評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人SHIP

【事業所名称】

EXP立川

【サービス種別】

就労移行支援

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)法人理念
 Missionー使命ー
わたし達は、みんなで幸せになる社会創りを使命とします。 地域の社会問題と真摯に向き合い、その解決を目指します。
そして、一人ひとりのニーズとデマンドを追究し、みんなが力を出し合い、みんなで幸せになる社会創りを使命とします。
Chainageー挑戦ー
わたし達は、挑戦者です。 使命を全うするために、今ある常識にとらわれず考え、リスクを恐れず突き進み、情熱をもって新たなスタンダードを創り続けます。
Value-価値ー
わたし達には、揺るぎない価値基準があります。使命を全うするために、サービスの質、量、継続性を追究し、みんなが納得する成果を価値基準とします。

2)EXP立川理念
一人ひとりに合ったワークスタイルを実現するために自らを知る機会と経験を創造する

3)事業部理念
支援される部分を少なくし、自分でできることを増やすこと 障害の部分は社会資源を活用して補完し、自立へ導くこと

職員に求めている人材像や役割

①社会問題と真摯に向き合い、その解決に向けて使命感を共有できる人材
②広い視野を持ち、全体の利益を生み出すことに主体性を持ち柔軟な発想のできる人材
③ニーズとデマンドを追究し、理念の基に、真の権利擁護を実現できる人材
④目標に向かって一つ一つの目的を明確にし、全体に浸透させ、実現できる人材
⑤理念の基、向上のため自ら意見を発信し、合議の上、最良の方向を導き出す人材

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

①日々、成果を目的にし、業務を遂行する姿勢
②常に学び、努力して、成長しようという姿勢
③変化を恐れず、挑戦する姿勢
④困難こそ成長のチャンスと捉えるポジティブな姿勢

全体の評価講評

特によいと思う点

対象者をメンタルヘルス系疾患があり、復職・就職を希望する人に絞って、一般就労を支援している。臨床心理士、精神保健福祉士など専門資格を持つ職員を配置し、専門知識を活かしたプログラムを独自に開発し、動機付け面接法を用いた面談を実施している。プログラムの受講で利用者の自己理解を深め、できている部分を承認して自己効力感を高め、面談では利用者の主体性を引き出し、通所を習慣づけて生活のリズムを整えている。専門的な根拠を持ったサービスを提供することで、利用者に合った働き方を見つけ、就活に臨めるよう支援を行っている。

定期的にアンケート調査を行い、現在の通所者に即した形でプログラムを提供することを心がけている。利用者の要望により「障害受容」のプログラムを新設している。また、多様な観点から検討して、就活事情に詳しい外部講師を定期的に招き、就活の進め方や疑問点を解消する講座を開設したり、就職した卒業生の話を聞く機会を設け、体験談や卒業生が会社に求めている合理的配慮についても伝えてもらったりしている。コロナ禍で通所困難な利用者には在宅受講も可能にしている。就労への具体的なイメージが持てるよう、プログラム内容を充実させている。

主体性を引き出す面接やプログラム受講を通して、事業所の支援方法について「学校でもなく、職場でもない不思議な時間の中で、本来の自分をというものを見つめることができました」と記す利用者もいる。また、「職員も日々、資格取得等の勉強も行いながら接してくれるので感謝している」「自主性を重んじる方針に沿って支援してくれる」などと記す利用者もいる。事業所の方針やプログラムが利用者から高く評価されていることが確認できる。自己研鑽に励む職員の姿勢に共感し自分を重ねて見ていることも、高い満足度に繋がっているものと思われる。

さらなる改善が望まれる点

支援プログラムは「就活準備コース」「就活実践コース」の二段がまえで、全てを1年~1年半で終了することが標準となっている。就労に向けた見学会や実習を体験するため、事業所では多様な実習先企業の確保に努めている。コロナ禍で、見学や実習を受け入れていない企業も多く、東京しごと財団主催の実習前面接会がメインとなっている。都心に比較すると、利用者が求める実習先や受入企業等は、多摩地域では限られている現状がある。職員調査でも実習先の確保が課題に挙がっており、事業所としても多様な実習先企業の開拓の必要性を認識している。

ホームページ、SNS、ブログ、リーフレット、ネット広告、関係機関への定期訪問など、多彩な取り組みで事業所情報を提供している。ホームページでは事業所理念、利用対象者、支援の基本姿勢、支援事例、就労に向けてのサポートなどを丁寧に説明しているが、未だ必要な人に独自のプログラムが届いていないと事業所では認識している。ホームページをもっと簡潔に、視覚的にもすっきりと、分かりやすい構成にできないかと職員間で話し合い、改善に取り組んでいる。事業所の認知度を高め、必要な人に必要な情報が届く仕組み作りを課題としている。

卒業後も交流が図れるよう、月1回、「卒業生の会」を開催している。参加費は無料、17時~20時まで、常時7名~12、3名が事業所に集まっている。お茶とちょっとしたお菓子を用意して、気楽に近況報告などを行い、時には職場の愚痴なども話して昔の仲間に慰めてもらう人もいる。交流の場の提供という、就業定着支援とは趣旨の異なる卒業生への支援は、ストレスを上手く発散してモチベーションを高め、仲間との絆は仕事への新たな意欲を生み出している。コロナ禍で現在は実施できていないが、オンラインでの会を検討している。開催を期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

全職員参加のケース会議で利用者への支援方法を検討し、統一した支援を提供している。全職員が個別支援計画や支援状況をPC上で確認でき、支援状況は、「記録データベース」に過不足なく記載している。プログラム中も利用者の状況をSNSで確認し、連携を密に図っている。日々の朝礼や終礼時の報告漏れを防ぐよう心がけ、記憶ではなく記録を前提とした申し送りを行っている。終礼には1時間程度の時間をかけ、利用者の変化などを細かな部分まで申し送りすることとしている。情報は常に職員間で共有し、利用者の日常支援に活かしている。

業務ごとに法人作成の規程・マニュアルを整備し、サービスの基本事項や手順を明確にしている。規程・マニュアルの点検・見直しにあたっては、年間スケジュールに合わせて、毎月1回、職員会議で規程・マニュアルを読み合わせ、サービスが手順に沿っているかどうかを点検し、現場から発信することで、現状に即したより使いやすいものに更新できている。規程・マニュアルの文言が分かりにくいものに関しては、法人本部と連携して文言の修正や検討を行っている。規程・マニュアルは法人共通であるため、事業所に合わせた形で説明し、都度変更している。

事業所は商業ビルの3階で、室内は清潔感のあるおしゃれなオフィス風の空間となっている。「就活実践コース」の内部実習時には、職場をイメージした事務作業ができるよう整備している。照明はLED を採用している。視覚過敏の利用者にとっては、色や光の強弱が変更可能なので、安心できる空間となっている。聴覚過敏の利用者のためには、防音イヤーマフを設置している。一方で、個別面談のできる個室を用意し、トイレの入口は講習室から見えない位置に設置するなど、プライバシーや羞恥心にも配慮して、利用者が過ごしやすい環境を整備している。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査対象者22名のうち18名から有効回答を得た。本人回答16名、家族と相談1名、無回答1名。年齢は、20歳代8名、30歳代3名、40歳代5名、50歳台1名。無回答1名。利用期間は6ヶ月未満5名、6ヶ月以上1年未満7名、1年以上3年未満5名、無回答1名。
  • 調査方法:アンケート方式  
    対象者全員にアンケート調査を実施した。調査票は事業所から対象者に手渡しし、回答は事業所に設置した投函箱へ個々に提出してもらった。それをまとめて事業所が機関宛てに郵送した。調査依頼文には、回答票や返信用封筒に個人を特定する表記をしないよう明記した。
  • 有効回答者数/利用者総数:18/22(回答率 81.8% )

総合的な感想は「無回答・非該当」の1名を除き、残りの回答者全員が満足以上としている。肯定的な回答の内訳は「大変満足」28%「満足」67%で、利用者の満足度は非常に高い。前回調査(平成30年度)と比較すると満足度は6%向上している。評価の高い項目は、「プライバシーは守られている」「個別計画作成時に状況や要望を聞かれている」(共に100%、以下%は回答者中に占める肯定的な回答の割合)「困った時に支援を受けている」「就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っている」(共に94%)となっている。評価の低い項目は、「職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか」(44%、但し「無回答・非該当」39%)「利用者同士のトラブル対応は信頼できるか」(50%、但し「無回答・非該当」39%)となっている。自由記述には、「一人ひとりに対してサポートが徹底していると思います」「職員間の雰囲気がとても良いです」「学校でもなく、職場でもない不思議な時間の中で、本来の自分というものを見つめる事ができました」「とても丁寧かつ面白い。フランクで良いと思います」「利用者との距離感もいいと思います」との意見がある。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 17名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

「はい」の回答は94%、「どちらともいえない」は6%、「いいえ」と「無回答・非該当」の回答はない。「訓練中、どうしたらよいか困った時に、職員は手伝ってくれたり、気を配ってくれます」「職員の対応により、困っていることは改善されたと感じます」との声は多い。「特に不満は感じていない」とのコメントがある。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 12名 (67%)
どちらともいえない 4名 (22%)
無回答・非該当 2名 (11%)

「はい」の回答は67%、「どちらともいえない」は22%、「無回答・非該当」は11%、「いいえ」の回答はない。「事業所内の設備は安心して使えます」「事業所以外の設備(洗面所、トイレなど)は、安心して使えます」との声は多い。「専用の休憩室はないと思う」とのコメントがある一方で、「休むスペースがなくてもいいと思う」とのコメントがある。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 12名 (67%)
どちらともいえない 4名 (22%)
いいえ 1名 (6%)
無回答・非該当 1名 (6%)

「はい」の回答は67%、「どちらともいえない」は22%、「いいえ」は6%、「無回答・非該当」は6%である。「自分より若い方が多いので刺激になる。楽しい」とのコメントがある一方で、「会話はしますが、余暇の時間に遊びに誘われるのは嫌だ」とのコメントがある。

11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 17名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

「はい」の回答は94%、「どちらともいえない」は6%、「いいえ」と「無回答・非該当」の回答はない。「働くうえで必要な知識は習得出来ました」「できる事は増えています」「働くうえでのコミュニケーション力は向上しました」との声が多い。「今まで気付いていないことが分かりました」とのコメントがある。一方で「働く上での知識、できることは増えたと思いますが、自信がありません」「今は、EXPに通うことに力を入れています」とのコメントがある。

12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか

はい 8名 (44%)
いいえ 3名 (17%)
無回答・非該当 7名 (39%)

「はい」の回答は44%、「いいえ」は17%、「無回答・非該当」は39%、「どちらともいえない」の回答はない。「職場実習はまだ始まっていない」「職場見学は未実施」との理由で、「無回答・非該当」を選択した回答者が多いと思われる。「これからの事もしっかり教わった」とのコメントがある一方、「実習等の機会が少ない。見学の案内がほとんどないし、具体性がない」とのコメントがある。

13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

無回答・非該当 18名 (100%)

当事業所は工賃は支給していないので、この設問項目は「非該当」とする。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 17名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

「はい」の回答は94%、「どちらともいえない」は6%、「いいえ」「無回答・非該当」の回答はない。「トイレや洗面所はきれいに掃除されています」との声は多い。コメントはない。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 16名 (89%)
どちらともいえない 2名 (11%)

「はい」の回答は89%、「どちらともいえない」は11%、「いいえ」「無回答・非該当」の回答はない。「職員の服装、身なり、言葉遣い、態度は適切だと思います」の声は多い。「職員さんはとても丁寧です」とのコメントがある。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 14名 (78%)
どちらともいえない 2名 (11%)
無回答・非該当 2名 (11%)

「はい」の回答は78%、「どちらともいえない」は11%、「無回答・非該当」は11%、「いいえ」の回答はない。「体調が悪い時、丁寧に対応してくれました」「まだ、体調が悪くなった事がないので分かりませんが、信頼はできます」とのコメントがある。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 9名 (50%)
どちらともいえない 2名 (11%)
無回答・非該当 7名 (39%)

「はい」の回答は50%、「どちらともいえない」は11%、「無回答・非該当」は39%、「いいえ」の回答はない。「みんな仲良くしているので大丈夫かと思います。もし起こっても対応してくれると思っています」「いさかいやいじめは見たことがありません」「いさかい、いじめは気にしません」とのコメントがある。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 17名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

「はい」の回答は94%、「どちらともいえない」は6%、「いいえ」「無回答・非該当」の回答はない。「職員は私の気持ちを聞くために、時間を取ってくれます」「私は職員に尊重されていると思います」との声は多い。「職員は嫌な顔を一切しません」「職員にこれから自分の気持ちを伝えていこうと思います」とのコメントがある。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 18名 (100%)

全員が「はい」と回答している。「職員は、私が他の利用者に見られたくない事に気を配ってくれます」「他の利用者に聞かれたくない事を話す時、聞かれないように気を配ってくれます」との声が多い。コメントはない。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 18名 (100%)

全員が「はい」と回答している。「職員は私の身体状態、生活状況、経済状況をよく聞いてくれます」との声が多い。「全面的バックアップしてくれます」「まだよくわかりませんが、それなりに聞いていただけるので安心しています」「経済状態については聞かれたことはありません」とのコメントがある。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 13名 (72%)
どちらともいえない 4名 (22%)
いいえ 1名 (6%)

「はい」の回答は72%、「どちらともいえない」は22%、「いいえ」は6%、「無回答・非該当」の回答はない。「計画や課題について丁寧に話してくれます」「計画にある自分の課題については納得しています」との声が多い。コメントはない。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 14名 (78%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 3名 (17%)

「はい」の回答は78%、「どちらともいえない」は6%、「無回答・非該当」は16%、「いいえ」の回答はない。「嫌なことやして欲しい事を職員に気軽にいうことができます」「嫌なことやして欲しい事を職員に言った後に、職員はきちんと対応してくれます」「要望通りに対応できない場合は、その理由をきちんと説明してくれます」との声が多い。「特に不満はありません」とのコメントがある。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 15名 (83%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 2名 (11%)

「はい」の回答は83%、「どちらともいえない」は6%、「無回答・非該当」は11%、「いいえ」の回答はない。コメントはない。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
利用者の特性を考慮して多彩な取り組みで情報を提供している

精神障害の障害程度が軽度で、「仕事を続ける力を身につけて就職したい」「仕事にブランクがあり不安」という方が利用対象者である。ホームページやSNS、ブログ、リーフレット、また、昨年から始めたネット広告など多彩な取り組みで事業所情報を提供している。就労支援センターやメンタルクリニックなど行政や関係機関へ、月1回以上定期的に訪問して情報交換をしながら、リーフレットや各月プログラム、プログラム一覧などを配布している。ホームページは、構成や見やすさ等をよりよくするために、現在見直しを検討中である。

就活に向けた利用希望者の不安に配慮している

例えばホームページでは、「体験会やオンライン見学会の案内」「利用者・卒業生の声」「Q&A」などの情報を掲載している。問合せや体験・見学希望者は、ホームページの問合せフォームやフリーダイヤルを利用できる。「まずはメールで連絡したい」「じっくり質問を考えたい」、「できるだけ早く連絡したい」「スタッフに直接話を聞きたい」など、背景が異なる希望者の望む思いを代弁して記載し、連絡方法を選択できる。利用者や、利用を終了して再就職した卒業生へのインタビュー記事で生の声を伝え、就活の不安を軽減できるように取り組んでいる。

丁寧に時間をかけて説明し、個別の状況や希望に応じて対応している

見学対応は、個別に1~1時間半程度の時間で個室で行っている。リーフレットや説明会の資料、月次プログラムを配布して丁寧に事業と支援の姿勢について説明している。実際のプログラム場面を見学したり、希望する場合は気づきが獲得できる体験プログラムを受けることができる。福祉サービスが初めてという方には、制度や手帳取得についての説明をしている。本人のニーズを確認していくなかで、本人に適切な他の福祉サービス情報も提供している。コロナ禍により、新たにオンライン個別説明会(毎月開催、1時間程の面談と事業説明)を始めている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
主体性を重視しながら、利用者に伴走して理解を深めている

見学・体験時には、基本的ルールなどが書かれた誓約書を交わし、契約時には、契約書と重要事項説明書を交わしている。サービスの開始にあたり、障害や特性をふまえて、書類内容を一緒に読み合わせをし、質問ができる機会を適宜設け、本人が納得して利用できるように取り組んでいる。金銭的な不安もあるため、交通費や利用に伴う負担金について十分確認をし、不安な時は市役所へ問い合わせるように促している。問合せ時や見学・体験時、契約時などで把握した利用者や家族等の意向は、フェイスシートに記載して、職員が共有している。

スキル獲得と自律性を高めながら、安定した就労ができることを目指している

体験時やサービス開始時には、孤立や不安を軽減できるように声かけを多くしたり、緊張感を緩和できるようにアイスブレイクの機会を設けている。朝礼や終礼ではビジネスマナーを意識して全体の挨拶を行っている。終礼後の面談では、振り返りシートに書き込み、一日の振り返りを職員とともに行って、主観的な見方と客観的な見方の擦り合わせをして自律性を高めている。体験時や契約時などで聞き取った利用前の状況は、フェイスシートに記載して、就労に向けた支援の方向性を検討する際に参考にしている。就労準備コースなど2つのコースから利用できる。

「つながる」支援で利用者の心の安定を図っている

卒業後も交流を図れる場として、サービスが終了した方を対象にした「卒業生の会」を無料サービスで開催している。また、SNSを利用して、様々な機会で利用できる挨拶文を発信して卒業後の生活に役立つ取り組みをしている。利用途中に欠勤が続いた場合は、定期的に面談して支援しているが、「本当に就労移行としてのサービスが妥当なのか」を検討することになった場合は、本人とも話し合い、適切な支援を受けられるように一緒に探して同行し、他サービスに繋げてから終了することもある。サービス終了後も、支援機関と連携して、状況を共有している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
自己評価と職員評価から得られた気づきをふまえて計画を策定している

今年度途中から、担当職員制を敷いて、法人として定めた個別支援計画マニュアルの手順に沿って支援している。アセスメントで利用者の状態・デマンド(要望)・ニーズ(必要性)を把握し、整理している。利用者とともに1年後の長期目標について共有し、社会生活のしづらさなど、本人の気持ちを伺いながら計画書を作成している。利用者は、毎週振り返りシートに、毎月自己状態チェック表に記載して担当職員と面談する。本人の見解と職員による客観的な見解とを擦り合わせ、自己状態経過記録表も参考にして出来ていることと課題を明らかにしている。

随時更新している記録データをもとに経過をふまえて評価をしている

アセスメントや計画は、個別支援計画マニュアルの手順に沿って見直しを行い、3ヶ月毎に更新している。サービス管理責任者は、個別支援計画会議を主催し、担当職員と開催している。「短期目標」「就活準備チェックリスト結果」「できている部分」「課題」「支援方針」など項目ごとに検討している。計画開始当初の状態から現在に至るまでの経過をふまえて評価をしている。記録物は全てサーバー管理をしている。例えば、終礼時に挙がった利用者の状態変化をその場で追記するなど随時更新し、サービス管理責任者が、更新された記録内容を確認している。

朝礼や終礼、SNSを活用しながら、小さな状態変化も共有して支援している

事業所は、日々の朝礼や終礼で細かな部分まで利用者の状態変化について申し送りを行っている。例えば、日中のプログラム中に気分の沈み込みがあった発言を終礼で報告し、翌日、個別面談で気持ちの沈み込みがあった経緯を利用者から聞き取り、終礼時に面談の結果を報告して今後の対策を検討している。終礼には1時間程度の時間をかけて確認を行っている。また、職員間でSNSを活用して、報告漏れがでないように確実な共有化に取り組んでいる。障害特性をふまえて、表情が険しいなど細やかな観察もふまえて申し送りをしようと日々取り組んでいる。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
課題を明確にして個別支援計画を作成し、利用者が望む就労に結び付くよう支援している

利用者の課題を明確にして個別支援計画を作成している。計画作成時には担当職員が利用者と面談し、自分がどのようになりたいのか、なりたい自分になるためには自身がどのように行動する必要があるのかについて、利用者から話してもらえるような面談を心がけている。計画に基づいて利用者ができている部分を積極的に承認し、自己効力感を高め、自信を持てるよう支援を行っている。支援経過は「記録データベース」に集積し、朝礼、終礼で利用者の変化等を職員間で共有し、ケース会議で進捗状況を確認して利用者が望む就労に結び付くよう支援している。

自立した生活を送るために、利用者のニーズに合わせた地域の社会資源を提供している

個別面談などでの話し合いの中から、利用者が自立した生活を送るために必要な情報を把握し、提供している。初めて福祉サービスを利用する利用者のために、他の福祉サービスについてのパンフレットなども設置している。例えば、就職までには時間がかかるため、今すぐお金を稼ぎたいという利用者には就労継続B型の事業所情報を、体調が不安定で通所がままならない利用者には訪問看護サービスを提案するなどして、利用者のニーズに合わせた地域社会資源を伝えている。利用者が自立した生活を送るために、一人ひとりが必要とする情報を提供している。

プログラムを活用することで、周囲の人との関係づくりができるよう支援を行っている

プログラム活動は集団での活動を主としている。SST(社会生活技能訓練)などの対人関係について学ぶプログラムの中では、利用者同士のやりとりが活発に行われている。プログラムの中で利用者が手を挙げて発言をしたり、自己開示(自分の情報を相手に言葉を介して伝えること)を行うことが、周囲の人との関係づくりの土台となっている。発言したくてもできない利用者には、職員から発言を促すなどして気後れせずに発言ができるよう支援を行っている。プログラムを活用することで、利用者が周囲の人との関係づくりができるよう支援を行っている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
プログラム活動は、利用者が安心してその人らしさを発揮できる場となっている

プログラム開始時には利用者が主体性を持って行動できるよう、1.主体性:自分の課題を明確にし目標に向かって主体性を持ってプログラムに取り組むこと、2.受容:他者からの意見や感想を否定することなく素直に受け取ること、3.尊重:他人や自分の考えや感情・価値観を認め尊重すること、4.秘密:『ここだけの話』にし秘密は守ること、5.点検:自分の体調、気分を自己点検して無理せず頑張りすぎないこと、の5項目を意識するよう確認している。確認をすることで、プログラム活動は利用者が安心してその人らしさを発揮できる場となっている。

自分の目標達成に必要な講座を選択して活動に取り組み、充実した時間を過ごしている

プログラムには「折れない心の育て方:『強み』を知ろう」「人生を変えるコミュニケーション:ほめ言葉を受け取ろう」など、多種多様な講座が日替わりで用意されている。利用者は多種多様な選択肢の中から自分の目標達成に必要な講座を選択し、プログラム活動に参加して作業やグループワークに取り組んでいる。活動を通して、他者理解や自己理解が進み、他者と自分の価値観の違いを理解できるようになる。利用者調査からも充実感をもって一日を終えたと実感する利用者が多いことが確認できる。プログラムは利用者の要望を反映させ、常に更新している。

障害特性に合わせて環境を調整し、過ごしやすい環境となるよう配慮している

室内は日々掃除を行って、清潔感のある過ごしやすい空間となっている。事業所は商業ビルの3階で日当たりも良く、ロールカーテンで陽光を調節できる。照明は色や光の強弱を変更できるLED を採用し、視覚過敏の利用者にとっても安心できる空間となっている。聴覚過敏の利用者のためには防音イヤーマフを設置している。ADHD(注意欠如・多動性障害)の利用者には定規のようなものを使い、紙に書いてある文章を一行だけ読めるようにするなどの合理的配慮を行っている。障害特性に合わせて環境を調整し、過ごしやすい環境となるよう配慮している。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
自己状態チェック表をグラフ化し、利用者が自身の健康状態に気付けるよう支援している

「自己状態チェック表」を用いて、その日の体調について30項目の質問に答えている。回答した心身状態や考え方を数値化し、グラフとして利用者に提示することで、自分の認知や感じ方の変化に気付けるようにしている。振り返り面談時は、振り返りシートを基に見える化した数値や図表を用いて、担当職員が客観的にフィードバックを行っている。利用者から相談があった際は、極力その場で対応し、利用者の話を傾聴している。寄り添う姿勢を基本としつつも、本人にどのような工夫ができそうなのかを問いかけるなど、解決の糸口をアドバイスしている。

利用者が生活リズムを整えられるよう、記録に基づいた支援や助言を行っている

通院、服薬、バランスの良い食事の摂取、睡眠などについて、利用者が生活リズムを整え、健康を維持できるよう支援を行っている。生活リズムが整わない利用者には、日々の生活に関して記録をつけてもらっている。記録に基づいてどんな点が良くなかったのかを客観的に振り返ることで、気づきを促している。例えば、前日の睡眠に関して10段階で評価してもらい、評価した数値の理由を記入してもらっている。また、処方薬を服用できていない利用者には通院同行して、医師に服薬状況を伝えるなどの支援を行っている。

医療情報や緊急連絡先を記録し、日頃から緊急時の支援体制を整えている

フェイスシートに医療情報や緊急連絡先を記録している。利用者には体調が悪いと感じる時には極力、自分から申し出るようお願いしている。体調が悪そうに見える利用者には、率直に体調について尋ねている。体調が悪い時にはプログラムへの参加ではなく個人ワークへ変更したり、空き部屋があれば休息してもらったりしている。また、無理せず早退を提案することもある。職員は日頃から、緊急時対応マニュアルを読み合わせている。利用者の体調急変時に備えて普通救命講習を受講し、AEDを事業所内に設置するなど、緊急時の支援体制を整えている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
家族の協力は少なくし、自分で問題解決ができるようにすることを基本姿勢としている

支援にあたっては、利用者本人とのやりとりを基本としている。利用者や家族の希望に応じて、家族の協力を仰ぐこともあるが、極力、自分で問題解決ができるようにすることを基本姿勢としている。今後、就労して以降の利用者の人生を考えれば、できる限り家族の協力は少なくし、自分で解決できる力を付けておくことが望ましいと事業所では考えている。家族の協力が必要な場合には利用者の意向を尊重しつつ、協力の必要性を充分に説明し、利用者の納得を得るようにしている。利用者と家族との関係性にも配慮して、利用者の支援にあたっている。

利用者の状況に応じて家族や支援機関と連絡を取り、利用者の近況を報告している

利用者の日常の様子や事業所の現況等は、必要に応じて家族等に知らせている。例えば、保護者が利用者の日常のプログラム活動を見学してみたいと来所され、プログラム活動中の利用者のありのままの様子を見学し、安心した様子で帰って行かれた事例などがある。事業所を欠席する際は、本人から欠席の連絡をしてもらうことを原則としている。長期欠席をしている場合には、計画相談など他の支援機関に利用者の様子を確認してもらうよう依頼している。  

必要に応じて支援機関や家族から支援に必要な情報を収集し、利用者支援に活かしている

サービス開始当初は支援機関や家族から支援に必要な情報を収集し、情報を基に利用者支援にあたっている。しかし、その後の利用者への支援は、本人とのやりとりで把握した情報を基本として支援にあたっている。利用者から充分に情報を収集できない場合には、計画相談など他の支援機関に依頼して情報を収集し、利用者への支援に活かしている。卒業した利用者の家族から就職後の状況について相談を受け、就労先に利用者のできている部分や合理的配慮について伝えて理解していただき、卒業生を支援した事例がある。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者が最適な福祉サービスを選択できることも事業所の大切な努めとしている

事業所の入口にパンフレット置き場を設置し、地域の中にある他の就労支援事業所や就労継続支援B型事業所、グループホームやクリニックなどのパンフレットを置いている。利用者が求めている福祉サービスや支援に関して様々な地域の社会資源を紹介し提供していくこと、体験利用者、見学者に対しては、当事業所以外にも他の様々な選択肢があることを伝えていくことは、事業所としての大切な努めであると考えている。多くの選択肢の中から利用者自身が最適なサービスを選択し、地域社会の一員として生活して欲しいと、事業所では利用者に伝えている。

多様な就活支援機関の情報を提供し、利用者に適した就労先に結びつくよう支援している

地域の就労支援センター、障害者就職面接会等の情報を提供しているハローワーク、障害のある人が仕事や生活に関することを相談できる障害就業・生活支援センター(なかぽつ)、東京しごと財団等と密接に連携を取り合って、利用者の就労に結びつくような支援を行っている。コロナ禍ということもあり見学や実習を受け入れていない企業も多く、実習に関しては東京しごと財団主催の実習前面接会がメインとなっている。障害受容などを促すセミナーなどがあれば随時紹介し、掲示スペースに貼りだしている。情報を活かして利用者は就活に励んでいる。

地域社会の一員として自立した生活を送れるよう、就労に必要な情報を提供している

地域社会の一員として安定した経済的基盤を確立し自立した生活を送るために、就労は重要な要件である。就労を社会参加の一つの形と捉え、事業所では利用者の「働きたい気持ち」を支援している。就労に必要な情報として、地域で行っている催し物(面接会を含む)や企業情報を提供している。情報は朝礼時に利用者全体に案内し、掲示スペースにも貼りだして、自由に閲覧できるようにしている。利用者からは面談会に載る企業情報を増やしてほしい、地域限定の求人情報がもっとほしいなど、様々な要望があり、さらなる企業情報の収集が求められている。

10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
  • 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
  • サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
  • 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
  • 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
  • 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
  • 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
専門資格を持つ職員が多様なプログラムを提供し、新たな働く意欲につなげている

利用対象者をメンタルヘルス系疾患のある人に絞って、対象者の復職・就職を支援している。就労を支援するため、精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・公認心理師などの専門資格を持つ職員が、コミュニケーションやソーシャルスキルなど働くための能力を向上させる専門的なプログラムを提供している。就活準備コースでは、利用者自身の課題と向き合い、心理テストを通じた自己理解やストレスの原因分析を中心としたプログラムを体験しながら生活リズムを整え、実習や就活していくための体力を取り戻していくことで、新たな働く意欲につなげている。

就活実践コースで面接や実習を体験し、利用者に適した就労に結びつくよう支援している

就労への目標をスモールステップで着実に達成できるよう支援し、利用者と伴走してゴールを目指している。利用者の就労準備性が整い次第、就活実践コースへの移行を提案している。就活実践コースでは実習から始めている。内部・外部実習では就労準備コースで身につけたスキルを実践し、働く経験を積み上げて、自分に合った働き方や希望職種を絞り込むヒントを得ている。就労時に必要となる書類作成のフォローや模擬面接、職業アセスメントを実施し、企業からの希望があれば採用面接に同席するなど、利用者に適した就労に結びつくよう支援を行っている。

就労が継続できるよう、定着支援にも力を入れている

実際の採用面接では企業に病気または障害を伝えるかどうかを判断し、希望職種を選定して、利用者に適した就労に結びつけている。就労継続には働く目的を持つことが大切と考え、利用者に目的意識を明確にするよう促している。就労後は、職場に定着できるよう無料定着期間中(6ヶ月)は月1回以上の面談を実施している。それ以降は就労定着支援を活用しサポートしている。事業所独自の無料サービスとして「卒業生の会」を月1回実施し、卒業後も交流できる場を提供している。現在はコロナ禍で中止しており、他の無料定着サービスを検討している。

【講評】
個人情報についての取り扱いを明確にしてプライバシー保護を徹底している

「個人情報保護規程」に沿って個人情報を運用している。個人情報データは「個人情報安全管理規程」で定めて管理している。開示請求に関しては「個人情報開示請求等手続規程」として定め、手続きを円滑に行えるように整備している。利用者には、秘密保持については契約書で、利用者同士の個人情報の交換については重要事項説明書で説明をして同意をもらっている。また、「個人情報の取り扱いに関する同意書」で利用範囲を明示して個人情報を使用している。ホームページなどで写真等を扱う場合は、「肖像権資料同意書」を取り交わしている。

羞恥心を守り、意思を尊重して関わっている

個人の所有物は、個人用の鍵付きロッカーに収納して保管している。面談時は、話している内容が漏れないように個室を使用している。プログラム活動中に話したことが見当違いの内容であったとしても、勇気を持って話してくれたことに感謝を伝えて、利用者の羞恥心に配慮して支援している。利用者には、言いたくない時は言わなくてもよいというルール(意見を求められたとき、答えたくない内容であったり、自信がなかったり、今発言したくない状況であるとき等は、パスをしてよい)を事業所内で周知徹底しており、個人の権利が守られている。

デマンド(要望)とニーズ(必要性)を整理し、利用者を尊重して支援している

例えば、「本人から服薬状況、生活リズム、食生活などを伺い、就労を想定した際のリスクを検討して、通院同行をしたことで精神が安定した」「就労に向けて、訪問看護やヘルパーなどの居宅サービスの必要性を一緒に検討して利用を始めたことで、生活が安定した」「朝起きられない、モチベーションが低いなどで欠勤が続いた場合は、面談で本人の意思を確認して利用サービスの見直しをし、職員が同行して新たな通所サービスが利用できたことで地域生活が継続できた」など様々な事例がある。デマンドとニーズを整理し、個人の気持ちと意思を尊重している。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
毎月、規程やマニュアルを読み合わせる機会を設けて業務の標準化に取り組んでいる

事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等については、法人として規程やマニュアルを整備し運用している。一方で、規程やマニュアルにおいて一部文言の表現が固い箇所があり、職員がより理解しやすいように改善を検討している。規程・マニュアル類は、職員で読み合わせる機会を毎月設けており、年間スケジュールで予定立てて定期的に点検・見直しを図っている。コロナ禍ということもあり、例として、就業や休業の勤怠に関すること、感染予防対策マニュアル、BCP(事業継続計画)に関することなどについて見直し・検討を行っている。

事業所の実態に適うマニュアル作りに取り組んでいる

職員は、わからないことが起きた際や業務点検の折に、各種規程・マニュアルを日常的に活用できる。また、わからない時は、都度、上司に確認することになっている。一方で、事業所の実態に適ったマニュアルを作るため、職員間でも活発に意見交換を行っている。例として、コロナ禍であるため、消毒や換気を行う機会や場所について検討したり、また、体験修了者には2週間以内に連絡を交わして体調確認をするなど、事業所組織として、標準的な業務水準の見直しに取り組んでいる。

利用者アンケート、職員会議、日頃の振り返りなどでプログラム改変に取り組んでいる

サービスの向上を目指して、半期に一度定期的に利用者アンケートを実施している。アンケート結果をふまえて職員会議で話し合い、現在の利用者ニーズに合わせることを心がけて、新しいプログラムの構築に取り組んでいる。今年度は新たに、就労に関して必要な知識を習得することを目指し、外部講師を招いて自分を振り返るプログラムを開講した。また、日頃からもプログラム改変について検討しており、合理的配慮を依頼したケースについて学んだり、卒業生に登壇してもらい、経験談として生の声から学ぶなど、見直しを続けている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

このセクションは事業者によって更新される情報です。

評価情報

【評価実施期間】

2021年3月3日~2022年3月29日

【評価者修了者No】

H1002033,H0403005

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