評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
・オペレーションを確立し、業界の先駆者になる
・人間らしく生きる人生を歩んでいただくために諦めない介護の実践
・先端技術と科学的方法を用いたオペレーション
・革新的チャレンジによる安定経営基盤
・創造性とチームワークの構築
職員に求めている人材像や役割
理念に共感し、向上心を持ちながら率先して行動し成長し続ける人材。
また、チームや組織として学習しながら一つ一つのビジョンに向かうことができ、全体最適で物事をとらえることができる職員。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
人間らしく生きる人生を歩んでいただくために、諦めず常に質の高いサービス提供を追求し続けること。
全体の評価講評
特によいと思う点
「サービス品質向上ワーキンググループ」「レクリエーションワーキンググループ」など全部で6つのワーキンググループがあり、全職員が必ずいずれかのグループに所属することとなっている。ワーキンググループで検討して提案されたことは、リーダー職員、専門職、管理者で検討してサービスに反映する仕組みとなっており、職員のモチベーションにもつながると思われる。
利用者の食事意欲向上のために楽しめる食事の提供に努めている。行事食のほかにもイベント食として、毎月テーマを決め、全国の郷土料理のイベントを行っており、利用者の出身地や昔に旅行した場所などが思い出されるような取り組みとなっている。また、誕生日食としては、誕生日の利用者のリクエストしたメニューの提供をしている。毎月2回、旬の食材をテーマにして、その季節に合わせた魚やフルーツなどの提供も行っている。管理栄養士を中心に調理レクリエーションの活動もあり、食事に関するイベントを豊富に開催するように努めている。
リスクを見据えた法人のビジョンが策定され、「先端技術と科学的方法を用いたオペレーション」など時代を先取りしている。経営方針にはリスクマネジメント対策を盛り込み、災害発生や感染症の拡大等の状況下でも、サービスが提供できるよう各種の対策や訓練を継続的に行うことを明記している。防災訓練は地震・火災・風水害・夜間などを想定し年間スケジュールに沿って実施している。新型コロナ対策にも力を入れ、家族の面会は制限し職員はマスクの着用や消毒及び毎日の検温を徹底している。
さらなる改善が望まれる点
職員はワーキンググループに参加するなど、自らサービスについて考える機会を持っている。また、専門職を含め職員間のコミュニケーションが取れており、相談したり分からないことを聞ける環境もあると思われる。しかしながら、経営層は職員によってスキルの差が見られる部分もあると考えている。今後も引き続き業務の標準化に向けて、取り組むことが期待される。
調剤薬局から定期的に搬入された薬を看護師が確認しながら配薬箱に分けて保管をしている。配薬箱をユニットに運ぶ際にも別の看護師が確認をしてダブルチェックを行っている。配薬前には介護職員も薬の確認を行い、配薬時には利用者が飲み込むまでの確認も行っている。この服薬に関する流れは服薬マニュアルにも記載し、職員間での共有を図っている。ただし、今年度においては落薬事故の回数が多く、その都度、事故報告書やカンファレンスなどでの検討を行っているが減少していないのが現状である。再度、事故減少に繋がる方法の検討が望まれる。
評価基準をベースにしたキャリアパス制度を設けており、職員の自発的な能力開発を促している。自発的に学習して成長できる能力開発システムを構築しており、チーム制の勉強会プログラムによって互いに高め合えるようにしている。また、資格取得を支援し、可能なかぎり外部の研修受講を促したり、内部研修では一つのテーマを複数回(4~5回)開催して全職員が受講できるようにし、研修後にはレポートを提出し成果を確認できるようにしている。ただし、今回行った職員自己評価では、キャリアパスのさらなる周知や理解が必要とされる結果であった。
事業者が特に力を入れている取り組み
入居時面談をはじめ、個別面談を定期的または必要に応じて開催しており、ケアプラン作成(見直し時)の意見や希望の確認など、意向や要望を把握する仕組みが整っている。利用者や家族の意向はユニットで話し合い対応している。意見箱の投書についても個別の事案は家族へ回答し、全体に関わる内容の回答はフロアへの掲示を行っている。家族の要望や意見は相談員が対応し、できることは希望に沿った解決を図っている。利用者の意思を尊重して希望に沿ったケアを実施している。
介護記録システムは全職員が記録し、情報を共有するツールであり、タイムリーに利用者の状況が分かるものなっている。各種委員会には施設長、副施設長、フロアリーダー、ユニットリーダー、全専門職が参加して提供するサービスについて検討し、共通認識を持って取り組めるようにしている。また、介護職員全員がワーキンググループに参加しており、ワーキンググループで出された提案等については、リーダー職員、専門職、管理者で検討するなど、施設全体でサービス向上に取り組む体制がある。
入浴順番は、できる限り利用者や家族の意向を把握して決定するように取り組んでいるが、感染症のある利用者は最後だったり、認知症の利用者の入浴しやすい時間なども考慮しての決定となっている。また、各入浴形態はカーテンで仕切りをしているので、ほぼ個室状態となっている。そのため、マンツーマン対応によっての入浴支援となっており、誘導はインカムを活用して待ち時間がでないように対応している。個室でも肌をできるだけ露出しないように身体をバスタオルで覆ったり、出入口にパーテーションを置くなどして利用者の羞恥心にも配慮をしている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:事業者と協議の上、160名の利用者のうち、心身状況が聞き取り調査に耐え得る利用者3名を選定して調査対象とした。実際の有効回答数の男女構成は、女性3名であり、80歳代1名、90歳以上2名であった。
- 調査方法:聞き取り方式
事業者との協議により、聞き取り方式を採用した。調査は、施設内の居室や共用スペースを使用して、評価者が利用者とマンツーマン方式で聞き取りを行った。利用者が安心して答えられるように十分な距離間隔を置いて実施した。 - 有効回答者数/利用者総数:3/160(回答率 1.9% )
総合的な満足度に関する調査の結果は、対象者全員が「はい」と回答し、大変高い満足度が得られている。
項目別で見ると、<サービスの提供>に関する4設問中2設問において、大変高い満足度であった。特に「介助が必要な時の職員の対応」、「施設内での過ごし方」では全員が「はい」と回答する大変高い満足度が得られている。
<安心・快適性>に関する4設問中3設問において、大変高い満足度であった。特に、「施設内の清潔な環境」、「職員の接遇・態度」、「いさかいやいじめ等の対応」では全員が「はい」と回答する大変高い満足度が得られている。
<利用者個人の尊重>に関する4設問中2設問において、大変高い満足度であった。特に「利用者の気持ちの尊重」、「プライバシー保護」は全員が「はい」と回答する大変高い満足度が得られている。
<不満や要望への対応>において、「不満や要望への対応」は全員が「はい」と回答する大変高い満足度であった。
アンケート結果
1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか
「はい」が66.7%、「いいえ」が33.3%であった。自由意見では、「なるべく残さないようにいただいております」、「全部美味しくて食べています」、「好き嫌いが多いから殆ど食べない」という声が聞かれた。
2.日常生活で必要な介助を受けているか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「皆様親切です」、「皆様いい人です」という声が聞かれた。
3.施設の生活はくつろげるか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「折り紙でマリを作って皆さんにあげてます」、「テレビばっかり見てます」、「編物をやってます」という声が聞かれた。
4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか
「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が33.3%であった。自由意見では、「皆様親切です」、「いつも元気か?って聞いてくれます」、「元気だからあまり聞かれない」という声が聞かれた。
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「本当に綺麗にしていただいてます」という声が聞かれた。
6.職員の接遇・態度は適切か
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「皆様親切でよくやってくれてます」、「私の方が失礼な時があるぐらいです」という声が聞かれた。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が33.3%であった。自由意見では、「本当に感謝してます」、「いつも元気だから大丈夫!」という声が聞かれた。
8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「特にないと思います」、「わからないけど、そういう時はやってくれると思う」という声が聞かれた。
9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「とてもよく対応してくれます」、「疑ったらバチが当たる」という声が聞かれた。
10.利用者のプライバシーは守られているか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「守ってくれていると思います」という声が聞かれた。
11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
全員が「無回答・非該当」であった。自由意見では、「家族が手配してくれた」、「忘れた」という声が聞かれた。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
全員が「無回答・非該当」であった。自由意見では、「忘れた」という声が聞かれた。
13.利用者の不満や要望は対応されているか
全員が「はい」と回答しており、大変高い満足度であった。自由意見では、「何でもすぐ来てくれる」、「言う前にやってくれる」という声が聞かれた。
14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
全員が「無回答・非該当」であった。自由意見では、「ホントにすぐ忘れてしまう」という声が聞かれた。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
利用者情報については、介護記録システムによってタイムリーに共有し、各専門職もラウンドして各方面から利用者の意向の確認を行っている。さらに個別面談や意見箱を設置して把握に努めている。職員の意見は、面談各種委員会で意見を聞き把握したり、地域の福祉ニーズについては関係機関からの情報提供や地域行事などを通じて収集したりしている。福祉事業全体の動向はホームページや区の施設長会など各種の会議・会合に出席し、把握した各種情報により施設として取り組むべき課題を抽出して事業計画に反映させることにしている。
事業所が目指していることの実現に向けた中・長期及び単年度計画を策定している
理念ビジョンを踏まえ、事業計画を策定して、その実施は、各ワーキンググループが主体となり実現に向けて取り組んでいる。年度計画は各部門や委員会で検討され、法人全体で総括している。「ニーズを尊重した支援」、「施設での生活の充実」、「食環境の充実」、「認知症ケアの確立」、「感染症対策・予防の徹底」、「利用者の安全確保」などを軸とし、それぞれのテーマに沿った基本指針や具体的目標・取り組み事項を明記して達成を目指している。また、計画の実行にあたっては、各部門で担当分担により遂行されている。
計画推進にあたっては進捗状況を確認し、必要に応じて見直しながら取り組んでいる
事業計画に関しては全体会議をはじめ、現場においてはユニットやフロア会議で実際の取り組みを話し合っている。また、事業所では各種の委員会及び下部委員会を設置しており、常勤職員は何らかの委員会に所属し活動を行っている。これらの委員会活動も事業計画の推進をバックアップするものとなっている。なお、事業計画における重点方針は年度途中に振り返り、取り組みの成果や課題を明確にして後半に繋げることを期待したい。稼動KPIの設定をはじめ、各種委員会に年間目標を設定して、委員会やリーダー会議を毎月開催して進捗状況を確認している。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
守るべき法・規範・倫理などの周知を図り、理解が深まるように取り組んでいる
福祉サービスに従事する者としての「守るべき法・規範・倫理」などをベースにした「権利擁護」、「ガイドライン」を設けて明示している。入職時は、研修を行っている。また、OJTではマンツーマンでユニットリーダーが主に指導したり、管理職のラウンドによって継続指導したりしている。倫理規定、就業規則、法令遵守マニュアルを閲覧できるようにしたり、朝の申し送りや支援会議などの場を通じて、振りかえる機会も設けたりしている。今回行った利用者調査は少ない母数であったが、尊厳の尊重に関する各設問は高い満足度が聞かれていた。
利用者の意向に対しては、組織的に速やかに対応する仕組みが整っている
苦情解決制度については、契約時の説明や個人情報基本方針への明記に加え、事業所内の掲示板でも周知している。意向や要望の内容は日々の関わりの中や面談時に把握し、介護指針を策定し、個別のケアの手順書、注意書を策定しており統一した対応に努めている。ユニットやフロアミーティングで、ユニットリーダーが中心となり指導にあっている。また、各専門職もラウンドしながら確認指導を行い、不適切ケアの防止に努めている。介護ロボットを導入して、利用者の安全確保と職員の負担軽減もしながら介護が行える体制作りに取り組んでいる。
事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
事業所(法人)の活動はホームページや広報誌などで開示し、さらに事業計画書はじめ各種関係書類についてもホームページに公開するなど透明性を高め、開かれた組織となるよう取り組んでいる。生活相談員をボランティアコーディネーターとして配置し、例年であれば実習生や学生など各種団体の受入、地域との関係づくりにも取り組んでいる。町会イベントへ参加したりサンタフェ畑を開放したりして、福祉施設としての機能・専門性を活かしつつ地域の一員としての役割を果たすための取り組みを行っている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
利用者の安全確保の更なる取り組みを期待したい
利用者の安全確保・向上のために保健所・協力病院・消防などの機関と連携を図ると共に、事故防止対策・感染症対策など具体的施策を実行している。また、気づき・ヒヤリハット・事故報告はパソコンLANシステムを使って提出され、時差なく経営層や各職員に報告される仕組みが定着している。ただし、事故の発生状況からは予防への取り組みについてはさらなる検証が必要とされる。特に、月次ベースでの集計・分析・発表や、危険因子の除去、「ヒヤリハット」の段階でミ-ティングなどを開催し事故予防を図る仕組みを充実することが期待される。
管理基準に沿った情報の保護・共有化が図られている
管理基準に従い特定情報の処理・保管についてはアクセス権限を設定し、保護・共有に取り組んでいる。重要な情報については文書取扱規則に基づいて整理・保管され、必要な人が必要な時に活用できる仕組みが整っている。利用者情報や管理業務などの特定情報の処理・保管についてもアクセス権限を設定し、保護・共有に取り組んでいる。個人情報の保護については、個人情報保護方針及び個人情報の利用目的を定めている。また契約書には、情報開示の対応について明示している。これらの内容はホームページにも掲載され、周知を促している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
各種規定や諸規則によって人事制度を明示している
職員の採用、配置、移動などの人員体制については法人本部が主管している。法人(善光会)の職員としての各種規程や諸規則によって、職員一人ひとりの責任範囲を明確にしている。また、それらの規程に則って「目標管理」を実施しており、年1回の事業所内上長との面接を通じて、職員一人ひとりの希望を把握し、適材適所な人員配置になるようにしている。常勤職員の平均年齢は34歳、平均在職年数は4年になっており、昨年度は17.5%の退職率に留まっている。さらに職員の定着率を向上させるためにも人事制度を向上させることを検討されたい。
就業状況を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
人事考課を実施し自己評価の後、リーダー評価にて等級を確定し処遇と連動させ意欲の向上に繋げている。職員の健康管理にも取り組み年2回の健康診断やインフルエンザの予防接種などを補助している。安全衛生委員会がメンタルヘルス対策として、ストレスマネジメント研修やストレスチェックを行っており、希望があれば産業医に相談できる体制がある。法人の行動指針である「CREDO(クレド)」に沿った働き方をした上位の職員を表彰しており、副賞として海外研修もある。そのほか福利厚生に取り組み、職員の働きがいの向上に努めている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
・利用者の意思や想いを実践できるように、最後まで諦めずやり続けるサービス「諦めない介護」を利用者・家族・職員が一体となって目指すことに取り組んでいる。また、自立支援の実現に向けて、アセスメント、ケア方法を統一して具体的なオペレーションを構築することを目指している。それらを実践するために、以下の2項目を重点施策として掲げた。
①サービス品質向上の実現のために自立支援に向けた取り組みを充実させる。
②各職員に役割を与え、また提案、議論、実践していく場をつくり、ケアの質の向上とともに職員の育成に努める。
・具体的には、サービス品質向上委員会を中心に、自立支援に向けた評価シート(ISMシート)を改良して、利用者の個性を考慮したケアサービスが提供できるように評価の質の向上を行った。また、全フロアに評価シートを導入して多職種と連携して活用を行っている。さらに、各ワーキンググループや委員会に全職員が参加し、それぞれ年度の目標を定め実行に取り組んでいる。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
・自立支援に向けた評価シート(ISMシート)を改良して、全フロアに導入をして運営している。また、各ケアの手順書に注意点も明記しており職員も共通の理解のもとケアサービスの提供ができるようにしている。
・介護記録システム(SCOP)の運用も定着し、多職種の情報共有がスムーズに行えている。日々の情報共有をもとに、ユニットミーティングを開催したり、評価シートを毎月見直したりして、ケアプランに反映させている。
・各ワーキンググループや委員会を現場リーダーが中心となって運営しており、目標設定やスケジュール化を図るとともに、一般職員にも役割を与えることでモチベーションにも繋がり、個々のスキルアップや組織への成長につなげている。
・よって
①ISMシートの活用は定着しているが、質の向上のため、アセスメント力を高めていけるように職員の育成に注力していく。
②各職員の課題抽出、改善、実行に向けて育成計画を立てていき、個々のキャリアアップ、組織の向上に繋げていく。
などを継続することとしている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
・「サービス品質の向上」と「現場職員の業務負担の軽減」を両立した業務改善を、介護ロボット、AI等の先進的テクノロジーを活用して取り組んでいる。最先端技術を導入することによって、介護職員の負担軽減・オペレーションの効率化や現場レベルでの実用化のさらなる推進を目指しており、
①ハイブリット特養プロジェクトとしてモデルフロア・ユニットを構築し、最先端技術の本格導入に向けた現場レベルでの運用を目指す。
②機器導入や実証対応フロアを広げ、施設全体での実用化を目指していく。
ことに取り組んでいる。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
・最先端技術の本格導入に向けた現場レベルでの運用に取り組んでおり、実証事業にも多く携わりながら、介護ロボットの導入フロアやユニットを広げている。また、各種の機器を施設全体に導入して現場での実用化に取り組んだり、育成にも力を入れたりしている。特にスマート介護士の資格取得は、51%となり年度の目標を達成している。
・将来の介護施設像の構築を進めるために、モデルフロアでの運用の中で課題や問題点を改善しつつ、業務効率化・サービス品質向上のために今後も施設全体での実用化を目指していくことにしている。
サービス分析結果
【講評】
ホームページ、パンフレットなど複数の媒体で情報提供している
法人のホームぺージの他、副ナビや施設紹介のサイトなどでも情報を公開している。また、パンフレット、SNSなども活用して、広く情報を提供している。法人では独自のアプリも配信しており、施設の内部の様子を写真で紹介するとともに、介護マニュアルなども掲載している。パンフレットは大き目の文字で写真を使い、見やすいものとなっているが、施設ではさらに見やすくするため、レイアウト、内容共に新しいものを考えている。海外の見学者も多く訪れる当施設では、英語版や中国語版のパンフレットも用意している。
見学等については、希望に合わせて対応している
利用希望者等の見学については、相談員が対応している。相談員は3名おり、土日祝日の希望にも応じることができる体制がある。今年度はコロナ禍により、基本的にフロアを案内することができないが、まず写真などを使用して全体の説明をし、居住スペースについてはWEBで案内をするなどの工夫をしている。問い合わせや見学については相談員日誌で記録している。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
重要事項などについては、相談員がかみ砕いて説明している
入所希望者に対する問い合わせや見学対応から受け入れまで、一貫して相談員が対応しており、契約時には本人及び家族等に対して重要事項説明書に基づき説明をしている。説明にあたっては説明する対象の年齢に合わせてかみ砕いて話すように心がけて、同意を得るようにしている。料金等については利用希望者にとっても一番気になる部分であることから、入所前の面談で料金表に基づき、個別におおよその料金を具体的に示して丁寧に説明するようにしている。
入所前には生活相談員等が訪問調査、面談を行っている
入所前には生活相談員あるいは介護支援専門員が訪問調査、入所前面談を行って訪問調査票を作成している。訪問調査票には現在の状況や既往症、生活暦など今後施設で支援するにあたり、必要な事項を網羅している。入所前、病院や他のサービスを利用していた場合は、入院先や利用先からも情報をもらい、継続的に支援に入ることができるようにしている。
入所当日に利用者の気持ちを聞き取り、不安軽減に努めている
入所直後は利用者も家族も不安を抱えていることが想像できるが、入所当日には利用者から聞き取りをしてニーズの把握や不安な気持ちを受け止めるようにしている。また、入所前から一貫して生活相談員が関わっていることで安心感を持ってもらえるものと思われる。利用者に関する情報はユニット職員及び専門職で共有し、必要に応じてミーティングにて検討し利用者の新しい生活を支援している。退所する場合は生活相談員が今後について相談に乗るとともに、次に利用する事業所等に情報を提供し連携を図って生活の継続を支援している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
アセスメントは毎月更新している
入所前に生活相談員が利用者や家族を訪問して面談し、状況を把握している。施設では介護記録システムを導入しており、タブレットを使用してタイムリーに記録したり情報を確認することができる。アセスメントシートについてもパソコン内にあり、利用者の現況の把握に努め、毎月更新している。介護職員及び専門職が日々介護記録システムに記録しており、毎月のユニットミーティング、多職種で開催するカンファレンスで利用者個々のニーズや課題を検討している。
アセスメントにより利用者や家族の意向を把握したうえで計画を作成している
入所前のアセスメントにより、生活暦やADL、利用者、家族の意向などを確認しており、これらの情報をもとに、介護支援専門員が施設サービス計画を作成している。入所後1か月ほど多職種が連携し利用者の状況を見て介護記録システムに記録するとともに、カンファレンスを開催して当初のアセスメントとの相違点を確認し、施設サービス計画を見直している。その後は6か月に1回見直しをしているが、介護記録システムで情報を集約できるので、状況に変化があれば随時見直しをしている。モニタリングは介護支援専門員が3か月に1度行っている。
介護記録システムに記録することで、全職種で情報を共有している
介護記録システムに全て記録しており、介護職員、専門職など全職員がタイムリーに情報を共有することができるようにしている。フロアにはタブレットを置いており、その場ですぐに入力できる。アセスメントシートも全て電子化されており、毎月更新している。申し送り事項を含め、全てパソコン内の情報で共有でき、職員は出勤時に確認している。加えて、全体朝礼、ユニットミーティングで情報共有、確認を行っている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
- 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
- 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
介護記録システムにより、施設サービス計画に沿った支援ができている
介護記録システムにより施設サービス計画が確認できるため、日常的に計画を意識した支援とそれに伴う記録が可能となっている。ユニットのタブレットから入力が可能であり、タイムリーに記録し、また、情報の共有ができており、施設サービス計画に沿った支援が実施されているか確認ができる。入所前のアセスメントにより利用者の生活暦や趣味などを把握し、施設でも継続できないか検討している。ずっと購読していた新聞を読んだり、編み物や花の水やりなど、これまでしていたことが継続出来るよう環境を整えるようにしている。
介護記録システム、ケアカンファレンスなどで情報を共有し全職種が連携している
介護記録システムは全職員が記録し、情報を共有するツールであり、タイムリーに利用者の状況が分かるものなっている。また、ケアカンファレンスは施設長、副施設長、全専門職、介護職員が参加して行っており、利用者の課題などについて全職種で意見交換し、連携して利用者の支援にあたっている。日々の支援の中でも、食事、医療、移動移乗など各場面で介護職員と専門職が話し合いながら、利用者にとって一番よい方法で支援できるように努めていることがうかがえる。
2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
- 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
- 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
一部でのユニット炊飯を実施しており、今後は全ユニットでの提供予定となっている
施設での食事形態としては、副菜は、常食、刻み、極刻み、ソフト食、ミキサー食を用意しており、主食は、米飯、軟飯、お粥、粥ミキサーで、現在、2フロア内のユニットではユニット炊飯による提供を行い、今後は全ユニットでの提供をする予定となっている。また、パン食、パン粥の提供も行っており、こちらは厨房での対応となっている。利用者一人ひとりの食事形態は多職種間での検討と、月2回、訪問する歯科医師からのアドバイスをもとに決定して、利用者の心身状況の変化などがあれば、再度の検討をし、次の食事からの提供が行えるようにしている。
管理栄養士の計画書作成により、利用者の状態を把握して栄養管理に努めている
年1回の健康診断での採血や毎月の体重測定から、アルブミン値、BMI値を算出して、管理栄養士が利用者一人ひとりの栄養ケア計画を作成している。現在では、低リスク者が約40名、中リスク者が約100名、高リスク者が約20名となっており、モニタリングも低リスク者は3か月ごと、中リスク者は1か月、低リスク者は2週間と状態に応じて期間を決めて実施している。また、栄養摂取が難しくなった利用者に関しては、栄養補助食品のゼリーやドリンクも用意しており、場合によっては医師からの処方による栄養補助食品の提供も行っている。
歯科医師訪問時には多職種が立ち会い、利用者の経口摂取を継続できるように努めている
施設では月2回の歯科医師、歯科衛生士の訪問があり、利用者一人ひとりの経口内チェック、義歯の調整、嚥下機能のチェックなどを実施している。その際には、介護職員、看護師、管理栄養士、機能訓練指導員、ケアマネジャーなどが立ち会って、食事介助方法や自助具の選定、シーティング・ポジショニングなどのアドバイスを受けている。また、嚥下機能の低下がみられた利用者には歯科医師からのVE検査の実施提案があり、家族に確認を取ってから検査の実施を行い、多職種間で連携しながら利用者の経口摂取が継続できるように努めている。
3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
- 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
- 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
- テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
- 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
食事サービス向上委員会にて、利用者の嗜好を把握し反映させるように努めている
入居時のアセスメントなどによる食事に関する嗜好情報をもとに、管理栄養士での日々のラウンドにて利用者との会話や様子、食事の残り物などから、利用者の嗜好を把握し献立に反映するように努めている。また、毎月、食事サービス向上委員会を開催し、管理栄養士と介護職員にて利用者一人ひとりの嗜好に関する情報の共有を行っている。それらをもとに通常時での献立をはじめ、行事食、選択食、誕生日食、歳時記にちなんだイベント食などの献立にも反映させ、計画に沿って提供をしている。
利用者一人ひとりの生活リズムに合わせた食事が行えるように努めている
施設での食事提供時間は、朝食は7時30分から9時30分、昼食は11時30分から13時30分、夕食は18時から20時となっている。衛生管理上の問題からユニットに食事が到着してから2時間までの間であれば、利用者の生活リズムに合わせて自由な時間での食事提供を行っている。食事時間が遅めになってしまう利用者の食事に関してはユニットの冷蔵庫にて保管し、提供時には電子レンジで温め直している。食事時間に間に合わなかった場合でも、別メニューとはなるが軽食などの準備も可能となっており、主に通院などで間に合わなくなることが多い。
一人用のテーブルの組合せによって、その時に応じたテーブル配置を行っている
食堂のテーブルや席次は、利用者一人ひとりの心身状況や他の利用者との人間関係などを配慮して決定している。重度の利用者に関してはテーブルの高さを調整して適した食事が行えるようにしている。また、一人用のテーブルを多めに用意しているので、組合せによって必要に応じたレイアウトを行うことができるようになっている。人間関係によっての席次変更などの訴えがあった場合には、可能な限り調整を行うが難しい場合などには、利用者一人ひとりの食事時間が違うこともあるため、時間をずらすなどの対応を行う場合などもある。
4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
- 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
- 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
意向を踏まえつつ、安全面や利用者の心身状況に沿った入浴形態の決定をしている
入浴形態としては、一般個浴、バスリフト、リフト浴、ストレチャー式の機械浴が用意されている。利用者や家族の意向を踏まえたアセスメント、事前情報をもとに、機能訓練指導員のアドバイスなどを考慮し、安全面や利用者の心身状況に沿った入浴形態を決定している。入居後、1か月程様子をみてから、ユニット会議などで、利用者の現状にあった入浴支援が行えているかの検討を行っている。その際や利用者の心身状況の変化などで入浴形態を変更する場合などには、利用者や家族に説明し同意を得てから変更している。
認知症などで入浴拒否がみられる利用者一人ひとりの対応方法を共有化している
認知症の利用者などで入浴拒否があった場合には、その場で無理な入浴誘導は行わず、時間を置いてからの声掛けや入浴誘導を実施する介護職員の変更、入浴日の変更などの対応を行っている。また、それでも入浴が難しい場合には全身清拭などの代替支援も行っているが、入浴拒否を訴える利用者の入浴しやすい声掛けや誘導方法、時間帯などを介護職員で把握しており、代替支援に至ることは殆どない。その対応方法は介護記録をはじめとするアセスメントシートや施設サービス計画書、ISMシートなどの利用者一人ひとりの情報に記載され共有化を図っている。
利用者の入浴意欲を向上させるために楽しんで入浴ができる工夫に取り組んでいる
利用者の入浴意欲を向上させるために、楽しんで入浴ができるような工夫に取り組んでおり、季節の柚子湯や菖蒲湯などのイベント、機械浴以外での入浴剤使用、利用者の好みの音楽をかけるなどの対応を行っている。また、入浴がマンツーマン対応ということもあり、介護職員との会話も楽しみながら入浴が行えている。入浴後には、介護サポート職員が浴室の清掃を行い、脱衣室の清掃は外部専門業者が行っている。週1回の大掃除を実施し、その際には排水溝の掃除も行い、利用者が清潔で快適な入浴が行えるように努めている。
5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
- 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
- トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
利用者一人ひとりの排泄リズムに合わせた排泄支援を行っている
施設では座位が可能な利用者であれば、2人介助にてトイレでの排泄を行うように努めており、できる限り自然な排泄が行えるようにしている。事前情報やアセスメント、排泄チェック表を活用して利用者一人ひとりの排泄リズムに合わせたタイミングでのトイレ誘導やオムツ交換などを決めて排泄支援を行い、尿取りパッドの大きさなども利用者一人ひとりに合わせたものを使用している。また、排泄予測デバイスを導入中となっており、これによって更に詳細な排泄リズムが把握できるようになっている。現在では1ユニットで3名程の利用者が使用している。
オムツメーカーと連携して、定期的に排泄支援に関する研修を実施している
提携しているオムツメーカー2社と連携して、定期的に排泄に関する研修会を実施している。オムツのあて方や陰部洗浄などの技術的なことをはじめ、オムツやパッドの種類の説明なども実施している。また、オムツメーカーから新商品の提案や試供品、アドバイスなどもあり、その際には実際に使用して介護職員間で検討を行っている。利用者の排泄時でのプライバシー保護に関する研修も行い、排泄支援に反映させるように努めており、その内容は排泄マニュアルにも記載をし介護職員間で共有化を図っている。
午前と夜間時の定期的な清掃と都度での清掃により、トイレの清潔保持に努めている
共有スペースのトイレと居室トイレは、毎日、外部の清掃専門業者が午前中に行っており、清潔で快適なトイレの環境作りに努めている。そのほか、汚れがみられた際には、介護職員や介護サポート職員が都度での清掃を行い、夜勤介護職員は、毎日、夜間時にも定期的なトイレの清掃を行っている。また、現在ではポータブルトイレを使用する利用者はいないが、使用する場合には排便がある都度での清掃を行うことが決められている。施設内の空調からはウイルス除去剤、消臭剤が常に流れるような設備となっており、消臭に対する配慮も行っている。
6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
- ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
- 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
アセスメントにもとづいて機能訓練指導員を中心に検討し、移動方法を決定している
施設での移動方法は、アセスメントをもとに利用者や家族の意向を把握して、実際の利用者の心身状況の確認を行い、機能訓練指導員を中心に検討し、入居日に決定をしている。その後、1か月程の様子確認を行って、問題があるようならば再度の検討を行い、利用者一人ひとりに適した移動方法の決定を行っている。また、利用者の心身状況の変化や定期的なモニタリングにより、移動方法を変更する場合には、ケアカンファレンスにて多職種間で検討をし、本人や家族に説明をし確認をした上での移動方法の変更を行っている。
介護職員が個別機能訓練に立ち合い、適切な支援方法のアドバイスを受けている
利用者の移動、移乗、車イス操作などが安全に行えるように、機能訓練指導員が介護職員にアドバイスを行っている。その際には介護職員に個別機能訓練に立ち会ってもらい、利用者一人ひとりの移動・移乗・車イス操作などの介助時での注意や安全な介助方法などをアドバイスして支援に反映させるように努めている。また、車イスのシーティングやポジショニング、クッション位置などのアドバイスも行い、写真に撮って、利用者の居室ベッド脇に貼っている。それらの内容はISMシートに記載をして職員間で共有して支援が行えるように努めている。
福祉用具管理表を用いて、定期点検や清掃の実施に努めている
車イスや歩行器などの移動に関する福祉用具は、福祉用具管理表を用いて月1回での定期点検や清掃を行い、安心で安全に使用ができるように努めている。車イスや歩行器などの管理と定期点検は、機能訓練指導員が行い、タイヤの空気圧やブレーキの調整、車体の歪みのチェックなどをして福祉用具管理表に状態の記載を行っている。不備や不具合などがあった時には福祉用具業者に依頼をして修理や交換を行っている。また、清掃に関しては介護職員が実施をしている。
7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
- 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
- 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
- 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
個別機能訓練計画はアセスメントとモニタリングを実施して定期的な見直しを行っている
個別機能訓練計画書は、法人内で統一した書式を使用し、アセスメントや施設サービス計画書の主旨のもと、利用者や家族に分かりやすい具体的な目標を明示し、作成をしている。3か月毎にモニタリングを実施し、再アセスメントを行い、個別機能訓練計画の見直しをして、利用者や家族に説明をし同意を得ている。また、3か月毎でのモニタリング前に、利用者の心身状況などの変化がみられた場合には、都度での個別機能訓練計画の見直しをしている。その際にも利用者や家族への説明を行い同意を得るように取り組んでいる。
日々の生活や活動にリハビリの要素を取り込んで実施している
個別機能訓練は、日々の生活場面で活かせることができるような計画になっており、移動動作、移乗、つかまり立ちなどの基本動作をはじめ、トイレ移動、食事、入浴時などの場面でも生活リハビリとして訓練が行えるようになっている。また、体操や風船バレー、ボールを使用した身体を使うレクリエーション活動から書道、手作業、歌など、手先や指先、嚥下機能を使う活動にもリハビリの要素を取り込んでおり、楽しみながら機能訓練が行えるようになっている。レクリエーション活動の内容は機能訓練指導員が提案をし介護職員と連携しながら実施をしている。
利用者の居室掃除の際に、介護職員が福祉用具の状況確認を行っている
ベッド、エアマット、耐圧分散マットレス、体位変換クッション、眠りスキャンなどの福祉用具に関しては、車イスや歩行器などの移動に関する福祉用具と同様に福祉用具管理表を用いて機能訓練指導員とケアマネージャーで管理を行っている。介護職員が週1回、利用者の居室掃除を行う際に、これらの福祉用具の状況確認をして記録を行っている。その際には、移動に関する福祉用具と同様に不備や不具合などがみられた場合は、福祉用具業者に依頼して修理や交換などを行っている。
8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
- 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
日々のバイタルチェックや各医師の訪問などにより、利用者の健康管理を行っている
年1回の定期健診では、採血、心電図、胸部レントゲン、医師の問診を行い、利用者の健康管理を行っている。また、日々の健康管理としては介護職員による毎日午前中での血圧、脈拍、体温測定などのバイタルチェックをし、数値の異常や利用者の様子では、看護師が午後に再度のバイタルチェックを行っている。また、週1回の内科、月2回の歯科医師・歯科衛生士、必要に応じての精神科、皮膚科の訪問時には、看護師が中心となって各医師との連携をとり、回診内容をタブレットに入力し、多職種職員での閲覧をして情報の共有化を図る取り組みをしている。
歯科医師の訪問時には各職種がアドバイスを受け、利用者の口腔ケアに反映させている
月2回での歯科医師と歯科衛生士の訪問時には、介護職員、看護師、管理栄養士、機能訓練指導員、ケアマネジャーなどの多職種が立ち会って、それぞれにアドバイスを受けている。日々の歯磨きや義歯の洗浄などの口腔ケアに関することは、主に介護職員が連携をとっており、利用者一人ひとりに適した口腔ケアの方法のアドバイスを受け、介護記録や歯科記録などに記載して共有している。また、口腔内の歯の治療や義歯の作成、抜歯などについては看護師と連携をしており、その回診内容をタブレットに記載している。
利用者の急変時や事故発生時は緊急対応マニュアルに基づいての対応を行っている
利用者の急変時や事故発生時などには、緊急対応マニュアルに基づいて、看護師が利用者の状態を確認し、その後の対応の判断をするようにしている。夜間に関しては、施設長に連絡をし、救急搬送などの対応判断を仰ぐようにしているが、判断を決め兼ねる場合などには看護師への連絡を行う対応をしている。また、看取り介護も実施しており、看取り介護に移行する際には、家族への説明は内科医が直接行い、看取り介護が円滑に行えるように、計画書の作成や毎月のカンファレンスなどの実施をしている。コロナ禍においても看取りの面会は行うようにしている。
9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
- 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
- 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
- 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
利用者の希望や心身状況などにより、日々の更衣支援を実施している
施設での方針としては、日々の生活にメリハリをつける観点からも、起床時には普段着への更衣、就寝時には寝間着への更衣をする支援を行っている。ただ、今までの生活習慣により利用者や家族から日々の更衣支援の希望がない場合や重度化による身体の拘縮、看取り利用者などは、更衣の回数が多くなることで負担になるため行ってはいない。その割合は日々の更衣支援をする利用者は9割程度となっている。日々の更衣支援を行わない利用者の更衣に関しては、入浴時での清潔な衣服への更衣や汚れや発汗があった場合での更衣支援を行っている。
利用者一人ひとりに適した起床時の整容支援を行っている
起床時のモーニングケアとしては、自立して行える利用者に関しては、声掛けなどにより、洗面所にて洗顔、整髪を行ってもらい、介助が必要な利用者には、ホットタオルを使用して、自立、一部介助、全介助の支援を行っている。整髪に関しても同様な支援を行っており、利用者一人ひとりの心身状況に適した支援に努めている。また、週2回、理美容の訪問があり、予約をして理美容室にて実施をしている。ただし、コロナ禍においては、4月、5月、1月から3月までの緊急事態宣言中は理美容は中止となっている。
夜間に利用者が安定した睡眠ができるような取り組みを行っている
利用者が夜間に安定した睡眠が取れるように、日中にはレクリエーション活動の参加を促し、離床をしてもらうよう対応している。就寝時には騒音・明かり・温度・湿度などを配慮するように取り組んでおり、明かりに関しては、段階的な設定が行えるようになっていて利用者の好みに合わせた明るさに調節している。また、眠りスキャンの活用で利用者一人ひとりの睡眠に関するデータを把握し、データに合わせた支援を行うように努めている。それでも眠れない利用者に関しては、無理に睡眠を促さず、介護職員と話などをして落ち着くまでの対応を行っている。
10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
- 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
- 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
- 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
施設では基本的なルールはあるものの利用者の自由に過ごせるようになっている
入居時に施設での生活に関する基本的なルールを重要事項説明書や入所のご案内を用いて、利用者や家族に説明をし配布をしている。基本的には、ほかの利用者に迷惑が掛からず、危険でない行為であれば、利用者の意思や価値観を尊重して自由に過ごせるように取り組んでいる。飲酒や喫煙に関しても医師の許可があり、健康上に問題がなく、酒類、たばこ、ライターをユニット預かりにすることで可能となっている。飲酒に関しては夕食時での晩酌程度となっており、喫煙に関しては介護職員と喫煙所まで行くため、1日の回数を入居時に決めるようにしている。
コロナ禍において、イベントの規模縮小や中止が現状となっている
利用者が楽しんで過ごせるように、レクリエーション委員会が、いつでもレクリエーション活動を行えるように準備をしている。季節のイベントも実施しているが、コロナ禍において、敬老会などは家族の参加を控えて規模を縮小しての開催となり、法人で開催するサンタフェスタやボランティアによるコンサートなどは中止となっている。また、施設には「夢プラン」というレクリエーション活動があり、家族と介護職員で長期的に計画を立てて利用者の夢を叶えるというものだが、外出や旅行の希望の場合は計画自体は継続しているが、実施延期となっている。
不穏状態がみられた場合の対応方法を介護職員は把握し、マンツーマン対応を行っている
認知症の利用者などで落ち着かなく不穏状態がみられた場合には、利用者一人ひとりに応じた声掛けや対応方法を行ってマンツーマン対応の支援を行うように努めている。介護職員と一緒に利用者の居室に行き、話をしたり、好みの歌や音楽をかけるなどしている。また、施設屋上や駐車場、畑などに一緒に行き外気浴による気分転換などの対応も行っている。このような対応方法は利用者一人ひとりの介護記録やISMシートにも記載をして、介護職員間で共有化を図るように努めている。
11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
- 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
コロナ禍で出来ない事が多い中で外気に触れる機会を持てるようにしている
利用者の夢を叶えようという「夢プラン」を計画に盛り込んで実施できるように努めているが、外出に関わるものになると、コロナ禍の今は実現が難しい状況である。また、買い物、外出、外食などこれまでおこなってきたことも現在は実施できていない。その中で、施設周りの清掃を一緒に行ったり、施設内の公園や屋上に出るなど、少しでも外気に触れる機会をつくるように心がけている。
例年は夏祭りの開催や地域防災訓練への参加など地域交流に力を入れている
サンタフェスタという複合施設全体での夏祭りはホームページでも広報し、花火やマルシェ、ステージパフォーマンスなど多彩なプログラムで盛大に開催しており、例年多くの地域住民が訪れる大きなイベントである。また、毎年地域防災訓練や運動会などにも参加しているが、コロナ禍により中止となるなど、地域との交流も少なくなっている状況である。このような中で何ができるのか、引き続き検討することが期待される。
12.施設と家族との交流・連携を図っている
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
- 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
WEBを使って家族と利用者が面会できるようにしている
利用者の日常の様子については、利用者に特段の変化がなくても毎月状況を報告している。もし何か変化があった場合には電話で連絡をするようにしている。また、サンタフェスタや敬老会などのイベントを実施する際には案内して参加を促しており、職員、利用者、家族が交流する機会となっている。コロナ禍で家族等が参加するイベントは開催できないが、時間や曜日の制限なくWEBで面会できるようにしており、まず最初に職員が家族等と話をするようにしている。
さらに家族と施設とのコミュニケーションを図るための取り組みに期待したい
重要事項説明書に相談苦情の窓口、担当を明記している。施設の窓口の他に区の窓口、運営適正化委員会などの窓口も併記している。相談や苦情は基本的に生活相談員が担当となっており、入所前から一貫して生活相談員が話を聞いている。ユニットの職員も家族来訪時には話しかけるようにして、要望等を言いやすい環境をつくるようにしている。さらに家族と施設とのコミュニケーションを図り、積極的な意見が出るようにするための取り組みに期待したい。
【講評】
個人情報の取扱いについては契約時に説明して同意を得ている
契約書に、個人情報は事前に同意した利用目的の範囲内においてのみ使用する、あらかじめ書面で同意を得た場合及び法令の定めに基づく場合を除き、個人情報を第三者に開示しない旨を明記し、説明して署名捺印をもらっている。ホームページにおいても個人情報保護方針及び個人情報の適切な収集と利用について公表しており、施設内での利用目的、施設外への情報提供を伴う利用目的について明記している。また、利用者の写真の掲載などについては入所時に確認しているが、実際に載せる時に再度確認するようにしている。
介護マニュアルに沿ってプライバシーに配慮した支援を心がけている
介護マニュアルが整備されており、マニュアルに沿った支援を心がけている。居室に入る際にはノックすることを徹底し、排泄や入浴などプライバシーに関わる介助の際は、カーテンや扉を閉めるなど羞恥心に配慮した支援に努めている。また、入職時には研修と1か月のOJTにより、羞恥心に配慮したケアについて学んでいる。郵便物については郵便物取扱いオペレーションを構築しており、本人に渡すか家族に渡すか判断して対応している。
アセスメントで把握した生活暦などをもとに支援している
利用者の生活暦や趣味などを把握し、施設でも継続できないか検討している。入所前に購読していた新聞を読んだり、編み物や花の水やりなど、これまでしていたことが出来るよう環境を整えるようにしている。ユニットにあるタブレットで音楽を楽しむ利用者もいる。これまで家事をしてきた利用者には、本人が希望すれば洗い物や食器拭きに参加してもらっている。また、飲酒や喫煙については、健康上に問題がなければ可能としている。イベントやクラブ活動、レクリエーションへの参加は、必ず意向を確認するようにして無理強いはしないようにしている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
法人の介護マニュアル、施設の介護指針、個別の手順書などを整備している
法人の介護マニュアルの他に、施設の介護指針、個別の手順書などを作成している。法人のマニュアルについては毎年見直しを行っている。また、サービスし品質向上委員会において手順書や介護指針を検討し、見直している。マニュアル、介護指針、手順書は各ユニットにも置いており、職員が誰でも閲覧可能となっている。職員は、支援するうえで分からないことがある場合は、ユニットリーダーに聞いたり、マニュアルを確認するなどしている。
各種ワーキンググループに介護職員が参加しており、意見を反映している
各種の委員会で支援に関する改善事項などについて検討している。また、「サービス品質向上ワーキンググループ」「QOLワーキンググループ」など6つのワーキンググループにはリーダー職員と一般介護職員が参加しており、提供するサービスについて意見交換し、検討している。職員全員がいずれかのグループに属しており、出された提案等については、リーダー職員、専門職、管理者で検討し、方向性を最終決定している。現場職員の意見が反映される仕組みを構築していることから、職員のモチベーションにもつながると思われる。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
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【講評】
事業所が目指していることについて、職員の理解が深まるように取り組んでいる
運営方針の基本的事項に事業所の目的や方針が明示されている。また、法人理念やサービスビジョンなどに基づき、単年度の事業計画の中に重点項目として落とし込んでいる。各種のミーティング時には運営方針を、常にふり返られるようにしている。また、入職時は、新人研修、中途研修にて説明会を開催している。既存職員は、毎年法人研修にて理念ビジョンを学んでおり各職員のレベルに合わせた研修が開催されている。家族(利用者)に対しては、面談、契約時の説明、イベント開催などを通じて理解が深まるようにしている。
施設長は自らの役割りと責任を果たし施設運営にリーダーシップを発揮している
法人として職務分掌が作成されており施設長の役割が明確になっている。施設長は全体会議や管理者会議に参加し、施設の方針を伝えたり自らの考えを述べている。また、リーダー層とはネットを使いコミュニケーションを取る仕組みがあり、問題には迅速に対応できるようにしている。職員との個人面談も実施しており、本人が掲げた目標について話し合ったり、相談にのったりなどによって育成に取り組んでいる。さらに各種の内部研修は幹部が講師などをになっており、より関係性を築きやすくしている。
重要な案件については、組織として決定する手順をあらかじめ定めている
事業所内の重要な案件は、リーダーミーティングなどで協議して決定する流れになっており、意思決定の手順は明確になっていることがうかがえる。また、各委員会での決定事項についてもリーダーミーティングで共有を図った後、各委員会を通じて職員に伝達・報告することにしている。さらに電子回覧版やインフォメーションによって伝えたり、必要に応じて説明会を開催したりなどによって伝達漏れが無いようにしている。利用者や家族にはフロアやユニットへの掲示や文書を郵送して伝えている。