評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

一般社団法人アイビー

【事業所名称】

アイビー

【サービス種別】

就労継続支援B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)利用者の意思決定
2)利用者の自立に向けた選択肢の提供
3)一般就労への支援
4)利用者の居場所となるコミュニティの提供
5)安心した利用環境の提供

職員に求めている人材像や役割

事業所内での適性を活かした役割分担でサービスの提供を実践

自立に向けたサポートと事業所内での経済活動両立が求められる就労継続支援事業所ではスタッフの役割分担がサービス提供向上として求めております。
職員が自身の特性を活かした配置や業務を行う事で、事業所内でゆとりのある良い空気感や支援を提供出来る事を期待しています。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

様々なニーズの方が集まるB型事業所だからこそ、職員には利用者の自己実現がフォローできる知識やアドバイスと、利用者に取って安心して通所できるコミュニティとなる特性と希望に合わせた両側面での支援を期待しています。

全体の評価講評

特によいと思う点

就労支援に力を注ぎ、利用者のニーズの把握、就労に結びつく支援計画、支援プログラムの実施を行った。また、企業説明会への積極的な参加、外部講師を招いた「コミュニケーション研修」の実施、企業の人事担当者との連携を深めることにも取り組んだ。その結果、3名の利用者が一般就労につなげることができた。就労後のアフターケアにも力を注ぎ、就労状況の把握や個別のアフターケアを実施し、就労定着を図ることができた。就労支援への職員の思いを一つにして利用者と関わり、その熱意が伝わった結果であると思われる。

利用者が安心して活動へ参加できるように、利用検討時には体験利用を積極的に勧めている。利用者と共に作成する「個別支援計画」には、利用者が将来に描く自分の姿をできるだけ具体的に記す事を支援している。その実現に課題となる事柄を明らかにしている。アセスメントを利用者自身で作成する取り組みは、自分の能力と可能性を知る機会になっている。定期的なアセスメントの時期には、利用者と一緒に、前回の目標を振り返り、次の目標を検討している。作業に関する手順や要点の変更にも、利用者の気持ちを最大限に尊重している。

職員集団のチームワークを活かし、記録等の業務ツールや利用者への具体的な対応方法を臨機応変に見直している。利用開始前に提供している体験利用は、利用者が参加しやすいように日程調整したいと、具体的な希望の把握と調整を行なっている。アセスメント表のチェック項目ごとに記す数値評価も、利用者が作成しやすいように%(パーセント)表示から4段階表示に変更した。さらに、利用者の要望を踏まえて「ビジネスマナー講座」を「SST(コミュニケーションスキル向上)プログラム」に変更する等、利用実状を踏まえて改善する体制を持っている。

さらなる改善が望まれる点

事業所が大切にしている理念・基本方針などは、様々な場面で施設長が取り上げ、職員への周知を行っている。それらは、就労支援が必要な利用者の意思決定を支え、自立に向けた支援を進めたいという思いであり、また、利用者が安心して通える居場所を作りたいという願いである。一方、事業所独自の理念は何かと問われると抽象的な答えになってしまう。事業開始時の熱い思い(願いや理想)を利用者と共有するためにも、自らの言葉で「設立時の思い」をストーリーにすることを検討し、みんなの想いを言葉にする作業に取り組みたいと考えている。

専門性の高い支援体制づくりが課題であると認識し、職員の増強を図っている。一方、採用した職員の育成システムや職員のキャリアパスについては、明確なビジョンを打ち出していない面が見られる。当面の課題に追われ、その対応に追われている状況であるが、長期的視点で職員の育成を進めることは、事業所の安定にとって最重要な課題である。そのためにも、定期的な施設長と職員の面談の実施、キャリアパスの作成に取り組んでほしい。職員は何を求めているか、何に不安を感じているかなど、職員の気持ちを把握することは重要である。

事業所ではホームページ以外にも、不特定多数に情報をこまめに発信できるブログやSNSを用意しているが、発信頻度が課題となっている。また、利用者の事業所を通した地域との関わりも、関連法人の事業を通じた間接的な関わりにとどまっている。今後は、ブログ等の更新や活動の中で地域と関わる工夫に利用者が積極的に関わる事ができる仕組みをつくる等、「周りを巻き込んで成長して縁をつなぐ」という設立時からの理念実現に向けた更なる取り組みが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

職員体制の充実は大きな課題であると認識し、常勤職員の採用並びに非常勤職員としてジョブコーチと心理士を採用した。ジョブコーチの採用は、就労支援にとって大きな力となり、企業との連携が取りやすくなり、一般就労に繋がっている。また、心理職は、職員に対する心理面のコンサルテーションを行うとともに、支援の方針の確認、利用者の心理的ケアについての支援を行っている。

利用開始前には、体験利用で利用者の活動参加への不安軽減につとめるとともに、開始後の利用定着に向けた支援の準備にもつなげている。利用開始後は活動日数を調整する等、利用者のペースに合わせながら事業所への定着をはかっている。一般企業への就労や事業所変更等により利用終了する際には、利用者の不安や要望を踏まえたアフターケアにつとめている。終了後も利用者が相談できる地域資源として機能しており、利用者の安心できる拠点の一つとなっている。

利用者が活動する場所は、1つのフロアに集約されている。フロアには死角も少なく、すべての職員がすべての利用者に関わる事ができている。その中で、利用者の様子や状況に応じた連携を迅速に提供する事ができている。そこで培ったチームワークを活かし、ミーティングや会議の中で利用者への支援に対する考え方や方法を共有するとともに、支援水準の向上にも取り組む事ができている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:2021年6月1日現在の施設の利用者(20名)を対象とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    自記式(アンケート調査法)と面接調査法(面接調査者が聞き取り、調査票に記入)の併用
  • 有効回答者数/利用者総数:17/20(回答率 85.0% )

総合満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、94%(16人)となっている。
●各カテゴリーのうち、「はい」の比率が高かった上位は、以下の項目であった。
問1.あなたが困ったとき、職員は助けてくれますか
問2.あなたの身の回りにある設備は安心して使えますか
 (各々100%、17人)
問18.あなたは、事業所の生活スペースは清潔で整理された空間になっていると思いますか
問19.あなたは、職員の言葉遣いや態度、服装などが適切だと思いますか
問22.あなたは、職員があなたの気持ちを大切にしながら対応してくれていると思いますか
問23.あなたのプライバシー(他の人に見られたくない、聞かれたくない、知られたくないと思うこと)を職員は守ってくれていると思いますか
 (各々94%、16人)

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 17名 (100%)

体調の悪い時など親身になって心配、相談にのってくれる。 苦手な作業を変えてくれる。 私的な事も相談できる。 などの意見があった。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 17名 (100%)

雑居ビルである事以外はない。 といった意見があった。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 8名 (47%)
どちらともいえない 6名 (35%)
いいえ 3名 (18%)

共同で作業することが楽しい。話すことが苦手なこともあるけれど、仕事をしながら話ができる。 みんな友達です。 (コロナもあって)あまり交流ない。 などの意見があった。

16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 3名 (18%)

通えることで生活のパターンができた。職員と話しコミュニケーションがとれている。 まだまだです。4/W日通うこと、集中できることが目標です。 などの意見があった。

17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 2名 (12%)
いいえ 1名 (6%)

区の職員から説明してもらい理解している。 あんまり分かってない、よく聞かなかった。 などの意見があった。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 16名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

毎日全員でそうじをしているのでクリーンです。空調もよくあったように設定してくれるので助かります。 自分達も清潔に気を付けています。 などの意見があった。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 16名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

いつも声掛けてくれる、気に掛けてくれる所。 どの職員も丁寧です。 などの意見があった。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 3名 (18%)

体調を気にかけてくれて、家に来て面談やってくれて薬の大切さを教えてくれた。 相談して苦手な業務を変えてくれた。 などの意見があった。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 11名 (65%)
どちらともいえない 6名 (35%)

利用者間のトラブルがあると相談にのって良い方向に変化している。 利用者同士のいさかい等を見たことがないです。 などの意見があった。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 16名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

気持ちを理解しようとして下さっているのは感じる。 フレンドリーでやさしいです。質問するとアドバイスをくれるところ。 などの意見があった。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 16名 (94%)
どちらともいえない 1名 (6%)

他の利用者の話をしない。 といった意見があった。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 2名 (12%)
無回答・非該当 1名 (6%)

うまく伝えられなかった。緊張してこんな事聞いて大丈夫かと思った。 集中力がうまく働かない。 などの意見があった。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 15名 (88%)
どちらともいえない 1名 (6%)
いいえ 1名 (6%)

内容がわからなかった。 といった意見があった。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 3名 (18%)

それ程不満がない。 色々頼んだ事はある。手伝ってくれます。 などの意見があった。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 14名 (82%)
どちらともいえない 3名 (18%)

まだそういう機会がない。 telも把握している。 などの意見があった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
事業所開設の熱い思いを利用者及び職員に丁寧に伝えることが必要だと考えている

事業所理念として、①利用者の意思決定支援、②利用者の自立に向けた選択肢の提供、③一般就労への支援、④利用者の居場所となるコミュニティの提供、⑤安心した利用環境の提供の5つを挙げている。一方、事業所名は、「蔦(つた)のように成長し、縁をつなぐ」という意味を込め「アイビー(蔦)」とした。蔦が絡まるように、障がいを持つ人も持たない人も共に協力できる社会をつくりたいと考え命名した。今後、「アイビー」という名前の由来及びその理念を丁寧に伝え、利用者にもわかりやすい理念説明にも力を入れたいと考えている。

事業所の将来像を計画にまとめ、職員と共の重要課題の共有を進めてほしい

施設長は、重要課題として「事業の拡大」、「利用率の向上」、「専門性の高い職員採用」の3つを認識している。将来的には車椅子ユーザーが利用しやすい、また、魅力的なプログラムを実施できる事業所の開設を目指し、予算立てを進めている。施設長が考える事業ビジョンは、定期ミーティングで職員に伝えられ、進捗状況はクラウドで共有され、職員は随時確認できる。一方、事業方針や事業計画が文書としてまとまっていない面が見られる。施設長が考える事業所の将来イメージをまとめ、実現までの事業計画を職員と共に作成することが望まれる。

事業所の運営に関する情報及び施設理念をより積極的に利用者に周知することを期待する

小規模事業所である利点を生かし、職員間の情報共有はクラウディングサービスを利用している。職員からも、コミュニケーションの良さを評価する意見が上がっている。また、毎月定期ミーティングを実施し、事業所運営についての議論を深めている。一方、利用者に対しては、事業所理念を伝える取り組み及び事業所が抱える課題や将来像を語る機会は少ない。障がいを持つ人と共に生きる事業所として、共に考える機会を多く持つことは重要であると思われる。事業所運営に関する情報を利用者にも積極的に開示することを期待する。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者の思いや要望把握を進めるための様々な取り組みの充実を予定している

利用者意向の確認は、個別面談及び支援計画作成の際に実施しているほか、日々の活動の中で利用者の気持ちを把握している。今後、利用者アンケートなどを支援計画改定に合わせて実施することを検討してほしい。また、面談や支援計画の書式に「利用者の希望・要望」のスペースや作ることで、職員が利用者の気持ちや思いを明確に意識でき、記載することができると思われる。記録様式に意向把握の欄などを作成することなど、記録様式の改善について検討し、利用者の希望・要望を把握しやすい記録に取り組む準備を進めている。

中・長期計画のスケジュール作成に取り組み、計画の進捗管理を行うことが望まれる

定期的な職員ミーティングのほかランチミーティングを活用し、気軽に事業所運営の話ができる雰囲気作りに取り組んでいる。事業所開設3年目であるが、着実に事業運営・経営に取り組み、中期計画の目標であったサテライトオフィス開設を計画している。単年度計画としては、課題認識を職員間で共有している。今年度の課題は、①利用者利用率の向上、②就労支援サービスの拡充、③請負業務の拡大などを掲げ、年度の目標を定めている。一方、目標達成のための具体的計画及び役割についてもさらに加え内容を充実することが期待される。

サポート法人から、理念に繋がる、地域との連携を意識できる仕事を受託している

パラリンピック選手を応援するビジネスを進めているサポート法人が同じフロアにある。サポート法人を通じて様々な情報が入ることがメリットである。サポート法人が発行するパラスポーツに関する機関紙を小学校に発送する作業を請け負い、さらに、冊子を読んだ子どもたちの手紙をパソコンに取り込む作業を行っている。こうした作業は、障がい者スポーツに子どもたちが関心を持つきっかけとなり、子どもの声をパラアスリートに届ける意義を持っている。地域で活動する人たちを意識できる仕事を請け負うことで、利用者の地域に対する関心が増している。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
利用者の権利擁護を進めるための倫理規定などの整備・作成を準備している

入社時には、関連法令・虐待防止・権利擁護などに関する職員研修を実施している。また、定期ミーティングで、不適切な接遇に関する職員の意見交換を行っている。一方、倫理規定及び職員の行動規範などの策定は遅れている。今後、専門性の高い支援を進める事業所として、事業所の特性に合わせた倫理規定及び職員の行動規範を作成したいと考えている。利用者の権利擁護を進め、さらに職員を守るためにも、倫理規定などが早期を作成されることを期待する。

事業所の専門性を生かした実習生の受け入れ、そのためのマニュアル作成が期待される

事業所の規模や環境面の特性などから、これまでボランティアの受け入れを行ってこなかった。また、実習生についても積極的な受け入れの準備体制を持っているとは言えない状態である。まず、ボランティア及び実習生の受け入れの可能性について全職員で協議し、事業所の専門性をどのように地域に還元できるかを考えることが大切である。まずは、実習生の受け入れに関する具体的な手順やマニュアル作り、その他、個人情報に関する情報管理の規定などを用意することから始めることが望まれる。

第三者委員や行政の相談窓口の周知など、苦情解決制度の丁寧な周知を進めてほしい

今回の利用者調査では、「あなたが困った時に、職員以外の人にも相談できることを分かりやすく伝えてくれましたか」という質問に対して、「はい」が50%、「いいえ」が38%であった。その他の質問項目に比べ、「いいえ」の割合が高かった。職員間では、何でも言える関係作りに取り組んでいるが、今後、利用者が自由に発言できる仕組みや、意見を書ける機会としてのアンケートの実施、また、第三者委員の積極的な活用、そして、行政の相談先の丁寧な周知など、多面的な方法で、利用者からの意見を受け止める仕組み作りが必要である。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事業の継続性と利用者・職員の安全の共存を進めるため、感染症対応に取り組んでいる

今年度感染症予防及び感染症対策に大きな力を注いできた。事業の継続及び利用者・職員の安全・安心を最優先として、感染症に関する最新情報を収集するとともに、行政からの情報を的確に受け止めている。また、職員の定期的なPCR検査、感染症の発生を前提とした対応シミュレーションの実施、事業所内の環境整備としてアクリル板の設置並びに適切な除菌の徹底を進めた。また、「緊急事態宣言」への対応として、施設見学の制限などをホームページで発信し、利用予定者への情報提供を進めながら事業を休むことなく安全との共存を図り取り組んでいる。

事業継続計画に関する取り組みを進めるための情報収集を始めることを期待する

リスクマネジメントの意識は高く、火災、防犯、事故などの対策を進め、定期的な避難訓練を実施している。一方、リスクの洗い出し、リスクに関する現実的な分析、取り組むべき優先順位の設定など、包括的なリスクマネジメントに課題があると感じている。現状は、新型コロナウィルス対策・対応に追われている状況もあり、その対応を最優先にしている状況にあると思われる。今後、関連法人と共に、BCPを含め、事業継続に関するビジョン並びに計画づくりに取り組むことが期待される。

ヒヤリハットの目的及び具体的提出要件を再確認し取り組むことが重要である

リスクマネジメントの一環としてヒヤリハット事例の提出を職員に求めてきた。しかし、年間を通じて提出がほとんどなかった。ヒヤリハットの目的を再確認してその意義を職員間で共有し、実りある実践を期待する。情報管理に関しては、2段階のアクセス制限を設けるとともに、情報集約を進め、個人情報の外部への流出防止に取り組んでいる。個人情報の取り扱いについては、具体的な使用条件を定め、個人情報の管理徹底を職員に指導している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
常勤職員並びに心理職員を増員し、利用者支援体制の強化を図っている

事業所の職員体制強化の一環として常勤職員1名の増員を実施した。職員が増員したことで就労支援に関する支援体制が強化され、一般就労につながるケースが増えたと職員は感じている。また、今年度から非常勤の心理職員を採用した。現状では出勤日は少ないもの、利用者への心理的支援に対する職員へのコンサルテーションを実施している。職員からは利用者の関わりの見直しをするきっかけになったなど、その専門性を評価する意見が聞かれた。今後、出勤日を増やし、ケース検討会議や利用者との面談など、更なる心理的支援が期待される。

事業所としてのキャリアパスを明確に示し、個別育成システムの構築に取り組んでほしい

施設長と職員のコミュニケーションは良く、明るく働きやすい職場環境であると職員からの評価がある。一方で、フォーマルな研修体制や人材育成システムの整備が課題となっている。まずは、一般職員と施設長との定期的な個別面談を実施することからと始めることが期待される。現在、社会福祉士・介護福祉士などの専門資格取得を促す規定を作成している他、研修への積極的な参加を推奨している。これらの取り組みを人材育成システムと連動させ、一人ひとりの職員の個別育成計画としてまとめてほしい。

リーダー的職員の役割及びポジションを明確に位置づけることが求められている

事業所の職員構成は施設長と一般職員という2層構造になっているが、実際の運営にはリーダー的な職員が積極的に関わっている。こうした実態を受け止め、リーダーの役割をしている職員の役割及びポジションを明確にすることが望まれる。さらに、心理職員も加わったこともあり、ケース検討会議や支援計画の検討する会議の開催、さらに、スーパービジョンの実施など、職員研修をさらに充実させることが期待される。また、社内ネットワークを生かした情報共有を進めていることもあり、研修及び職員の意見交換が活発に行われている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題目標の設定】
・現状は、コロナ禍の不安等の影響もあり、利用者の出席にムラがあり、利用率が安定していない。
・利用率の低下や出席のムラは、必要な支援が提供できなくなったり、イレギュラー対応へのサービス管理責任者の調整負担が大きい。
・このため、利用者ニーズに合った支援環境を提供し、サービス利用率の安定と向上を図ることを目標とした。
【取り組み】
・利用者の利用目的を個別に確認し、個別の参加可能な回数、曜日、時間の確認を行った。
・利用者が安心して通所できるために、新型コロナ対策の徹底(アクリルパネルの設置、手指消毒、検温など)に取り組み、周知した。
・職員は隔週でPCR検査を実施した。
【取り組みの結果】
・一昨年度の利用率は6割程度であり、昨年度はコロナの感染が広がる中でも6割を維持することができた。
・見学希望者から、利用の際に「安心して利用できた」と、感染症の対策を評価された。
【今後への反映】
・引き続き、利用目的の明確化、安定した利用の推進の基本方針を継続し、利用者のニーズにあった利用方法を提案し、利用率アップにつながる取り組み、安全・安心な環境整備を進めるという複数の課題設定を行った。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

・現状は、コロナ禍の不安等の影響もあり、利用者の出席にムラがあり利用率が安定していない。こうした状況は、必要な支援が提供できなくなったり、イレギュラー対応を調整するサービス管理責任者の負担が大きい。このため、利用者ニーズに合った支援環境を提供し、サービス利用率の安定と向上を図ることを目標とした。
・利用者の個別ニーズに対応するため、参加可能な回数、曜日、時間の確認を行うほか、安心して通所できるために、新型コロナ対策に応じた環境整備、職員のPCR検査の徹底を継続した。こうした取り組みの結果、昨年度はコロナの感染が広がる中でも一昨年並みの6割を維持することができたが、さらに利用者のニーズに応えながら利用率を高めていくことを課題としている。
・そのために、今年度も、基本方針を引継ぐが、利用率アップと、職員の業務負担を軽減と、安全・安心な環境整備は、一つ一つ大きな課題であり、具体的な計画、スケジュール管理、評価指標を設定することで成果につなげる必要がある。このため、利用率アップについてより集中的な取り組みを行い、利用者のニーズにあった通所環境を作りたいと考えている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題目標の設定】
・就労を希望する利用者への専門的な支援及びアフターケア(定着支援)を課題とした。
【取り組み】
・企業説明会への参加、外部講師を招聘した「コミュニケション研修」を実施した。
・企業の人事担当者との連携を深め、採用までの支援について打ち合わせを行った。
・履歴書作成、面接に関するトレーニングを実施したほか、就職後のケアとして、定着支援のためのプログラムを実施した。
【取り組みの結果】
・3名の利用者が一般就労することができた。
・就職する利用者を見て、他の利用者の自立に対する意識が高まり、就労意欲の向上につながった。
【今後への反映】
・就労意欲のある利用者への支援を継続し、企業開拓についてもさらに積極的に働きかけていくこととした。就労に関する専門職員については、職員の活動の自由度を持たせるなど、現状の成果を生かした業務の継続を進めていくこととした。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行っていなかった(目標設定を行っていなかった場合を含む)
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させていない
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

・就労を希望する利用者への専門的な支援及びアフターケア(定着支援)を課題として、様々な取組みを行ったが、企業説明会への参加、外部講師を招聘した「コミュニケション研修」、企業の人事担当者との連携による採用までの支援などである。さらに、履歴書作成、面接に関するトレーニングを実施したほか、定着支援のためのプログラムも実施した。取組みの結果、3名の利用者の一般就労につながり、副次的な効果として、他の利用者の自立に対する意識が高まり、就労意欲の向上にもつながった。
・今後も、就労意欲のある利用者への支援を継続するが、企業開拓についてもさらに積極的に働きかけていくため、就労に関する専門職員については、職員の活動の自由度を持たせるなど、現状の成果を生かした業務の継続を進めていくこととした。
・様々な取組みは実行され、成果にもつながったが、より具体的な目標設定及び進捗管理が十分でなかったため、成果の検証や次年度への反映に更なる改善点が残った。次年度以降は、より具体化した目標設定と半期ごとの評価を実施するなどが期待される。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
事業の情報をわかりやすく伝え、見学体験へつながるホームページを作成している

ホームページには、事業所の概要や活動内容を紹介するページがある。ホームページ作成、更新を施設長が率先して行い、施設理念・方針並びに新しい取り組みを掲載することに努めている。発信内容は、「会社概要」、「スタッフ紹介」、「業務内容」、「訓練プログラム」、「よくあるご質問」などである。今年初めには、「問い合わせ用メールフォーム」を作成した。そこには、チェック項目に記載するだけで気軽に見学・体験ができる工夫が見られた。その他、利用開始までの手順が記載され、ホームページを見て見学を希望する人も多い。

理念を紹介するパンフレットを持ち、事業所の運営に対する思いを伝えている

パンフレットは、A4判の見開き4ページでつくられている。事業所の理念である「蔦のように成長し、縁をつなぐ」を表紙のタイトルに掲げている。法人概要や利用開始までの流れ、事業所設立の思いや支援の特徴、サービス提供の基本方針をわかりやすく丁寧に伝えている。裏表紙は、電話で問い合わせた際や見学時などにメモが取れる便箋のようなデザインにしている。スマートフォンから問い合わせができるように、事業所のSNSやホームページにつながるQRコードも載せている。事業所の障害者に対する思いが伝わる紙面になっている。

事業所の活動を具体的にイメージしながら利用を決めることができるように支援している

利用前の見学及び問い合わせは、電話やメールのほか、事業所のSNSからも受け付けている。見学は随時受け付けており、希望に応じて家族や支援者も同席している。見学時には利用に向けた面談を行い、事業所に対する不安や要望を丁寧に聞き取っている。さらに利用を希望する方には、実際に作業へ参加する基本3日間の体験利用をお願いしている。体験利用の最終日に振り返りの面談を行い、活動目標や必要な支援について話し合い、要望確認を行っている。利用希望者がサービスをイメージし利用を決めることができるように配慮している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用希望者には事業所の理念と基本的なサービス方針を伝えている

利用希望者には見学時に、「蔦のように周りを巻き込み、関わりながら成長してもらいたい」という事業所の思いを伝えている。また、事業所が大切にしていることとして、①利用者の成長につながる仕事の提供、②ビジネス検定制度や外部講師による研修の提供、③交通費と工賃の保障の3点を中心に説明している。工賃については具体的な仕組みや金額も示し、利用者の自立をサポートする事業所としての姿勢を伝えている。

体験利用時に利用者の不安と要望を確認し、安心して利用できる体制を持っている

利用希望者には、基本3日間の体験利用をお願いしている。体験利用は実習形式で、実際の作業や活動へ参加する中で、それぞれの興味や得意を確認している。初日は、朝のミーティングで既存利用者や職員の前に立って自己紹介を行っている。作業中は担当の職員が見守り、適度に「○○さん」と優しく声を掛けながら様子をうかがっている。体験利用中は、「業務日報」に体験利用者が書いた振り返りに対して担当職員がコメントを返している。最終日には体験を振り返り、正式利用への不安と要望を確認して開始後の関わりに活かしている。

利用開始や終了にともなう不安やストレスに対応したサポートを提供している

利用者の基本情報は、「フェイスシート」にまとめている。お薬手帳など個人情報の写しは、利用者から取得している。利用開始後は利用者の不安やストレスの把握につとめ、声掛けや個別面談等を通じてサポートしている。就労による利用終了の際は、就労先と連携しながら利用者が安心して定着できるように支援している。利用者が他事業所の利用を検討する際には、その見学や体験の様子を確認しながらサポートしている。利用が終了しても、利用者の様々な悩みや不安を相談できる場所として機能している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者が自分の強みと弱みを知り、目標を設定できるアセスメントを実施している

「個別支援計画」の作成に合わせて、6か月ごとに「アセスメント表」を作成して行っている。初回のみサービス管理責任者が作成し、2回目以降は利用者自身が作成している。アセスメント表は、生活リズム等の「基礎的日常生活」、「対人関係」。体力や作業の習熟といった「作業力」、「作業態度」、服薬管理。生活スキルを確認する「その他」の領域に分かれ、細かなチェック項目が設定されている。チェック項目ごとに「基準表」に基づいた4段階評価を行い、利用者が自分の強みと弱みを把握し、利用における目標を決める事ができている。

利用者が将来の目標実現に向けて取り組める「個別支援計画」を作成している

サービス管理責任者は、6か月ごとに「個別支援計画」を作成している。サービス管理責任者は利用者と面談を行っている。面談では、利用者の将来の希望を確認し、その実現に向けて達成すべき課題を目標として明らかにしている。目標達成に必要な支援の具体的内容は職員会議で検討を行い、計画案としてまとめている。利用者に計画案の説明し、同意を得た上で策定している。計画の期間中に利用者の入院等で計画を変更する際には新たに作成する等、計画の見直しを行っている。

利用者の支援に必要な情報共有と職員間の迅速な連携を図っている

利用者は毎回、「業務日報」を作成し、一日を作業を振り返っている。職員は、利用者に行った対応や支援の内容、利用者の様子等を、PCクラウド上のシステムに記録している。職員は業務として、出勤時に前日の記録を確認している。「個別支援計画」は作成時にすべての常勤職員が関わり、計画の内容を共有している。定期のミーティング以外にも、小規模事業所である特性を活かし、情報共有をはかっている。すべての利用者をすべての職員が見守る環境の中で、職員は利用者の変化等の情報を丁寧に共有している。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
すべての職員が「個別支援計画」に基づいて、利用者一人ひとりの支援に取り組んでいる

「個別支援計画」は、すべての職員による会議で検討を行い作成している。計画に基づくモニタリングは初回のみサービス管理責任者が行っているが、2回目以降は利用者ごとの担当職員が行っている。毎日の支援が計画に沿っているか、毎日のミーティングや毎月の会議で確認している。昨年度は、心理職とジョブコーチも新たに加わり、利用者が計画に掲げた目標達成へのサポートに取り組んでいる。その結果として、3名の利用者が一般企業への就労を果たしている。

利用者は事業所でのつながりを通してコミュニケーションの幅を拡げている

利用者が目指す一般企業への就労や社会参加への支援として、人とつながる様々なプログラムを提供している。社会生活技能訓練(SST)では会話力を身につける等、一人ひとりのコミュニケーションスキルの向上をはかりながら利用者間のチームワーク構築を目指している。集団に交じって活動する事が難しい利用者には、周囲を気にせず作業に集中し、それでいながら他の利用者と一緒に活動へ参加できる工夫を行っている。様々な特性を持った利用者同士がつながる事で、互いにコミュニケーションの幅を拡げる機会になっている。

作業前に行う「1分間スピーチ」は、利用者同士のつながりと成長につながっている

作業前のミーティングで、利用者がみんなの前に出て思い思いの話をする「1分間スピーチ」の時間をつくっている。話をする利用者には、自分が体験して考えた事や日頃思っている事を時間内にまとめ、自分の体験を言語化する経験となっている。その話を聞いている利用者には、他者の考えや思いを知る事でその人を理解する機会になっている。この時間を作業前に行う事で、事業所を利用する仲間としてつながり、連携できる関係づくりになっている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者は自分の気持ちや意志を示し、参加する作業を決めている

作業前のミーティングでは、利用者がみんなの前に出て思い思いの話をする「1分間スピーチ」を行っている。限られた時間の中で、自分が興味を持っている事、面白いと思った事、悲しいと思った事等、みんなに対して自分の意志を伝える経験になっている。毎日の作業は、開始前に職員が提示する割り振りの案に対し、自分の意向で別の作業に代えてもらう等、利用者が参加する作業を決めている。作業終了後には、利用者が自主的にパソコン操作を練習する等、作業スキルの向上や新たな習得に取り組む時間を提供している。

利用者一人ひとりが意志をもって集団活動に参加可能な支援に取り組んでいる

作業ごとのマニュアルづくりや見直しは、利用者の意見を聞きながら行っている。事業所での過ごし方は、社会生活で一般的に求められる事以外は特に決めず、利用者の判断に任せている。利用者間に問題が生じた場合には、話し合う中で解決できるようにしている。話し合う中で、自分の考えを相手に伝える事が難しかったり、相手の言葉がうまく理解できない場合には、職員が間に入ってサポートしている。

利用者と工夫しながら活動しやすい環境づくりに取り組んでいる

利用者が活動するスペースは観葉植物を配置したり室内の装飾を工夫する等、利用者の意見を聞きながら閉塞感の払しょくにつとめている。空気清浄機や加湿器を使いフロア内の快適性向上につとめ、利用者が過ごしやすい環境づくりに取り組んでいる。活動スペース中央には作業グループの仕切りも兼ねた背の低いラックを置き、利用者が休憩時間等に読む事ができる漫画や雑誌などを置いている。利用者が当番制で昼食時間のテーブル清拭や活動後の片付けを行う等、利用者自身が活動スペースの清掃や整理整頓に関わっている。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者の健康状態を把握しながら状況に応じてアドバイス等を行っている

利用契約時には、既往症や服薬の状況、主治医等を確認し、急変時に備えている。利用開始後に行うアセスメントでは、生活リズムや基本的な健康状態、服薬状況や体調管理のやり方など利用者に確認を行い、健康面における自己管理をうながしている。様々な理由で事業所に通所できない利用者には、電話や家庭訪問等で生活や健康の状態を確認している。健康に関する専門的な相談には対応はしていないが、起床就寝や食事等、生活リズムに対しては利用者の状況・状態を見てアドバイスを行っている。

利用者の心理面及び精神的な状態を把握し、安心できる通所環境を作っている

様々な状況や理由で通所できない利用者には、電話や家庭訪問等による在宅支援を行っている。在宅支援では、生活リズムや食生活、服薬や通院の状況について確認している。利用者の心の健康に関することがらには、非常勤の心理職も関わり、対応している。その際、利用者が利用できる近隣の相談窓口の紹介をすることもある。利用者への対応に緊急性がある場合には、保健所等の関係機関と連携する等、利用者の安心・安全につとめている。

利用者が自身の健康管理に対する課題を明らかにする支援に取り組んでいる

事業所は、日常的な健康管理(生活リズム、栄養、衛生、服薬、体調等)を、利用者の自立に向けた目標の一つに考えている。「個別支援計画」作成に向けたアセスメントの取り組みとして、利用者が自身の生活リズム、健康や服薬の管理等の状態を把握し、自ら考える機会を作ろうとしている。利用者が、健康管理の自立に必要な自身の課題を明らかにして、その達成に向けて取り組む事ができている。また、利用者の服薬管理は実施していない。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者自身の自立・自律のため、家族と向き合う支援の検討が期待される

家族との関わりは、基本的に、利用者に同意を得て行っている。利用者の同意が得られない場合には、家族からの問い合わせに対する返答や、事業所から家族への連絡等は、緊急時を除いて行っていない。その中で、利用者への支援に家族の関わりが必要と事業所が判断しても、同意が得られず対応できない場面が生じることがある。事業所が直接家族と関わらずに利用者自身が家族と向き合える関係づくりをサポートする等、利用者の家族関係における自立に向けた支援も今後期待される。

利用者の状況に応じて家族にも支援者として協力を要請する場合がある

利用者同意の上で家族と関わる場合には、利用者の立場に寄り添って対応している。事業所が関わる中で利用者と家族の意見が相違した場合には、ご本人の意見に基づいて対応している。利用者の健康や生命の安全を確保するために家族の協力が必要になった場合には、心理職が保健所等の関係機関と連携体制をつくる中で、家族にも支援者の一人として参加を要請している。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者が事業所での活動を通して地域とのつながりを実感できる取り組みが期待される

利用者は、業務として関連法人の事業で使用するパラスポーツ用車いすのメンテナンスを行っている。同様に、パラスポーツを紹介する冊子の校正や発送業務も行っている。その縁で、パラスポーツのイベントや選手としての活動に利用者が参加する等、関連法人が関わる事業を通して社会とつながる機会を生んでいる。今後は、日常的に地域と関わる機会をつくる等、利用者が事業所での活動を通して地域とのつながりをより実感できる取り組みが期待される。

利用者が地域で生活するために必要な情報提供とサポートを行っている

就労に関する地域のイベントやセミナー等の情報を提供している。ワクチン接種を申し込む窓口や予約の方法等、新型感染症対策に関する情報も伝えている。その他、日常的な健康管理で利用できる社会資源や制度の紹介も、利用者の要望や状況を踏まえて行っている。今後はさらに、利用者のストレスを軽減するためケアや余暇活動の広がりにつながる地域の情報も提供したいと考えている。

12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
  • 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
  • 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
  • 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
  • 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
  • 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
利用者が自分の意志で参加する作業を決めて取り組めるようにしている

事業所は、冊子等の発送、音声の文字起こし、ラベルや名刺の作成、画像や動画編集、磁気テープから動画データへの変換、パラスポーツ用車いすのメンテナンス等、多岐にわたる作業を利用者に提供している。作業ごとに手順を細分化し、利用者の特性や得意によって選択したり挑戦する事ができるように工夫している。作業への参加は、職員が提示する振り分け案を参考に利用者が自分の意志で決めている。作業ごとの手順や要点をまとめたマニュアルは、利用者の意見や要望を聞きながら使いやすい内容に見直している。

関連法人を受注先に持つ事で、利用者への安定した作業提供と工賃支給を実現している

関連法人から継続的に業務を受注している事で、利用者への安定した作業提供と工賃支給を実現している。工賃は月払いで、作業内容に関わらず一定の時給を保障している。一人ひとりの工賃額のアップに向けて、利用者出勤率の向上を課題と感じている。そのためには、安定した通所を支える生活面のサポートとともに、利用者に対して魅力ある事業所づくりが必要と考えている。今後は、現状の工賃の仕組みや工賃額のアップに対する利用者一人ひとりの意向を確認しながら対応する事も期待される。

【講評】
規定やガイドラインを作成する等、個人情報保護の徹底に向けた取り組みが望まれる

利用契約時に、個人情報の取り扱いについて説明している。使用する際には利用者の同意を得ている。ホームページ等で、個人が特定できる写真の掲載や表記は、同意の有無に関わらず公開しない事を原則としている。スマートフォン等による事業所内での写真や動画の撮影も、原則禁止している。今後は、明確な個人情報保護の規定やガイドラインを作成し、職員間で共有する等、個人情報保護の更なる取り組みが望まれる。

利用者の意志決定を尊重して作業への参加意欲の向上に取り組んでいる

作業の割り振りは毎回、開始前のミーティングで職員が利用者に案を提示している。職員は、利用者のその時々の意向を確認するとともに、作業を変更する事もある。利用者が自分のペースで休憩をとる等、利用者が自己管理しながら作業へ参加する事ができている。また、作業時の利用者に対する職員の関わり方には、利用者から「気を遣ってもらっている」などの意見が上がっている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
支援業務の基本的な考えや要点を定期的に見直す取り組みが期待される

支援業務の基本的な考え方と要点は、事業所設立時に施設長が作成した「スタッフ運営マニュアル」にまとめている。マニュアルには、障害者福祉制度の歴史的な概要、B型事業所の役割りと設置基準、業務のフロー、障害の種類による対応時の要点、日常業務の流れと内容等、障害者支援の多岐にわたる知識と情報が記載されている。今後はさらに支援の現状を踏まえてマニュアルの見直しを定期的に職員全体ではかる等、利用者に対する支援業務の標準化につとめる取り組みが期待される。

職員のチームワークを活かし、事業所の業務水準向上に取り組む事ができている

こまめな会議やミーティングでは、職員が対等に意見を出し合い、互いを尊重しながら話し合う機会になっている。その中で、業務や支援に対する考え方を検討して共有するとともに、必要に応じて連携できる職員体制を作っている。そのチームワークを活かし、利用者の状況や変化へ迅速に対応する事ができている。さらに職員集団は、事業所の課題を年度ごとに「事業計画」の中で明らかにて取り組み、業務水準の把握と向上につとめる事ができている。

利用者が働きやすい環境を作るために、要点をまとめたマニュアルを作っている

利用者が参加する作業ごとに、マニュアルを用意している。マニュアルは、作業手順や要点をわかりやすく伝えるために、画像等を使っている。実際に使用する利用者の意見も確認しながら、必要に応じて改訂している。事業所や支援に対する意見や要望はミーティングや個別面談のほか、利用者が作業後に提出する「業務日報」の中でも確認している。その中で、自分の意見を伝えづらいという利用者の意見が見られた。日常的に関わる中で、意見表明が難しい利用者の事業所や支援に対する意見や要望についても把握が期待される。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価機関名】

株式会社 地域計画連合

【評価実施期間】

2021年5月1日~2021年12月13日

【評価者修了者No】

H0401003,H1202041,H0201025

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