み忘れた事例では、通所先も含めた会議を通じて状況を共有し、対応を協議した。このような服薬支援の取り組みにより、健康維持の支援をしている。
5.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者が休日に宿泊を希望する場合、その旨を家族に伝え、宿泊の調整を行っている
事業所では、他の利用者が休日も泊まるときに自分も泊まりたいという希望があると、家族の了解を得て利用予定を調整している。また、イベントに参加したくないため、家族にイベントの存在を知らせない利用者に、「イベントの案内をきちんと伝えたうえで、行きたくないと表明する」よう勧めている。その他、家族の希望に応じ、緊急時や事務的な話のためにSNSを活用することで、家族と情報を共有し、必要な手続きを円滑に進めることができている。これにより、家族とのコミュニケーションを効率化し、利用者の利益に即した支援をしている。
利用者や親の高齢化に伴い、兄弟姉妹の訪問や迎えなど、関係が増えてきた
事業所では、利用者や家族と共に将来の支援計画を検討し、適切な支援を提供できるよう努めている。また、心の支えであった母親が亡くなった利用者が安定してホームで生活できている事例があり、家族や支援者の連携とともに、施設内の支援プログラムの効果を示していると思われる。家族との協力は、支援の質や深みにも大きな影響を与える。支援者同士や家族との対話を通じて、利用者のニーズや家族の願いを理解し、それに基づいた支援を提供するために、対話の機会を創出し、情報や意見を共有することで、より良い支援が実現できると考えている。
利用者の家庭でのふるまいに関する情報を家族から聞いて支援に生かしている
季節の変わり目における室内環境に関する家族からの情報提供は、利用者の健康や快適な生活に直結する重要な要素である。また、世話人が声をかけないとトイレに行かない人などについて、家庭での様子を把握し、その情報をもとに適切な支援を行うよう努めている。利用者によっては、親の顔を見ると動く人もおり、親から「ある程度厳しくしてほしい」と頼まれることもある。それに対して応えつつも、虐待にならないように注意している。家族からの情報提供や利用者の状況把握などにより、利用者の健康や安全を守るとともに、良い生活環境を提供している。
6.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
近隣農家との交流や自治会への参加、地域活動への参加などの取り組みが行われている
近所の畑の人との親交がある。会うと挨拶をすることから始まり、お互いに親しみを持って交流している。その中で、大根を抜かせてくれることがあり、それを利用者と朝のみそ汁の具にするなど、地域の人との関係を深める機会となっている。自治会へ参加し、地域社会とのつながりを強化し、地域の活動に貢献することができる機会を得ている。そこで、自治会の避難訓練や清掃活動にも、利用者と一緒に積極的に参加できるよう働きかけていこうとしている。これらの活動を通じて、利用者の地域社会との結びつきの強化を目指している。
地域のサークル活動などの情報を調査し、利用者と繋げる取り組みが行われている
事業所は、利用者が地域の詩吟や卓球の会などの活動に参加できるよう支援している。地域のサークルなどに参加するための情報を調査し、利用者と繋げるよう取り組んでいる。また、利用者が参加しているサークル活動の大会や発表会では、同じグループホームで生活する利用者が応援に訪れるなどして盛り上げている。しかし、サークル活動に参加できる利用者は限られているため、地域の様々な人々が当事業所の利用者の存在を知り、支援の輪を拡げることで、より多くの利用者が地域の活動に参加できるようにしたいと考えている。
利用者の自立心や自己表現を尊重し、地域社会とのつながりを強化するよう努めている
休日に自分でお金を払いたい利用者への支援は、その利用者の自立意欲や買い物体験を尊重している。近隣のコンビニエンスストアでは、茶色いコイン3個など、必要な指示を与えくれるので、利用者が自分でお金を管理し、買い物を楽しむことができている。また、五百円玉を集めている利用者を理解し、他の硬貨を五百円玉に両替することで、快適な環境を提供している。さらに、家族や地域の協力を得て、仮装してハロウィンへ子どもたちと一緒に参加することで、利用者が地域の一員として自己を表現し、楽しい時間を過ごすことができるよう支援している。
【講評】
事業所の個人情報の取り扱い規定に則して、一人ひとりの情報を管理している
事業所では利用者の入所時に個人情報の管理方法や、外部に提供が必要な場合についての対応方針について説明を行い同意を得ている。事業所では利用者が所属する詩吟の会で利用者を紹介する記事を作成する際に、適切な情報の提供についての支援を行うなど、利用者の権利擁護に力を入れている。また、事業所内での個人情報の管理についての書類は施錠可能な書庫で管理し、電磁的情報についてはパスワードが設定されたパソコンで管理を行い、担当業務によりアクセス可能な内容を制限することで、利用者の個人情報や事業所の機密事項を保護している。
利用者のプライバシーや羞恥心に細心の配慮を行い、共同生活を送れるよう支援している
利用者宛の郵便物の取り扱いなどは、職員の判断で開封したりせず必ず利用者に手渡しして、利用者からの求めがあれば一緒に読むこととしている。また、洗濯物を干すときは下着が見えないようタオルで覆うなど、羞恥心に細心の配慮をしている。事業所の利用者はお互いを尊重して、他者と適切な距離間を保ち、他者の居室などへ無断で立ち入る利用者もいない。事業所では職員が利用者のプライバシーなどを守るだけでなく、利用者同士がマナーを意識して、共同生活を円滑に送ることができるよう、見守りを中心に適宜必要な介入を行っている。
職員は「本当に利用者が望んでいることなのか」を自らに問い続けながら寄り添っている
事業所では所内で活動を行う際には、職員が利用者のイエスとノーの意思表示を確認しながら実施するようにしている。事業所では職員に対する支援が「本当にそれを望んでいるのか」をいつも職員が自らに問い続けることが大切と考えている。職員の価値観で良いと考える支援を提供すると、その思いが利用者に伝わり、結果として利用者は職員が喜ぶような行動をする恐れがある。こうした本末転倒な結果とならないよう支援の目的が明確になるよう、事業所では職員同士の対話の機会を設けて利用者にとっての本当のニーズの把握に努めようとしている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
各種業務マニュアル類を整備して、職員が主体的にルールづくりに参画している
事業所では日常業務に関する手順から救急、災害、感染症、虐待など項目分けしたマニュアルを作成している。入職まもない職員が仕事に慣れてくるまでの期間は業務の流れを記載したマニュアルを活用している。事業所では各種業務が円滑に行われるためには、一方的にマニュアルやルールを順守するよう伝達するのではなく、職員が自発的に事業所内の課題と改善方法の問題提起をして、職員全員で少しずつルールを構築していくことが望ましいと考えている。事業所では職務に熱心で自らの職場を良くしたいと考えている者が多く、業務改善に取り組んでいる。
事業所のマニュアル類が実状にあわなくなった場合には、随時変更を加えている
事業所では各種マニュアル類の改訂の次期や手順などを具体的には定めていないが、現行のマニュアルやルールが実態に合わなくなったり、新たな課題が生じた場合にはその都度見直しをしている。月に1回の職員会議の際にマニュアル類の改訂が必要な場合に議題として、職員に提案してもらい全員で検討を行っている。事業所の方針としてマニュアルやルールは職員全員で決めて、全員で実行することとしている。全員参加の事業所運営で経営層から一般職員までが課題を共有しながら、その解決に向けて一丸となる体制が事業所の特色となっている。
利用者本位の支援のために、職員一人ひとりが自己覚知に積極的に取り組んでいる
事業所の特徴として利用者支援に熱心で、真摯に業務に取り組む職員の存在がある。事業所の利用者支援の丁寧で詳細な記録から職員の姿勢が読み取れる。事業所の業務の形態から一人仕事とならざるを得ず、他の職員の業務を直接見ることができないことから、記録の共有は他の職員の視点や考え方を学ぶ貴重な機会と言える。事業所では自らの支援が自分の主観に基づくものにならないよう、常に利用者の気持ちや立場に立って考えられるよう職員に自己覚知を求めている。職員も会議などの場では積極的に発言しより良い支援の提供のため研鑽に励んでいる。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
パンフレットを作成して、事業所の情報を利用希望者などにわかりやすく提供している
事業所では利用希望者などに、事業所のサービス内容や実際の様子をわかりやすく伝えられるようパンフレット作成している。パンフレットには事業所の想いや日々の生活の説明に加えて、紙面が許す限り写真を収載している。現状においてもわかりやすく丁寧な紙面づくりとなっているが、今後は現状のパンフレットを見直し、利用希望者などがサービスの内容を視覚的に理解できるような構成にしたいと考えている。また、ホームページの作成も概ね完了しているが、利用希望者が直感的に事業所での生活をイメージできるような内容にしたいと考えている。
相談支援事業所などや行政と連携をとりながら、入所が必要な利用者を受け入れている
事業所ではグループホームに入所が必要な利用者を、速やかに受け入れられるよう相談支援事業所などの関連機関や行政と日ごろから連携をとっている。また、法人代表者は異業種から障がい者支援事業に参入したが、開設以来近隣の関連機関との関わりを大切にすることで、事業所の運営に多大な協力を得ることができた。現在もこうした経緯から、行政機関や関連機関との連携を重視して、日中活動先と協力しながら利用者への支援にあたっている。事業所は今後も関連機関と協働して、地域の福祉事業の発展に寄与できることがないかと考えている。
利用希望者などの要望に応じて、随時見学の対応を行い事業所の説明をしている
利用希望者などの要望に応じ、個別に見学の対応をしている。見学の問い合わせは相談支援事業所などや利用希望者の保護者などからであり、事業所では満室で即時の入所が不可能な場合であっても、利用希望者などにグループホームの生活を紹介することを目的に見学を受け入れている。見学時は、建物内を案内しながら設備面の紹介とともに、一日の生活の流れなどを説明している。パンフレットを用いて説明をするときは、その内容を利用希望者などにわかりやすいよう噛み砕いた説明を心掛けており、今後は見学者からアンケートを取ることも検討している。