評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)子ども一人一人に沿った成長発達
2)豊かな人間性の育成
3)基本的生活習慣の確立
4)体験活動を生かした保育
職員に求めている人材像や役割
・子どもが何よりも好きな職員
・明朗活発で前向きな職員
・常識を持ち備え、協調整のある職員
・思いやりのある職員
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・小さな命を預かる重要な仕事のため、安全面には責任を持ってほしい。
・子供の気持ちに寄り添い子供が安心して安定して生活できるように、そして保護者にとって安心して預けられる場所となるよう信頼関係を大切にしてほしい。
・一人一人の成長発達に沿った保育を促してほしい。
・この世に誕生しこどもたちにとって初めての社会となるので、必要な生活習慣やコミュニケーション力が身につくように働きかける。
・人間形成を育む大切な時期のため、言動行動には十分配慮してほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
2017年4月以来、村役場の行政担当者が園にほぼ常駐している。常に園と連携を取り合い、細部の問題にも臨機応変の対応が図られている。その結果、それまでに見られた人間関係の軋轢による職員辞職も減り、組織の安定化に繋がっている。また、村役場の管理職がほぼ常駐していることで、村役場の施策や改正事項が明確かつ迅速に把握でき、それを反映して職員会議での検討が密に行われるようになっている。
三宅島という風光明媚な環境のもと、子どもたちは身近な自然に触れながら伸び伸びと園生活を楽しんでいる。園は地域交流や繋がりを大切にしており、また、島民全体で子どもの育ちを応援している。島内に各1校ずつである小学校・中学校・高校とは、合同した一環会議・食育会議・音楽会・作品会議などを行っており、医療機関・保健所などとの定例会も実施している。一方、園においては、子ども同士の異年齢交流が多く持てるように、職員は意識した保育に努めている。
園の職員は常勤・任用・派遣の採用形態であり、業務の標準化を図ることが求められている。そのため、園では既存マニュアル類の見直しと新規作成を園長が主体となって取り組んだ。新規作成は、午睡マニュアル、食事マニュアル、プール・水遊びマニュアル、園外活動マニュアルが該当する。これらの新規マニュアルは既存の感染症対策マニュアルと食物アレルギーマニュアルも含め、職員がいつでも閲覧できるようになっている。感染症対策マニュアルについては、流行の兆候と経過に合わせて、適時の変更と見直しを行っている。
さらなる改善が望まれる点
園の職員は島外から入職した人が多い。島という限られた地域特性から公私の区別が明確になっているように見えないため、そのギャップに悩む職員も多い。また、個々の保護者の家庭状況が見え過ぎ・知り過ぎてしまい、守秘義務に悩む職員もいる。園長は個別に相談に乗ったり職員の処遇改善に積極的に関わるなど、職員の定着化を図っている。今回の職員アンケートでは、職員から給与処遇改善の声が少なからずあったが、職員意欲向上のためにも、村役場で積極的に検討されるべき事項と思われる。
保護者アンケートには、「子どもの引き渡しが玄関であること」「新規入職職員の名前と顔が一致しないこと」「教室に掲示してある子どもの作品が見れないこと」などの声が多々あった。また、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより、感染対策に努めながらの対面での対応も求められている。毎年開催されていた全体懇談会の開催予定も希望したい。今後も保護者からの意見を聴取し、相互に情報交換と共有ができる場の提供に取り組まれたい。
今まで継承されてきた保育の方法や考え方の中で、午睡時のパジャマへの着替えを今後は変えていく方向とのことである。これを機会とし、おやつの提供時の環境・バス利用の保護者への情報伝達方法・行事のあり方など、これまで当然とされてきた保育の内容を今一度職員間で振り返り、子どもを尊重した内容であるかどうかを確認されたい。時代に則した保育についての情報入手や研修の機会を利用し、さらなる保育の向上に繋げることを期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
災害の島とも言われており、災害は必ず起きるという前提の下で防止及び対応に注意を払っている。行政による全島放送網やIP告知端末が設置されており、警察との連携も密である。保護者への緊急・重要情報発信の必要性も高まっており、昨年9月から保護者・職員対象の一斉通信連絡網を開始している。毎月行われる避難訓練も随時内容を変えて実施している。感染症対策も保健所との連携を密にしている。また、職員会議では常にリスク防止を喚起しており、従来から懸案のBCP(事業継続計画)作成は、村役場と連携して早急に準備を進めようとしている。
園では、年齢別の活動に加えて、異年齢で関わる機会を多く設けている。異年齢でのリトミックは、朝や夕方の時間・土曜日の保育・夏の一定期間の他にも日常的に取り入れており、3・4・5歳児が合同で行っている。異年齢の2人が組になって一緒に体を動かす中で、年長児が手を繋ぎリードする姿も見られている。4・5歳児合同の活動で縄跳びをお互いに披露しあった時には、4歳児が「真似してみよう」と挑戦する様子もあった。また、年長児が乳児クラスに行き、着替えの手伝いや午睡の布団の片づけなどを行って、小さい子に優しく関わっている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:定員60名に対して65名が在園し、家庭数である53名の保護者を対象としてアンケート調査を行った。そのうち、38名(72%)から回答を得た。記入者は母親が76%だった。
- 調査方法:アンケート方式
アンケート用紙と返信用封筒を職員から保護者へ手渡ししてもらい、記入されたアンケートは、返信用封筒に入れて糊付けし、保育園が集めて一括して機関へ送った。その後、機関で集約及びグラフ化して園へ郵送及び報告を行った。 - 有効回答者数/利用者家族総数:38/53(回答率 71.7% )
「大変満足」が5%、「満足」が50%、「どちらともいえない」が29%、「不満」が8%、「大変不満」が3%、「無回答」が5%であり、満足度は55%だった。自由記述には、「子どもが楽しく通っている」「先生が子どもの成長を考えて保育をしてくれる」等の感謝の言葉に加え、「感染症対策が厳しすぎる」「先生たちの共有があまりできていない」「お昼寝が長くて子どもが苦痛のよう」「連絡ノートをもっと活用してほしい」「保育園バスに乗る期間がもう少し短いと良い」「働いていない人への態度が違う。子どもたちの様子が分かりづらい」「保育士が少ない」「園は言い訳ばかりで保護者に寄り添っていない」「先生の名前だけでなく顔写真の紹介も欲しい」「島内唯一の保育園で選ぶことができない」「大人の都合で良くない教育が園の伝統になっている」「さくら連絡網で日々の活動内容のボードを送ってほしい」「口調のきつい先生がいる」「園からの休み希望は、協力お願いぐらいにしてほしい」「慣らし保育が長くて負担」等、要望・意見が多く記されていた。今回の調査へは、「良い取り組みだと思う」「記入したことを園の改善に繋げてほしい」「調査をデジタル化してほしい」等、記されていた。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
「はい」が95%、「どちらとも言えない」が5%だった。設問項目には、「様々な活動をしているのだと思いますが、あまり伝わってこないため、内容がよくわかっていない」と、記されていた。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
「はい」が82%、「どちらとも言えない」が16%、「いいえ」が3%だった。設問項目には、「リトミックは効果的であると思うが、テレビを見せている時がある」「もっと子どもの興味や関心がもてるような働きかけはできるんじゃないかなと思います。絵の具は年長クラスしかやらなかったり、乳児でもぬりえをさせるよりも自由に描いて発想を広げるなど」と、記されていた。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
「はい」が61%、「どちらとも言えない」と「いいえ」が各18%、「非該当」が3%だった。設問項目には、「おいしいごはんだが、市販のおやつは工夫されたものではない」「塩分・糖分などに気を配ってほしい」「スナック菓子だと捕食にならない。事前連絡なく献立表と異なることがある」「園の独断でチョコレートを出していることに疑問がある。栄養士の指示も無視して子どもにあげている」「おやつが手作りの日を増やしてほしい」「おやつに幼児向けでない物が出される。給食(パン)でもチョコが塗られる(選択肢)」と、記されていた。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
「はい」が66%、「どちらとも言えない」が29%、「いいえ」が5%だった。設問項目には、「もっと外で遊ぶ日を増やしてほしい」「すぐに感染症のリスクと言って、社会との交流を無くしているが、コロナも落ち着いてきているので、社会との交流をもってほしい」「園庭遊びが多く、あまり外へ行っていない」「異年齢での戸外遊びや広くない園庭で自転車に乗る。実際に接触事故もあり怪我をしているので、時間を決めてほしい」と、記されていた。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」が53%、「どちらとも言えない」が13%、「いいえ」が8%、「非該当」が26%だった。設問項目には、「親身になって聞いてくれる」「規約の時間内にも関わらず、預かろうとしてくれない」「急な土曜預かりをお願いした際、対応してくれた」「同じ職場の人が30分近く遅れたら注意されたそうです」と、記されていた。
6.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」が55%、「どちらとも言えない」が32%、「いいえ」が11%、「非該当」が3%だった。設問項目には、「よく怪我をしてくる」「頭部の怪我で冷却等の処置をしたにも拘らず親への連絡がなかった。 翌日、本人が頭が痛いと訴えた為、分かった。その後の対策も明示されなかった」「保育参観日、乳児が長時間園庭で遊んでいた。気温が高い中、日陰もない園庭で熱中症のリスクが高いと感じた」「外にある門がいつも開いている」「戸外遊びの自転車走行!危険!」と、記されていた。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」が55%、「どちらとも言えない」が26%、「いいえ」が13%、「非該当」が5%だった。設問項目には、「コロナも関係しているが、クラス別のルールがある」「妻が働いていないだけで、働いている人優先と言われる」「行事は予備日を設けたら良い」「行事の時間などの詳細が一週間を切っても知らされない。平日開催の為、急な休みが取れない」「運動会の雨天時の振り替え日がなく開催されなかった。大きな行事には振り替え日、場所の確保をすべき」「運動会では予備日がなかった。休日に予備日を作るべき」と、記されていた。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」と「どちらとも言えない」が各45%、「いいえ」が11%だった。設問項目には、「担任の先生とゆっくり話せる機会が、年に2、3回あると良い」「信頼関係があると思っているが、直接話す機会が少なすぎる」「担任と話をする機会があまりもてない」「バスを利用していることもあり、先生と接する機会があまりない。またコロナ対応で、玄関引き渡しのため職員と関わることが少ない」「先生によると思います」「過去の話をたくさん聞くので、少し不安はあります」と、記されていた。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が79%、「どちらとも言えない」が21%だった。設問項目には、「園内を確認する機会が無いため不明」「感染症は多く、風邪で登園できないことも多い。どこまでできているかわからない」「コロナ対応では、細やかに消毒や清掃されていると感じた」と、記されていた。
10.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が61%、「どちらとも言えない」が32%、「いいえ」が5%、「非該当」が3%だった。設問項目には、「人によりですが、気分で対応される時もあり、基本は園の都合に合わせることが多い」「言葉遣いはしっかりしていますが、言い方が強かったり、子どもの名前を大声で何度も呼ぶ姿に少し不安になります」と、記されていた。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が50%、「どちらとも言えない」が34%、「いいえ」が11%、「非該当」が5%だった。設問項目には、「体調不良の際、兄弟で同一の扱いとなる」「怪我はメモに残すだけ。熱などはすぐに呼ばれたりする」「怪我の報告がない時がある。絆創膏は貼ってくれる」「登園を控える際などの基準が明示されておらず対応に困る」「感染症に敏感になりすぎている。咳・鼻水が少し出ているだけで休むよう求める、仕事をしていない保護者には特に」「高熱でもないのに受診が必要か病院に確認を促される」と、記されていた。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が29%、「どちらとも言えない」と「非該当」が各32%、「いいえ」が8%だった。設問項目には、「いじめた子への指導をきちんとしてくれなかったという話を聞き不安に感じた」「気をつけて見ていると思う」「保護者間の関係を取りもとうと余計にややこしくしている。 介入するのなら、最後まで責任を持ってほしい」「子ども同士のやりとりに任せている。詳しくはわからないが子どもの話を聞くと、けんかしてもそのままでひどい言葉を言い合う子もいる」「狭い島なので聞くことがある。加害者側にも伝えてほしい」と、記されていた。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が79%、「どちらとも言えない」が18%、「いいえ」が3%だった。設問項目には、「園が主体」「きちんとした名前で呼んでくれる」「生活発表会の前にお休みが続いて参加させてもらえず、当日は自宅で過ごしてた。子どもの人権を無視している。上手くできなくても子どもが参加できるように努めてほしい」「お世話になっている先生は、送迎の時の子どもへの言葉掛けだけ見ても、とても心を配ってくださっている」「担任の先生はすごく寄り添ってくれます」と、記されていた。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」が50%、「どちらとも言えない」が37%、「いいえ」が8%、「非該当」が5%だった。設問項目には、「玄関先でなく、人目のつかない場所で話してほしい」「園に意見をした時、「誰が」ということが役場にまで知られ、安心して述べられない」「知りたくもない他者の個人情報を聞くことがあったので不安」「ノートが入ったかばんを間違えて違う子が持って帰った際、相手側には何も報告がなかった」「シラミが流行っている時に、「誰が」が分かってしまった」「島でのプライバシー保護は難しそう。守ってくれると願う」と、知るされていた。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が61%、「どちらとも言えない」が32%、「いいえ」が8%だった。設問項目には、「全体へのホワイトボードのみで、子どもが友達とどんなやりとりをしたのか、全くわからない。特に担任の方が見送りでないと全くわかりません」「連絡帳にはハンコのみのため、保育内容や我が子の様子はわからない。1日の活動のボードもバス利用のため見られないのが残念」と、記されていた。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が50%、「どちらとも言えない」が32%、「いいえ」が11%、「非該当」が8%だった。設問項目には、「島ルールみたいなところがある。一般的には平気だけど、この島だからダメみたいなものはあっても仕方ないと思うが、もう少し詳しく説明してくれると助かります」「自分たちの主張のみで、意見を聞き入れてくれない」「聞いてくれるが、対応はしてくれなかった」「先生によると思います」「話しを一方的にされる事もある」と、記されていた。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が24%、「どちらとも言えない」が21%、「いいえ」が26%、「非該当」が29%だった。設問項目には、「隠します」「数年間保育園に通っていますが、初めてこのようなアンケートがあることを知りました。 ずっとどこに相談したら良いのか分からず困っています。今からでも良いので教えてほしいです」「役所の方も聞いてくれるだけで、何も動いてくれませんでした」「役所の人より園長の方が強いらしく話は聞いてくれますが、園に確認とって結局できない事がありました。三宅は島の人が強いみたいです」と、記されていた。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
各方面から園にとっての情報収集を行い、園活動の参考にしている
運動会・生活発表会・親子遠足などの行事などの際には保護者へのアンケートを実施し、記録に残して次年度に活かしている。園運営に関する職員の意向は、職員会議や業績評価の個別面談で聞いている。業界全体の動向は、毎月の村役場の担当課長との打ち合わせで把握している。一方、島の保健師やシルバー人材の協力のもとで「子育て広場」を開催し、園庭の開放を行っている。特別養護老人ホームへは、3歳以上の園児が訪問して地域との交流を深めている。さらに、小学校との交流を行い、園児のスムーズな就学に繋げている。
役場作成の中・長期計画を受けて、園の年度計画が作成されている
園単独としての中・長期計画は策定されていないが、村役場による「第6次三宅村総合計画(令和4年度~令和13年度)」及び令和4年度3月作成の「三宅村保育所個別施設計画」が策定されている。これらは中・長期計画とされ、理念の具体的展開を明示するものであるが、職員への明確な周知によって、職員の一致協力態勢も強まると思われる。また、この中・長期計画を基に園の計画書を作成しているが、その年度の園としての重点実施事項を策定して職員へ周知することが望ましい。
全職員の職務分担が定められており、各自は責任をもって役割を遂行している
立案した年度計画の推進の管理については、業績評価シート(目標管理シート)における組織目標(重点施策)の進捗状況報告及び結果報告の確認・検討を職員会議で行っている。運動会などの大きな行事では主たる責任者にクラス担当がサポートにつき、臨時に職員会議も行い、準備・実行されている。運動会などは、より村民に密着した行事になっている。また、その他の細かい活動計画でも役割分担を明確にし、職員会議での管理が行われている。ここ数年のコロナ禍で諸活動が制限されたていたが、5類へ転換になったことで、諸活動も再開の方針である。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
保育に携わる者の自覚を促すために、法・規範・倫理の遵守を折に触れ喚起している
守秘義務及び公務員としての守るべきことを年度当初だけでなく、状況に応じて全職員へ伝えている。保育に従事する職員として、法・規範・倫理の遵守は基本中の基本である。園事業の透明牲については、今回3回目の第三者評価受審であるが、その結果は、都のホームページ(福ナビ)で公表され、職員会議でも職員へ報告を行い、改善すべき事項は積極的に取り入れる意向である。今後の職員研修に接遇・協力姿勢なども含めて法・規範・倫理の遵守内容を盛り込むことを期待したい。
村役場とも連携し、虐待防止への組織的な対策と対応を行っている
虐待防止及び早期発見への対応を行う園の体制は、二つの方法がある。一つは、子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動や虐待が行われることのないように、職員からの情報を園長がとりまとめて事実確認を行うことで、内容によっては園長が同席して聞き取りを行う体制があるが、現実的には事例が発生していない。もう一つは、虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得た時や虐待の事実を把握した際に、村役場の福祉健康課との連携体制であり、村役場保健師と直結して情報を共有し、問題対応への速さが強みとなっている。
苦情の事案が発生した場合には、迅速に対応している
保護者の意向確認は、主に日常の送迎時や保護者会でのヒアリングで行っている。園バス送迎などの特有の地域性から、苦情申し立て者個人が特定できてしまうこともあり、村役場の管理職へ直結する「苦情・相談専用メール制度(しおりに連絡メールアドレスを掲載)」を設けて課題解決を図っている。一方、大きな行事の際には感想アンケートを実施して保護者の意向(意見・要望・苦情)を吸い上げ、保育現場に活かしている。なお、第三者委員や意見箱は設けていない。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
子どもの安全確保には、園はもとより、島ぐるみで取り組んでいる
災害の島ともいわれ、災害の防止・対応には島ぐるみで注意を払っている。行政による全島放送網やIP告知端末が設置されており、警察の連携も密に行われている。保護者への緊急・重要情報発信をして、昨年9月には保護者・職員対象の一斉通信連絡網を開始している。また、毎月行われる避難訓練も随時内容を変えて実効を高めており、感染症については保健所との連携を密に行い、登園証明の取得によって対応している。園は、毎月の職員会議で常にリスク防止を喚起している。
可能性のあるリスクは洗い出し、村役場とも協議して優先順位を決めている
園が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故・感染症・侵入・災害など)を洗い出し、対応すべき課題を常に見出すことに努めている。さらに、それらのリスクに優先順位をつけて対応を図っている。一方、従来からの懸案のBCP(事業継続計画)作成は早急に準備を進めなければならないとしている。非常時災害は必ず起きるという前提で、早急なBCP作成を期待したい。また、ヒヤリハットは年間8件と少ないが、事故を未然に防ぐためにも日頃の起票件数の増加を期待したい。
個人情報は、村の条例に基づく情報保護を行い、保護者の許諾を得ている
個人情報の取り扱いは、「三宅村個人情報保護条例」に基づいて行われている。使用に際しては、原則として保護者の許諾を得た後に行っている。園では、緊急連絡網の作成・「広報みやけ」と「園だより」への掲載・誕生会・各種の行事・医療機関への緊急連絡など、個人情報の収集と活用の機会は多い。島内の人間関係が緊密な土地柄だけに、個人情報の管理には特に配慮している。パソコンに入力された情報は、情報漏洩防止のために、村役場の課長と園長とのフォルダーに共有して管理されている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
職員の採用・配置・人事評価は、村役場によって行われている
園の正規職員は村役場の職員でもあり、村役場の職員として体系の中に組み込まれている。このため、人事考課は村役場の制度のもとで業績評価を中心に行われている。但し、目標達成度など園の個々の内容については役場の担当課長が把握しておらず、園長自身が積極的に絡んで園独自の目標達成度や課題等を認識する必要がある。また、島に保育園は一つしかなく、島自体が狭い社会のため、公私のけじめがつきにくく、プライベートなことも意図しない広がりをするなど、保護者対応に悩む職員もいる。
研修においては、職員一人ひとりの個人別育成計画を作成することが望ましい
職員の人材育成は、「三宅村人材育成基本方針」により育成及び配置を行っている。現状、職員に対して行政の保育責任者による年2回の個人面談を実施しているが、個々の職員の能力向上に関する賛同及びアドバイスをより明確にすることが望まれる。研修受講については、職員の希望申し出をその都度判断するという対応であるが、園長はWEBや島外の保育士研修に出来る限り参加できるように力を入れている。なお、職員は研修受講後に職員会議等にて報告・発表会を行い、研修内容を職員間で共有している。
職員の処遇は、村役場の人事制度の下で行われている
村役場の管理職が全職員に年2回面接し、園長の参考意見を聞きながら人事評価を行っている。一方、園では職員のストレスに注意を払っており、必要に応じて個人面談をするなどの予防措置を講じている。また、勤務管理では職員個々の事情を勘案してシフト表を作成している。各種情報の職員間での共有も職員数が少いためにスムーズに行われている。パート職員については、数年前に会計年度任用職員に移行したことにより休暇やボーナス支給などが付与され、処遇面は向上している。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
①生活経験を活かしながら、年齢に沿った保育活動をする
②散歩や園外保育、遠足など自然を生かした保育の実施
③年齢に沿った基本的生活習慣の確立(食事・排泄・着脱・衛生面・身支度など)
【上記の課題を抽出した理由・背景】
①子どもが様々な体験・経験を通してできることを増やしたい。
②身近にある自然の中で、様々な自然に触れ変化を感じたり、子どもなりに自然の豊かさを知ることが重要だと考えている。
③年齢に合った基本的生活習慣の確立を図り、身の回りのことができるよう支援が必要である。
【取り組み】
①については、運動会や発表会など行事に向けた取り組みの中で表現活動を豊かにした。
②については、園外保育や散歩を通して交通ルールを守ったり、自然の移り変わりに興味を持たせた。また歩くことで体力を付けた。
③については、年齢に沿った園生活のルールや生活習慣を日々の積み重ねによって伝え・知らせた。また、日々の生活で当番活動や順番を守るなど友達との関わりから社会ルールを知らせた。食事・散歩・コーナー遊び・リトミックなど異年齢児との交流も図った。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【取り組みの結果】
①運動会を通して縄跳びや鉄棒ができるようになり、生活発表会を通して自信を持って人前に立つことができるようになった。友達への意識も高まり、異年齢保育により、様々な子どもと関わることで、社会性・協調性・思いやりの気持ちが育った。
リトミックに取り組むことにより、感性や運動能力の発達に加えて集中力や情緒の安定にも繋がり、身体表現も豊かになった。
②散歩を通して体力が付き、自然の移り変わりを知ることができた。
③日々の生活の中で年齢に合った生活習慣の確立が図られた。誰の手も借りずにひとりで着脱・食事・身支度など自分のことができるようになった。
【振り返り・方向性】
①については、行事に向けての取り組みができるように、クラスでの分散開催・内容縮小・変更などあったが子どもの体験が増やせるように工夫した。異年齢保育の実施により、年長児の自覚が芽生え、他のクラスの子どもは年長児をモデルとして意識を高め、互いに成長した。年長児が新入園児を世話することで、新入園児が集団生活に早く慣れる様子が見られた。
③については、計画通りに進まず苦労したところもあったが、個々で見ていくと着実に成長していることが感じられた。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【設定した目標】
①両親の就労を含め保育を必要とする児童受け入れのための人材確保
②子どもの健康管理と安全を強化し、安心安全な子育て環境の整備
③保育の質の向上と必要な知識の習得
④保護者へのより早い情報伝達に係るネットワークの整備。
【上記選定の理由】
①保育士不足による入所できない状況の解決
②感染症による欠席者解決
③発達に係る子どもの増加対策等
④緊急を要する連絡の増加
【上記目標達成のため実施】
①村役場ホーページやIP告知端末による周知
②保健所・診療所との連携密
③勤続5年未満の職員が多数おり、研修参加できる講習の計画実施
④昨年度9月より全保護者及び職員対象の緊急メール発信システムの実施
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【取り組みの結果】
①島内で任用職員の毎月の募集、年度末には島外も、さらに派遣会社にも依頼
②保健師及び園医に対応等の指示を受ける、保護者への注意喚起を徹底
③心肺蘇生法やアレルギー対応(エビペン使用含む)、初期消火訓練にほとんどの職員参加
④一斉送信の効果を発揮し、効率化が実現
【振り返り・今後の方向性】
職員の退職に伴って早い段階から職員採用に向けて取り組んだが、新年度当初の入園申込み人数が多く、また、加配を必要とする子どもが多数のため、職員不足による待機児童が発生してしまった。その後、職員確保に向けて全力で取り組み、今年度初めての派遣職員を配置し、職員確保できた段階で、保留となっていた新入園児の受け入れを順次行った。今後は正職員をそろえることで園の安定運営に繋げる。安全面では、安全計画をもとに各種マニュアルを作成したことで職員の認識を深めた。研修については多数の職員が受講し、職員の質・能力向上が見られる。一斉送信は今後も有効活用が可能である。
サービス分析結果
【講評】
園の情報は村役場のホームページで情報入手が可能であり、活用しやすい
園は村で唯一の保育園であり、村役場管轄園である。そのため、村役場のホームページ上の住民向け情報・各種施設のご案内フォルダ内に保育園に関する情報が収められている。「みやけ保育園しおり」についても希望者が閲覧及びダウンロードできるようになっており、島外からでも入園時の必要書類の確認が可能である。また、村役場のホームページでは月ごとの入所状況を確認することも可能であり、各クラスごとの園児数も明示されている。
入園のしおりを見直し、保護者が活用しやすい工夫を行っている
入園案内である「みやけ保育園しおり」は、昨年度に見直しを行った。感染症の欄に「新型コロナウイルス」を追記し、就労証明書の記載時の注意事項を赤字で示すなどの修正を行い、情報過多にならないように内容を精査した。その結果、情報が整理され、必要な情報が得やすい構成となっている。また、各種書式の記載例を提示しているため、参考資料となりえている。入園に関する提出書類は、村役場ホームページからダウンロードできるしくみも整えられている。なお、アレルギーの子どもへの対応は個別に行っている。
入園希望については役場担当者と園との協働で対応し、不安の軽減に努めている
利用希望者への対応は、村役場福祉健康課窓口と園が協働で対応している。見学には、主に園長が対応しており、対応数は年に数件である。原則として、保護者の要望に沿って行うが、午睡の時間などを活用して対応することが多い。また、特に新規利用者は島外からの移住者が多いことから、生活環境への不安も懸念される。園では丁寧な対応を心がけ、不安軽減に努めている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
面接などは個別に対応し、役場担当者と園とが連携して安心感に繋げている
新規入園前の面接は、保護者と子どもが同席して、役場担当者と園長が各家庭ごとに個室対応を行っている。プライバシーを配慮した個室対応を行うことで、安心した環境と空間の中で相談できている。また、継続時面接は保護者と園長が面談を行い、子どもの発達・成長・園での生活状況などを相互に理解・確認する場となっている。なお、継続時面接は、概ね2週間の機会を設けている。
園生活と家庭生活の橋渡しのために慣らし保育を行っている
園での生活と家庭での生活は、環境も時間も異なる。子どもと保護者の新しい生活リズムの確保と園での生活環境に慣れるように、園では「慣らし保育」を行っている。当初は1時間から始めて、5段階での期間を設定している。段階を重ねていくことで、概ね園での生活が日常に移行するが、子どもの発達の特性や給食でのつまづきにより、慣らし保育がやや長めになる場合もある。長期の慣らし保育は保護者の負担も考えられるため、子どもが落ち着いた時期を見極め、保護者と相談しながらの対応が望まれる。
子どもや家庭の状況がわかるよう、所定の記録様式によって保管している
入園前の面接記録は、「入所面接に係る綴り」に保管を行っている。子どもの保育全般に関する記録は、児童票に記載する仕組みとなっている。児童票には家庭状況調査票の形式があり、例えば、災害時の引き取り人を記載する欄も設けられている。昨今は自然災害の発生が多いため、本欄は災害対応へのリスクマネジメントの一つとなっている。また、入園までの生活状況については乳児用と幼児用に分けられた書式が整えられている。
1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
職員会議によって、子どもの状況の協議と情報共有を行っている
園は、常勤職員・派遣職員・任用職員の雇用形態による職員体制である。子どもの情報交換と共有は、午睡時に常勤職員間による会議で行っている。原則として職員会議を月1回開催し、職員打合せ記録の書式によって記載・保管している。また、行事などの企画運営時にはこまめに会議が招集されている。但し、会議議事録は回覧制ではないため、派遣職員や任用職員へは伝達で留まっている。全職員が同じ情報を共有するための仕組み作りへの検討が、今後に望まれる。
子どもの成長と発達を促す指導計画の立案に努めている
園の保育計画には、全体的な計画・年齢別の計画・保健年間計画・食育年間指導計画がある。計画立案については前年度の課題を踏まえ、大きな見直しは年度初めに行っている。また、月の計画などは、見直しと修正を適宜協議して作成を行っている。作成された指導計画は、園だよりなどによって保護者へ周知されている。なお、園での活動に対する保護者の満足度が94.7%と高いことは、今回の利用者調査によるアンケートからも確認されている。
子どもの様子を保護者と共有するために、「連絡ノート」の検討を期待したい
園での情報発信のひとつである「園だより」は毎月発行され、行事予定・月の保育目標・お知らせとお願い・誕生日を迎える子どもの紹介などを掲載している。一方、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで感染防止対策も徐々に緩和されつつある中、送迎時には玄関先での対応であるため職員との接点が乏しいことに加えて、「連絡ノート」や「連絡帳」の積極的活用を望む保護者の声も今回の利用者アンケートから散見された。子どもの情報をより一層保護者と共有するための伝達手段についての検討を期待したい。
1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
- 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
- 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
- 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
- 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
- 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
- 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
- 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
- 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
- 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
- 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
- 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
- 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
【講評】
一人ひとりの子どもの発達状態を日々の保育や記録から把握している
子ども一人ひとりの発達の状態は、日々の連絡帳や保育日誌に記録されて把握され、まとめて児童票に記載している。1・2歳児では毎月担任が子どもの発達状況を児童票に記入し、3歳児~5歳児は期ごとに記入している。子どもの発達状態はクラス担任だけでなく、月1回の職員会議を通じて他の職員へも周知されている。子どもの発達状態を把握した上で、クラスの保育の計画が立てられ、日常保育が実践されている。
異年齢保育を取り入れることで、子どもが様々な子どもと関わる機会となっている
園では、年齢別によるクラスの活動の他に、3・4・5歳児の合同活動の機会も多く設けている。朝夕の時間や土曜日だけでなく、活動内容によっては、4・5歳児が合同であったり、3・4・5歳児が合同でリトミック活動を行ったりしている。異年齢の活動では、年長児の動きなどを年下の子どもたちが真似をするなど、年長児が自信をつける場ともなっている。また、特別な配慮が必要な子どもも数人いるが、他の子どもとのやり取りができるように、職員は仲立ちを行うなど支援に努めている。
小学校との連携により、就学への円滑な接続が行われている
島には保育園が1園、小学校も1校であるため連携が取りやすく、毎年の年度末には申し送りも丁寧に行われている。コロナ禍以前には、小学校への訪問も多く行っていたが、今後は復活したいと園では考えている。今年度は、小学校からの電話での情報収集とともに、小学校の教員が園の運動会や発表会の行事に来園し、子どもの様子を見る機会を設けた。年長児は1月下旬に小学校を訪問し、5年生との交流と給食体験の予定である。また、3月には小学校での1日体験入学の日も設けられている。
2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
- 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
- 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
- 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
- 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
登園時には子どもの健康状況を保護者とともに確認している
登園時は早番担当職員が保護者と挨拶を交わし、子どもの健康状態を連絡帳や口頭で確認した上で受け入れを行っている。1歳児から5歳児までの合同保育であり、ホールでの受け入れを行って、保護者は中まで入って子どもを職員に渡している。子どもの出席は各クラスの出席簿に記載され、出勤した園長が全クラスの出席簿の確認を行って、担当職員へ渡している。早番での情報は、担当職員から担任へ口頭で伝えられ、その日の保育に活かされている。
基本的な生活習慣については、家庭と連携しながら身につくよう支援している
基本的な生活習慣については、クラス別の懇談会で資料を配布し、園で行っている年齢別の支援や子どもの現状を伝え、家庭と協力して進めている。低年齢児では、特に食事・排泄・着脱について細かく段階を知らせている。例えば、箸への移行については、スプーンやフォークの三点持ちができるようになってから、3歳児クラスへの進級後に始めることを伝えている。また、トイレトレーニングにおいても、園での子どもの様子を観察し、時期を見極めて保護者へ声をかけており、家庭と同じように進めていけるよう図っている。
降園時に子どもの様子を伝えるよう心掛けているが、さらなる工夫が望まれる
降園時に連絡帳や玄関のホワイトボードによってその日の活動を知らせているが、園としては個別に子どもの様子を保護者へ伝えることがなかなか難しいようである。保護者アンケートにも「友達とのやり取りは分からない」「バス通なので、ホワイトボードも見られない」などの声が見受けられた。特別に伝える必要がある際には、メモを連絡帳に挟んだり電話での連絡を行っているようだが、日々の子どもの様子や保育内容を知りたい保護者の要望に応えられるよう、さらなる検討を望みたい。
3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
- 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
- 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
- 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
- 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
- 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
- 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
異年齢での活動機会を多く設け、子どもが自発的に遊べるよう支援している
朝夕の時間帯に1歳児から5歳児までが合同になる機会があり、土曜日保育や夏の一定期間にも異年齢での保育が行われている。活動の中では、年齢の組み合わせもまちまちで散歩に行ったり、3歳児から5歳児までが合同することも行っている。自由遊びの時間などでは、年長児がやっていることを年下の子どもたちが見ていたり、仲間に入れて貰って遊びが広がっている。子ども同士の関係が広がり、やってみたいと思える遊びが増え、子どもの自発的な気持ちを育てている。
子どもが様々な表現活動を楽しめるよう配慮している
表現活動として、園では身体表現のリトミックに力を入れている。その他にも、絵画制作・運動・和太鼓・楽器演奏なども取り入れている。絵画制作活動では、5月のこいのぼり作り、11月の七五三の飴を入れる袋つくりなど、行事にちなんだ作品作りを年齢に合った材料を用いて行っている。また、島の伝統芸能である和太鼓を年長児が発表する機会も設けられている。毎月の歌を決めており、子どもたちが覚えて歌い、楽器演奏・ダンス・劇遊びなども取り入れ、様々な表現活動を楽しんでいる。
四季の移り変わりを感じ取る戸外・園外活動を行っている
園は、自然豊かな環境に恵まれており、園庭も広くあることから、戸外遊びをできるだけ取り入れている。今年度は、初めての園外保育を5月に行った。園の周辺を散歩し、春を感じながら保護者の作ったお弁当を食べて楽しんだ。夏には、コロナ禍で昨年あまりできなかった水遊びやプールが毎日のようにできたことで、子どもたちは夏を感じ満喫した。秋には、山の方まで散歩に行き、木の実や紅葉した葉っぱを持ち帰って季節を感じている。一方、冬の時期は島特有の強風によって散歩には出られないことが多かった。
4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
- 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
- みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
- 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
子どもの個性や能力が発揮できる行事を企画している
保護者参加の園の主な行事は運動会と生活発表会である。島の伝統芸能を取り入れたり、日頃から行っているリトミックの成果を発表するなど、子どもが自信を持って取り組めるような内容を考えて企画・実施している。さらに、子どもだけの行事として、毎月の誕生会・園外保育・七夕集会・十五夜・ハロウィンお楽しみ集会・うどん作り・クリスマスお楽しみ会・お餅つきなどが実施されている。また今年度は親子遠足も秋に行われた。
みんなで協力してやり遂げる経験が子どもの自信に繋がっている
島では、保育園や小学校などが合同で行う保・小・中・高の合同作品展が隔年で実施されている。5歳児は、ぐりとぐらの絵本からイメージを膨らませた作品にみんなで協力して取り組んだ。運動会ではパラバルーンを友達と協力しながら演じ、組体操も2人・3人・4人・6人で力を合わせて演じるなど、協力してやり遂げる経験となった。生活発表会では、年長児がピアニカ演奏・ダンス・和太鼓・ミュージカル・歌と沢山の演技が行った。練習を積み、友達と一緒に張り切って舞台に立ち、自信を持って演じることができた。
行事についての保護者の理解や協力を得るため、情報の提供に努めている
運動会・生活発表会は、なるべく多くの保護者が参加できるように土曜日に設定している。年間の行事予定は年度初めに保護者へ知らせている。また、園だよりに特集を組んで、行事のねらいや子どもたちがどのように取り組んでいるかなどを掲載している。さらに、日々の活動で行事の練習をしている子どもたちの様子を玄関のホワイトボードで知らせている。なお、保護者に行事で使用する簡単な衣装の準備ををお願いすることがあったが、快く協力してもらえた。
5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
- 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
- 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
保育時間の長い子どもが寛いで過ごせるよう環境に配慮している。
午後の時間は、おやつ後の天気の良い時に子どもたちは園庭で遊んでいる。園庭は、滑り台・鉄棒などの固定遊具や乗用玩具があり、自由に好きな遊びをすることができる。4時以降には、園庭とホールで5時頃まで遊んでいる。ホールでは、1歳児から5歳児までの30人くらいが合同になるため、子どもが好きな遊びに集中できるようにいくつかのコーナーを作っている。じっくり座って遊べるコーナーも設け、体を動かしたい子どもの遊びも提供し、職員は安全に配慮しながら見守っている。
子ども個々に個別対応を行うことで、安心して保護者の迎えを待つことができている
夕方5時を過ぎるころには子どもたちも10人程に減り、5時半ころには2人から3人と少なくなる。午後6時前には全員が降園するとのことである。遅番担当の職員が比較的多く確保されており、子どもとの個別の関りができる体制となっている。子どもたちは自分の好きな遊びや、日中には提供されない玩具を使うこともできるため、ゆったりと寛ぎながら職員と一対一で関わることで、安心して過ごしている。
6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
- 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
- メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
- 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
- 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
- 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
みんなで食べる楽しさを伝えながら、マナーも身に付けられるように支援している
1・2歳児の食育計画のねらいには、4月から5月の1期では「落ち着いた雰囲気の中で、みんなで食事を楽しむ」と挙げられている。4月当初は椅子に座って食べることもままならなかった子どもたちが、夏には椅子に座って待つことができるようになり、「いただきます」の挨拶もできるようになっている。また、食事に慣れてきた頃には、姿勢を良くするなどのマナーも伝えている。一方、4歳児には自分で食べられる量のお皿を選んで食べることや、きれいに食べて気持ちよく食事を終えることなどを伝えている。
子どもが楽しく食べられるように、献立を工夫して給食を提供している
献立は栄養士が立てている。地産地消を心掛け、島で採れる食材を子どもたちに食べやすいメニューで提供している。献立は毎日違い、和食・洋食・中華と種類も多く、米飯・パン・麺類・パスタなど使用し、バラエティーに富んだメニューとなっている。行事食も工夫されており、七夕にはそうめんに星形の人参やオクラが入り、ハロウィンの日にはかぼちゃのスープが提供された。また、1月にはおやつにお汁粉が出され、節分には海苔巻きを子どもが自分で巻いて食べることになっている。3月には年長児の希望する献立が提供される。
年齢に合った食育活動を行い、食への興味関心を育てている
園では年間の食育計画に基づき、年齢に合った活動が行われている。5歳児では、園庭の畑で野菜の苗植えから収穫までを行い、調理の見学を経験した。5月上旬にトマト・ナス・ピーマンの苗を植え、水やりや草取りを経て7月に収穫を行い、職員の調理を目の前で見たのちに試食した。感染症流行により調理保育は控えたが、ピーマンや茄子を美味しいと言って食べる姿が見られた。3歳児では、絵本を教材に用いて野菜の断面を教えたり、4歳児には紙芝居や絵カードを使った取り組みが行われている。また、全園児でうどん作りも行っている。
7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
- 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
- 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
- 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
【講評】
子どもが自分の病気やケガに関心を持てるように支援している
子どもたちの健康維持については、日常的に保育の中で年齢に合わせて分かりやすく伝えている。幼児クラスでは、健康診断や身長・体重測定を行う時に、紙芝居や絵本などを用いて自分の体に興味が持てるようにしている。月ごとに行われる避難訓練でも、地震や火災の時に自分の身を守ることについて聞かせている。また、感染予防としての手洗いやうがいを日々子どもたちに伝え、職員も手本して行っている。島の警察署による交通安全教室が毎年行われており、子どもたちは安全な道路の歩き方や渡り方などを習っている。
医療関係の機関とも連携が取れる仕組みがある
嘱託医による全園児の健康診断が春と秋に年2回行われ、6月には歯科検診も行われている。検診の結果は保護者へ伝えられており、毎月の身長・体重測定も子どもの成長記録として保護者へ伝えている。また、医療的に配慮が必要な子どもについては保護者と連携を取っており、いつもと違う様子や心配な時にはすぐに保護者への連絡体制が取られている。ケガが発生した場合には、島の診療所と連携を取り対応している。特別な配慮が必要な子どもに関しては、2ヵ月に1度の巡回指導によるアドバイスをもとに保育を行っている。
健康についての情報を保護者へ提供し、健康管理を促している
年間の保健計画をもとに、子どもと保護者が健康で過ごせるよう支援している。特に1歳児については、午睡の一人ひとりの様子をチェックし、乳幼児突然死症候群の予防に努めている。また、今までは、午睡の部屋のカーテンが暗幕で子どもの様子が見づらいことから、カーテンの色を変えて真っ暗にならないように改善した。園で感染症の発症があった場合はすぐにボードへ掲示し、保護者へ注意を呼びかけている。園だよりでは、健康に関する記事を載せており、保護者が子どもの健康についての理解・関心を深めるように努めている。
8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
- 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
- 保護者同士が交流できる機会を設けている
- 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
- 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
- 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
保護者個々の事情や要望について把握し、個別の支援に努めている
保護者の事情などは、入園時面接・日々の送迎での会話・クラスの懇談会・希望者の個人面談などで把握している。園では、急な保育時間の延長などにできるだけ対応している。慣らし保育では、個別の事情に沿うことができなかったケースがあり、来年度に慣らし保育の進め方を検討することになっている。土曜日保育は、前月の25日までの申し込みとなっており、急な保育の受け入れは難しい。また、就労以外の理由での保育やお盆・正月期間の保育は、家庭での保育依頼を行っているため、保護者アンケートでは見直しを求める声もあがっている。
保護者と職員の信頼関係が深まるような、さらなる取り組みへの検討を期待したい
今回の利用者アンケートでは、「職員と直接話す機会が少なすぎる」「バス利用なので先生と接する機会があまりない」「担任と話をする機会があまり持てない」「活動の内容が良く分からない」などの声があがっている。これまではコロナ禍によって、保護者の集まる機会が制限されていたが、これからは感染予防をしながら、保護者との交流を意識的に増やすことが必要と思われる。園では来年度に、保護者全員の個人面談も視野に入れているとのことであり、保護者との関係をより良くする取り組みを期待したい。
保護者との共通理解を得るために、行事や保育活動への参加を促している
園における保護者参加の大きな行事は、運動会や生活発表会である。その他にも親子遠足があり、幼児クラスでは親子でさつまいも堀りを行っている。一方、保育参観や懇談会へ参加を呼びかけ、多くの保護者が参加している。保育参観・懇談会は年齢別に日程を設定し、4日間かけて行われている。9時半から各クラスの活動を参観し、11時頃の給食の様子も見た後にクラス懇談会を行っている。実際の子どもの様子を見るとともに、保育のねらいや関わり方を職員から聞くことは、保護者が園の活動の理解を深めることに繋がっている。
9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
- 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
公共施設や学校を活用することで、子どもたちの経験を広げている
小学校のグランドを借りて予定していた運動会が台風の影響で延期となったが、村のコミュニティーセンターで年長児が行った。親子遠足では、高校の畑で芋ほりを行っている。保・小・中・高の合同作品展は郷土資料館で行われ、子どもたちが見学に行っている。また、年長児が小学校へ訪問し、小学生との交流や学校体験を行う予定である。さらに、避難訓練では消防署の人が消火訓練のために来園したり、交通安全教室が警察署の人によって行われるなど、島の様々な施設や学校などで子どもの経験が広がっている。
島の様々な世代の人々との交流再開を期待したい
今年度に、高齢者も施設との交流が再開される予定であったが、施設の都合で子どもとの交流は実現できなかった。コロナが5類になったとは言え感染予防は必要であり、園では状況を見ながら高齢者との交流再開を視野に入れている。一方、1月下旬には中学3年生の保育実習受け入れを予定しており、中学生が10名来園して年長児との交流を行う。但し、以前には小学校の教員や高校家政科の実習で高校生も来園していた。今後、さらに子どもたちが様々な人との交流ができることを期待したい。
【講評】
保健師との定例会議を設け、情報共有を行っている
園は、町の保健師と定例会議を開催して保健医療に関する情報収集と共有を行っている。虐待や発達障害などについての支援の在り方・取り組み・観察などである。また、育児困難家庭への支援体制の協議を行うこともある。一方、情報提供の取り扱いには、個人情報保護が必要不可欠であると言える。保護者と取り交わす「個人情報取り扱いに関する同意書」への明記を検討することを期待したい。
個人情報取り扱いの規定を設け、情報保護と開示の同意を保護者から得ている
子ども本人が関係する個人情報の取り扱いは、園だより・園内掲示物・児童票・行事や交流会での写真撮影など多岐にわたる。また、保護者の個人情報としては調査票や就労証明書などが該当する。さらに、園以外でも小中高等学校や高齢者施設との交流会を通して、相手側のホームページに写真が掲載される場合もある。そのために園は、年度当初に「個人情報取り扱い同意書」の確認及び同意を依頼し、書面を保管している。なお、問い合わせの窓口として園長が対応を行っている。
日常生活の中で工夫を行い、子どもの羞恥心に配慮した支援に取り組んでいる
園では、子どもの羞恥心に配慮した様々な支援を行っている。排泄の失敗時に萎縮することのないように声かけを行い、着替えの際には肌の露出を最小限とし、デリケートゾーンの露出もないように行っている。また、年齢によって着替え時のカーテン使用や扉を閉めることが基本となっている。外部からの視線に対しては、窓側のカーテンを引くことで内部の様子が見えないように配慮を行っている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
- 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
- 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
- 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
マニュアル類を見直し、新たに作成することで保育の標準化に取り組んだ
園では、既存のマニュアル類を見直し、新規に複数のマニュアルを作成した。具体的には、午睡マニュアル・食事マニュアル・プール及び水遊びマニュアル・園外活動マニュアルなどである。これらは園長が主体となって情報集約と作成を行っており、既存の感染症対策マニュアルと食物アレルギーマニュアルも含めて、職員はいつでも閲覧できるようになっている。なお、感染症対策マニュアルは、流行の兆候と経過に合わせて適時、変更と見直しを行っている。
園のしおりを定期的に見直し、保護者が活用しやすい書式作りに努めている
「みやけ保育園しおり」には入園に関する必要事項が記載されており、新規入園申し込み時期までに見直しを行っている。しおりには保育料の記載に加え、入園準備に必要な用品について、全年齢に必要なもの・年齢別クラスで必要なもの・季節によって使用するものなどに区分され、それぞれチェックリスト付きで確認ができる書式となっている。入園準備に活用しやすく、保護者の不安軽減にも繋がるものなっている。一方、情報過多を感じる保護者もいることから、見直しの際に保護者の意見を取り入れた改善を図る事にも期待したい。
保護者の声を取り入れる場として、全体懇談会の開催実施に期待したい
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、園行事や取り組みも感染対策を視野に入れ、徐々に対面式での実施となりつつある。現在まで全体懇談会は紙面での対応であったが、今後は対面での実施も考えている。保護者からは新任職員の紹介などの希望も多々あり、対面での話し合いの場として、保護者と職員の意思疎通と情報交換の機会に期待したい。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2023年8月23日~2024年3月12日
評価結果のダウンロード
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【講評】
島で唯一の保育園であり、日常の保育活動を通して保育理念を具現化している
島には幼稚園が無く唯一の保育園である園は、子育てを支える唯一の機関となっている。園の理念を「子ども一人ひとりを大切にし、子ども自身が自ら伸びようとする力を育み、保護者・地域に愛される保育園を目指す」としており、その具現化のために、職員会議等で常に話し合っている。園の正職員は役場の職員でもあり、その自覚と気概をもって保育に当っている。一方、保護者へは、入園時の説明や保護者懇談会を通して、園の理念を伝えている。
園長は村役場と情報を密にして業務にあたり、自らの役割と責任を果たしている
園長は、毎年、各職員へ役割担当を明示して個々のやるべき仕事を確認している。また、全職員の役割と職務を明示した役割表が職員室に掲示され、職員間で共有化されている。園長は、園の統括責任者としての役割に加え、村立保育園であるために村役場の公務員としての役割も果たし、多忙を極めている。さらに、園の担当事務職員が離職したことにより、書類がすぐに確認できないことも発生し、突発的な事項について不便さを感じることがある。園長一人だけで村役場との連絡と園内運営をきりもりしている状況も伺われ、主任などの補充が期待される。
重要な案件については、役場の担当課と連絡を取り合い、決定している
月次の職員会議で月や週の予定を確認している。重要案件・保育内容・子どもに関することについては、時間を空けず、その都度に周知し、適宜、協議を行っている。職員会議には、全員参加が出来ないことが多く、不参加者へはクラス担当職員(正規職員)からの伝達となるが、伝わっていない場合もあるため、分散での会議実施を増やしていく方針である。なお、園の予算管理は村役場の担当課の管理下にあり、園の業務遂行は園長の統括責任のもとに行われている。また、重要案件が発生した場合は、園長と村役場の担当課で協議され決定している。