東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

園内や法人運営のホームページにおいて、保育目標、および、保育方針を明示している。「心やさしい元気な子」という目標を日常の保育の中で実現していくために、「一人ひとりとの触れ合いを大切に」（0、1歳）、「感受性を育て、生活のリズムを作ります」（2歳）、「幅広い人間関係、社会性を育てます」（3、4、5歳）と、各クラスの方針を定めている。そのほか、運営に関わるルールである運営規程や、一年間の保育・教育の見通しを示した保育課程などにおいても、目指す保育像を明らかにしている。

目指す保育像については、職員会議などの場において確認している。保育課程にも明示し、指導計画の立案や計画に基づく援助の実施を通して、目標の浸透を図っている。そのほか、毎週の会議を通して、共通認識に基づく職務の遂行を図っている。

保育の一環として子育て支援を実施している。保護者からの子育て相談にも随時対応している。また、英語講師によるレッスンについては、園外の子どもを対象にも実施している。

市内の保育施設の連絡会、看護師会や栄養士会などに参加することで、地域の中で連携して課題に対応していく体制を整えている。連絡会では、新制度の動向や各園での取り組みについて情報交換を行ったり、看護師会では、感染症対策としての具体的な取り組み、嘔吐の処理方法、手洗い指導などについて、各園の状況を共有したりしている。

機会を捉えて保護者の意向を収集し、随時の対応を積み重ねていくことで、信頼関係を築いていくことを目指している。寄せられた声に対しては、日々の保育の中で解決できるよう、全体で共有して取り組んでいる。見学の要望があれば随時対応したり、行事の実施後にはアンケートを通じて意向を把握して次回に活かすなど、日々、意向を踏まえた対応の向上を図っている。

運営法人を同じくする系列園とは、定期的に施設長会を開催して連携を図っている。各園での課題の共有や相談をはじめ、子ども新制度などの事業を取り巻く動向の把握など、必要な情報共有・状況の分析をもとに運営していけるよう取り組んでいる。

運営・保育実践に関わる一年間の見通しを保育課程としてまとめ、保育実践、保護者支援、地域との関わりなどにおいて力を注いでいる。年度当初に担当者を決定し、計画に基づいて業務を推進していけるよう取り組んでいる。

危機管理や感染症対策、戸外遊びなど、特に安全上の留意が必要な分野について組織として実施手順を定めている。そのほか、学校110番の利用、防災計画に基づく定期的な避難訓練の実施などを行っている。また、事故や事故に至らない事例（ヒヤリハット）について、原因や経緯の確認、再発防止策の策定などを行い、安全な保育環境の維持・向上に取り組んでいる。

年度当初に目標を立て、また、本人の希望などを踏まえて、必要な力を身につけていけるよう、研修の機会を設定している。現在、キャリアパスの制度自体は整備しており、今後はこの仕組みを活かして、より一層育成に力を入れていく方針である。

職員間のコミュニケーションを活かしながら、互いに協力し、保育を進めている。保育、看護、栄養の各専門性を活かしながら、それらの枠にとらわれず、一人ひとりの成長の援助に関わっている。

職員に対し情報セキュリティのための意識の向上を図るとともに、事務職員を中心に電子データや紙媒体の管理を行っている。また、法人として個人情報の取り扱いに関する運用規程を定め、利用目的や範囲を明らかにし、職員全体にも周知している。

法人運営のホームページにより、園目標（「心やさしい元気な子」）を掲げ、保育の方針（「一人ひとりのお子さんが健康で感受性豊かに伸びやかに成長するためのお手伝いをします」）を明示している。その上で、利用条件や月極保育料、利用契約時に踏まえておくべき重要事項説明書の全文などの関連情報を提供することで、利用希望者の便宜を図っている。また、利用希望者向けにパンフレットを作成し、園のエントランスだけでなく、自治体の担当課の窓口でも手にすることが出来るようにしている。

見学希望者に対しては、随時受け付けている。事前の問い合わせがあった場合は、見学希望者の都合や要望などを踏まえて日時を決定し、保育の様子を見る場面を設定している。見学の際には、パンフレットなどのほか、入園に関する資料一式などを提供して説明を行いながら、見学者の関心を踏まえて対応している。

入園が決定した場合は、当該利用者（保護者）と面接を実施し、重要事項説明書もとに園の概要について説明を行っている。内容としては、「施設の概要」「保育内容のご案内」「保育料金」「保育時間」「入園までの手続き」、および園生活のために準備する物などについて説明し、安心して利用を開始出来るようにしている。そして、保護者の子育てについての考えを確認し、園に求めている事柄がある場合にはそれらについて内容を確認した上で、児童票に記録している。

子どもの健康上の留意点やアレルギーなどにも配慮し、医師の診断書にも基づき、食事にも配慮している。入園直後は、特定の保育者との関わりを作り、安心して生活していくことを目指している。利用時間を短時間から通常のものに徐々に調整しながら、子どもが新しい生活環境に無理なく馴染んでいけるように配慮している。同時に、保護者との連絡を密にし、一人ひとりに合った生活リズム作りを図っている。そして、保護者の気持ちに寄り添いながら、成長を共に喜び信頼関係を築いていけるよう取り組んでいる。

援助に関連する子ども一人ひとりの情報をファイルに収めている。出生日時をはじめ、予防接種や既往症、アレルギーなどの健康に関すること、食事、睡眠、排泄などの生活習慣、言語、発達、遊びなど発達に関することなど、一連の事項について、児童票に記載している。契約の変更・更新の際には面接を行い、そこで得られた新たな情報を児童票に書き加え、いつでも最新の情報を把握し、職員間での内容の共有を図っている。

保育課程を編成し、それに則って年間計画や月間、週間計画を作成している。保育の実施後は、クラス内での評価・反省、全体の共有を図っている。年度初めの保護者会では、各クラスの1年間の見通し（大切にしていくことなど）を保護者に説明している。

夏の遊びの一例として、乳児クラスでは、色水を使って混ぜたり、器に入れたり出したり、足形を作ったり、絵の具を用いた遊びなどを展開している。幼児クラスでは、ボディーペインティングで遊んだり、両手の型を画用紙につけて花を描いたりするなど、友達とともに楽しみながら作り上げる達成感などを味わっている。

登園時には保護者は保育室まで入室し、職員は保護者から家庭での子どもの様子を確認し、同時に健康観察を行っている。連絡帳は子どもの24時間の生活リズム、朝の体温や家庭での様子を記入している。体調面で気になる事やお迎え時間、人の変更など、通常と異なる事項については、職員全体で共有している。今後も、組織内での情報共有の一層の徹底を図っていく方針である。

乳児のスペースは、ワンルームをパーテーションで3つに区切り、食事や遊び、午睡などを行っている。特に1歳児は、設定された保育形態で、必要に応じて玩具を提供している。幼児では、子ども自身による手作りの装飾など、日頃の実践が空間づくりにつながっている。遊びこめる空間という意味でのコーナーの設定は、今後の課題となっている。

日常の保育の一環として、行事を実施している。行事の実施に向けた日頃の活動の中に準備を組みこんだり、行事の中での活動を日常に取り入れ、発展させたりするなど、楽しみを継続させる実践がある。

朝夕の合同保育は、人数や年月齢構成に配慮し、特に0歳児クラスは睡眠・食事時間を個別に対応している。夕方は、一日の疲れが出て怪我も発生しやすくなる時間帯であることから、職員が寄り添い、落ち着いた時間を確保できるようにしている。

栄養バランスを考慮した献立に基づき、子どもの状態に配慮して食事を提供している。食事の際は、食材や料理に関心を持ちつつも、三角食べや食具の適切な使い方などを、発達段階に応じて身につけられるようにかかわっている。また、季節の野菜を用いた調理活動なども取り入れている。

園医による定期的な健康診断に加え、毎月の身体測定、春の蟯虫検査、看護師による毎日の健康観察や検温など、子どもの健康と成長、発達を保護者と共に見守っている。気になる事がある場合には園医に相談し、保護者と連携して対応している。

保護者の状況により保育時間を変更する必要が生じた場合も、月単位で契約を変更したり、突発的な出来事で利用時間が変更になる場合も1日単位で対応するなど、子どもがいつでも安心して迎えを待てるよう環境を整えている。登降園時には、気軽に相談できるように、意識して関わっている。

安全な経路によってアクセスできる公園が複数あるという立地条件を活かして、社会資源としての自然環境を舞台に戸外活動を行っている。向かう道すがら出会う人々と挨拶を交わしたり、散歩先で声をかけ合ったりと、自然な形でのコミュニケーションがある。系列園との交流については、今後の検討課題となっている。

利用契約の際に、秘密保持や個人情報保護に関する方針を示し、目的の範囲内での利用について同意を得ている。その上で、個人情報保護に関する規程類の趣旨に則って日頃の保育を実践している。

感染症や衛生管理、事故防止、危機管理、食物アレルギーなど、特に重要度の高い事項について、組織としての対応手順や留意事項を、マニュアルとして明確化している。そのほか、市の虐待防止マニュアルも活用している。