東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 障害児多機能型事業所(児童発達支援事業、放課後等デイサービス)
法人名称 一般社団法人日本運動療育協会
事業所名称 スパークハウス中野
評価機関名称 一般社団法人 特養ホームマネジメント研究所

コメント

・利用者調査においては、児童発達支援事業は保護者を対象に、放課後等デイサービス事業は子どもを対象に家庭へアンケート票を配布しました。

・職員自己評価結果等は、カテゴリー毎に数値結果と自由記述を取りまとめる工夫をしました。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

①社会貢献を軸とし、公私ともに充実できるチームつくり ②子どもの問題を行動的に変えようとするのではなく大人の考え・行動を改めることで子どもの心を変える啓発活動 ③誰でも自分の個性を活かせる包容力のある社会つくり

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

相手を尊重しチームワークを大切にできる。 常に元気よく明るく活発で遊び心にあふれている。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

目の前の保護者、子ども、チームメイトを思いっきり楽しませようというサービス精神。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 独自の運動療育士資格を制度化し、一定の知識・技術の浸透を図っています

子どもにとっての環境は周りの大人である事を前提に、職員には「遊び心に溢れ、積極的に体を動かし、敏感に反応する子どものような人」という資質を求めています。また、資質のみではなく、脳科学や発達心理学に基づく、正しい知識・技術を身に付けいる事が必須であるとして、運動療育士という認定資格制度を運用しています。入職時より職員は、参加を義務付けられ、専門職として、キャリアをスタートさせます。今後も、壮大なビジョンを実現するために、ブラッシュアップを重ね、資格保持者の裾野を広げてほしいと思います。
2 特性を伸ばす運動プラグラムが、遊びを通して楽しく関われるよう、子どもと職員は一体となって取り組んでいます

子どもは遊びを通して発達するという基本的な考えのもと、職員は子どもと楽しく遊びながら、子どもの思いを受け止め、次の行動への転換を促しています。「発達アセスメント」や「個別指導計画」から、子どもの特性や保護者のニーズを感知し、子どもの得意分野を捉え、運動遊びを通して精神発達や身体発達を促進させています。子どもが遊んで楽しかった、動いて楽しかった、と思えるような運動体験を提供しています。子どもが意欲的に遊びに関われるよう、職員は考察された運動プログラムを実施し、子どもの「遊びたい」との思いを継続させています。
3 療育の全体像を踏まえながら、感覚を培うことを目指し、子どもに明かる表情や楽しそうな表情が芽生えています

特色ある運動療育として、有酸素運動やバランス、脳を広範囲に使う運動等を取り入れ、特性を持った子どもの成長発達に寄与しています。療育の全体像を定め、共動・共感をキーワードにしながら、励ます・感謝・遊ぶ・認める・笑顔・喜ぶ・褒める・応援する事を心がけています。認められた時、子どもは笑顔になり、褒められた時、得意そうな表情になり、応援された時、行動の転換をするなど、子どもの表情や態度に変化が生じています。感情表現や思いが伝えられない、人との関係性が築きにくい子どもも、感覚による体験を通じて自己発揮をしています。

さらなる改善が望まれる点
1 中長期・単年度計画の充実に期待します

長期的には、「令和10年までに通級に在籍する発達障害児をゼロに!」という壮大で具体的なビジョンを掲げて、事業運営を行っています、今後は、このようなビジョンを踏まえて、事業規模や種別、広報、財務、サービス、人事(募集・育成・労務・評価等)、設備等の項目毎に、3~5年程度でどうなっていたいか、実現のために大筋で何をするか、各年度毎に具体的にどのようなアクションをするのか等の計画を、改めて経営層が一丸となって策定してほしいと思います。スパークハウスの思いやサービスが広く社会で活用されるようになる事を期待します。
2 ターゲットとする人材に合わせた雇用形態の改善に期待します

第三者として、事業所の自由な雰囲気に好感が持てます。また、管理者はスタッフの一人ひとりの特性を尊重したい事や、チームとして苦手を補い合える職場にしたいとの考えがあります。人材募集難については、スパークハウスだけではなく、福祉業界全体の課題ではありますが、スパークハウスの独自の社風を踏まえ、どのような層に募集情報を発信していくのか、再検討を期待します。その上で、例えば、短時間正社員、時間給正社員、紹介制度等、ターゲットにした層の想定される働き方のニーズに合わせて、雇用管理制度を再設計する等を期待します。
3 書類の保管や事務所等の整理・整頓の徹底に期待します

事業運営上の重要な書類は、鍵付きの書庫に保管したり、PCにはパスワード設定をする等、情報漏洩防止に取り組んでいます。一方で、これらの管理上のルール等の明文化には、改善の余地があります。業務支援システム、クラウド、PC、タブレット等の利用や閲覧等について、再度、ルール等を見直す事を期待します。また、事務所内の書類や備品、職員の私物保管の取り扱い等、限られたスペースである事を踏まえて、整理・整頓・改善を期待します。また、合わせて感染症対策の強化・徹底の一環として、コロナ対策マニュアルの策定等にも期待します。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 積極的に自社のノウハウを紹介する等、広く社会・地域貢献しています

ホームページやSNS等で自社の取り組みを紹介しています。また、理事でありプログラム開発者の著書で「スパーク運動療育」として自社のノウハウを紹介したり、自社職員以外でも受講可能な独自の運動療育士資格認定講座等を設ける等、広く社会一般に貢献しようとする強い使命感をもって、具体的に事業運営に取り組んでいます。今後も、「令和10年までに通級に在籍する発達障害児をゼロに!」という壮大で具体的なビジョンの実現に向けて、様々な形で広く社会貢献に努めてほしいと思います。
関連評価項目(事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している)
2 ★ 子どもの状態が如実にわかる発達アセスメントを作成し、活用しています

子どもの記録として、入所時に「フェイスシート」を記入後、療育の中での子どもの姿を見ながら「発達アセスメント」を取り、「個別支援計画」に繋いでいます。どの書式も創意工夫があり、子どもの様子や生活背景が如実に分かります。中でも、「発達アセスメント」は優れており、特性をカテゴリーで捉え、注意・興味・行動・共動・共感などの発達段階を明示しており、ヤリトリや心のケア等も記入しています。全職員が一見して発達が把握できるよう、簡潔な図式にマーカーで色をつけ、状態を記しています。職員は有効活用しながら養育を進めています。
関連評価項目(定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している)
3 ★ 職員は全身全霊で子どもに接し、運動遊びをを共に楽しんでいます

”特性を持った子どもと一緒に職員が楽しく体を動かし、創造的遊びを経験させる”という、運動療育の基本的な考えの下、職員は子どもの好きな遊びから課題を持った遊びを提供しています。全身全霊で子どもと接し、子どもの興味が移った時は、遊びの寄り道を受け入れ、さらに課題のある遊びへと導いています。職員は子どもを観察しながら、瞬時に体を動かし、声かけもタイムリーに行っています。子どもの運動遊びを共に行いつつ、療育のねらいを達成すべく意図的な動きを考慮しています。一緒に遊びながら特性を伸ばし、成長に繋がるよう励んでいます。
関連評価項目(子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

■児童発達支援

調査概要
調査対象:保護者を対象としました。

調査方法:アンケート方式  
・アンケート方式
・調査票は事業所経由で利用者に配布し、利用者からの郵送により評価機関が直接回収しました。

利用者総数 26人
利用者家族総数(世帯) 25世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 26人
有効回答者数 15人
回答者割合(%) 60.0%

総括
・事業所のサービスに対する総合的な満足度は「大変満足」9名、「満足」4名、「どちらともいえない」2名で、「大変満足」と満足」を合計した肯定的回答率は87%でした。 ・事業所への意見・要望では、「子どもは毎回楽しみに通っている」「身体を動かしながらコミュニケーションをとり、その都度、子どもに必要な課題を与えてくれるので、自分で考え、行動に移す力もついてきました」「子どもの気持ちを大切にし、親のストレスもケアして下さり、多様性を認めて下さり、心あるとても素敵な先生方に出会えた事に感謝しております」等のコメントがありました。 ・共通評価項目で「はい」の回答割合が8割を超える設問は、16項目中10項目で、そのうち全員の方が「はい」と回答した設問は、問1「身体機能・健康の維持・促進」、問11「気持ちの尊重」でした。

利用者調査結果

1.事業所に通うことが、子どもの身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
全員の方が「はい」と回答しました。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
2.事業所での活動は、子どもが興味や関心を持てるものになっているか
はい 14人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」93%、「どちらともいえない」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
3.事業所に通うことが、子どもの情緒面での発達(感情のコントロールを身につける等)の役に立っているか
はい 13人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」87%、「どちらともいえない」13%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
4.事業所に通うことで、子どもに社会性(人と人との関わり合いやルール等)が身についているか
はい 9人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」60%、「どちらともいえない」40%でした。「まだ人との関わりで苦手とする部分が多いですが、少しずつできている部分も出てきたので、経過を見守りたいと思います」とのコメントがありました。
5.子どもの様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか
はい 12人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」80%、「どちらともいえない」20%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
6.家族に対する精神的なサポート(子育てに関する悩み相談や進路相談、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか
はい 9人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
回答割合は「はい」60%、「どちらともいえない」20%、「無回答・非該当」20%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 11人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」73%、「どちらともいえない」27%でした。「どちらともいえない」と回答した方から、「他のお子さんが床(マット)を汚した際に、全員の活動を止めて拭いたりする場面が見られなかった」といったコメントがありました。
8.職員の接遇・態度は適切か
はい 13人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」87%、「どちらともいえない」13%でした。「髪型等意見のある親御さんもいるかもしれないが、清潔感があれば良いと思うし、子どもが偏見を持たないように色々合っていいと思う」とのコメントがありました。
9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 9人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
回答割合は「はい」60%、「どちらともいえない」7%、「無回答・非該当」33%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
10.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 7人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
回答割合は「はい」47%、「どちらともいえない」27%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」20%でした。「他児に手が出てしまったりするのを、完全に防いではくれない」等のコメントがありました。
11.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
全員の方が「はい」と回答しました。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
12.子どものプライバシーは守られているか
はい 12人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」80%、「どちらともいえない」7%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」7%でした。「請求書を封筒にも入れずにそのまま渡すのを即刻やめてほしい」とのコメントがありました。
13.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
はい 13人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」87%、「どちらともいえない」7%、「無回答・非該当」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 14人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」93%、「どちらともいえない」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 13人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」87%、「どちらともいえない」7%、「無回答・非該当」7%でした。「対応するように答えてくれた先生と、そこまでする問題ではないと捉えている先生がいるように感じる」とのコメントがありました。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 6人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
回答割合は「はい」40%、「どちらともいえない」20%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」33%でした。「そういったことが今までなかったのでわからない」とのコメントがありました。

■放課後等デイ

調査概要
調査対象:・本人を対象にアンケートを行う。回答者内訳は、「本人」4名、「家族と相談」1名、「家族」6名、「無回答」4名でした。

調査方法:アンケート方式  
・アンケート方式
・調査票は事業所経由で利用者に配布し、利用者からの郵送により評価機関が直接回収しました。

利用者総数 29人
アンケートや聞き取りを行った人数 29人
有効回答者数 15人
回答者割合(%) 51.7%

総括
・事業所のサービスに対する総合的な満足度は、「大変満足」13名、「満足」2名で、全員の方が肯定的な回答をしています。 ・事業所への意見・要望では、「とても楽しみにしている」「ずっと行きたい」「とても楽しく過ごさせていただいてます」「フィールドがもう少し多いと選択肢が増えるのでありがたい」等のコメントがありました。 ・共通評価項目で「はい」の回答割合が8割を超える設問は、13項目中10項目で、そのうち「はい」の回答割合が9割を超える設問は、問1「活動が楽しい」、問5「接遇・態度」、問8「気持ちの尊重」でした。

利用者調査結果

1.事業所での活動は楽しく、興味の持てるものとなっているか
はい 14人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」93%、「どちらともいえない」7%でした。「いつも自分がどうしたいのかを聞いてくれる」とのコメントがありました。
2.事業所での仲間との関わりは楽しいか
はい 11人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答割合は「はい」73%、「どちらともいえない」27%でした。「お子さんと一緒に遊べない為、本人にとっては混乱したり、いい刺激になったりしています」とのコメントがありました。
3.職員は、話し相手や、相談相手になってくれるか
はい 12人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」80%、「どちらともいえない」7%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 12人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
回答割合は「はい」80%、「どちらともいえない」7%、「無回答・非該当」14%でした。「コロナで中をあまり見ていないから答えられない」とのコメントがありました。
5.職員の接遇・態度は適切か
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
全員の方が「はい」と回答しました。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 13人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」87%、「どちらともいえない」7%、「無回答・非該当」7%でした。「水分補給などもしっかり声かけをしてくれる」「体調が悪くなったときがない」とのコメントがありました。
7.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 12人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」80%、「どちらともいえない」13%、「無回答・非該当」7%でした。「けんかがないから答えられない」とのコメントがありました。
8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」93%、「無回答・非該当」7%でした。「いつも玄関で明るく迎えてくれるのが嬉しい」とのコメントがありました。
9.子どものプライバシーは守られているか
はい 9人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
回答割合は「はい」60%、「どちらともいえない」13%、「無回答・非該当」26%でした。「あるけどまず言ってない」とのコメントがありました。
10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
はい 12人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
回答割合は「はい」80%、「無回答・非該当」20%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
11.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 12人  どちらともいえない 0人  いいえ 2人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」80%、「いいえ」13%、「無回答・非該当」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
12.子どもの不満や要望は対応されているか
はい 13人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
回答割合は「はい」87%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」7%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 10人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 4人 
回答割合は「はい」67%、「いいえ」7%、「無回答・非該当」27%でした。自由記述欄へのコメントはありませんでした。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
真摯な姿勢で、自社の考えやメソッドを職員や広く社会に広げたいと考えています

サービスのコンセプトを、「共動・共感」とし、「心に働きかける」アプローチで、「子ども興味を尊重し、たくさん関わり、身体を動かし遊び」ながら、「実社会で必要な人としてのわざ」を習得できるように、独自の運動療育を展開しています。積極的に心と脳機能についての知見を取り入れつつ、それらの知見と身体を動かす事の効果を紐づけ、知識・技術体系を作り上げ、運動療育士という一つの資格としており、職員に資格習得を義務付ける事で、自社の目指す理念等を体得させる仕組みとなっています。マネジメントの好事例として高く評価できます。

保護者にサービスを理解してもらう事に力を入れています

スパークハウスの特徴の一つとして、「保護者との連携」に力を入れています。管理者は、「日頃から一番多く関わっている保護者を大切にしたい」という姿勢で、積極的に保護者に働きかけ、療育の現場を見てもらったり、実際に参加してもらうようにしています。また、例えば、事業所内に図書コーナーを設置し、自社の書籍や関連書籍を設置し貸し出すようにしており、理解を深めてもらうように取り組んでいます。実際に事業所に訪問調査した際には、職員のエネルギッシュな姿や子どもへ真摯に関わる姿勢には、第三者として感銘を受けました。

組織全体での意思決定・情報共有の整備・ICT化を期待します

法人内の事業所は、離れた場所に都内に分散しています。また、1事業所単位は小規模であるため、専門の事務職スタッフを置く事も難しい状況です。この事を踏まえて、改めて、組織内の会議体系、スケジュールや重要な伝達事項等の情報共有、ルーティンな事務処理、意思決定等について、合理的・効率的な仕組みを整備する事が期待されます。今後は、例えば、法人内での職員が閲覧するウェブサイトやグループウェア等の導入、情報共有のクラウド化、組織図の策定、経営層の職務分担表の整理等、ICTの活用を踏まえた組織強化に期待します。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
利用者は高い満足度を示しており、好評を得ています

今年度、第三者評価を初めて受審し、利用者からの意見の徴収を踏まえて、客観的なサービスの評価に取り組んでいます。第三者評価における利用者調査での総合満足は、回答者の90%以上が「大変満足・満足」と回答しており、高い評価を得ています。保護者からは、「スタッフの方全員が、いつも全力で子供に向き合ってくれ、大切な居場所の一つです」等、第三者評価者としても事業所や職員の持ち味と思う点を、率直に称賛してくれています。今後も、継続的な利用者への意向調査やサービスの客観評価を継続してほしいと思います。

中長期の見通しの明確化・強化に期待します

長期的には、「令和10年までに通級に在籍する発達障害児をゼロに!」という壮大で具体的なビジョンを掲げて、事業運営を行っています、今後は、このようなビジョンを踏まえて、事業規模や種別、広報、財務、サービス、人事(募集・育成・労務・評価等)、設備等の項目毎に、3~5年程度でどうなっていたいか、実現のために大筋で何をするか、各年度毎に具体的にどのようなアクションをするのか等の計画を、改めて経営層が一丸となって策定してほしいと思います。スパークハウスの思いやサービスが広く社会で活用されるようになる事を期待します。

単年度の計画の明確化・強化に期待します

年間での稼働率や財務的な目標を立て、月次で集計し、進捗を確認するようにしています。今後は、例えば、中長期的な見通しに合わせ、連動する形式の事業計画等の明確化・強化に期待します。例えば、「誰が、いつまでに、何をゴールとして、何に取り組むか」を明確にする事で、全体効率やより良いサービスへの集中等、メリットがあると思われます。また、目標として、満足度や利用する子どもの発達アセスメント等、指標とするべき材料についても議論を深めてほしいと思います。今後の取り組みに期待します。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
自由な社風の中でも、礼節や規範等を大切にしています

平均年齢30歳程度と若い職員が多い状況であり、子どもと共に、「共感・共動」をコンセプトとしている事もあり、第三者として自由な社風を感じます。自由ではあっても、一定の規律は保たれており、利用者アンケートにおける「言葉遣い等、接遇が適切か」といった設問に対して、利用者の85%以上は、「はい」と回答しており、高い評価を得ています。また「子どもが偏見を持たないようにいろいろあってよい、言葉遣いや態度はしっかりしている」等の高い評価を感じさせる具体的な意見もあがっています。

定期的に虐待防止研修を実施しています

定期的に事業所内で、虐待防止についての職員研修を実施しています。東京都福祉保健局が発行する障害者虐待についてのパンフレット等を教材にしており、その他、独自の資料を配布しています。資料の中では、虐待の種類等のベーシックな知識や社内でのNGワード等について具体的に伝えるようにしています。今後は、上記と合わせて、例えば、運動療育士の資格認定講座の一環として、守るべき法や規範、社内での倫理、具体的なNGワード集等についても伝達する機会を強化する事について、検討してほしいと思います。

積極的に自社のノウハウを紹介する等、広く社会貢献しています

ホームページやSNS等で自社の取り組みを紹介しています。また、理事でありプログラム開発者の著書で「スパーク運動療育」として自社のノウハウを紹介したり、自社職員以外でも受講可能な独自の運動療育士資格認定講座等を設ける等、広く社会一般に貢献しようとする強い使命感をもって、具体的に事業運営に取り組んでいます。今後も、壮大なンビジョンの実現に向けて、様々な形で広く社会貢献に努めてほしいと思います。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
災害時対応マニュアルが策定されています

小規模・通所である事を踏まえて、災害時対応マニュアルが策定されています。主に震災時を想定して、救出・救護、消防等の項目別に、責任者を明確にして対応方法が記述されています。また事業所内には、避難場所の地図や実際の非難訓練の様子の写真等が掲載されており、子どもや保護者に安心感をもってもらえるように配慮しています。今後は、大規模災害や経営環境の大きな変化等に備えて、法人単位での事業継続について、例えば、非常時の指揮命令系統、相互応援の在り方、備蓄の取り決め、復旧へのシミュレーション等も記述する事を期待します。

新型コロナウィルス対策を行っています

衛生管理マニュアルや公的機関が発行するガイドライン等に基づき、新型コロナウィルス対策を講じています。日常的には検温・手指消毒や事業所の出入り口を解放しておいたり、定期的な換気を行う等、スタンダードな対応を徹底しています。コロナ禍が継続し、終息の見通しが立たない現状を踏まえ、新型コロナウィルス対策マニュアル等の策定を含めて、今後も感染予防に努めてほしいと思います。

事業所内の書類の整理等に期待します

入社時には、職員は入社誓約書に署名し、秘密保持を誓約しています。また、事業運営上の重要な書類は、鍵付きの書庫に保管したり、PCにはパスワード設定をする等、情報漏洩防止に取り組んでいます。一方で、これらの管理上のルールの明文化には、改善の余地があります。業務支援システム、クラウド、PC、タブレット等の利用や閲覧等について、再度、ルール等を見直す事を期待します。また、事務所内の書類や備品、職員の私物保管の取り扱い等、限られたスペースである事を踏まえて、整理・整頓・改善を期待します。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
「自由・スタッフの特性の尊重・苦手を補いあう」社風を活かした人材確保に期待します

第三者として、事業所の自由な雰囲気に好感が持てます。また、管理者はスタッフの一人ひとりの特性を尊重したい事や、チームとして苦手を補い合える職場にしたいとの考えがあります。人材募集難については、スパークハウスだけではなく、福祉業界全体の課題ではありますが、スパークハウスの独自の社風を踏まえ、どのような層に募集情報を発信していくのか、再検討を期待します。その上で、例えば、短時間正社員、時間給正社員、紹介制度等、ターゲットにした層の想定される働き方のニーズに合わせて、雇用管理制度を再設計する等を期待します。

独自の運動療育士資格を制度化し、一定の知識・技術の浸透を図っています

子どもにとっての環境は周りの大人である事を前提に、職員には「遊び心に溢れ、積極的に体を動かし、敏感に反応する子どものような人」という資質を求めています。また、資質のみではなく、脳科学や発達心理学に基づく、正しい知識・技術を身に付けいる事が必須であるとして、運動療育士という認定資格制度を運用しています。入職時より職員は、参加を義務付けられ、専門職として、キャリアをスタートさせます。今後も、壮大なビジョンを実現するために、ブラッシュアップを重ね、資格保持者の裾野を広げてほしいと思います。

オンラインでのスキルアップ研修が実施されています

運動療育士資格取得後にも、定期的にスキルアップのための学習の機会が作られています。野外でのOJTや、最近ではコロナ禍の影響を踏まえて、オンラインでの勉強会等も開催されています。また、育成用の「私達は療育中に何をやっているのか」といった運動療育の概念を一目で概観できる図表が策定されており、好感が持てます。今後は、キャリパスが制定された事を踏まえて、スキルアップのプログラム一覧の明確化に合わせて、職員一人ひとりがどの部分でスキルアップが必要なのかの検証や計画等も検討してほしいと思います。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) ■課題や目標
・未就学層の利用児を増やすことを目標としました。

■取り組み
・午前中の受け入れ層を増やすようにしました。
・早期発見、早期療育をアピールするパンフレット等を新調し配布やインターネット上に掲載しています。
・相談支援事業からの問い合わせ時等に、よびかけ、年齢層の空き枠を具体的に伝えるようにしました。
・体験会を開催しました。

■取り組み結果
・問い合わせが増加し、利用児が6割程度増えました。



評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
稼働率の向上を目指し、営業活動に力を入れ、目標達成できたと言えます。今後も、事業計画に広報・営業活動についての項目を取り入れ計画的に活動する等、PDCサイクルを着実に実行してほしいと思います。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) ■課題や目標
・職員の専門的なスキルの向上を課題としました。

■取り組み
・スキルアップのための勉強会を最低月1回の割合で定期的に開催しました。
・コロナ禍の影響を踏まえて、オンラインでの勉強会を開催しました。

■取り組み結果
・事業所として提供したいサービスの質を維持する事ができています。



評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
自由な社風、職員の特性を尊重するマネジメント等には好感が持てます。また、職務別の手当やキャリパスが制定された事も、今後のスパークハウスにとっては重要な改善だと思われます。今後は、さらに評価と給与の紐づけの精緻化、スキルアップのプログラム一覧の明確化、職員一人ひとりがどの部分でスキルアップが必要なのかの検証や計画、計画的なスキルアップの機会等、法人単位で検討してほしいと思います。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもや保護者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ウェブサイトに理念・方針を打ち出し、メールでの問い合わせがあります

子どもや保護者が事業所を知る手立てとして、ホームページやソーシャルネットサービス等があります。ホームページの作成は専門家に依頼しており、経営層自ら、当事業所の理念・方針である「脳科学と発達心理学に基づいて独自に開発した療育メソッドで、積極的な運動と関わりを通じて子どもの豊かなコミュニケーション力を育む」を提唱しています。ホームページを見た保護者から、メールでの問い合わせがあります。また、コロナ禍で本部にオンライン事業部が設立され、オンラインを実施した結果、事業所の取り組みを理解する効果も見られています。

療育の内容が詳細にわかるパンフレットを作成し、配布しています

情報提供として、パンフレット「子どもが発達できる豊かな遊び場・スパーク運動療育」を作成し、相談事業所に配布しています。パンフレットは、「スパーク運動療育」の様子がイラスト入りで描かれ、分かりやすい内容となっています。特徴やコンセプト「共動・共感」を謳っています。就学前の発達に課題がある子どもの早期発見、早期治療に向けての療育をアピールしています。多方面へのパンフレット配布は行っておらず、今後、幼稚園などへの配布を視野に入れています。現況は、保護者の口コミで事業所の存在を理解してもらい、親子が訪れています。

問い合わせの後、見学と体験をしてもらい、保護者の相談にも応じています

問い合わせに関しては個別で対応しています。電話で問い合わせがあった場合は、体験日を設定しています。見学と体験をセットにして、訪れた親子ともども療育を行っています。児童発達支援管理責任者が保護者に取り組んでいる内容を伝え、保護者からの質疑応答に対応しています。保護者からの相談事では、自己肯定感が少ないやコミュニケ―ションの双方向性に欠ける、多動で自制ができない、集団生活への不安などの悩みが話されています。管理責任者は保護者が安定するよう、経験を重ねるなかで成長しやすい環境をつくることなどを説明しています。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容や利用者負担金等について、子どもや保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  標準項目4 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
フェイスシートや発達アセスメントの記入の仕方を工夫しています

児童発達支援・放課後等デイサービスの通所を決めた親子には、体験時にフェイスシート(個人情報ファイル)を作成しています。フェイスシートは、本人や保護者、個人情報として言語・特性・生活環境・好み・身辺自立等、細部にわたる情報を記録しています。同時に発達アセスメントを取っています。療育士が遊んでいる子どもの様子を見ながら特性や発達段階、やりとり、ストレスと心のケア、保護者のニーズなどをわかりやすい様式で表記の仕方を工夫したアセスメン表に記入しています。面談記録もあり、職員間で多岐にわたる情報を共有しています。

子どもの特性を事前入手して見極め、無理強いさせず遊びに誘っています

通所当初の子どものストレスや不安感の軽減に対して、発達アセスメントを基に、子どもの特性傾向や発達段階に合わせた関り方を職員間で話し合い、個々の子どもに応じた療育計画を実現させるよう努めています。まずは、玄関での受け入れ時に、安定した気持ちで部屋に入れるようにしています。無理強いをしないで、玄関での優しいやり取りや、公園に行くことで子どもが安定すると見極めると公園に出かけた後、入室させています。職員は内部研修で出迎えの仕方を学んだり、現場の中で経験者の仕方を見ながら、子どもとの付き合い方を習得しています。

退所する子や保護者の個別事情に対応した丁寧な取り組みを行っています

途中退所する子どもについては、保護者からの要望で書類が欲しいという依頼があった場合は渡しており、過去に発達アセスメントの前後を渡した例があります。近年では、全員の退所児にサマリー的なものを差し上げることは実施していません。未就学児が小学校にあがるときや人と関われる目標が達成され退所する時は、「遊びにきてください」と声かけをしています。今後、保育園、幼稚園、小学校、中学校と連携を取り、成長した姿を見る機会を持つことは、支援の継続性につながり、現在の養育のさらなる刺激となると期待しています。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  標準項目2 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、子どもや保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目2 計画を子どもや保護者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  標準項目3 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目4 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの心身や生活状況を個別ファイルに綴じ、活用しやすくしています

子どもの心身状況や生活状況は「フェイスシート(個人情報ファイル)」や「発達アセスメント」、「サービス提供記録」、「児童発達支援提出実績記録票」、「個別支援計画」等、多種類の書類に記載され子どもや保護者の状況を把握しています。それらの書類は分かりやすい書式となっており、子どもの様子や保護者のニーズなどが一見して知ることができます。一人ひとりの「個別のファイル」があり、ファイルの中に全ての書類が収められ、通所時に有効活用しています。個人情報を守るためにも、ファイル類の置き場所の設定の工夫が望まれます。

個別支援計画は細かな項目立てをし、療育に活かせる計画となっています

個別支援計画作成は、現況では管理責任者が、立案しています。運動療育の基本的な考え方のもと、子どもや保護者のニーズや療育の希望を聞き取り、支援計画(長期目標・短期目標)と到達目標及び支援計画内容の留意点を打ち出し、支援期日、優先順位、達成状況(評価・今後の課題)を軸に、行動・コミュニケーション・社会性・プログラム・感覚特性への配慮などの項目立てをしています。個別支援計画は管理責任者と職員で半年に1回は見直しを行い、内容理解を得るため保護者にも配布しています。保護者は要望が反映されているとの感想を述べています。

子どもの情報の共有化に向け、効率の良い仕組みづくりをしています

子どもの情報の共有は、毎回、担当する子どもの書類に目を通して実施計画を立てています。「サービス提供記録」に担当した職員が活動内容やねらい、子どもの様子などを記入し、その他の職員が閲覧しています。振り返りはその日に行ない、話し合った結果を業務日誌にまとめています。毎日の終礼時に子どもの共有事項を出し合い、共有化をしています。また、不在だった職員は業務日誌を見る仕組みとなっています。さらに今後において、作業の効率化を図るためソフトを導入し、パソコン内に打ち込むよう業務改善を実施し、情報の共有化を進めています。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 個別の支援計画に基づいて子ども一人ひとりの発達の状態に応じた支援を行っている 実施状況
  標準項目1 個別の支援計画に基づいた支援を行っている
  標準項目2 子どもの特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  標準項目3 関係機関(教育機関、福祉関係機関、医療機関等)と連携をとって、支援を行っている
講評
個別支援計画の立案を基に、個別の療育を明るく、元気に実施しています

個別支援計画の「具体的な到達目標及び支援計画」をもとに、一人ひとりの子どもの概念・行動やコミュニケーション力、社会性、家族支援、室内・室外個別療育プログラムに沿った療育や感覚特性へのそれぞれの特性傾向を配慮して支援しています。年齢別の発達段階に合わせたものの提供ではなく、能力に合ったものを提供しています。職員は経験値により関わり方のバラツキはあるものの、事業所の指針に沿ってベテラン職員を中心に子どもとの遊びの内容を振り返りながら、療育支援を明るく、元気に行なっています。

感情の表出を大切に、好きな遊びを通してコミュニケーション力を高めています

個々の子どもへのコミュニケーション確立に向けては、非言語のコミュニケーションを大切にしています。感情の表出として、「アー」と声を一緒に出したり、手をたたくなど、職員は子どもと共動・共感しながら携わっています。子どもへの観察眼を高めながら感情や感覚のアウトプットを引き出すようにしています。職員自身も感覚訓練の研修を受講し、嬉しいや悲しいの感覚表現を表出する訓練をしています。子どもと一緒に子どもの特性を見極めた子どもが好きな遊びを通して、感情の発達やコミュニケーション力を促すよう、寄り添いながら関わっています。

積極的に関係機関と連携し、取り組んでいることのアプローチを期待します

関係機関との連携は薄く、相談支援事業所から会議への参加のお誘いはあるものの、タイミングが合わず参加できない状況です。一方、子どもが通園している幼稚園の職員が見学に来ることがあり、幼稚園と事業所の連携を取る機会となっています。幼稚園側では、在園する子どもの意識や行動に変化が生じたことに驚き、事業所見学に訪れたとのことでした。事業所側からの発信は少ない状況ですが、取り組んでいる専門的な関りを広めるためにも、地域の保育園や幼稚園、小学校などへの進出が期待されます。

  評価項目2 【食事の支援がある事業所のみ】子どもが食事を楽しめるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 食事時間が楽しいひとときとなるよう環境を整えている -
  標準項目2 子どもの状態やペースに合った食事となるよう、必要な支援(見守り、声かけ、食の形態や用具の工夫等)を行っている -
  標準項目3 子どもが安全に食事をとれるよう取り組みを行っている -
  標準項目4 食物アレルギーや疾患等については、医師の指示に従い、対応している -
  標準項目5 食についての関心を深めるための取り組みを行っている -
  標準項目6 子どもの状況をふまえ家庭での食事について助言を行っている -
  評価項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている 実施状況
  標準項目1 身の回りのことは自分で行えるよう、必要な支援を行っている
  標準項目2 基本的な生活習慣や社会生活上のルール等 (あいさつ、マナー、交通ルール等)を身につけられるよう支援を行っている
  標準項目3 集団活動を取り入れるなど、子どもの心身の発達や社会性が育つよう支援を行っている
  標準項目4 一人ひとりの有する能力を活かせるよう個別のプログラムを実施している
  標準項目5 送迎は、子どもと保護者等の状況に応じて送迎方法を検討し、行っている
講評
水を使った手洗いにおいても、子どもの特性に応じた支援をしています

身の回りの始末は、基本的には保護者と一緒とやっていますが、トイレの介助で男の子の場合、職員が手伝うこともあります。手洗いの指導は、コロナ禍において、洗い方や石鹸の使い方、水の出し方などを指導しています。水を使っている時、水遊びにならないよう、職員は次の遊びを促し、気持ちを切り替えさせています。また、感覚特性で水に情緒的に興味を持っているのか、理由もなく水遊びをしているのか、危険を伴う水遊びか、を見極め、理由もなく水で遊んでいる時、危険な時は水を止めるなど、子どもの行動や思いを受け止めながら支援をしています。

共動・共感を基盤に置き、独自の運動療育法を確立しています

集団活動が目的ではなく、人との関わりができるように支援をしています。ルールを知らせる時は、職員が個別について仲介し、”一緒に待つ”ことを伝えています。挨拶は職員がまず挨拶をして返事を促しています。具体的な活動として、職員は笑顔で子ども以上に子どもになって楽しそうに、子どもに伝わる表現で遊ぶことを大切にし、脳に良い酸素運動を提供し、子どもが違う遊びをしたら遊びの寄り道に共動・共感し、さらに脳に良い酸素運動を行っています。笑顔で元気よく挨拶をした後、脳を広範囲に使う運動を提供し、落ちつくような流れにしています。

好きな事、好きな物から脳機能を使った遊びを発展させています

個別プランを立て子どもの能力発揮を支えています。能力発揮では子どもの好きな物、得意な物を使って、遊びを通じて能力を引き出し、活動を楽しく行っています。例えば、電車が好きな子どもがステップ台を使った遊びでは、駅の名前を言いながらステップ台を渡らせています。運動と脳機能を使いながら遊びを発展させています。子どもは好きな物を使えば、次の発展に至る、気持ちがのれば、次々に遊びが発展していく、それを職員は引っ張っていく、という考えの下、療育を行っています。また、職員は動画を活用し、子どもへの関わり方を学んでいます。

  評価項目4 子どもの健康を維持するための支援を行っている 実施状況
  標準項目1 子どもの健康状態について、保護者や医療機関等から必要な情報を収集している
  標準項目2 子どもの状態に応じた健康管理を行い、体調変化に速やかに対応できる体制を整えている
講評
受け入れ時の視診の仕方や、事前に身体面の様子を周知しています

子どもを受け入れる際は、健康面のチェックをしています。表情が暗いか、明るいかや、受け答えの様子、口調や突然物を投げるような行動からストレス具合を見るなど、丁寧に観察しています。未就学児は保護者から様子を聞くなどしています。職員の受け入れ時の視診の仕方にバラツキが無いよう、簡潔な視診の手引きがあるとよいでしょう。既往歴などは個別に聞き取ったり、フェイスシートから、食事・運動・睡眠などの生活環境を記入してもらったりし、情報を入手しています。健康な体で療育ができるよう、注意を払っています。

療育中の健康管理に対する体制づくりに努めています

健康管理では、発熱や下痢、嘔吐など身体状況に変化がある際は欠席を依頼しています。療育中に身体面で変化が生じた際は、保護者対応を第一にしながら、活動を中止させ、水を飲ませることや、検温をするなど子どもの健康状態に合わせた処置をしています。嘔吐下痢対応用の処理キットの用意しており、職員は周知しています。今後、職員間で処理の仕方のシュミレーションも必要と思われます。また、コロナ禍において、新型コロナウイルス発生時の感染症拡大防止への対応の仕方も、シュミレーションしておくことが望まれます。

  評価項目5 子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 日常生活の支援は子どもの主体性を尊重して行っている
  標準項目2 子どもが安心して活動できるよう、状況に応じて室内の環境を工夫している
  標準項目3 子どもの状況や希望に沿って、多様な体験ができるようにしている
  標準項目4 【放課後等デイサービス】 子どもの状況に応じて利用日や利用時間を設定している
講評
子どもの主体性を尊重しながら、遊びを展開させ、体と心を育てています

基本的には遊びの課題を出しても、子どもの意思決定のもとに行うことを心がけており、子どもの主体性を尊重し、個々の特性に配慮した関わりをしています。また、子どもは遊びを通して発達するとして、特性を持った子どもと一緒に楽しく体を動かし関われるような”遊び場”で運動ややり取りをたくさん経験させ、その中での学びが子どもの心身の発達や心の発達を育てるとしています。子どもは明るい笑顔や、言葉を発し、職員に受け止められながら、遊びを通して自己発揮をしています。

室内環境設定を考慮した中で、子どもは伸び伸びと過ごしています

室内環境設定として、家の部屋に親子がくる、といった状態をつくり、家のようなアットホームなイメージを大切にしています。一方、壁面にはカラフルなテープで数字や模様をつけ、ワクワク感を持たせています。視覚的な情報を意図的につくっています。壁のテープや壁紙をはがそうとする子どもがいた場合は、行動を否定しないでそこから次の遊びに発展させるような誘いかけをしています。また、特性に応じて、物の配置なども変えています。子どもは職員が温かく接する人的環境と、カラフルに彩られた室内環境の中で、のびのびと過ごしています。

多様な体験を通して、生活が楽しくなるような取り組みをしています

放課後等デイサービスを利用している子どもは可能な範囲で常に相談に応じており、当日の予約にも対応しています。そのような状況下で多様な体験を行っています。体育館や公園でのボール遊びでも、ボールでどんな遊びを見出すかをねらいとし、遊びを創意工夫しています。遊具の使用でも危ないから、とは言わず、子どもに考えさせるような言葉遣いを配慮しています。丘のある公園では、登り降りを十分させバランス感覚を養っています。体育指導ではなく、運動を通して、さまざまな運動機能の発達を促しています。

  評価項目6 家族との交流・連携を図り支援を行っている 実施状況
  標準項目1 子どものサービス提供時の様子や家庭での普段の様子を家族と情報交換し、支援に活かしている
  標準項目2 家族の意見や要望を活かした支援を行っている
  標準項目3 家族の状況に配慮し、相談対応や支援を行っている
  標準項目4 子どもや家族に合った療育方法等について助言している
講評
保護者と綿密なつながりを持ち、共通認識を高めるよう努めています

個別指導計画を保護者に開示し、療育のあり方を知らせ、保護者と職員が一体となって子どもを育てる姿勢を持つ取り組みをしています。できる限り、保護者とコミュニケーションを取るよう努めてもいます。保護者と接する際は、言葉遣いや言葉の選び方に配慮しながら対話を進めています。療育内容を保護者も一緒に観察したり、療育に一緒に加わったりすることで、子どもへの接し方の理解につながっています。しかし、子どもが一人で通所しているケースでは、保護者とのコミュニケーション不足になることを、事業所では課題にしています。

相談事は電話やメールでも受け、保護者の悩みに寄り添っています

保護者からの相談事は現場ではゆっくり時間がつくれないことに鑑み、電話やメールでの相談を受けています。相談内容として、学校生活でうまく関われてないことや、保護者としてどうすればよいか、家で荒れている時の対応などの相談事があります。当事業所の理念・方針に落とし込むことや、共感的対応や子どもの気持ちを汲み取ること、なぜそうなっているかを考えてみることなど、アドバイスをしています。家庭と事業所が一体となって子どもに接するよう、機会あるたびに保護者に働きかけています。

保護者は療育の目指すところを周知し、子どもの育ちの理解をしています

療育終了後、毎回のフィードバックで保護者に療育方法について助言しています。助言をする上での工夫点としては、押しつけをしないよう心配りをしています。保護者対応の基礎として、保護者の気持ちを受け入れる、「そうですよね」と共感し、そのうえで、指針を示しています。利用者調査の結果でも、保護者は療育の内容を理解し、「子どもに必要な課題を与え、自分で考え、行動に移す力がついてきた」や「子どもの気持ちを大切にし、親のストレスケアもしてくれる」、「子どもの多様性を認め心ある療育をしてくれる」等、高評価をしています。

  評価項目7 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域の情報を収集し、子どもの状況に応じて提供している
  標準項目2 必要に応じて、子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるよう支援を行っている
  標準項目3 【児童発達支援センター】 地域全体の在宅障害児や関係機関等を対象に、施設・設備や人材・プログラムを有効に活用した支援を実施している
講評
公園での遊びを通して、地域の子どもに遊びの楽しさを感じさせています

コロナ禍で地域とのつながりが疎遠になる中、毎日公園に出かけています。公園での運動遊びを子どもと職員が楽しそうに行っているのを、公園に遊びに来ている地域の子どもが見て、一緒に遊びを模倣する姿が見られています。顔なじみになった子どもは、「今日は○○先生いないの」と職員をリクエストする関係性にまでなっています。職員は同じロゴ入りのTシャツを着ており、同じ事業所の職員であることを、地域住民に知らせています。地域の子どもに遊びの仕方を伝えるメッセンジャーの役割を果たしています。

地域全体や関係機関に向けたプログラムの提唱が期待されます

コロナ禍において、地域全体の在宅障害児や関係機関を対象に、施設設備や人材・プログラムを有効に活用した支援は積極的に行っておらず、現況では、幼稚園の先生が個別プログラムの実施を見学するに留まっています。”子どもは遊びを通して発達する””子どもの成長と主体的な身体活動”などを掲げ、当事業所の実施している「スパーク運動療育(子どもが発達できる豊かな遊び場)」を多くの方々に提唱していくことが期待されます。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
  標準項目3 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(子どもが「ノー」と言える機会を設けている)
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
  標準項目3 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
講評
子どものプライバシーへの配慮を意識して日常の中で取り組んでいます

入所時の「重要事項説明書」のおりに、”人権擁護及び虐待防止のための措置に関する事項”を丁寧に説明し、保護者の理解を得ています。同意書をもらい納得してもらっています。職員は人権擁護の意識を持ち日々、療育支援に携わっています。子どものプライバシーの配慮では、窓から部屋の中が見えないようにシートで隠したり、職員間で使ってはいけない言葉を注意し合ったりと、さまざまな点で配慮しています。子どもの名前の呼び方については、基本的には○○ちゃん、○○くんと呼び、信頼関係ができた上で、名前だけにしている職員もいます。

羞恥心への配慮や気持ちの受け入れを、多角的な視点より行っています

子どもの羞恥心への配慮については、排泄の失敗時に、分からないように後始末を手早くしています。着替えはトイレなどの部屋を利用しています。子どもの生活上のくせやこだわっている順序等を受け入れています。子どもの接し方において、見る人によっては、甘えさせている、好き勝手させているとの見方もありますが、まずは子どものニーズを受け止め、関係性を付けることから始め、将来の発達のステップに行き届くよう考慮しています。子ども中心の気持ちの受け入れを療育の第一歩としています。

職員も関わる遊びを通して共動・共感を大切にし、成長発達を育んでいます

距離感の把握や感情表現が苦手な特性を持った子どもに、大人が入って一緒に遊ぶことで感情の発達を促すという発達心理学を基礎とした発達プログラムを基に、大人が豊かな環境となり、心に働きかけるアプローチで子どもの興味を尊重し、一緒にたくさん関わり、体を動かして遊ぶことを大切にしています。「共動・共感」の概念の下、運動療育である遊びを通して、注意を向ける、興味を深める、気持ちを切り替える、共感する、コミュニケーションを取ることを習得していくよう、子ども自ら発達できる遊び場を提供し、子どもの主体性や感覚を育んでいます。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
講評
多様なマニュアルを作成していますがコロナ禍のマニュアルが望まれます

「災害時対応、不審者侵入マニュアル」や「衛生管理マニュアル」、「苦情解決マニュアル」、「虐待の種類」等のマニュアルを設置しています。マニュアル類は事務室に保管され閲覧できるようになっていますが、職員に配布はしていません。必要時にその都度使うよう口頭で伝えています。コロナ禍において、特段のマニュアルは作成しておらず、保護者も見られるようにコロナ禍の注意事項を記入した用紙を玄関に貼りだしています。口頭でも消毒や手洗い、換気を伝えています。コロナ禍では、事業所としてどのような取り組みをするか、の手順書も必要です。

業務を遂行していく上で大切な手引書の点検や見直しは行っています

職員の業務の基準として重要視している手順書として、「スパーク運動療育の手引書」があります。この手引書は年度終わりに点検や見直しを行っています。療育の根源となっている手引書は最も活用しています。ただ、職員の入れ替わりが多い事業所で、ベテラン職員の管理責任者が、療育上大事にしていることや新入職員に伝えたいこと等、を簡潔にまとめた冊子をつくり、次につなげることも必要と考えられます。提供している業務事務を軽減をするため、現場の意見や管理責任者の意見を吸い上げ、業務日誌などの記入事項のソフトの見直しを行っています。