評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)かのんは学校でも家庭でもない第三の居場所として利用者の中に存在していきたいと思っています。
2)障がいゆえに出来ないことも多いかもしれませんが、それ以上に障がいゆえに経験が制限されてしまい、結果としてできないことも多くあると思います。経験の場を増やしていくことによって成長と発達を促したいです。
3)個別への支援も大切ですが、集団でいることの意味や楽しさを追求します。その楽しさをスタッフが「教えていく」というよりも、一緒に楽しむことで「伝えていく」ということに重きをおきます。
4)できないことをできるようにするのではなく、できないことをいかに周りに上手に知らせ支援を求めていくことができるかを、当事者とともに考えて手立てを講じていきます。
職員に求めている人材像や役割
利用者から「学ぶ」意識を持ち続け、実践を通じて常に「考える」職員集団を形成する一人になれること。
支援に対しての悩みが生まれた際、他職員へ適切に助けを求め、他者の意見をよく聞けること。
わからない事があればわかるまで聞く。
利用者一人一人の抱えている困難性を把握し、その気持ちに共感する努力が出来ること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
利用者への一つ一つの関りが、その利用者の成長や発達を大きく左右するかもしれないという事を理解し、誇りをもって日々の業務に取り組んで欲しい。
全体の評価講評
特によいと思う点
短期入所においては定員が3名であり、少人数で家庭的な環境で過ごすことができる。食事の主菜はおかず弁当で、主食と汁物は職員が用意して温かいものを提供している。浴室は個浴であり、ゆっくり入れる環境である。事業所は短期入所のほかに放課後等デイサービスや移動支援の事業をおこなっており、安全・安心な宿泊の後には他のサービスを併用し、日中活動を楽しむことができる。職員は利用者の理解に努めており、ニーズに沿った支援に取り組んでいる。
家族には事前に食事や服薬、手洗い・排泄などへの支援の要否、短期入所時の着替えや歯磨き、入浴、就寝などの援助における留意事項を個人カードに記入してもらい、契約時にはその他必要なことを聞き取り、利用者個人カードにまとめている。個人カードの情報や本人・家族の意向を踏まえアセスメントを行い、放課後等デイーサービスや行動援護の利用者には支援のポイントを作成している。短期入所の利用者はモニタリングで様子を記入している。職員は分からなことがあれば「個人カード」を確認し、利用者を尊重した支援に努めている。
職員は短期入所事業のほか運営している全ての事業に関わっており、利用者一人ひとりの特性を的確に把握して対応している。短期入所は家族のレスパイトとしても利用されており、ニーズに応えている。また、家族からの相談には親身に対応しており、家族の信頼が厚く、連携しながら利用者の支援にあたっている。利用者調査では、回答者全員が事業所について満足と答えるなど、支援が評価されている。
さらなる改善が望まれる点
事業所は建物の2階にあり、非常時に1階に避難するには利用者の安全確保が欠かせない。事業所として非常災害対策計画を作成し、訓練は月に2回実施して全職員が参加できるようにしている。今後は利用者一人ひとりについて避難の声掛けや誘導などの手順も確認し、文書化することもよいと思われる。訓練は食事中や入浴中などさまざまな場面を想定し実施することを期待したい。また、施設として事業継続計画の策定も検討されたい。
非常勤職員が宿直に入る場合はオンコールで常勤職員が対応できる体制を取っている。また、同性介助を基本としており、女性利用者が短期入所を利用する場合は、女性職員を配置している。しかしながら、女性職員が欠員になった場合は利用調整が困難な状況である。女性職員の確保に向けてさらなる取り組みが求められる。
事業所のホームページが作成されており、短期入所の定員等について載せている。なお、利用希望者等への情報提供として、パンフレットを作成したりホームページをさらに充実させるとよいと思われる。とくに、ホームページでは、短期入所の生活環境や事業所情報を発信することなども期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
利用者の状態や支援内容についてはケース記録に記入し、口頭での申し送りや記録の閲覧で利用者情報の共有に努めている。放課後等デイサービスの日誌にも短期入所の利用者情報も載せており、連続性を持たせた支援をおこなうことを職員に周知している。短期入所の業務日誌には利用者の様子や申し送り事項などを記入し、利用後は食事や検温、睡眠の状況等を「日々の記録」で家族に報告している。職員は利用者の支援に必要なさまざまな記録を丁寧に書き記している。
事業所は虐待防止委員会を設置し、組織的に虐待防止に取り組んでいる。日頃から不適切な行為については職員間で共有し話し合ったり、事例検討会では人権擁護の視点を養っている。また、職員には事業所独自の「障害者の虐待を防止」という冊子を配布するとともに、セルフチェックをしてもらい、自分では気づかない虐待への意識付けを図っている。
契約時に本人の好きな事、できる事、できない事などについて家族から詳細に聞き取りをおこない、利用者個人カードに記録している。その内容をもとに、できる事は本人にしてもらっている。できない事や家族から要望があったことは、自立できるように個々の状況に合わせて支援をしている。日常生活に必要な歯磨きや服のたたみ方、入浴時の洗身など利用者一人ひとりのできる力を把握したうえで、自立生活を送れるように支援している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:直近3か月の利用者を対象として、全数調査をおこなった。
- 調査方法:アンケート方式
アンケート方式とした。返信用封筒にて直接評価機関に戻ってくるようにした。また、利用者及び家族あてにアンケート依頼の手紙を一緒に配布して理解を得られるようにした。 - 有効回答者数/利用者総数:11/22(回答率 50.0% )
利用者調査全体で満足度が大変高い。特に問4「事業所は清潔で整理されているか」、問5「職員の言葉遣いや態度、服装などは適切か」、問8「職員が気持ちを受け止め、大切にしながら対応してくれるか」、問9「プライバシーは守られているか」、問10「事業所はあなたの状況や”こうしたい”と思うことを聞いてくれるか」など5つの問で「はい」が100%という結果になった。その中で「はい」の回答率が一番低かったのは問13の「職員以外の人にも相談できることを伝えてくれたか」という設問であった。
アンケート結果
1.利用中の生活はくつろげるか
91%の利用者が「はい」と回答している。落ち着いて過ごせる環境であることがうかがえる。「どちらともいえない」が9%であった。
2.事業所の設備は安心して使えるか
「はい」91%、「どちらともいえない」が9%であった。
3.利用時の過ごし方は個人のペースに合っているか
「はい」82%、「どちらともいえない」「未記入」が各9%であった。
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が100%であり、満足度が高い。
5.職員の接遇・態度は適切か
回答者全員が「はい」と回答している。職員の接遇などが適切であることがうかがえる。
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が91%、「どちらともいえない」が9%であった。
7.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が73%、「どちらともいえない」が18%、「非該当」が9%であった。そのような経験がないので分からないという利用者が「どちらともいえない」または「非該当」にしたのではないかと思われる。
8.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
100%が「はい」と回答している。
9.利用者のプライバシーは守られているか
回答者全員が「はい」と回答しており、利用者はプライバシーが守られていると感じている。
10.サービスの利用に当たって、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」が100%であり、満足度が高い。
11.サービス内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が91%、「どちらともいえない」が9%であった。
12.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が91%、「どちらともいえない」が9%であった。
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が46%、「どちらともいえない」「非該当」が各27%であった。
サービス分析結果
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
契約時には重要事項を時間をかけて説明し、利用者情報や留意事項を聞き取っている
契約時に運営方針や職員体制、利用料金等の法定費用、実費負担分を表にして分かりやすく説明している。また、短期入所以外の事業についても説明し必要に応じて利用を勧めている。契約や利用案内は時間をかけて丁寧に説明しているが、利用料など細かいところまで理解してもらっているか難しいと感じている。また、家族には事前に食事や服薬、手洗い・排泄などへの支援の要否、短期入所時の着替えや歯磨き、入浴、就寝などの援助における留意事項を書式に記入してもらい、契約時にはその他必要なことを聞き取り、利用者個人カードとしてまとめている。
短期入所の利用開始直後は利用者と関係性を築くことを大切にしている
利用にあたり事前に本人の好きなことや、できることやできないこと、ストレスの原因や回避方法などを入念に聞き取っており、短期入所においては利用者の夜間の状況の把握に努めている。職員は利用者の支援に必要な情報は個人カードから把握しており、利用初日は利用者と関係性を築くことを重視し、利用者の特性に留意しながら支援に取り組んでいる。家ではしないことも外ではすることもあり、利用時は本人の気持ちを尊重した支援に心掛けている。
サービス終了時は楽しんだことを話して共有している
利用者は他事業所のサービスも併用していることが多く、必要に応じて他の事業所と連携し、対応に困ることなどは情報を共有している。サービスが終了する時は、また利用したくなるような言葉かけを心掛け、利用時に楽しんでいたことなど共有している。また、短期入所のサービスが終了したときは、利用者によっては家族や相談支援事業所に報告したり連携を図っている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者等の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者等の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
個人カードや本人の意向をもとにアセスメントをし、モニタリングは年2回実施している
食事や服薬、手洗い、排泄などの心身状況や、衣類、歯磨き、入浴、就寝・起床など、放課後等デイサービスを利用している利用者の生活状況は個人カードに記載し、職員間で共有が図られている。個人カードの情報や本人・家族の意向を踏まえアセスメントをおこない、放課後等デイサービスや行動援護の利用者の支援のポイントを作成している。モニタリングは年2回おこなっており、短期入所を利用したときの様子も説明している。年間モニタリングでは次年度の支援のポイントを検討し、家族にも来てもらって支援内容を説明している。
個別の支援のポイントを作成し利用者の支援方針を明記している
個別支援計画は短期入所独自の書式はないが、放課後等デイサービスや行動援護の利用者には支援のポイントが作成されており、短期入所の利用者はモニタリングで様子を記入している。支援のポイントには目標・課題・支援の方法の欄があり、職員が統一した支援ができるようにしている。職員は支援に入る前には個別ノートやケース記録も確認している。年度末には家族との面談で支援方針について実践内容を含め分かりやすく説明している。緊急に支援方法を変更する必要がある場合は会議で検討し、業務日誌に印字したり支援のポイントに追記している。
ケース記録や連絡ノートで利用者情報の共有に努めている
利用者の状態や支援内容についてはケース記録に記入し、口頭での申し送りや記録の閲覧で利用者情報の共有に努めている。その日の利用者の情報は朝のミーティングで確認するようにしている。デイサービスの日誌にも短期入所の利用者情報も載せており、連続性のある支援を大切にすることを職員に周知している。短期入所の業務日誌には利用者の様子や申し送り事項などを記入し、職員間で共有している。職員はシフト制のためケース記録や連絡ノートの活用だけでは十分に情報が共有しきれないと感じている。確実な情報伝達の工夫も望まれる。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援方針を作成している
- 支援方針は、利用者等の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 支援方針を利用者等にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 支援方針は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 支援方針を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 支援方針に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 支援方針の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援方針をいかしながら、利用者に合った自立生活を送るための支援をしている
- 支援方針に基づいて支援を行っている
- 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 必要に応じて、さまざまな情報を提供し、または相談に応じる体制を整えている
【講評】
利用者の状態を理解した支援に努めている
利用者の食事や排泄、服薬など日常生活支援に必要な情報は保護者に個人カードに記入してもらい、それを基本に支援をおこなっている。内容に変化が生じた場合は見直しをして、個人カードを見れば現状に即した支援をできるようになっている。利用者が短期入所利用中の様子や状態は業務日誌やケース記録に残し、支援内容は半年に1回モニタリングを実施し、ケース会議で適宜見直しをおこなっている。
利用者の特性に合わせてコミュニケーションをとっている
コミュニケーションの対応についても個別に個人カードに記入されており、一人ひとりの状況により筆談や文字盤、ジェスチャー、二者択一と利用者の特性に応じて、コミュニケーションが図れるよう努めている。事業所の考え方として、「できないことをできるようにするのではなく、できないことをいかに周りに上手に知らせ支援を求めていくことができるかを、当事者とともに考えて手だてを講じる」とあり、利用者の特性に合わせたコミュニケーション支援に取り組んでいる。
本人、家族との相談に対応している
家族とは連絡帳を通して信頼関係ができており、なんでも話せる関係作りに努めている。短期入所の日数を増やしたいという要望や送迎の相談、または利用者の将来についてなど、さまざまな相談がある。日数など制度上の相談については、相談支援事業所を紹介するなどしている。また、必要に応じて電話やメールで必要な情報を提供している。
2.利用者の主体性を尊重し、利用中の生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
- 利用者の状況や希望に沿って生活を楽しめるように取り組んでいる
- 室内は、利用者の状況に応じて快適で落ち着ける環境・空間にしている
【講評】
利用目的に合わせ思い思いの時間を過ごしている
リビングは仲の良い利用者同士で時間を過ごしていたり、共通の趣味を通じて楽しむ利用者がいたりと、楽しんで過ごせる共有の空間になっている。テレビが1台設置されているが、見たい番組が違う時や音楽を聴きたいなどの希望がある利用者には、必要に応じて事業所のタブレットを貸し出すこともある。また、クリスマスなどの行事では、ときには職員と一緒に調理をして食事を楽しんだり、生活を楽しみながら過ごせるように取り組んでいる。
利用者一人ひとりの状態に配慮して快適に過ごせるようにしている
各部屋にはベッド、卓上机、加湿器、入浴用のタオル類一式などが用意されている。部屋が2階のこともあり窓は2種類の鍵を設置し、安全の確保に努めている。夜間に布団をはいでしまう利用者には夜間帯もエアコンを付けて対応したり、一緒に寝ないと落ち着かない利用者には職員が利用者の部屋で一緒に寝たり、安心して睡眠が取れるよう支援している。
3.利用者一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
- 利用者の意向を尊重しつつ、自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
- 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
【講評】
自立生活を送れるよう自分でできる生活動作の練習を支援している
自分でできる事は利用者にしてもらっている。自立に向けて練習もさせてほしいという保護者からの要望もある。入浴では自分で体が洗えるようになって欲しいとの要望には、工程を書きだして本人と確認しながら練習した。また、歯磨きや服のたたみかたなど、日常生活に必要なできることが増えるよう、自立生活に向けた支援をおこなっている。
本人の状況やペースに合わせて支援している
一日の利用者は3名であることから、個々のペースに合わせた支援ができている。食事は「おかず弁当」を手配し、ご飯と汁物はホームで用意して温かいものを提供している。食事の好き嫌いやおやつが必要な利用者は個々に対応している。排泄は利用者の排泄パターンを把握したうえで、トイレに誘導している。宿泊した翌朝は、事業所から直接学校や事業所に行く利用者が大半であることから、遅刻しそうになると不安定になる利用者もおり、食事に時間がかかったり、起きられない利用者には時間を調節して普段と同じ行動ができるように支援している。
4.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の健康状態や服薬に関して、利用者や家族から必要な情報を収集している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制を整えている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
利用者の健康状態や服薬に関する情報は個人カードで確認している
利用者の健康状態や服薬に関する情報は個人カードで確認している。利用時は連絡帳で健康状態を把握したり、コロナ対策も兼ねて検温をしてもらっている。また、放課後等デイサービスや他のサービスを併用している利用者は活動の様子を見たりして、顔色や体調などを確認している。家族から薬剤の変更の連絡があった場合は、その都度個人カードを修正したり追記をし、薬剤情報の確実な共有をおこない服薬管理に努めている。
薬剤は安全に管理・保管し確実な与薬に努めている
事業所では利用者の手の届くところには薬を置かないよう徹底し、服薬の支援に取り組んでいる。入所時に持参した薬は必ず常勤職員が確認し、職員が2名体制のときはダブルチェックで間違いがないようにしている。配薬は個別のウォールポケットに、夜・就寝前・朝に分け収納している。ウォールポケットは利用者の目に触れないよう職員室で保管し、職員が不在ときは職員室を施錠している。また、与薬時には名前と薬を利用者に伝え、手のひらにのせている。服用を確認した後の薬袋は家に持ち帰ってもらい、家族に服薬したことを知らせている。
急変時対応フロー図や常勤職員へのオンコールなどで体調変化に対応できる体制がある
急変時対応フロー図が作成されており、手順に則した対応ができる。対応に迷ったときには先ず救急車を呼ぶことをルールとしている。非常勤職員がシフトに入るときにはオンコール体制を整え、常勤職員の指示を仰ぐようにしている。体調変化時の知識の習得にも努めており、応急手当講習やAEDの使用訓練、てんかん発作時の対応などを学んでいる。また、利用者には入所時と退所時の検温を行い、体調の変化の把握に努めている。
5.家族等との交流・連携を図っている
- 家族等との交流・連携に際して、利用者本人の意思を確認し、その意向に基づいた対応をしている
- 必要に応じて、家族等への情報提供や相談に乗るなど支援をしている
【講評】
家族とコミュニケーションを取り信頼関係の構築に努めている
家族とは送迎時にコミュニケーションを取り意思疎通を図っている。家族からの相談は会議において職員間で共有し、どのように対応するか話し合い、組織的に動けるようにしている。訪問当日も管理者は電話での相談に乗っており、日常的な対応が垣間見えた。利用者調査では家族から「気軽に相談できるので助かる」などのコメントがあり、事業所の支援に対する信頼がうかがえる。
家族に情報提供をおこない利用者の在宅での生活支援をしている
家族とは利用者情報の共有を図り、連携しながら支援に努めている。利用者によっては法人以外の日中活動事業所なども紹介している。また、利用者の将来のことを相談されることも多く、相談支援事業所を利用することを勧めている。相談支援事業所が主催する支援会議にも担当職員が出席し、情報共有や支援について話し合っている。利用者調査では回答者全員が「こうしたいと思うことを聞いてくれる」と答えており、家族のニーズにも応えている。
6.地域で自立した生活を送れるよう支援をしている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 必要に応じて、利用者が地域の資源を利用し、多様な体験ができるよう支援している
- 必要に応じて、関係機関(日中活動事業所、相談支援事業所等)と情報共有を行い、支援に活かしている
【講評】
地域資源を利用し多様な体験が積めるよう支援している
事業所が提供する短期入所サービスは、基本的に夜の時間帯の支援であり、併設の放課後等デイサービスや移動支援を利用している人が地域資源を活用している。放課後等デイサービスでは地域の公園への散歩のほか、商店街で行われる夏祭りや近くに来る移動動物園、ボッチャ大会などに参加し楽しんでいる。また、移動支援を利用しプールや映画、ゲームセンター、ボウリングなどに出掛けるなど、個々のニーズに合わせた活動で、多様な体験を積むことができるよう支援している。
事業所も地域の一員として機能を地域に還元している
市では、公園の一部を利用して自分の責任で自由に遊ぶことで冒険・挑戦・体験を全身で体感できる子どもの遊び場を作っている。地域では「鶴川冒険遊びの会」が活動しており、事業所は鶴川団地商店街の一角にあるため、デイサービスのスペースを「鶴川冒険遊びの会」の会議場所として貸し出している。また、団地商店街の祭りでは模擬店を出したり、職員と利用者が神輿を担ぐなど、地域の一員として活動している。
【講評】
利用者のプライバシーに配慮した支援に取り組んでいる
外部の事業者や関係機関と個人情報をやり取りする場合は、基本的に利用者の同意を得ている。個人の所有物に触れるときや個室に入る際は声掛し、本人の許可を得るようにしている。また、利用者への支援ではその人の気持ちに寄り添うことを大切にしている。羞恥心にも配慮しており、女性の利用者が一人でもいる場合は宿直者は同性の職員としている。利用者調査でも回答者全員が「職員はプライバシーを守っている」と答えており、プライバシーの保護が徹底されていることがうかがえる。
利用者一人ひとりを尊重した支援に努めている
日常の支援では個人の意思を尊重している。個々に違う価値観についても利用時に把握して個人カードに記録しているが、実際に支援する中で気づいたことは職員間で共有し、次の支援に活かすようにしている。また、これまでの支援のなかで培った利用者の思いを汲み取り、利用者本位の対応に心がけている。利用者調査では、「職員は利用者の気持ちを受け止めながら対応している」と全員が答え、職員自己評価でも、「利用者の権利を守り、意思を尊重している」と全員が答えている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
手順が明確になった業務日誌が作成され誰でも同じ手順で業務ができるようにしている
業務の手順は業務日誌に盛り込まれ、短期入所の利用者の入所から退所までの手順を明確にしている。業務日誌には入退所の時間や荷物、申し送り事項などのほか、事業所における夜間の安全に関するチェック項目、検温・服薬などを確認し記入する書式となっている。とくに重要な事項を色で塗りつぶしたり、時系列でやるべきことを明確にし漏れがないようにしている。また、物品確認表が作成されており忘れ物がないようにしている。現在の業務日誌は日常業務に関する事項を全て盛り込んでいるため、非常勤職員向けのより分かりやすい手順書を検討している。
手引書は随時見直し現状に則した内容としている
各種のマニュアルが作成されており、内容については定期的及び随時見直し、変更箇所は赤字で記して更新年月日を記入している。短期入所の利用手順は必要があれば役職者会議で業務日誌を変更し、なぜ変更したかを職員に周知し共有している。業務分掌においても、業務日誌の実績記入やマニュアル更新の担当を置いて取り組んでいる。なお、マニュアルや手順書等は、改編の時期や見直しの基準を定めておくと更によいと思われる。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
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【講評】
ホームページや行政が提供する媒体から事業所情報を確認することができる
事業所のホームページが作成されており、短期入所の定員等について載せている。また、都の障害者サービス情報や市の障害サービスガイドブック、評価機構の東京福祉ナビゲーションやワムネットなどから、事業所の情報を確認することができる。そのほか、事業所は団地の一角にあり、団地の商店街の案内にも事業所名を載せている。なお、ホームページをさらに充実させることを期待したい。
短期入所の空き情報を利用希望者等に提供している
ホームページに月ごとの空き情報を掲載しており、相談支援事業所や利用希望者等には分かりやすい情報提供となっている。保護者向けには「かのん通信」を月1回発行し、同法人の放課後等デイサービスでの活動や、過ごしている様子を見てもらっている。また、行政には実地指導のときに事業所の取り組みを説明したりしている。
利用希望者には事業所の実施しているサービスを組み合わせた案内をしている
見学は随時受け付けており、日程を調整し担当職員が対応している。見学については家族と本人に来てもらい、どのような場所で過ごすのかイメージしてもらうようにしている。見学時には食堂や浴室などの共有スペースや個室を見てもらい、見学後は感想をもらっている。事業所は短期入所のほか、放課後等デイサービスや移動支援などの事業を運営しており、放課後等デイサービスのみの利用希望者には、短期入所や移動支援などのサービスも必要に応じて利用を勧め、日中活動のサポートができることを伝えている。