評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【事業所名称】

芝久保どろっぷす/ケアホーム宙   他1ユニット    

【サービス種別】

共同生活援助(グループホーム)

【現地調査をした
  ユニット名】

芝久保どろっぷす、ケアホーム宙

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 利用者が主体性を発揮し、その人らしく生きぬくことをサポートする。
2) 住み慣れた地域において親元から離れた自立生活を、利用者が安定して送ることをサポートする。
3) 利用者が、地域で仲間とともに楽しく暮らせるアットホームな雰囲気を大切にする。
4) 可視化された品質マネジメントシステムを構築、刷新しながら、質の高いサービスを提供する。

職員に求めている人材像や役割

生活の場として家族的な視点も持つ。最低限の家事遂行能力。周囲との協調性。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

利用者第一の視点。

全体の評価講評

特によいと思う点

「利用者とのコミュニケーションの取り方の工夫」の職員の認知度は前回89%、今回93%と高位でした。職員は不安を解消する声かけなどの取り組みにより利用者が落ち着いて過ごせるよう努めています。利用者の利用年数は長く、利用者一人ひとりをよく理解して支援が行われています。利用者の大切にしている拘りの場所や行動に対して職員が理解を示す姿勢によって、対人援助に必要な利用者との信頼関係を築いています。利用者が安心して感情を素直に出せるような状況や雰囲気を作り出して、自信を持って自由に意思表示できるよう働きかけています。

ホームに入所する前から通っている習い事やサークル活動を継続できるように、利用者主体の日課に調整しています。日中活動支援事業所のガイドヘルプを利用して、平日夕方の外出も行われています。その人らしい生活の仕方を選択するという利用者の意思を反映した生活が実現できるように努めています。事業所は利用者が集団生活との折り合いを付けながら、それぞれ自分の望むペース、生活リズムで過ごせるよう心掛けています。利用者の様子はホームの暮らしに満足しているように見受けられ、のびのびと過ごしている印象を受けました。

さらなる改善が望まれる点

職員アンケートの“【評価項目3①】事業所が抱えているリスクを理解していますか?”の認知度は64%(前回:33%)とアップしました。管理者も“課題なし”としています。一方、職員から「職員の高齢化が気にかかる」との意見がありました。それを受けて管理者は、「管理者含め、高齢化対策は喫緊の課題」と認識を新たにしています。

前回、“個別支援計画に沿ったサービス提供の記録を残すことが課題です”との表題のもと、「事前に作成されているアセスメントシートの存在を認知し、その情報を活用することは出来ていますが、発見したニーズや課題の記録化には至っていません。<略>利用者の状況や生活状態のサービス提供記録(支援経過記録)を残し、定期的なモニタリングが課題です」との課題を設定しました。今回、“【3①】個人記録の記載”の職員に認知度は 57%(前回:44%)と横ばい、「申し送りノートや日報に記入しない職員がいる」との職員からの意見です。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:全利用者10名に対し3名から回答を得ました。回答した利用者の内訳は、男性1名・女性2名、平均年齢32歳、利用年数5年~10年未満2名、10年以上1名でした。
  • 調査方法:聞き取り方式  
    利用者本人に対し、調査員が一対一で聞き取り調査を実施しました。滞在方式の利用者調査では評価者が現場に入り利用者の日常の様子を確認しました。
  • 有効回答者数/利用者総数:3/10(回答率 30.0% )

アンケートは、10名中3名から回答を得ました(有効回収率30%(前回90%))。回答した利用者の状況は前回と比べて、平均年齢が26歳から31歳に上がり、利用期間は5年~10年未満2名、10年以上1名(前回:3年~5年未満6名、10年以上3名)でした。
利用者調査全体の満足度は“はい”67%、“いいえ”33%(前回“はい”81%、“どちらともいえない、いいえ”19%)に下がりました。
管理者へ一言(オプション設定)、意見や要望に対し、意見はありませんでした。

アンケート結果

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”89%、“非該当・無回答” 11%)。意見はありませんでした。

2.利用者は、主体的な活動が尊重されているか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”78%、“どちらともいえない”11%(“非該当・無回答” 11%))。2件の意見を頂きました。参考となる意見として「部屋ではタブレットが見放題」がありました。

3.グループホームでの生活はくつろげるか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”100%)。3件の意見を頂きました。参考となる意見として「休みは自宅に帰る」がありました。

4.職員が利用者の家族等に連絡をする場合、方法や内容等についてあらかじめ利用者の希望が聞かれているか

無回答・非該当 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“非該当”と回答しています(前回“はい”89%、“非該当・無回答” 11%)。意見はありませんでした。

5.グループホーム内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”89%、“非該当・無回答” 11%)。意見はありませんでした。

6.職員の接遇・態度は適切か

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”89%、“非該当・無回答” 11%)。1件の意見を頂きました。参考となる意見として「皆さん、優しい」がありました。

7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”67%、“非該当・無回答” 33%)。1件の意見を頂きました。参考となる意見として「咳が出た時、心配してくれる」がありました。

8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

無回答・非該当 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“非該当”と回答しています(前回“はい”78%、“どちらともいえない”11%、“非該当・無回答” 11%)。意見はありませんでした。

9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 2名 (67%)
無回答・非該当 1名 (33%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”56%、“非該当・無回答” 44%)。意見はありませんでした。

10.利用者のプライバシーは守られているか

無回答・非該当 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”22%、“どちらともいえない”11%、“非該当・無回答” 67%)。1件の意見を頂きました。参考となる意見として「入浴は一人で入る」がありました。

11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”22%、“非該当・無回答” 78%)。意見はありませんでした。

12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 3名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”22%、“非該当・無回答” 78%))。1件の意見を頂きました。特記すべき意見はありませんでした。

13.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 1名 (33%)
無回答・非該当 2名 (67%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています(前回“はい”22%、“非該当・無回答” 78%)。意見はありませんでした。

14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 1名 (33%)
いいえ 1名 (33%)
無回答・非該当 1名 (33%)

1名(33%(前回11%))が“はい”、1名(33%(前回“いいえ”11%(“非該当・無回答” 78%)))が“いいえ”と回答しています。意見はありませんでした。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
【現状】前回の課題“公的機関への情報の一般職員の認知度低位”は継続低位でした。

前回、“公的機関へ提供している情報の一般職員の認知度が低位です”との表題のもと、「管理者は事業所連絡会で情報の共有化を図るための意見交換を行っています。<略>「公的機関へ提供している情報を知っていますか?」の質問に、わからない50%(はい38%)といった職員の認知度でした。事業所連絡会で知り得た情報を職員全員で共有し、浸透させましょう」との課題を設定しました。今回、“【1-1③】自治体へ提供している情報を理解していますか?”の職員の認知度は21%(前回:44%)と引き続き低位でした。

【現状】上記に対し、管理者は「必要な情報は知らせている」と話します。

上記したように、職員アンケートの“【1③】自治体へ提供している情報を理解していますか?”の認知度は21%(前回:44%)と前回よりダウンしたことに対し、管理者は「運営規定の項目の追加を自治体に報告した内容などを職員に知らせることはしていないが、自治体から来るコロナ関連の情報は申し送りノートを通じて知らせるようにしており、職員が把握すべき情報を選んで知らせるようにしている」と話します。

【現状】新規利用者の募る事例がないのが現状です。

職員アンケートの“【1】サービス情報の提供”の認知度は27%(前回:64%)と前回より大幅に低下しています。一方、管理者は同項目について“課題なし”とし、ギャップが存在します。それに対し、管理者は「利用規模者を募る事例が近年なく、新規の問い合わせもなく、職員の認知度低位は致し方がない」と話します。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
【現状】前回の目標“サービス開始時の意向記録”の今回の認知度は以下の通りです。

前回、“サービス開始時の意向は記録化して支援に生かすことが目標です”との表題のもと、「サービス開始時に利用者・保護者の意向を確認し同意を得ていますが記録に残されていません。<略>分かりやすい記録のもと全職員が目を通して共有化することで今後の支援に生かされることを念頭に置き、利用者・保護者の意向の見える化を目標としましょう。」との目標を設定しました。今回の職員アンケートの“【2-2①】サービス開始時の記録を把握しているか?”の認知度は43%(前回:78%)とダウンしました。

【現状】一方、上記の前回の目標について管理者は“課題なし”としています。

前回の目標“サービス開始時の意向は記録化して支援に生かすことが目標です”について管理者は“課題なし”としています。その背景として、「芝久保どろっぷす/ケアホーム宙ともに開設当初からの利用者が継続して利用しているので、新規の利用者を受け入れた経験がない」と話します。

【課題】“【2】サービス開始終了”認知度46%(前回71%)ダウンしました。 

職員アンケートの“【2】サービス開始終了対応”の認知度は46%(前回:71%)にダウンしました(管理者は“課題なし”)。内訳は現職員は新規利用者の受け入れ経験がないことを背景に“【2-1】サービス開始時の説明”の認知度は31%(前回:59%)と大きくダウンしました。“【2-2】サービス開始及び終了時の環境変化対応”の認知度は61%(前回:83%)でした。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
【現状】“【3-2①】希望が尊重された計画”の職員の認知度は以下の通りでした。

職員アンケートの“【3-2①】利用者の希望が尊重された支援計画だと思いますか?”の認知度は43%(前回:56%)と低位、「コロナの影響で面談ができていない、その代わりに事前に支援計画を送付し、その後電話でやり取りをしている」を背景に“課題あり”としています。一方、利用者アンケートの“【問12】支援計画の説明はわかりやすいですか?”の満足度は100%(前回:11%)でした。

【課題】前回の目標“職員や利用者の意見反映支援”の現状は以下の通りです。

前回“職員や利用者の意見を反映させた支援が目標です”との表題のもと、「<略>「職員の意見に耳を傾け、改善に向けた行動や的確な指導を敏速に行い働き易い職場つくりにまとめる力を望みます」とのリーダー層からの意見でした。一般職員からも「情報の共有化やコミュニケーション不足」との意見がありました。<略>」との目標を設定しました。今回、職員アンケートの“【3-4②】申し送り・引継ぎ”の認知度は71%(前回:89%) でした。管理者は「申し送りノートを見ない職員がいる」と話します。

【課題】前回の課題“サービス提供の記録を残す”は継続課題です。

前回、“個別支援計画に沿ったサービス提供の記録を残すことが課題です”との表題のもと、「事前に作成されているアセスメントシートの存在を認知し、その情報を活用することは出来ていますが、発見したニーズや課題の記録化には至っていません。<略>利用者の状況や生活状態のサービス提供記録(支援経過記録)を残し、定期的なモニタリングが課題です」との課題を設定しました。今回、“【3①】個人記録の記載”の職員に認知度は 57%(前回:44%)と横ばい、「申し送りノートや日報に記入しない職員がいる」との職員からの意見です。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
  • 関係機関と連携をとって、利用者一人ひとりに応じた支援を行っている
【講評】
【現状】職員は利用者をよく理解して支援を行っています。

「利用者とのコミュニケーションの取り方の工夫」の職員の認知度は前回89%、今回93%と高位でした。職員は不安を解消する声かけなどの取り組みにより利用者が落ち着いて過ごせるよう努めています。利用者の利用年数は長く、利用者一人ひとりをよく理解して支援が行われています。利用者の大切にしている拘りの場所や行動に対して職員が理解を示す姿勢によって、対人援助に必要な利用者との信頼関係を築いています。利用者が安心して感情を素直に出せるような状況や雰囲気を作り出して、自信を持って自由に意思表示できるよう働きかけています。

【現状】利用者同士の距離がうまく保たれ、一人ひとりがのびのび過ごしています。

個別支援計画に職員を含む他の利用者と信頼関係を作ると目標を設定し、支援内容に周囲と適度な距離感を保つことや利用者同士が互いに折り合いをつけるための介入など、不穏にならないように配慮する留意点を明記し、実践しています。職員の対応で利用者同士の距離がうまく保たれ、一人ひとりがのびのび過ごしている印象を受けました。「利用者同士の関係づくりの心がけ」の職員の認知度は高位でした。

【課題】日中活動支援事業所等と連携した支援の職員の認知度が低位でした。

日中活動支援事業所等と連絡ノートを活用して情報交換を行っています。特に週末の活動状況や生活の様子は詳しく報告し、日中の活動へ円滑に移行できるよう努めています。「関係機関と連携した支援」の職員の認知度は前回に比べて下がっていました。事業所では今年度の事業計画に日中活動支援事業所等との情報が職員一人ひとりに伝わりやすい方法を整備することと明記しています。また日中活動支援事業所と定期的なミーティングを行い、「顔の見える関係」の構築、維持することを目標に設定して取り組んでいます。

2.利用者が主体性を持って日常生活を楽しく快適に過ごせるような取り組みを行っている
  • グループホームでの生活は、主体的な活動が尊重されている
  • グループホーム内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 休日の過ごし方や余暇の楽しみ方については、利用者の意向を反映し、情報提供や必要な支援を行っている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っているグループホームのみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
【現状】共同生活を送るために必要なルールは利用者が守れるように工夫しています。

グループホームにおいて他の利用者と共同生活を送るために必要な最低限のきまりや制約(食事の提供時間や就寝時間など)を利用者一人ひとりの特性に配慮し、それぞれが守ることができるように工夫して対応しています。職員は利用者一人ひとりの好みや性格を把握し、生活面での課題も合わせて間違った行為を禁止するのではなく、好ましい行為に誘引する、また、間違ってしまわなように働きかけています。「決まりごとは利用者に適切か」の職員の認知度は前回より上がっています。

【現状】バラエティに富んだ食事の提供ができるように取り組んでいます。

職員は献立を考え、バラエティに富んだ食事の提供ができるよう努めています。個別支援計画に提供している食事の献立や量に配慮していることを明記し、栄養バランス・アレルギーなどに留意し、同時に食中毒や感染症対策を徹底して健康面を支える支援に取り組んでいます。「利用者が食事を楽しめるように心がけていますか」の職員の認知度は100%でした。季節を感じる献立や誕生日には本人の好きな献立、時には利用者のリクエストにも応じます。職員が利用者の嗜好に合うよう手作りした料理が食卓に並び、利用者は食事を楽しみにしています。

【目標】職員は意図的に「〇〇さんの居場所」を演出することが望まれます。

「利用者の主体性を尊重するよう心がけ」の職員の認知度は高位でした。事業所は集団生活との折り合いを付けながら、利用者はそれぞれ自分の望むペース、生活リズムで過ごせるよう、日々の生活が安心できる、またその見通しが持てる環境を作ることを心掛けています。「リビングで過ごすのが楽しい」との利用者からの意見です。そこに「居たい」と思える環境、安定的な居場所をもつことを大切に考えています。その人らしさが尊重されるように、職員は「〇〇さんの居場所」を大切にし、時には意図的に「〇〇さんの居場所」を演出することが望まれます。

3.利用者の状況に応じて、生活上の支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、身の回りのことについて必要な支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、家事(調理、洗濯等)について必要な支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、金銭の管理や使い方について支援を行っている
【講評】
【現状】できることを見極め、できない部分を支援しています。

人が生活していくうえで必要な動作(食事・整容・更衣・排尿・排便・入浴など)である日常生活動作(ADL)では、利用者の心身の状態を正しく認識し、できることできないことを見極めています。そのうえで無理をせず少しでも多く自分でできることは自分でやってもらい、できない部分を支援する事で自立度を高め、より主体性のある日常生活を送れるようサポートしています。例えば入浴時に洗身が不十分な場合でも利用者に合った介助方法を選択して必要な介助のみを行い、利用者の「自立する気持ち」を奪ってしまわないように関わっています。

【課題】買い物や家事などをやってもらう機会を作ることが必要です。

「利用者自身で家事が出来るように支援していますか」の職員の認知度は50%でした。買い物や家事(調理や洗い物、洗濯、掃除など)など手段的日常生活動作(IADL)には身体を動かす機能だけでなく、判断力や理解力などの機能も関わってきます。やってもらう機会をつくり、「自分でできた」という成功体験を増やすことで自信を持ってもらう支援に結びつきます。何をするかがわかりやすい環境を整え、「できること」を見つけて、やってもらう機会を作ることが必要です。

【課題】金銭について価値や使い方などを伝えることが必要になります。

前回設定した「工賃を得て使う喜びに繋げる支援を一般職員が認識できることが課題です」の項目では、今回も「利用者自身で金銭管理できるよう支援」の職員の認知度は低位でした。ほとんどを管理者、ホーム長が行っていること、金銭管理ができる利用者が限られていることが考えられますが、事業所として金銭管理をどのように行っているかを一般職員に周知する機会設けて、日常の支援の中で職員は利用者に金銭についての価値や使い方などを伝えることが必要になります。

4.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのあるグループホームのみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
【現状】利用者自ら健康管理が行えるよう支援しています。

利用者自ら健康管理が行えるように、うがい、手洗い、歯磨きを励行し、繰り返し行うことで確実に定着するように取り組んでいます。十分に行えない利用者へは職員が適宜介助し、特に就寝前の歯磨きは仕上げ磨きに力を入れています。睡眠については個別支援計画に夜間支援体制についての項目を設定し、利用者一人ひとりの留意点を明記し、十分な睡眠が取れるように配慮しています。睡眠時間が十分取れなかった場合には日中の活動に影響を及ぼすことがないように通所先や保護者へ報告をしています。

【課題】服薬支援は共通認識を持ち、実践していることを確認する必要があります。

服薬管理については事業所が行い、ホーム長が1週間分の薬を利用者ごとにセットし、ケースに入れて、所定の場所に保管しています。マニュアルには水を用意するところから、氏名や日付・用法の確認を行い、名前を読み上げるなど順序だてて手順が明記され、利用者ごとの服薬支援の注意事項を補足説明しています。日誌の健康状態等の欄に服薬の項目を設け、チェックする体制を整えています。しかし、服用の誤りが発生しています。発生を防ぐうえで職員一人ひとりがマニュアルに基づいて共通の認識を持ち実践していることを確認する必要があります。

【課題】緊急時のために定期的に確認・訓練を行っておくことが重要です。

職員は利用者の顔色、食欲、体温等を確認し、いつもと違う様子に対して適切な対応が取られています。熱発に関しては事業所内での連絡先、保護者や医療機関等に連絡する場合の説明方法を明記した一覧も用意され、緊急時の連絡先は事業所内に掲示されていますが、「体調変化時の医療機関との連携体制を理解している」の職員の認知度は低位でした。職員から研修の機会にAEDの使い方、救命救急などのレクチャーを希望する意見がありました。職員一人ひとりが適切な対応できるように定期的に確認・訓練を行っておくことが重要です。

5.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
【現状】ほとんど利用者が週末を自宅で過ごしています。

利用者はほとんど週末に帰宅しています。保護者の都合で週末帰宅できない場合は利用者のニーズに対応するために日中ホームで過ごすための人員の配置や移動支援・行動援護を利用した外出支援など必要に応じた支援を行い、帰宅できないという利用者の心理的負担の軽減に努めています。事業所は 2022年度より新たに日曜日も基本の利用日とし、将来的に365日グループホームで暮らす利用者が出てくることを想定して基本利用日を5泊から6泊、土曜日のみ自宅に戻る体制に移行する取り組みを行っています。

【現状】個別支援計画の策定に関する個別面談を年2回行っています。

保護者・利用者が参加する個別面談の機会を年2回設けて、保護者・利用者の意向を確認しています。現在はコロナ禍のため書類を郵送し、電話での対応を行っています。事業所は今後保護者の高齢化もあり、成年後見人と連携しながら取り組むケースが増えてゆくことを考慮して状況に応じた柔軟な対応を想定しています。

【課題】家族への連絡が適切に伝わるよう改善されていない点の見直しが必要です。

前回の評価で「交替制の勤務の中、家族への連絡が適切に伝わらないことがある」についての改善案とした「コミュニケーションや申し送り、ミーティングをもとにした支援が課題です」の取り組みについての職員の認知度は「改善されていない」「わからない」が70%でした。日頃の家族との連絡は管理者・ホーム長が窓口となり、家族からの情報の収集、事業所からの情報の発信を行っています。職員が家族への連絡を行う場合に適切に伝えられるよう、情報を共有する中で伝達ミスが起きないよう改善されていない点の見直しが必要になります。

6.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
【現状】利用者の希望を叶える外出支援を中心に地域社会に参加しています。

利用者の平日の日中活動支援事業所への通所や移動支援・行動援護を利用した外出支援、帰宅時などは公共交通機関を利用した社会生活を送っています。「コロナ禍において、利用者が社会参加できるよう工夫していますか」の職員の認知度は低位でした。現時点では、好きな所へ出かける外出という楽しい体験を通して、地域社会への参加を支援しています。

【課題】利用者が周囲の人々、地域社会と交流するには職員の担う役割が大きいです。

事業所は法人が理念としている「その人らしく生き抜く」うえで「障がい児・者が、家族や周囲の人々、地域社会と交流しながら」生き抜く力を身に着けていくことが重要と考えています。利用者が「周囲の人々、地域社会と交流」するためには職員の担う役割が大きくなります。「地域情報を支援に活かしていますか」の職員の認知度は前回33%、今回29%と低位でした。前回設定した「利用者の身近な付き合いを広げる工夫が課題です」を引き続き粘り強く行っていくことが職員に求められます。

【目標】障がいに対する理解を地域の方々に啓発していくことを期待します。

事業所の職員の多くは行動援護従業者養成研修を修了しており、移動支援・行動援護(外出支援)も行っています。著しい行動面の困難があることにより、地域社会の継続が難しい方も、専門的な研修を受けている職員が支援を行うことで、安定した地域生活の持続を可能にしています。法人は外出を支援することの意義を「地域の方々に知的障がい、自閉というものを知っていただくこと」と考えています。地域で暮らすグループホームだから出来る日常の地域とのふれあいを通して、障がいに対する理解を地域の方々に啓発していくことを期待します。

【講評】
【現状】前回の現状““情報漏れ注意”の認知度高位”の現状は以下の通りです。

前回““【4-2-1③】外部に情報が漏れないよう注意”の認知度は高位でした”との表題のもと、「“【4-2-1】情報管理”に関する職員の認知度は管理者75%、パート職員50%と組織分野の全体平均を大きく上回りました。<略>利用者の権利を守るための個人情報保護に関しての職員の意識は高いと評価者は感じています」との現状を設定しました。今回、“【5-1①】個人情報保護”の職員の認知度は 93%(前回:78%)とアップ、管理者も“課題なし”としています。

【現状】“【6-5】プライバシー保護と尊厳”の認知度は継続高位でした。

職員アンケートの“【6-5】プライバシー保護と尊厳”の認知度は86%(前回:87%)と継続高位、管理者も“課題なし”としています。内訳は、“【5-1】プライバシー保護”の認知度は90%(前回:85%)、“【5-2】利用者の権利”の認知度は82%(前回:89%)でした。管理者は「プライバシー保護、個人情報保護の独自研修はないが、折々に触れて重要性は伝えている。」と話します。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
【現状】前回“職員研修や面接の実践が目標”との目標を設定しました。

前回、“パート職員参加の研修や面接の実践の検討が目標となります”との表題のもと、「“【5-1-3①】研修を受けている”の認知度は管理者は100%でしたが、パート職員は13%に留まりました。<略>研修や人事考課がパート職員対象になっていないことが認知度を押し下げているのは明白です。<略>」との目標を設定しました。今回、“【6-2②】サービス手順の見直し”の職員の認知度は 64%(前回:22%)と大幅アップ、「今年から始まった研修はとても良い」との職員からの意見です。

【現状】“ミーティングをもとにした支援”の職員アンケート結果は拮抗しました。

前回“コミュニケーションや申し送り、ミーティングをもとにした支援が課題です”との表題のもと、「<略>交替制の勤務の中、職員の申し送りや伝達ミスで保護者に適切に伝わらないことがあります。職員同志のコミュニケーションの充実や申し送りノートからの情報収集、ミーティングでの情報共有のもとの支援が課題です。」との課題について、今回、職員からアンケートを取りました。結果は、“改善あり6名、改善なし5名、わからない7名”と拮抗、「マニュアルが古くて改善されていない」との意見がありました。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価機関名】

株式会社 クリップ

【評価実施期間】

2022年7月26日~2022年11月30日

【評価者修了者No】

H0302059,H0802021

評価結果のダウンロード

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