評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)法人経営理念「社会的に弱い立場の人の側に立った支援」
2)施設運営理念「利用者一人ひとりが主人公」
3)利用者支援の原点を追求すること・基本に立ち返ること
4)救護施設に求められる役割を果たしていくこと(通過施設・公益活動・地域貢献ほか)
職員に求めている人材像や役割
1)施設の理念・方針を理解し組織人として実践する職員
2)社会人として求められる常識を備え、また自ら察し、実直に取り組むことができる職員
3)素直・正直・謙虚である職員
4)前向きで、建設的に仕事ができる職員
5)個人プレーではなく、チームで業務を展開する職員
◇アゼリヤ会の求める人材
・自己の業務(しごと)に忠実につくす人
・誰にでも依怙贔屓(えこひいき)なく応える人
・慈しみ深く、清々(すがすが)しい人
・偉大なる凡人で、衒(てら)う事なき人
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
1)優仁ホーム(アゼリヤ会)の職員(一員)である誇りをもって業務にあたる
2)自分の職種・立場・求められる役割を理解し、行動すること
3)施設を良くする(業務の質の向上)前向きな強い思いでチャレンジすること
4)結果も大事にすること
全体の評価講評
特によいと思う点
利用者が作業しやすい環境となるよう工夫し、紙工班、技芸班、外作業があり、作業内容は個別支援計画作成の際、利用者の希望を聞き取り適正や状態を考慮した上で決定しています。また、作業の種類も新たに増え、多くの利用者にとって作業は生活の一部となっており、本人の「生きがい」や「やりがい」につながっています。その他、余暇活動についても選択肢があり、利用者の「自立」を後押しすべく、失敗を恐れるのではなく職員が支援することで実現可能となるよう、利用者の力を信じて、「一人ひとりが主人公」という理念のもと支援が行われています。
1階にあった地域部署を地域移行を希望する利用者が多い3階のスタッフルームに移動させ、個別支援計画や地域移行支援を一体的に行うことで、より地域移行をスムーズに行うための体制強化を図りました。お互いの部署の業務内容を見聞きする良い機会にもなり、職員から「この方がやりやすい」という声が上がり、地域移行支援に関わる組織的な対応力強化となりました。職員自己評価でも職員同士の連携や関係性が良く、課題への取り組みの早さといった意見が挙がっており、通過施設という施設の役割を達成すべく組織の一体感があります。
個別支援計画の充実を重点目標に掲げ、昨年度末から介護ソフトの導入をすすめ、今年度実用化に至っています。アセスメントの強化を図るべく、各専門職がそれぞれの分野をアセスメントして記載していくことで、多角的な視点から個別支援計画の作成を行うことができるしくみとなっています。また、ケース記録についても、専門職がそれぞれ記載しており、理学療法士や臨床心理士も同様に行っています。IT化を図ったことで、職員から「記録がしやすくなった」との意見があがり、ケース記録の量も増加するなど、さらなる情報の集約と活用が期待できます。
さらなる改善が望まれる点
PDCAサイクルに沿って、単年度事業計画書の進捗管理を行っています。進捗管理表を用いて、4半期ごとに達成度を〇、△、×で評価していますが、備考欄の補足コメントが達成・未達に関わらず状況が記載されているだけで、達成状況を踏まえた対応策や改善に向けた内容にはなっていません。5か年中長期計画のロードマップやその年の施設重点目標とのつながりも意識しながら目標達成に向けた具体的な道筋をつけられるよう、備考欄の記述内容や視点を見直し、効果的に活用することが期待されます。
利用者の個人情報は個人情報保護規程に基づき取り扱い、入所時に利用者へ説明・同意を得ています。広報誌等への氏名の公表や写真等の掲載については、都度利用者へ確認を取り承諾を得た上で使用しています。しかし、利用者向けに発行している「お知らせゆうじん」における誕生日の利用者掲載や、通院予定の貼り出しなど、利用者全体に周知が必要か、個別対応で行うべきか等、個人情報保護の観点から検討することも必要と推察されます。見学者等外部の出入りもあることから、施設内での取扱いや周知方法について今一度検討することが期待されます。
職員に対する人事考課と目標管理は「人材育成シート」を用いて人材育成に取り組んでいます。人事考課の評価要素と着眼点に基づいて、職員自身がどのようなことに取り組んだのか具体的な行動内容と段階を評価します。現在、職員育成を課題と捉えており、職員育成の一環として個別担当制の導入や業務改善に取り組んできました。目標としている「生き生きと活気のある施設」の実現に向けて、職員一人ひとりの目標管理における目標設定の是非なども含め、現在の仕組みを深化していくことが期待されます。
事業者が特に力を入れている取り組み
業務改善マニュアル委員会や職員会議で検討する仕組みがあり、毎年130件ほどの業務改善の実践が挙がっています。今年度も新型コロナウイルス感染防止対策やそれを踏まえた行事等の開催について職員から意見が挙がりました。例年では地域住民も参加する夏祭りを行っていましたが、今年度は"優仁ホーム 夕涼み会"として、昼食は焼きそばなどの模擬店メニューを提供し、射的やヨーヨー釣りなどのゲーム、盆踊り、手持ち花火などを楽しみました。感染予防対策を継続しながらも、職員のアイディアを生かしたレクリエーションや行事を行っています。
個別支援計画の見直しは、まず各生活棟の担当者会議においてモニタリングを実施し、利用者と担当職員との個別面談により利用者の希望・要望の聞き取りを行います。聞き取り項目を明確することで、利用者が意見しやすく計画にも反映しやすい工夫がなされています。詳細なアセスメント項目は、各専門職・担当がそれぞれの分野をアセスメントして記載し、本人の希望する生活のイメージから必要な支援を導き出すニーズ整理をした上で個別支援計画を作成しています。さらに支援目標に沿って週間支援計画作成をするなど、一連の確実なしくみがあります。
新規利用者は臨床心理士との面談を必ず導入しています。臨床心理士は利用者の話を傾聴することに重きを置き状態把握を行っています。来訪した際は施設内をラウンドしており気になる利用者にも声をかけ相談しやすい環境作りをしています。臨床心理士の導入から4年が経過し、職員は日々の利用者の状態を見て臨床心理士に依頼するという仕組みも整いました。また、皮膚科の往診により昨年度から取り組んでいるフットケアの取り組みも効果が出ており、利用者は靴下の履き替え、破れも気にするなど意識が高まってきていると職員は実感しています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:入院、通院、外出等で不在だった方を除く86名に対し、個別の聞き取りを実施した。対象者の内訳は男性46名、女性39名、無記入1名でした。
- 調査方法:聞き取り方式
・一人30分程度、施設内で聞き取り調査を実施。事前に施設側に対象者の特性を所定のシートにまとめていただき、参考としました。 - 有効回答者数/利用者総数:86/97(回答率 88.7% )
・標準手法である利用者ご本人に対する聞き取り調査を実施しました。
・聞き取り調査当日の昼食は、給食の試食も兼ねて、利用者と同じ献立の昼食をとらせていただきました。
・滞在調査では、担当評価者がお昼を挟む一定時間、施設内をラウンドし、活動の様子を拝見する中で、利用者の意向を可能な範囲で把握しました。
・総合的な事業所に対する評価は、利用者本人の聞き取り調査では「大変満足」「満足」と回答した方は66%、「どちらともいえない」と回答した方は26%でした。
・個々の質問に対する回答状況を見ると、「はい」の回答が17設問5設問にて80%以上、その他4設問も70%以上で、個々の取り組みについても高い満足度が示されました。
・自由記述では76名の方から率直な意見が寄せられており、「入居者のことをとても丁寧に考えてくれていてすごく助けられています」など肯定的な意見が複数見られました。
アンケート結果
1.食事はおいしいか
「はい」と回答した方は78%と一定の満足度が示されており、「ご飯、お味噌汁は温かいし、美味しいです」「メニューはいろいろなものが出るし、ラーメンデイ、お誕生日食、丼の日があります」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は15%、「いいえ」と回答した方は7%です。
2.日常生活に楽しみな行事や活動があるか
「はい」と回答した方は67%で、「舞踊や音楽、華道クラブがあり、活動に参加しています」「ゆうゆうスタイルで節目節目のイベントがあります」「仕事が楽しみです」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は16%、「いいえ」と回答した方は14%です。「無回答・非該当」は3%です。
3.施設では、好きなことをして過ごせる時間や場所があるか
「はい」と回答した方は88%と非常に高い満足度が示されており、「部屋でテレビを見たり、本を読んだりしています」「横になって休んでいます」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は8%、「いいえ」と回答した方は4%です。
4.日常生活で必要な支援を受けているか
「はい」と回答した方は78%と一定の満足度が示されており、「自分で出来ることは自分でやって、出来ないことはいつでも助けてくれます」「通院に一緒に来てくれます」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は9%、「いいえ」と回答した方は1%です。「無回答・非該当」は12%です。
5.消費生活に役立つお金の使い方に関する支援があるか
「はい」と回答した方は65%で、「職員に預けていてお小遣いをもらっています」「自己管理しています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は7%、「いいえ」と回答した方は7%です。「無回答・非該当」は21%です。
6.将来のことや利用者がやりたいと思うことの実現に向けて職員は協力的か
「はい」と回答した方は66%で、「自分に合っているのでここでずっと生活していきたい」「アパートで独り暮らしをしたいと思っています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は12%、「いいえ」と回答した方は6%です。「無回答・非該当」は16%です。
7.友人、地域の人等施設職員以外の人と楽しい交流の機会があるか
「はい」と回答した方は40%で、「散歩のときに地域の方に挨拶したりしています」「リビングに集まってテレビを一緒に見ています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は15%、「いいえ」と回答した方は42%です。「無回答・非該当」は3%です。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」と回答した方は88%と非常に高い満足度が示されており、「掃除が行き届いていてきれいです」「みんなで掃除をする日もあります」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は8%、「いいえ」と回答した方は4%です。
9.職員の接遇・態度は適切か
「はい」と回答した方は83%と非常に高い満足度が示されており、「皆さん優しくしてくれます」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は7%、「いいえ」と回答した方は7%です。「無回答・非該当」は3%です。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」と回答した方は91%と非常に高い満足度が示されており、「看護師さんがすぐに対応してくれているので安心です」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は6%です。「無回答・非該当」は3%です。
11.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」と回答した方は48%で、「トラブルになったときは職員が止めに入っています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は12%、「いいえ」と回答した方は1%です。「無回答・非該当」は39%で、「トラブルはありません」といった声が寄せられています。
12.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」と回答した方は76%と一定の満足度が示されており、「気持ちよく対応してくれます」「声をかけてくれると嬉しいです」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は15%、「いいえ」と回答した方は6%です。「無回答・非該当」は3%です。
13.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」と回答した方は81%と高い満足度が示されており、「守ってくれています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は12%、「いいえ」と回答した方は4%です。「無回答・非該当」は3%です。
14.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」と回答した方は65%で、「黄色いファイルを使って話をしています」「クラブ活動を頑張ることを目標にしています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は9%、「いいえ」と回答した方は8%です。「無回答・非該当」は18%です。
15.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」と回答した方は62%で、「黄色いファイルに入れて持っています」「説明はわかりやすいです」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は6%、「いいえ」と回答した方は13%です。「無回答・非該当」は19%です。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」と回答した方は71%と一定の満足度が示されており、「思ったことを伝えると、ちゃんと対応してくれます」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は11%、「いいえ」と回答した方は11%です。「無回答・非該当」は7%です。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」と回答した方は48%で、「市役所の担当に話はしています」といった声が寄せられています。「どちらともいえない」と回答した方は7%、「いいえ」と回答した方は37%です。「無回答・非該当」は8%です。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者代表委員会や各棟定例会にて、利用者の意見や要望を汲み取り、反映させています
運営理念「一人ひとりが主人公」を掲げている施設では、利用者の声をできるだけ反映できるよう努めています。利用者代表が参加する毎月の利用者代表委員会で、利用者からの意見や要望を検討し、それに対する施設側の回答を利用者代表と共有します。新型コロナウイルス感染防止の観点から、全利用者が集まる合同定例会は今年度行わず、各棟定例会で利用者の質問や要望を汲み取ったり、改善が必要な部分については対応し、事業計画書に反映するようにしています。
5か年事業計画の全体像を示し、単年度計画との繋がりを明確にすることが期待されます
5か年(短中期)事業計画は、法人事業計画などを踏まえ年度ごとに見直し、当該年度の事業計画作成の基礎資料とすることで、それぞれの繋がりを持たせています。施設の向かうべき方向性、利用者支援、地域支援、人材育成、運営管理の項目に対し、短期中期ビジョン、具体的施策を設定してますが、5か年の具体的施策の全体像と単年度事業計画とのつながりが分かりにくい状況です。職員が短期中期ビジョンの見通しを持ち(どこに向かうのか、現状はどうか)、職員主体で取り組めるよう(何をするのか)工程表のように全体像を示すことが期待されます。
達成状況を踏まえた対応策や改善に向けて、備考欄を活用した進捗管理が期待されます
単年度事業計画書の項目を落とし込んだ進捗管理表を用いて、PDCAサイクルに沿った評価を4半期ごとに行っています。進捗管理表には、いつまでに、誰が、どのようなことを行うかが記載されており、それに対する達成度を〇、△、×で評価します。備考欄には達成状況に関わる補足コメントが記載されていますが、達成・未達に関わらず状況が記載されているだけで、達成状況を踏まえた対応策や改善に向けた内容にはなっていません。目標達成に向けた具体的な道筋をつけられるよう備考欄の記述内容や視点を見直し、効果的に活用することが期待されます。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
マナーガイドブックの活用や虐待防止の共通認識を図り、組織的な抑止力を高めています
マナーガイドブックの読み合わせや施設内研修を行い、"コンプライアンス・誠実さ・礼節"など、多職種連携で業務を円滑に回し、より良いサービスを提供するための土台となる大事な点を学習し、理解を深めています。利用者支援の中で特に判断に迷うグレーな部分に重点を置いて虐待防止アンケートを実施しており、職員から質問のあった項目の望ましい対応について、虐待防止委員会や管理職からフィードバックしたり、不適切ケアに着目してどういう場面で心が揺らぐかを共有することで職員同士が同じ気持ちを理解し、組織的な抑止力を高めています。
要望や不満があっても、きちんと相談できる関係性が構築できています
苦情解決制度については、合同定例会で第三者委員を紹介するなど、顔を覚えてもらえるよう取り組んできました。入所のしおりにも施設内の苦情解決責任者、苦情解決窓口が記載されています。利用者調査では、約7割の方が要望や不満に対して職員は対応してくれていると回答しており、困った時に相談できる関係性が構築できていると推察されます。また、昨年度から利用者合同定例会での利用者の意見に対する施設からの返答を事務所前に掲示したり、利用者向けの広報誌”おしらせゆうじん"を通じて、月次予定などの情報提供を行っています。
学習支援活動の場所の貸し出しを始めるなど、地域公益的取組の進め方を模索しています
3月より新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、3密(密閉、密集、密接)になる行事、合同定例会などを中止し、外出も制限してきました。地域の方との関わりが希薄になるなか、今年度から八王子市の生活困窮家庭の学習支援活動「はち☆スタ」の実施場所の貸し出しを始めました。週2回、作業棟を貸し出し、地域の中学生6名が利用しています。無料定額宿泊所など他施策施設の台頭により救護施設との差別化が求められる中、地域との継続した関係性の中で施設として取り組める地域公益的取組を模索しながら、進めていきたいと考えています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
利用者の支援や介助方法について専門職に相談、助言を受け、事故予防に努めています
軽微な事故など起こった際は介護記録ソフトに入力し、再発防止に向けた検討を行います。リスクマネジメント委員会を中心に、ヒヤリハットの活用、提出件数の増加などを重点的に取り組み、成果が表れつつあります。次の日の朝礼で事故対応について職員に周知され、現場に持ち帰り、他職員に下ろされます。新規利用者や支援・介助が難しい方は臨床心理士や理学療法士の専門職に相談し、助言を受けられる体制があるため、利用者層も変わり、支援内容の見直しの必要性が高まる中、専門職に相談、助言できる体制は生活支援員にとっても心強いといえます。
BCPなど災害に関わる計画と訓練内容を確認しながら内容をアップデートする予定です
各種リスクについてはマニュアル化を進めており、法人の防災委員会にて、感染症や食中毒などについての対応マニュアルの見直しに向けた検討を行っています。また、大地震を想定した事業継続計画(BCP)を策定していますが、日中、通所している利用者の対応方法について、通所先と情報共有するなど連携が取れる内容を加筆することが期待されます。火災、地震、水害などを想定した施設内防災訓練を行っており、その際、職員への周知とマニュアルの読み合わせを通して、計画と実際の動きや対応を確認しながら内容のアップデートをしていく予定です。
職層に応じてIDやパスワードを用いたセキュリティ対策を講じています
法人の個人情報保護規程に則って、利用者に対しては個人情報についての同意書を取り、本人の理解が難しい場合、家族から同意を取っています。職員においては、入職時に個人情報管理についての説明を行い、同意書を取り交わしています。実習生やボランティアなどの第三者においても同様の対応としてます。施設内で管理している情報については、職層に応じてアクセス権が設定され、IDやパスワードを用いてセキュリティ対策を講じています。今年度から介護記録ソフトを導入し、記録関係のデジタル化を図りました。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
考課者が見守りながら、人事考課と目標管理の両方の視点で人材育成に取り組んでいます
人材育成シートを用いた人材育成に取り組んでいます。今年度から従来の仕事の成果や意欲・態度、業務遂行能力を図る人事考課の評価要素を付け加え、「業務目標」と「能力アップ目標」に関する目標管理の項目を追加しました。人事考課の評価要素と着眼点に基づき、職員自身がどのようなことに取り組んだのか具体的な行動内容と段階を自己評価します。直属の所属長、施設長により三次考課まで行い、考課結果は面接でフィードバックされます。考課者は職員の日々の働きぶりや取り組み成果を観察記録に残し、見守りながら人材育成する仕組みとしています。
法人内研修や勉強会等を通して専門性を高められる学びの機会を設けています
職員育成として、法人研修、施設内勉強会、小グループ勉強会を年間計画を立てて行っています。法人研修では、職層に応じた初任者、中堅者、指導者、管理職研修が行われています。施設内勉強会では、今年度から導入した介護ソフトや人材育成シート、コンプライアンスは主に管理職、障害理解やリスクマネジメント、権利擁護などは主にリーダー層が受講するようにして、それぞれの役割に応じて必要な知識や技術を学べるようにしています。今年度は開催できませんでしたが救護施設協議会主催の外部研修にも毎年参加し、業界動向や情報収集を行っています
新型コロナ感染予防対策を踏まえた業務改善やレクリエーションなどを行っています
業務改善マニュアル委員会や職員会議で検討する仕組みがあり、毎年130件ほどの業務改善の実践が挙がっています。今年度も新型コロナウイルス感染防止対策やそれを踏まえた行事等の開催について職員から意見が挙がりました。例年では地域住民も参加する夏祭りを行っていましたが、今年度は"優仁ホーム 夕涼み会"として、昼食は焼きそばなどの模擬店メニューを提供し、射的やヨーヨー釣りなどのゲーム、盆踊り、手持ち花火などを楽しみました。感染予防対策を継続しながらも、職員のアイディアを生かしたレクリエーションや行事を行っています。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
介護予防の中でとりわけ「健康に過ごすことの大切さ」を日常生活の中で利用者に説明し、健康について意識を高め、健康の自管理を推進するため、①個別支援計画に日中活動の充実も含めた、一人ひとりの健康づくりと介護予防について具体的に記載し、その支援計画を医務室、栄養士、理学療法士、臨床心理士などの専門部署と連携し、利用者に説明する、②本人用の体温計を所持してもらい健康の自己管理に生かしました。
医務の取り組みとして、血圧確認が必要な方には血圧管理手帳を配布しモニタリングを行ったり、訪問歯科からのアドバイスを受け、口腔ケアチェック表を作成し、口腔内環境の改善に取り組みました。また、理学療法士の指導のもと集団体操を行ったり、ゆうゆうスタイルのレクリエーション活動にリハビリ要素を入れた活動を導入したところ、要介護者の減少やラジオ体操への参加率が7割から8割にアップし、今まで参加していなかった利用者も参加するなど、利用者自身の介護予防や健康の自己管理の意識が高まってきました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
今年度の利用者支援については、入浴・口腔ケア・皮膚状況などをはじめとする身体の衛生保持や居室の環境整備について、ここの課題に利用者自らが気づき、持っている能力を発揮してもらえるよう、アセスメント力の課題や利用者支援の介入について見直すことを重点目標に掲げました。全救協の作成した救護施設個別支援計画書を施設でどう展開するかを検討し、新たに導入した介護記録ソフトを用いて、アセスメント強化と各記録統合による相乗効果を生かした支援になるよう取り組んでいます。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
人材育成の取り組みとして、「誠実に向かい合う姿勢」や「礼節」を重んじるほか、従来の人事考課表に変わり、目標管理の視点を追加した人材育成シートを用いて、職員育成計画を職員と確認しながら進めてきました。また、マナーガイドブックの担当者会議内での読み合わせや副主任主催の勉強会の実施、年末には項目ごとの振り返りを行いました。また、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の推進や報告・連絡・相談について内部研修を通じて、理解を深めました。
6月のコンプライアンスに関する勉強会では、管理職が講師となり、法令順守という狭義の意味だけではなく、誠実であることがいかに重要であるか学ぶ機会を持ちました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
今年度についても、引き続き、チームプレーを円滑に回すために、より良いサービスの土台になっている「コンプライアンス、誠実さ、礼節」などの働く上で大事な視点をマナーガイドブックや日々の読み合わせ、勉強会を通じて学びました。また、事業計画に基づく業務を意識し、「どこに向かうのか」「何をするのか」「現状はどうか」を考える習慣をつけ、取り組みの進捗を部署内外で共有し、運営理念「一人ひとりが主人公」を具現化できているか、組織全体で推進することを改めて確認しました。今後、利用者へのより良い支援の実現に向けて、担当する利用者の個別支援計画が綴じられたブルーファイルを活用し、個別担当職員の意識向上を進める予定です。
サービス分析結果
【講評】
パンフレットに写真を多く盛り込み、施設生活の情報を分かりやすく提供しています
施設の情報を提供するツールとして、パンフレットを活用しています。パンフレットには、救護施設とは、入所要件・流れのほか、特徴である作業や利用者代表委員の様子など写真を多く盛り込み、施設での一日の生活として紹介しています。見開きには当施設の事業である入所、居宅生活訓練、保護施設通所、一時入所についても詳細に示しており、Q&Aも載せるなど利用希望者の知りたい情報を網羅しています。また、利用者の写真や利用料、作業種類など、現在パンフレットの更新作業を進めており、新しい情報を提供できるよう努めています。
ホームページをリニューアルしたことで、充実した施設生活を確認することができます
今年度施設のホームページをリニューアルしました。新しいホームページには、食事や介護予防活動(日課など)、日中活動として作業の種類や様子、クラブ活動など詳細な内容を掲載しています。特に作業については、作業参加の効果やそれぞれの作業内容についてより詳しく紹介しています。そのほか、広報誌「ゆうじんだより」もダウンロードでき、充実した施設生活を確認することができます。また、当施設が通過施設であることから、今後の選択肢の一つである地域移行についても示しており、救護施設の特徴を分かりやすく提供する工夫に努めています。
福祉事務所を通して入所に至ることや、見学・体験入所ができることも伝えています
広報誌「ゆうじんだより」は、ホームページ掲載のほか、社会福祉協議会や他の救護施設、都内の各福祉事務所等に送付しています。また、ホームページには「入所のご案内」として、入所の要件や福祉事務所を通して入所に至ることも詳しく示しており、施設見学や体験入所ができることも伝えています。さらに、救護施設は通過施設であることについて、利用者の理解も得られるよう福祉事務所との共通認識としており、関係機関と連携を強化して利用者支援を進めています。
1.利用者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
体験入所により、利用者の生活状況や心身状態を把握した上で入所を決定しています
利用希望に際し、本人の見学を必須としています。福祉事務所から、心身の状況、掃除や服薬管理、対人関係、社会的マナー・ルールの理解度などが明記された「入所依頼書」を基に利用者の状態・状況把握を行っています。入所の意向がある場合には、一時入所として短期間体験入所を行うことができます。実際に施設で生活することにより、利用者の生活状況や心身状態を把握でき、これを基に入所判定を行い入所を決定する流れとなっています。利用者にとっても自身の今後の生活をイメージしやすく、双方にとって有意義なしくみとなっています。
入所時の説明は必要最小限にとどめ、逐次説明することで利用者の理解を深めています
入所決定後、利用者には「入所のしおり」を渡しています。入所時面接では、しおりを基に金銭のこと、健康管理、食事、作業について、余暇について、施設のルール・マナーなど、各担当職員から説明を行っています。利用者の理解度を考慮し、サービス開始時には必要最小限の説明にとどめ、入所後に逐次説明を行うことで理解を深めていってもらえるようにしています。面談後には、棟の責任者と担当職員との顔合わせをし、食堂にて同じフロアの既存の利用者へ紹介と、利用者代表委員から花束の贈呈するなど、入所の歓迎を表して受け入れを行っています。
人間関係や趣味活動の継続など、入所前の生活をふまえた支援に努めています
サービス開始にあたり、生活に必要なものが不足していた場合には、速やかに本人と一緒に購入に出向き、入所直後に利用者が戸惑うことがないよう留意しています。さらに、以前の生活をふまえて人間関係の継続ができるようサポートを行ったり、心の安定につながる趣味活動が継続できる環境を整えるなど、生活の継続ができるよう支援に努めています。また、地域移行によるサービスの終了では、アパートでの生活をしながら当施設へ通所や一時的な宿泊が可能であることなど、退所後にも利用者の生活を支えることができるしくみを整備しています。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、理解を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要な事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、利用者の理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者への聞き取り項目を明確にして、希望を個別支援計画に反映しています
全救協のガイドブックを基に詳細なアセスメントを行っており、各専門職がそれぞれの分野の項目を記載していくことで、多角的な視点から個別支援計画を作成することができます。利用者には、今後の人生設計、困っている・楽しく感じること、生活について・援助者に対して・趣味・生きがい・家族へ等、聞き取り項目を明確することで、利用者が意見しやすく計画にも反映しやすい工夫がなされています。さらに、計画はピンク色の紙で作成し、個別の黄色いファイルに綴る仕組みにするなど、利用者にとって分かりやすい計画とすることに注力しています。
必要な支援を導き出すニーズ整理をし、個別支援計画を作成する一連のしくみがあります
新規利用者には、福祉事務所や主治医から得た情報を基に、作業などの日課を含めた2週間分のスケジュール「短期支援計画」を作成し、支援を開始しています。後に利用者本人と振り返りを行い個別支援計画に移行しています。計画の見直し時には各生活棟の担当者会議においてモニタリングを実施し、利用者と担当職員との個別面談により利用者の希望・要望の聞き取りを行います。本人の希望する生活のイメージとアセスメントから必要な支援を導き出すニーズ整理と支援計画を作成し、さらに週間支援計画作成をするなど、一連の確実なしくみがあります。
利用者の個別担当者を2名配置し、利用者に不都合がないようにしています
職員間の情報共有は、朝礼と夕礼を行うほか、担当ごとに午前と午後2回申し送りの時間を設けるなど、情報の周知に努めています。また、利用者支援については、個別担当制としており、利用者ごとにメイン担当とサブ担当がいます。担当者を2名にすることで、職員のシフトにより利用者に不都合がないようにしています。さらに、今年度10月より、各職員に担当利用者の情報(写真と必要な支援)をまとめたファイルを配付しました。これを活用し、職員の担当制の意識を高めることで、より深く利用者への支援を検討していきたいとの考えがあります。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身の状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別援助計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得るようにしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別援助計画をいかしながら、利用者に合った自立(自律)生活を送るための支援を行っている
- 個別援助計画に基づいて支援を行っている
- 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立生活に必要なさまざまな情報をわかりやすい方法で提供している
- 必要に応じて対人関係のアドバイス等を行っている
- 福祉事務所等の関係機関と連携をとりながら、自立に向けた支援を行っている
【講評】
利用者に対する「自立支援」を明文化した計画で支援を行うよう取り組んでいます
メイン・サブと2名の担当制で利用者の支援が行われています。職員はローテション勤務のため、2名担当を配置することで利用者へのタイムリーな対応が可能となるよう取り組んでいます。個別支援計画は利用者の声を必ず反映することを基本として作成し、毎日の生活に対する希望を把握して利用者を支えています。利用者に対する「自立支援」を明文化した計画で支援を進めていますが、「その人のため」の計画を立案することがルーティン作業になっていないか、実際に立案した計画が遂行できているかを改めて確認することの重要性も経営層は感じています。
視覚的な情報も加え、利用者が理解できる方法で情報提供ができるよう工夫しています
入所に至る経緯や利用者個々が持つ障害特性なども様々であることから、利用者が理解しやすい方法でコミュニケーションを図ることを職員に周知しています。言葉だけではなく絵や写真を使用して視覚的な情報を合わせるなど、利用者が理解しやすい方法で情報提供ができるよう工夫しています。利用者と職員の相性なども考慮した中で、職員との信頼関係を構築していくことが利用者を支援する上で大切と捉えています。利用者との円滑なコミュニケーションを取ることを「あきらめない」で支援してことに取り組んでいます。
今年度、定期訪問はできていませんが、福祉事務所との情報共有はまめに行っています
利用者への支援はチームで行うことを意識した取り組みが進化しています。利用者のアセスメントは職員がそれぞれの専門分野を担当して、利用者の現状とニーズを整理して個別支援計画に反映しています。福祉事業所の担当は、短い年数で変更となることが多いため、また、今年度は新型コロナウィルス感染により定期訪問ができていないことから、情報共有はまめに行い、救護施設がどのようなところなのかをより知っていただくとともに、担当の利用者への支援内容を具体的に伝えることにも取り組みたいと施設では考えています。
2.利用者の状況に配慮し、おいしい食事を提供している
- 利用者の希望や職員の意見を反映し、バラエティーに富んだ飽きのこない食事を提供している
- 利用者の嗜好に応じた食事提供の取り組みをしている
- 利用者のペースに合わせて食事がとれるよう、必要な介助・見守り・声かけ等を行っている
- 食事時間が楽しいひとときとなるよう環境を整えている
【講評】
年齢幅のある利用者もそれぞれ楽しめる献立での食事提供が行われています
毎日の食事は敷地内にある同法人経営の高齢者施設の厨房で作られています。献立は4名の栄養士が担当し、個々のアイディアなどからレパートリーも広がり、高齢の方から若い方と幅のある利用者層ではありますが、食材は地元業者から旬の食材を仕入れ、季節感のある食事を楽しんでもらえるよう取り組んでいます。献立も固定のものもありますが、栄養士や調理師はミールラウンド時に利用者から直接食事に関する希望等を把握し利用者の声も献立に反映しています。今年度は、毎週金曜日の納豆の提供をランダムにするなど新たな取り組みも行われています。
大切な「食」を楽しんでいただけるよう、趣向を凝らして提供しています
今年度は新型コロナウィルス感染予防対策に伴い、恒例の納涼祭も形を変えて実施しました。その日の昼食は屋台を思わせる、焼きそば、焼きとうもろこし、枝豆、焼き鳥などを提供し雰囲気を味わっていただきました。その他、誕生食やイベント食の提供など、生きる力となり生活を整え健康維持のためにも大切な「食」を楽しんでいただけるよう、趣向を凝らして提供しています。食事に執着しない利用者も見受けられ、食事を取らないことが自分の不満をぶつける手段となっている懸念もあり、改めて「食」の大切さを伝えたいと考えています。
職員は一人ひとりの状態を把握、共有した中で支援することができています
利用者へ提供する際の食形態は、個々の状態に合わせて提供しており、減塩食や脂質除去などの療養食についても可能な限り対応しています。糖尿病の利用者に提供する食事も見た目で他の利用者との違いが目立たないよう工夫して提供しています。また、食事を提供する際、調理員が利用者に声をかけながら主食や汁物等を盛り付けをしているため、その日の状態に応じて量を調整することが可能です。利用者の食事に関する情報は「食事支援表」にまとめてあるため、職員は一人ひとりの状態を把握、共有した中で支援することができています。
3.利用者一人ひとりの障害状況に合わせた生活を送るための支援を行っている
- 入浴時間は利用者の状況や希望に応じるようにしている
- 外出が困難な利用者に対しては、利用者の意向に沿って計画的に外出の機会をつくっている
- 日常の金銭管理については、必要に応じて自己管理や金銭感覚を養うことができるよう支援している
【講評】
入浴時間は決めていますが、365日入浴できるのは当施設の特長です
利用者の身体状態等に合わせ、介助が必要な利用者は週3回、14時~16時30分までを設定して入浴時間を決めています。その他の利用者は夕食前の1時間と夕食後~20時30分の時間帯で入浴時間を設定しており、365日、この時間帯であれば入浴することができます。365日入浴することができるには、当施設の特長であり、利用者も一日の生活リズムを整えることにもつなげることができる生活環境です。利用者への支援が適切に行えるよう「入浴支援表」に必要事項を記載しており、脱衣室の扉裏に掲示して職員が確認できるように準備しています。
時間に追われずゆっくりお風呂の時間を楽しんでいただく個浴入浴を始めました
今年度は新型コロナウィルス感染予防対策のため外出等は自粛しており、運動不足解消などは敷地内の散歩に留めています。その中で個人の意向を把握した中で少しで生活が豊かなものであるよう、職員からの提案で、施設内でできることとして個別入浴を始めました。時間に追われずゆっくりお風呂の時間を楽しんでいただいています。身体的な特徴がある方も他の利用者が居ない中で入浴することができ、プライバシーへの配慮もあります。外出が厳しい分、施設内で利用者が気分転換できる時間を持てるよう取り組んでいます。
「自立」を意識して少しでも自分で管理するということを取り入れています
利用者への個別支援は、「自立」を意識して少しでも自分で管理するということを取り入れています。金銭管理については、500円でも1,000円でも利用者に渡して、自分で管理していくよう、使ったあとのおつりも自分で持ったままにしています。お小遣いを使う、残りの金額を管理するということを繰り返していくことで最終的に銀行口座から引き出して管理することを目指しています。利用者が「失敗しないように」ではなく失敗を恐れずできるよう支援しています。
4.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 健康状態に関して、利用者の相談に応じ、必要に応じて利用者や家族に説明をしている
- 必要に応じて、通院等に対する助言や支援を行っている
- 必要に応じて利用者が自己服薬管理できるよう助言や支援を行っている
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
【講評】
利用者の心身の全体像を把握した中で根拠のある健康管理が行われています
利用者の健康管理は専門医・専門職による見立てにより根拠を持ち行われています。週1回来訪する内科医は精神科も専門としているため両面から利用者の状態を把握し適切なアドバイスを利用者は受けとることができます。また、月2回の精神科医、臨床心理士、理学療法士の来訪、その他、訪問歯科、訪問皮膚科など、充実した医療体制があります。様々な角度から利用者の心身状態を把握することができ、全体像を把握した中で健康管理が行われています。利用者のみならず職員も専門的なアドバイスを受けられる環境は当施設の強みの一つと推察されます。
臨床心理士による面談やフットケアの取り組みなど、導入後の成果が表れています
新規利用者は臨床心理士との面談を必ず導入しています。臨床心理士は利用者の話を傾聴することに重きを置き状態把握を行っています。来訪した際は施設内をラウンドしており気になる利用者にも声をかけ相談しやすい環境作りをしています。臨床心理士の導入から4年が経過し、職員は日々の利用者の状態を見て臨床心理士に依頼するという仕組みも整いました。また、皮膚科の往診により昨年度から取り組んでいるフットケアの取り組みも効果が出ており、利用者は靴下の履き替え、破れも気にするなど意識が高まってきていると職員は実感しています。
利用者が自発的に健康管理が行えるよう施設内での役割分担と環境作りが行われています
当施設の医務室はいつでも利用者が看護師に健康面での相談をすることができる環境を作っています。これは長年の取り組みで、「自立」を支援する当施設において、自発的に自分の健康管理をするという利用者の意識を高める上でも有効であると推察されます。服薬管理も看護師と連携を図り行われており、薬の内容に関する説明は看護師から、配薬については誤りの無いよう服薬支援マニュアルに沿って職員が行うなど役割分担を行い取り組んでいます。服薬管理も個々の状態を把握した中で個別支援計画にも盛り込みながら自己管理を目指しています。
5.日常生活は快適で、利用者意向・自主性を尊重している
- 利用者が意見を言う機会があり、その意見等を施設運営に反映できるようなしくみを整えている
- 行事やレクリエーションのプログラムは、利用者の特性や嗜好を考慮し、多様な体験ができるようにしている
- 施設での基本ルール(禁止事項含む)は利用者の意見を参考にするなどしながら、必要な見直しを行っている
- 福祉事務所等との連携にあたっては、利用者の意向を尊重して行っている
【講評】
「できること」に着目して継続できる活動などは安全面を確保した中で実施しています
今年度は新型コロナウィルス感染予防対策により、これまで実施していた活動や行事を中止せざる負えない状況にあり、利用者主体の利用者代表委員会、各棟定例会はできていますが、合同定例会は開催できていません。しかしながら、毎日の生活の中で利用者からの声をすいあげ、「できること」に着目して継続できる活動などは安全面を確保した中で実施しています。利用者の毎日の日課であるラジオ体操もその一つです。また、カラオケも密にならないよう、また、後ろを向いて歌うなどの対策を講じて再開するなど工夫しています。
利用者が取り組んでいる作業は本人の「やりがい」につながっていると推察されます
利用者に提供している作業は、紙工班、技芸班、外作業があり、外作業では野菜作りも行われています。作業棟内は利用者が作業しやすい環境となるよう工夫し、作業の種類も新たに増えています。利用者調査において「毎日の生活の中で楽しみにしている行事や活動はありますか?」の問いに多くの利用者が「作業」と答えており、利用者にとって作業は生活の一部となっていることが窺えます。作業内容は個別支援計画作成の際、利用者の希望を聞き取り適正や状態を考慮した上で決定しており、本人の「やりがい」につながっていると推察されます。
恒例行事の納涼祭は、今年度は形を変えて「夕涼み会」と題し楽しむことができました
地域の方々や家族も来訪いただき開催している毎年恒例の「納涼祭」は、今年度は形を変えて「優仁ホーム夕涼み会」と題し、施設内のみで楽しむ企画として開催しました。昼食は模擬店をイメージして焼きそばや焼き鳥、焼きトウモロコシなどいつもと違うメニューを楽しみました。浴衣に着替えた利用者はソーシャルディスタンスを保ちながら盆踊りを楽しみ、夜は、手持ち花火を皆で楽しむなど、童心に返り昔懐かしい時間を過ごすことができました。恒例行事が今までとは同じ形で開催できない中、趣向を凝らして新たな取り組みが行われています。
6.施設と家族等との交流・連携を図っている
- 家族等との交流・連携に際して、利用者本人の意思を確認し、その意向に基づいた対応をしている
- 利用者一人ひとりの状況を家族等へ知らせる手段を整えている
【講評】
ゆうじんだよりや事業計画にて施設の取り組みを家族に情報提供しています
毎年春に開催する「虹の会」にて家族に当年度の取り組みや事業計画の説明が行われていましたが、今年度は新型コロナウィルス感染予防対策により開催せずに資料を郵送して家族への周知がなされました。施設内の取り組みは、年4回発行している「ゆうじんだより」を郵送し家族への情報提供が行われています。ゆうじんだよりには、新規利用者や新規職員の紹介や、写真を多用して施設内で実施した行事や作業棟での取り組みを掲載しており、家族が理解しやすいよう工夫しています。利用者・家族・施設の三位一体の運営を施設は変わらず大切にしています。
家族と利用者の関係性を深めるべく取り組みに注力しています
今年度は新型コロナウィルス感染予防対策により、家族が施設に足を運ぶ機会が減少しています。その中で、事務所前や相談室での面会を再開し、相談員が中心となり家族への連絡が行われています。利用者にも「家族に連絡しませんか?」と声をかけ、今まで自分から家族に連絡をしなかった利用者が電話をかけてみるなど変化が表れています。利用者の入所に至る経緯も様々で家族の高齢化など年々家族との関係性も変化しており、キーパーソンの把握も課題となる中、家族と利用者の関係性を深めるべく取り組みに注力しています。
7.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 必要に応じて、利用者が地域の資源を利用し、多様な体験ができるよう支援している
【講評】
アパートでの単身生活を経験することができ、自立生活に向けた後押しをしています
通過施設としての役割を実現すべく、地域移行に向けた居宅訓練を実施しています。利用者の自立支援を共有するため、3階のスタッフルームで3階職員と地域担当職員が一緒に仕事を進める環境が整いました。居宅訓練ではアパートでの単身生活を経験することができます。ここでの生活は自分で組み立てますが、外出時間や範囲については注意を促すなど必要な支援を行いつつ、自立生活に向けた後押しをしています。退所後のアフターフォローも希望に沿って行うことも伝えていることから、利用者は安心してチャレンジすることができる環境があります。
継続した施設の取り組みから地域との良好な関係性はゆるぎなく構築されています
地域内の美化活動として「クリーンウォーキング」や、町会で行われる行事には積極的に参加しており、お祭り、資源回収、防災訓練など、これまで利用者も地域の一住民として取り組んできました。毎日の日課である地域内への散歩をはじめ、毎年恒例の納涼祭では多くの地域の方を招くことで交流の機会となっていました。今年度は新型コロナウィルス感染予防対策により実施できていませんが、これまでの継続した施設の取り組みから地域との良好な関係性はゆるぎなく構築されています。この状況が落ち着いた時はまた交流が再開されることが期待されます。
【講評】
内部での個人情報の取り扱いについて、改めて検討していくことが期待されます
利用者の個人情報は個人情報保護規程に基づき取り扱い、入所時に利用者へ説明・同意を得ています。広報誌等への氏名の公表や写真等の掲載については、都度利用者へ確認を取り承諾を得た上で使用しています。しかし、利用者に向けた毎月の予定などの情報「お知らせゆうじん」における誕生日の利用者掲載や、通院予定の貼り出しなど、内部での個人情報の取り扱いについては改めて同意を取るまでには至っていませんでした。利用者全体に周知が必要なこと、個人への周知のみでよい情報かなど、取扱いや周知方法について今一度検討することが期待されます。
生活や心身状態の安定を図りつつ、利用者の意向に沿った支援に努めています
当施設では接遇マナー向上委員会を設置しており、接遇マナーガイドブックを作成して全職員に配付し、毎年施設内の勉強会において読み合せを行っています。身体的な支援の際には、利用者の羞恥心に配慮し、言葉遣い、態度などに留意するよう日常的に注意喚起をしています。また、利用者の意向に沿った支援に努めてはいますが、生活習慣など改める必要のある事柄については、本人の希望でなく、客観的な判断をした上で利用者の理解を求めるケースもあります。臨床心理士や精神科医と連携を図り、生活や心身状態の安定が図れるよう支援を行っています。
居室の移動希望にも対応するなど、意向を尊重できる体制の整備に努めています
利用者一人ひとりの価値観や生活習慣は、事前情報や面談等で把握し周知しています。利用者の居室は、健康状態や障害状況、今後の生活像等により、ある程度フロアごとの傾向があり、人間関係などによる居室移動希望にも極力対応しています。また、入所時に、状態が急変した際にどこまでを望むのかの意思を、「急変時等事前確認書」において確認しています。さらに、延命治療、外科的治療、検査臓器や骨髄提供、検体への意思表示を明確にするなど、利用者自身で決断することを重んじ、その意向を尊重できる体制の整備に努めています。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
職員からの気づきを吸い上げ、試行期間を設けた上で業務改善につなげています
施設では業務マニュアル・改善委員会を設置しており、各マニュアルや業務の見直しに取り組んでいます。毎月フロアから日々の業務に関する気づきを吸い上げ、2か月に一度開催している委員会で検討し、試行期間を設けた上で業務改善につなげています。職員から意見があがったことで、会議時間の短縮や利用者の個浴日変更など、良化が図られました。また、今年度介護ソフトの実用化を進めており、移行にあたり相談員がマニュアルを作成し、勉強会を開催すると共に、職員からの相談を常に受け付けることで、IT化への移行が可能になりました。
利用者からの様々な意見と職員の提案を、施設運営・利用者支援に反映しています
通常施設では利用者が主体となって生活について意見や提案ができる機会を設けています。今年度コロナ禍により「合同定例会」の開催ができませんでしたが、「利用者代表委員会」「各棟定例会」などを開催し、利用者からの様々な意見を聴取して施設運営・利用者支援に反映しています。また、昨年度職員からの提案により立ち上げた「フットケアプロジェクトチーム」では、月1回訪問皮膚科診療の受診、毎日の足浴や薬の塗布、風呂マットの個人所有、下駄箱の衛生保持などを実践することで、利用者の意識向上につながってきています。
ブルーファイルの活用で、より深く利用者への支援を検討していきたいと考えています
利用者一人につき、2人の担当職員制を敷いています。担当職員は、個別支援計画の支援目標に沿って週間支援計画表を作成しており、1週間のスケジュールを利用者が理解して行動できるよう工夫しています。また、職員が日々の支援をより確実に行うため、今年度10月より、各職員に担当利用者の情報(写真と必要な支援)と個別支援計画をまとめた青色のファイルを配付しました。今後これを活用し、支援時の気づきなどを書き留めていくなど担当利用者に関する情報の集約につなげ、より深く利用者への支援を検討していきたいと考えています。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
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【講評】
「一人ひとりが主人公」の実現に向けて、同じ方向性を意識できる働きかけをしています
職員には事業計画書を配布し、朝礼時や職員会議や各会議には必ず持参させ、事業計画書に定めたその年の施設重点目標やその他の取り組みの進捗状況を確認し、法人の経営理念や施設の運営理念「一人ひとりが主人公」の実現に向けて同じ方向性を意識できるようにしています。名札には法人理念の入ったロゴを入れ、意識づけの強化を図っています。また、4月の合同定例会にて、施設長から利用者に対して、事業計画書の説明を行うほか、虹の会(家族会)にて、年度の振り返りや翌年度の説明も行い、施設の大事にしている考え方や取り組みを伝えています。
地域部署の移動により、地域移行支援に関わる組織的な対応力強化につながりました
地域部署を地域移行を希望する利用者が多い3階のスタッフルームに移動させ、個別支援計画や地域移行支援を一体的に実施できる体制強化を図りました。一時的な部署移動の予定でしたが、お互いの部署の業務内容を見聞きする良い機会にもなり、職員から「この方がやりやすい」という声が上がり、地域移行支援に関わる組織的な対応力強化につながりました。当施設はセーフティーネットであり、かつ通過施設としての役割が期待されている中、今年度も2名の方を地域移行させることが出来ました。
各会議による意思決定・検討と共に職員の気づきを皆で共有し合える機会を設けています
管理職と主任・副主任の業務会議において検討し、施設長、事務長、支援課長、主任で構成される運営会議にて意思決定が行われます。その結果を職員会議や各部署に持ち帰り、情報共有する流れとなっています。また、昨年度から継続して行っている業務マニュアル改善委員会では、職員からの意見や課題を、改善提案を検討し、職員会議で方向性を示し、試行期間を経て、見直しをかけながら実際に反映させる手順を取っています。提案内容は必ず会議で検討されるため、職員の些細な気づきでも皆で共有し合える機会になっていると推察されます。