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自分に合った靴の選び方

3.足のしくみと靴の種類(1)

おしゃれは足元から」といわれる一方で靴を選ぶときには、はく人の足によく合ったものを選ぶようにともいわれます。そのためには、まず足をよく知ることと同時に、靴の役割を知る必要があります。その上で、はく目的に応じて靴を選び、足合わせ(シューフィッティング)をします。  ここでは、靴を選ぶ上で知っておきたい足のことや歩くことについての知識と靴の役割について、ぜひ自分の足を観察しながら学んでみましょう。

図1 足の骨

図2 足にかかる力

図3 足のアーチ

図4 扁平足

図5 アーチパッド

図6 足趾の運動

足のしくみと靴の役割

私たちの足は、26個の小さな骨がきれいに組み合わさりながら形作られています(図1)。そしてその足には、立っているあいだ中、全体重が常にかかっているのです。かかる重さの比率は、通常、図2のように足の前方と後方にほぼ同じ程度です。 足の後方は立った姿勢をしっかり保たせるために、靴のかかとにはしっかりとした芯が入っていることが大切です。せっかくのかかとを踏んではいけない理由は、ここにあるのです。 また、足の前方は、体のバランスを保ち続けながらも、歩くとき大地を足趾(あしゆび)全体で蹴っていく役割があります。そのための靴幅は、足幅より大きすぎても小さすぎてもよくありません。

さらに、歩くためには、靴の各足趾の付け根にあたる位置が曲がりやすくなっていること、さらに縦アーチ位置の靴底は曲がりにくくなっていることが大切です。 また、歩くたびに足裏全体に負担がかかることから、その衝撃を少しでも和らげるために弓なりのアーチが形作られています。

足裏の母趾(おやゆび)の付け根、小趾(こゆび)の付け根、かかとの3点を結ぶ3つの線がすべてアーチになっていて、いわゆるバネの役割をしています(図3)。縦アーチが2つ、横アーチが1つです。 アーチがなくなると扁平足となり(図4)、とくに横アーチがなくなってくることで開張足となり、外反母趾の原因になりやすいのです。そのようなときは、落ちたアーチを適切な位置にパッドで補うことにより解決します(図5)。

パッドの大きさ・硬さ・位置については、できるだけ専門店などで相談しましょう。まだ痛みがひどくないので大丈夫などと我慢せず、早め早めに手をうつことが最も大切なことです。日頃、図6のように足の趾を動かすよう心がけてみましょう。

(図1、3、5、6、7)は、『高齢者・障害者の生活をささえる福祉機器Ⅱ 立ち座り、歩行、靴、車いす、電動三・四輪車』(財)東京都高齢者研究・福祉振興財団発行 より