東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成29年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 社会福祉法人桜ヶ丘社会事業協会
事業所名称 キッズガーデンかわせみ
評価機関名称 株式会社 にほんの福祉ネット

コメント

園長経験者および評価全般に関わる知見を有する補助者を含むチームにより実情に即した評価の実施を心がけた。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1) 利用者の意見を取り入れた管理運営を実現する。 2) 管理運営に関する諸法令・規則及び公示などを遵守する。 3) 児童が安心して利用できる環境を整備し地域の子育てを支援する。 4) 管理運営業務に従事する職員の資質を重視し常に質の高い人材を配置する。 5) 効率的な管理運営システムを確立し安定した運営に努める。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

職員一人ひとり、自らが人としての尊厳をもつものであること。倫理観及び職務の責任の理解と自覚が基盤となること。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

保育の専門性を高め協働性を高めていくこと。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子ども一人ひとりを職員全体で見ていく姿勢

各クラス単位で過ごす時間を保障しつつ、ワンフロアという施設の特徴を活かして、どの保育者も園に通っている子ども全てに関心を持ち、園全体で子ども一人ひとりの育ちを援助していく姿勢がある。一人ひとりとの関わりについても、その子どもに応じた柔軟な対応が充実しており、課題が発生した場合は速やかに全職員が共有して解決に向けて行動を起こすことができている。保護者との関わりにおいても、きめ細かな対応に努めており、子どもの育ちを保護者と共有していく園の姿勢に対する信頼も高い。
2 豊かな自然との関わりを活かした取り組み

園周辺の恵まれた自然を活かして、幅広い体験や豊かな感性の育ちにつなげている。近隣には川が流れており、豊かな緑と合わせ、季節の移り変わりを感じられる環境にある。毎日のように外に出かけ、葉や実、石に触れ、自然とのかかわりを通して興味を持って楽しんでいる。敷地内の広い芝生では、思い切り身体を動かしたり、畑を活用して季節の野菜を育てたりしている。豊かな自然を活かした取り組みを通して、豊かな感性や心身の育ちを援助している。
3 子どもの育ちを保護者と共有する取り組み

日々のコミュニケーションや必要に応じた面談などにより、家庭と連携しつつ、生活の連続性を踏まえた保育に努めている。また、今年度は、保護者による参加型の参観を行った。これは、各回1名の保護者が普段の日常の保育の様子を実際に中に入って体験的に知るためのものである。子どもの様子、他の子どもとのかかわり、保育士による声かけ、見守りなどの配慮されたかかわりに直接触れることで、園の保育の実際の様子、普段伝わりにくい保育の工夫など知ることも出来、園に対する理解や安心も一層深まる取り組みである。

さらなる改善が望まれる点
1 引き続き、快適な環境の維持・向上を図っていく

一人ひとりの子どもの状況の把握や柔軟な対応、豊かな自然を活かした日常の活動の展開など、子どもの健やかな育ちのために日々取り組んでいる。子どもにとっての身近な環境という意味で特に重要な保育士のあり方は、配慮された声かけやかかわりなど、園として目指すものに向けて向上してきた。今後も引き続き、子どもにとって快適な環境を維持・向上させていくことを課題としている。
2 職員一人ひとりの育成をより確かなものにしていく方策を探る

特に新入職員に対しては、業務手順をもとに説明を行い、実際にともに仕事をしながら学ぶ機会を一定期間設けている。着実な育成のためには、こうした採用時のものだけでなく、経験年数に応じた指導・育成の体系が必要となってくる。今後は、組織として求める人材像や個人としてつけていきたい力などを踏まえて、学びの機会を提供し、より着実な成長を図っていくためにも、個別の育成計画の導入を含め、より良い方策を検討していくことを課題としている。
3 園として目指すことの再確認を行っていく

法人としての思いの発信、園内での思いの共有などが図られている。園目標についても、各自の言葉で置き換え、カリキュラムにおいて具体化を図っている。一丸となった運営、理解や納得に基づく運営には、共通目的、それに対する共通認識、そのためのコミュニケーションが必要となってくる。今後は、園として目指す事柄(理念や目標)に対する認識を新たにしていくための方策を、検討していくことを課題としている。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 豊かな自然との関わりを活かした取り組み

園の中から窓越しに見えるのは、園舎を囲んでいる自然である。木々は季節ごとの色で染まり、それを目にしているだけでも心が癒され、子どもたちの心を豊かにしている。毎日のように外に出かけ、足元に落ちている葉や実、石を拾う姿は、家庭で保護者が子どもを外で遊ばせている感覚に似ている。敷地の中には広い芝生があり、運動会を行ったり、畑を活用して季節の野菜を育てたりし、また実際に獲れた野菜を調理して食べている。初めは芝生や土に慣れない子どもも、いつの間にか自分から触れている姿が見られる。
関連評価項目(日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:複数児利用世帯は最低年齢児1人を対象として実施世帯数を絞って実施した。

調査方法:アンケート方式  
アンケート調査票の配付は保育園を通じて保護者へ手渡し、回収は、園に設置した回収箱への投函、および、保護者から評価機関に対する直接の郵送を併用した。

利用者総数 36人
利用者家族総数(世帯) 34世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 34人
有効回答者数 26人
回答者割合(%) 76.5%

総括
〇総合的には「満足」73%、「まあまあ満足」27%、あわせて100%という満足度が示された。 〇各質問項目においても、一部を除き、おおむね80%以上の方が肯定的な回答を示すなど、高い満足度を裏付ける結果となった。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 24人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の92%が「はい」と回答した。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 24人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の92%が「はい」と回答した。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 24人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の92%が「はい」と回答した。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 24人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の92%が「はい」と回答した。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 17人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
回答者の81%が「はい」と回答した。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 18人  どちらともいえない 7人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
回答者の69%が「はい」と回答した。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 20人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の77%が「はい」と回答した。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 22人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の85%が「はい」と回答した。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 23人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の88%が「はい」と回答した。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 23人  どちらともいえない 1人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
回答者の88%が「はい」と回答した。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 21人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答者の84%が「はい」と回答した。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 17人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
回答者の81%が「はい」と回答した。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 25人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の96%が「はい」と回答した。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 23人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答者の92%が「はい」と回答した。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 23人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の88%が「はい」と回答した。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 19人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
回答者の83%が「はい」と回答した。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 10人  どちらともいえない 9人  いいえ 4人  無回答・非該当 3人 
回答者の44%が「はい」と回答した。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
保育理念や目標の明確化と組織内における周知

法人としての思いの発信、園内での思いの共有などが図られている。園目標についても、各自の言葉で置き換え、カリキュラムにおいて具体化を図っている。そして、昼礼や職員会議などにおける連絡や検討などを通して、組織全体として同じ方向に向かって行けるように取り組んでいる。

保護者に対する説明

保護者に対しては、保護者会の場において、保育理念や目標を達成するためのカリキュラムについて、説明している。知ることが園に対する理解につながり、また、それが不安や誤解の解消、ひいては一層の協力関係につながることから、園としての取り組みやその背後にある考えなどについて、一層の理解を得られるよう、継続的に取り組んでいく方針である。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など) ×
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている ×
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
法令の遵守と透明性の確保

組織の一員として、また、専門職として、踏まえるべき事柄を各種規程類において明確化し、周知を図っている。また、ホームページによる情報発信に加え、福祉サービス第三者評価など、外部の視点を導入することで、透明性の確保を図っている。

他事業者との連携

園の所在する多摩市内の事業者と連携し、連絡会を構成している。法制度や保育事業を取り巻く周辺環境などについて協働して情報収集や理解・分析に取り組んでいる。また、日々の保育のアイディアを交換する場としても機能している。そのほか、近隣の園への見学を行うなど、交流を図っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
運営に対する振り返り

苦情解決制度の概要や利用方法、窓口などについては、利用契約時に保護者に対して説明を行っている。また、第三者委員、保護者の代表者、法人理事、園長などで構成される運営委員会において、園の現状や事業計画、組織内の規程・規則類の改正状況などについて説明を行うとともに、園運営のモニタリングを行っている。

地域の福祉ニーズへの対応

待機児童など、園の所在する地域の子育てをめぐる状況について情報を収集・分析し、定員の弾力化により待機児童の解消に取り組むなど、地域の福祉ニーズに対応した取り組みを行っている。また、市内の事業者と構成する連絡会を通して、保育事情の把握や対応方法の検討などにつなげている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
安全管理体制の構築

医療機関や介護施設、専門学校など、同一法人が運営する事業所全体で、利用者の安全の維持・向上に取り組んでいる。各種災害を想定した対応策の策定や訓練の実施など、非常時における協力体制を確立している。園内では、感染症予防や事故・怪我の防止など、安全な保育環境の維持・向上に向けて取り組んでいる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している ×
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している ×
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている ×
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している ×
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
職員の意向の把握と園内外での学びの場の提供

日々のコミュニケーションに加え、職員との面談を通して、職員一人ひとりの意欲や目標などについて把握している。また、外部研修の活用だけでなく、園内でも学びの場を設け、研鑽の機会を提供している。今後は、個別の育成計画の策定なども視野に入れながら、より一層計画的な人材育成を図っていく方針である。

やる気の向上に向けた取り組み

新入職員に対しては、業務手順をもとに説明を行い、実際にともに仕事をしながら学ぶ機会を一定期間設けている。今後は、組織として求める人材像や個人としてつけていきたい力などを踏まえて、学びの機会を提供し、より着実な成長を図っていくためにも、個別の育成計画の導入を含め、より良い方策を検討していくことを課題としている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
情報管理体制

利用者に関わる情報については、保護方針や開示請求への対応方法などを定めた規則により、取り扱い方法を明確化している。職員に対しては、その趣旨について説明し、周知を図っている。書類に限らず、口頭で得た情報についても、より一層意識していけるよう、継続的に周知を図っていく方針である。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
保育目標を踏まえた各種取り組みの実施
見通しに立った一貫性のある保育実践となるよう、意識的に取り組んでいる。年間指導計画やその他の短期的な指導計画、行事など、日々の取り組みが、全て保育目標の具体化であることを継続的に周知してきたこともあり、それぞれの取り組みが長期的な視野のもとで位置づけられるようになってきた。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
一人ひとりの意識の向上に向けた取り組み
クラスの代表者を固定せず、それぞれが意識や責任感をもって保育を実践していけるように取り組んでいる。こうした取り組みを通して、職員の主体性が徐々に発揮されやすくなっている。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
子どもの育ちを保護者と共有する取り組み
今年度は、保護者による参加型の参観を行った。これは、各回1名の保護者が普段の日常の保育の様子を実際に中に入って体験的に知るためのものである。子どもの様子、他の子どもとのかかわり、保育士による声かけ、見守りなどの配慮されたかかわりに直接触れることで、園の保育の実際の様子、普段伝わりにくい保育の工夫など知ることも出来た。 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われているが、成果としては現れていない
向上に向けた取り組みがある
財務計画に基づき、運営を行っている。月ごとに財政状況を把握し、今後の判断材料としている。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
ニーズの把握とそれを踏まえた対応
保護者による参加型の参観を行った。子どもの様子、他の子どもとのかかわり、保育士による声かけ、見守りなどの配慮されたかかわりに直接触れることで、園に対する理解や安心も一層深まった。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
園の紹介

ホームページやパンフレットなどにより園の概要について紹介している。アクセスマップや法人全体の見取り図(写真入り)、保育目標、対象年齢、受け入れ数、料金設定、職員体制、主な行事などについて簡潔に説明している。

見学希望者への対応

見学希望者に対しては、予約の有無に捉われず随時受け付けをしている。事前の問い合わせがあった場合には、見学希望日や希望時間を踏まえて日時を決めて、できるだけ保育の様子を見ることができるようにしている。見学時には、パンフレットをもとにして園の概要についての説明をし入園についての見通した立てられるようにしている。

さまざまな入園相談への対応

入園相談のうち、事情により受け入れが難しい場合には、その保護者や子どもが置かれている状況を受け止めている。可能であれば加配をして園として受け入れる態勢を整えたいが、それが難しい場合には、市の関連機関に繋げるほか必要に応じて他園の情報を提供するなど、必要なサービスを受けることができるように支援している。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
サービス開始時の説明と同意

サービスの開始前には、契約書や説明書、その他園での生活に関する基本事項に基づいて説明をして、理解した上で契約を交わしている。保育内容については、年齢に応じた保育内容、年間行事、一日の過ごし方、アレルギーを含めた食事提供について、衛生・健康管理、園と家庭との相互理解のための個別の連絡帳、情報提供・連携のための保護者会や面談の実施など伝えている。

個別の事情や要望の把握

利用開始に際しては保護者と面談を行い、保育時間に関する意向や保育上の留意事項などのほか、健康上の留意事項、慢性疾患、離乳食の状況、アレルギーの有無などについて各専門職種の立場から情報を収集している。個別の情報については個人の児童票を中心として個別の記録簿に記載している。

入園直後の不安やストレスへの対応

入園時に入手した子どもの遊び、食事、睡眠、排泄、着脱、清潔、養育の状況などに関する情報をもとに、集団生活という環境の変化に馴染んでいかれるように配慮している。一週間程度を目安とした「慣れ保育」を実施し、子どもだけだなく保護者にとっても今までの生活の中に園の生活が組み込まれてくる状況に徐々に慣れていっている。特に0歳児クラスの場合、授乳や離乳食などが思うように進められていないケースもあり、個別の連絡帳や送迎時での保護者との関わりの中で信頼関係を築きなから子どもの育ちを共に支援するようにしている。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 保育課程や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、保育課程を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
支援に必要な情報の収集

児童票をはじめとする利用開始時の提出書類一式を中心に、保護者の意向を始め子どもの健康状態や保育を始める上で必要な事項について記録している。

計画の作成と保護者への説明と共有

保育所保育指針や乳幼児教育に関する実践の手引きなどに基づいて保育課程を編成している。それにのっとって年齢毎に年間その他の指導計画を作成している。指導計画の前提となる情報の収集・課題設定などは、各時期のカリキュラム反省を通して定期的に行っている。

日々の記録と情報の共有

計画に基づき提供した支援と、それがどのような結果をもたらしたのかについて日々の記録に残している。保育内容については、日々の保育実践の中で保育者同士が容易に話しをする環境になっており必要な情報が保育者に共有しやすくなっている。また、保育環境がどの保育者も全ての子どもに目が届きやすくなっており子どもに関する情報を共有しやすくなっている。さらに、連絡ノートや昼礼ノート、子どもの一日の様子の記録によって交代勤務でも情報が共有でき、保護者への伝達も円滑に行っている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている
講評
年齢・発達に応じた環境構成

限られたスペースの中であっても工夫してそれぞれの年齢の子どもたちが落ち着いて生活ができるようにしている。0歳児室は単独になるように造られており、その他の年齢においても月齢の差に配慮してグループに分けた空間の中で遊びが展開できるようなっている。保育者手作りの家具や玩具が置かれており必要に応じてコーナー作りをして遊び込める環境作りをしている。

異年齢での関わりを通した心の育ち

異なる年齢で構成されたクラスの中で、様々な活動や食育、行事などの取り組みを行うことを通して互いの姿を身近に感じて手伝ったりやってもらったりする関係を喜ぶ、嬉しいことやってほしいことを言葉で伝えあう、認めあいや思いやる気持ちにつなげるなど、養護と教育の面で子どもの育ちを図っている。

子ども同士のトラブル対応

トラブルに関わっていた子どもの心情を察し、どうしてそのようなことが起きてしまったのか、どのようにすればよかったのかを考えるようにしている。生活の中で子ども同士のやりとりがうまくいかない時は保育者が仲立ちとなって、子どもの気持ちを代弁したり、「貸して」「待っててね」など必要な言葉を具体的に子どもに伝えるようにしている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
送迎時における状況の確認と報告

登園時には保護者一人ひとりに声をかけ、機嫌や食事、睡眠、排泄などについて、無理なく園生活を送ることができるように様々な情報を聞き取って連絡ノートに記載しておく。降園時には、担任がいれば担任が、もしいない場合でも担任から引き継いだ内容を保護者に口頭で知らせており、情報の伝達が途切れることのないようにしている。

基本的な生活習慣の習得

年齢に応じた生活リズムを大切にし、よりよい習慣を繰り返し行うことで基本的生活習慣を身につけていかれるよう取り組んでいる。子ども自身が意識できるように必要に応じて声をかけたり、満足感や自信をもてるように関わっている。子どもの意欲をうけとめ、継続的に声をかけたりやり方を示したりしながら、日常の生活の中での積み重ねを通して基本的生活習慣が身に付くように援助している。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
季節を感じながらの生活

法人の敷地の一角に立つ園舎の周りは緑が豊かで、季節の移り変わりを感じながら生活を送っている。戸外に出ることは特別の事ではなく、「自宅からでかける」ような感覚で毎日のように出かけている。子どもたちは木々の葉や実を手に取って園におみやげとして持って帰ることを楽しんでいる。持って帰った葉や実は職員に手助けしてもらって季節感たっぷりの飾りになって園生活を豊かにしている。

個々の活動の保障

保育室をどのように構成して日々の保育を進めていくかは保育者の工夫や連携が必要になってくるが、おおよそひとつのフロアからなっているため、それぞれの保育者が園全体の動きを把握しやすい。年齢また同じ年齢であっても月齢による発達の違いに目を向けてその時に必要な基本的生活習慣や遊びが提供できるように空間を区切ったり人の配置をして目の前の事に子どもたちが集中できるようにしている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
バラエティに富んだ楽しい行事

年間指導計画に基づいて様々な行事への取り組みがなされている。入園時のはじめまして会をはじめ、七夕、納涼大会、プールあそび、運動会、いもほり遠足、節分、生活発表会、ひなまつり、おわかれ会、また毎月の誕生会や避難訓練など多岐にわたっている。行事は可能な限り子どもたちが主体となって取り組める方法を考えており、例えば今年度はハロウィンのお菓子を0歳児が皆に配るというように今まで当たり前のように取り組んできた事に対してももっと違うやり方があるのではないかと常に新しい取り組みや方法について考えるという姿勢がある。

保護者や地域の方々も楽しめる行事

園の行事は保護者や法人の協力がなくてはなりたたない。2歳児以上の子どもたちは毎月高齢者施設の誕生会に出向いて一緒にお祝いをするのが恒例となっている。行事の日程についてはあらかじめ保護者に伝えているので都合をつけて参加しやすくなっている。行事を通して子どもの成長を保護者と職員が共有できる機会となっており、ひとつの行事が終わるごとに職員と保護者の関係も深まっている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
長時間保育における配慮

一日の中でどの時間帯においても、一人ひとりが思いや自己を発揮できるような環境作りに努めている。特に保育時間が長い子どもに対しては、夕方からは一日の疲れが出てきやすいため、怪我や子ども同士のトラブルが起こらないよう落ち着いて過ごすことができるように、またくつろぎも感じられるように遊びを設定している。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
大好きな給食

献立表に基づき、栄養バランスのとれた給食を提供している。行事の際は保育者の意見を取り入れながら献立に工夫をして見た目にも楽しめておいしい給食となり、子どもたちから歓声があがる。一人ひとりの摂食状況に合わせて盛り付け量を調整し、完食する喜びを味わえるような工夫もしている。また、食事の際は落ち着いてまたその子どものペースで食べられるように座る場所を決めている。その日子どもに提供した給食やおやつは玄関にサンプルを置いて保護者に知らせている。

「食」を楽しむ

いつも身近なところで食材に触れている。園のプランターでの野菜の収穫は毎日の水やりをはじめお世話をしたごほうびに実をつける。法人の敷地にある畑でも様々な野菜を育て、秋にはいもほり体験もしている。獲れた野菜は子どもたちが調理室に届けて調理してもらっている。その他、豆の皮むき、ふりかけやうどん作りなど体験し作ること食べることの両方を楽しんでいる。実体験を通して食材に触れることにより食への関心や苦手なものでも食べてみようとする気持ちを育んでいる。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
健康的な生活

毎日登園の受け入れ時には保育者が視診を丁寧に行い、健康状態について保護者との確認を行っている。例えば前日に体調不良な状態で降園していた場合は帰ってからの家での状態や朝の様子を保護者から聞き取り、園での生活につなげている。また、嘱託医による定期的な健診やぎょう虫検査、毎月の身体測定などの記録を個別に残している。また、乳幼児突然死症候群の発生防止のために、午睡チェック表により定期的に呼吸の確認を行っている。

衛生・健康管理に関する保護者への情報提供

感染症発生時は、主な症状や経過、注意点などについて、その日のうちに保護者に周知している。市やその他の関係機関からの情報についても送られてくるポスターやチラシを玄関に掲示するほか、季節に応じた注意事項などを保健だよりへ記載したり、口頭で伝えるなど、健康・保健・衛生に関する情報の周知を図っている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
柔軟な対応

様々な事情を抱えている保護者の方々へ必要な支援を提供するために柔軟な対応ができるようにしている。急な延長保育の受け入れをしたり、家庭の事情や子育ての相談などを園長がいつでも受け付ける準備を整えている

保護者との共通認識の強化

保護者会や懇談会には多くの保護者が参加し、園の取り組みや子どもの育ちなど話すことで園生活への理解や保護者としてどのように関わっていけばよいのかを確認できている。保護者が仕事をしながらの子育てについては悩みを抱えているような状況の下、保育者や他の保護者に悩みを話したり、他から話を聞くことで自分だけではないという安心感をもつことができる交流の場となっている。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
世代間交流

保育園は法人が運営する施設のうちの一つである。他施設との関わりは自然にできている。毎月行われている高齢者施設の誕生会には、園からも、招待されるというよりは主体的に「お祝いをする」ために出向いている。施設の利用者の方々は、子どもたちの訪問に目を細め、子どもたちの成長を見守ってくれている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
  標準項目4 子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目5 虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関に連絡し、その後も連携できるような体制を整えている
講評
プライバシーへの配慮

プール活動やシャワーの際には、外部から見えないように配慮したり、全裸で歩き回らないように年令が低いうちから子どもたちに働きかけるようにして、子ども自身の自覚が芽生えるように促している。室内でのオムツ交換の際は、(子どもを含めた)他者の目に触れないようにしている。

子どもの意思の尊重

子ども一人ひとりの思いを受け止め、可能な限り受け入れている。子どもに対しては否定的なことばを使わないことを職員が意識している。それぞれの発達に応じたほめ方や注意の仕方などについて、工夫しながら実践している。

虐待対応のしくみ

過去には虐待を受けている子どもが在園していた時期があった。その時には園長から法人の上司に報告し、そこから児童相談所に通報した。日々の保育における子どもの観察や保護者との関わりの中から虐待の疑いや事実を把握した場合には対応の検討を行い、必要に応じて速やかに各関係機関に通報・相談している。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、子どもの安全性に配慮した保育ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
業務手順の明確化

保育に関連する業務の手順について、網羅的に定めている。各クラスの一日のタイムスケジュール、毎日の健康状態の健康状態の把握・確認、視診のチェックポイント、乳幼児突然死症候群への対策、アレルギー対応、怪我対応、保育室の衛生管理など、日々の業務の流れや安全・衛生・健康面における対応手順を明確にしている。