東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成29年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人あすなろ福祉会
事業所名称 あいあい保育園
評価機関名称 株式会社 地域計画連合

コメント

・事前説明にあたっては、平成29年度方式の評点基準、確認根拠資料の準備について、わかりやすい独自資料を用意し、事業者の負担を軽減する工夫を行っている。
・分析シートは記入のポイントを用意し、効果的、効率的に情報が整理できるよう工夫を行っている。
・確認根拠資料は、訪問調査の概ね3週間前までに評価機関への提出を依頼し、根拠の事前確認を行ったうえで訪問調査を実施し、当日は、事業所の課題や良い点を把握するためのヒアリングに重点を置いて実施している。
・合議は、訪問調査終了後、同じ日のうちに、速やかに実施している。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)明るくのびのびとした子ども 2)率直ですなおな子ども 3)自分のことは自分でしようとする子ども 4)思いやりのある子ども 5)そして何より生命を大切にし、おともだちと仲よくあそび、困難なことに出逢ったとき、惜しまぬ努力のできるたくましい人間に成長するようにご家庭と協力しつつ、より良い保育を目指していきます。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

素直さ、思いやり、判断力、責任感、向上心

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

(1)を具体的に行動に表すことができること

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子ども自身が興味を持ったことに対して自分から更に深めようとする探究心を育てている

グレンドーマン教育実践を定期的に把握し一人ひとりの発達に合わせている。興味を持った時に、更に深めたり広げる環境を作っている。今年の作品展のテーマを「海の生き物」とし、カレンダー、図鑑や写真集等、子どもがいつでも調べられるようにしている。海の生物の「ちんあなご」への興味が強いのをキャッチし、パペットを用意している。子どもの関心が高まった頃に水族館で実物をみて、個人やグループ制作に取り組んでいる。名称・属性・生態まで調べている。グレンドーマン教育を通して一つのことを深めていく面白さを体験の中で学びとっている。
2 お迎えの時間まで子どもが遊びをたのしめる環境作りに園全体で取り組み改善している

子どもたちが充実した時間を過ごすためにコーナー遊びの充実や、長時間保育の保育体制の改善に園が一丸となって取り組んでいる。各年齢に合わせてコーナー設定をしたことで、好きな玩具を選んで遊べる自由さが昨年度より改善された。また、夕方の保育の体制についても、お迎えの時間まで遊びをたのしめるように、今年度から6時までの保育は1階、延長保育は2階と、保育室を分けた。昨年度の第三者評価をうけて環境改善に職員全体で前向きに取り組み改善している姿勢が今年度の利用者調査の満足度を高めているのではないだろうか。
3 職員、利用者の声に耳を傾け、現場の仕組みを改善する組織になっている

経営層は、組織の重要な意思決定に関わる部分に、できるだけ職員も参加するよう変革している。例えば第三者評価の受審にあたっては、自己評価の作成を職員のプロジェクトチームに割り振り、職員にとってもまたとない経験となっている。また、良好な人間関係が維持される中で、職員からの主体的な提案やアイデアが出され、睡眠チェック表の改善や、BCP計画の作成、保育現場の改善などにつながっている。職員もそうした改善にやりがいを見いだしている。

さらなる改善が望まれる点
1 園での子どもの日常の自然な姿を保護者に紹介するため、さらなる工夫を期待する

毎日の活動の様子は玄関にフォトスタンドを置いたり、幼児クラスは活動を掲示、0・1・2歳児は連絡帳に記載し、お迎え時には出来るだけ口頭で話す等配慮をしている。お誕生会、発表会、作品展への保護者参加の機会を作っている。保育参観は何時でも可能として、保育士体験も実施している。利用者調査では、園での日常の様子を知りたいという保護者の声にさらにこたえるべく、少人数での保育参観または、保育士体験等を少人数で行うなど、子どもの日常が損なわれない形で自然な日常生活を伝える工夫を期待する。
2 本園の特色ある変化と潤いのある保育や行事の取り組みを、わかりやすく発信してほしい

本園には、子どもの興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるような工夫がたくさん行われている。毎年テーマを定めて、異年齢グループで製作に取り組む作品展、バスにのって遠出をする遠足、地元の食材にこだわる食事、冬でも半そで半ズボンで子どもがかけまわるマラソンがある。また、水泳などの体づくり、専門講師による茶道教室、英語のレッスン、鍵盤ハーモニカ、地域のお祭りへの例年の参加など多彩で豊富な経験を提供している。こうした豊富なプログラムをまとめ、利用者のみならず、保育士にむけ、園の保育内容の効果的な発信が期待される。
3 組織の好循環の波を逃さず、職員の定着に向け、十分な支援・対策を講じてほしい

来年度は、就職支度金制度をつくり、入職しやすい法人をめざそうとしている。隣りの土地を購入することで、将来的には、職員の福利厚生や働く環境の充実、広いスペースを活かした保育活動に有益な空間の整備を進めたいと考えている。こうした構想の検討は、貴重な経験なので、職員や関係者の声も大切にし、具体的な検討が進められるとよいと思われる。また、職員一人ひとりの満足度が向上するためにも、保育士、社会福祉士等の、資格取得を引き続き支援することも重要となる。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 組織方針の見える化と、園長としての保護者への発信を行っている

外部にむけて、あいあい憲章、法人の広報紙であるあすなろ福祉、ホームページなど、多様な媒体を通して、園の理念や方針を発信している。年度初めの職場会議では、理事長、園長から法人理念や経営方針を伝え、理解を促進している。入園進級式においては、毎年、理事長より保護者に対し園の運営方針を伝える取り組みが定着しているが、本年は、それに加えて、園長からも園の成り立ちに触れ、働く親たちを支え、悩みを共有していきたいというメッセージを伝えている。
関連評価項目(事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している)
2 ★ 地域における公益的な取り組みとして、小学校との連携やフードドライブを支援している

社会福祉法人改革が進められる中で、法人としても社会貢献事業の実施に力をいれている。園長は、当該区の園長会で副会長を務めており、板橋区全体の保育園運営のみならず、小学校との連携や地域貢献にも関係者と連携して取り組んでいる。園として、子どもの貧困対策としてのフードドライブの活動も支援している。フードドライブでは、保護者の協力を得て家庭で余っている食材や、園の災害時備蓄の食糧を集め、地域の福祉団体に寄付を行っている。
関連評価項目(事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある)
3 ★ 自分で遊びを選び遊べる環境の整備に取り組んでいる

子ども自身で遊びを選ぶ選択肢を増やすこととして、英語、体操、音楽、水泳、茶道等外部講師が指導をしている。グレンドーマン教育、モンテッソーリ教育に取り組み、室内遊びの中で自分で遊びを選べる環境作りを園は検討し、自由に遊べる時間帯に、コーナーを作る工夫をしている。今年度、送迎時に子どもが過ごす場所を見直した中で、コーナー作りを実践し、遊びの充実を図り、子どもの自主性を育てている。
関連評価項目(子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:平成29年10月1日現在の施設の利用者(保護者)53世帯(利用者総数68名)を対象とした。

調査方法:アンケート方式  
アンケート(自記式)。施設にて担任が保護者に手渡しする形で調査票を配付。記入された調査票は封緘のうえ返信用封筒による郵送または施設に設置した回収箱による回収。

利用者総数 68人
利用者家族総数(世帯) 53世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 53人
有効回答者数 44人
回答者割合(%) 83.0%

総括
・総合的な満足度としては、「大変満足」が 23%、「満足」が 61%となっており、満足と答えた人が 84%となっている。 ●設問の中で「はい」の比率が高かった上位は、次の項目であった。 問1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか ( 93%、41人) 問2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか ( 91%、40人) 問9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか ( 89%、39人) 問3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか ( 84%、37人)

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 41人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
(時間的に)習い事をさせられない為、園でいろいろな事をしてもらえて助かります。 などの意見があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 40人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
鍵盤ハーモニカ、プール、ダンス、料理など、興味をもって行っているので良いと思う。 などの意見があった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 37人  どちらともいえない 7人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
食事は工夫されていると思うんですが、0歳で幼児食に変わった際、どのくらいの食材の大きさで出されているか分からないので離乳食の時のように説明があるといいと思いました。 などの意見があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 32人  どちらともいえない 9人  いいえ 3人  無回答・非該当 0人 
運動会があるとなおよいと思う。運動会や保護者参加行事は少ない為、親にとっては良いが子供にとってはどうか。 などの意見があった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 31人  どちらともいえない 8人  いいえ 4人  無回答・非該当 1人 
特に意見なし。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 34人  どちらともいえない 8人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
周りが住宅密集地なので、火災がおきた場合どうするのかが心配です。 などの意見があった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 22人  どちらともいえない 18人  いいえ 4人  無回答・非該当 0人 
保護者会等の行事は年度始めに予定が知らされるので調整しやすいが、開始時間がもう少し遅いと参加しやすい。 などの意見があった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 27人  どちらともいえない 12人  いいえ 5人  無回答・非該当 0人 
トイレトレーニングで悩んでいる時、たくさん相談に乗ってもらって乗り越えられました。 などの意見があった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 39人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
施設が新しくきれい。いつも収納棚に整頓されており、キレイ。 などの意見があった。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 35人  どちらともいえない 7人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 33人  どちらともいえない 7人  いいえ 4人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 17人  どちらともいえない 18人  いいえ 5人  無回答・非該当 4人 
子供同士けんかになっていないか気になる時がある。 などの意見があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 35人  どちらともいえない 7人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 31人  どちらともいえない 7人  いいえ 3人  無回答・非該当 3人 
特に意見なし。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 25人  どちらともいえない 15人  いいえ 3人  無回答・非該当 1人 
連絡ノートに沢山書いてくれていてうれしい。より客観的な言葉を選んでほしい。 などの意見があった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 29人  どちらともいえない 13人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
先生による。そういうことがなかった。 などの意見があった。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 23人  どちらともいえない 14人  いいえ 5人  無回答・非該当 2人 
特に意見なし。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
法人の経営改革を加速し、経営基盤の安定化を図っている

法人の経営改革推進体制に専門のコンサルタントを導入し、当園の経営層も定期的に検討に参画している。職員の就業状況の把握へのITを導入し、健康状況把握機能も加えるなど、経営基盤の安定化を図るべく改革を加速している。外部にむけて、あいあい憲章、法人の広報紙であるあすなろ福祉、ホームページなど、多様な媒体を通して、園の理念や方針を発信し、年度初めの職場会議では、理事長、園長から法人理念や経営方針を伝え、理解を促進している。

園の重要事項の決定や実施にあたり、職員など関係者の参加機会が増えている

職員会議は月1回全職員を対象としている。パート職員を含め、欠席の職員に対しては、クラスリーダーから口頭で伝え、会議の資料を渡している。会議内容のうち重要事項は、引き継ぎノートを回覧して確認しており、仕組みが定着している。また、本年の第三者評価受審にあたっては、園長・主任だけでなく、より多くの職員が作成に関わっている。園の改善課題についても、職員と実質的な検討を重ねて実行に移すなど、関係者に周知する取り組みが進展している。

理事長や園長が率先し、保護者に園方針やメッセージを伝える機会を作っている

保護者に対する理念の浸透のため、あらためて、園のパンフレットを保護者全員に配付した他、園玄関にもパンフレットおよび重要事項説明書の掲示を行った。また、入園進級式においては、毎年、理事長より保護者に対し園の運営方針を伝える取り組みが定着しているが、本年は、それに加えて、園長からも園の成り立ちに触れ、働く親たちを支え、悩みを共有していきたいというメッセージを伝えている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
毎年第三者評価を受審し、透明性の確保につとめている

福祉サービス従事者に必要な規範や倫理などは、就業規則や個人情報保護規程に明示している。あいあい憲章は、4月の職場会議で読み合わせし、周知を図っている。第三者評価は、毎年受審しており、園だよりや保護者会等で報告しているほか、ホームページ、掲示板などで園の情報を開示し、透明性の確保につとめている。本年は、専門のコンサルタントを入れ、職場のモラルハラスメントやパワーハラスメントの研修も新たに導入している。

職場体験や企業訪問の学生の受け入れが増えている

育児講座、ふれあい保育(保育所体験)等を通して、地域の人に保育の専門性を還元できるようにし、子育て情報誌あいあいを発行しており、保育園見学者にも保育所体験などの情報を提供したいと考えている。中学生の職場体験や企業訪問の大学生の受け入れなどが増えつつあるが、ボランティアの受け入れについては、引き続き今後の課題としている。

乳幼児期の子育てや保育所保育指針の理解を深める機会を提供している

育児講座は、保護者にとって、自分の子どもを客観的に見る機会を提供している。本年度は、父親保護者会、母親保護者会を開催し、乳幼児期の子育てや、新しい保育所保育指針への理解を深める機会を提供した。育児講座が保護者に好評であるため、園だよりに載せて講座の概要を発信したり、必要な方には、レジュメの提供も行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
利用者調査等での保護者意向を踏まえ、改善に取り組んでいる

昨年の保護者アンケートにおいて、延長保育の申し込みへの対応方法の変更について要望が多かったことを受け、職員で対策を検討している。見直し後は、保護者からの申し込みに対し、速やかに現場で判断し、待たせることなく返答できるよう手続きを変更した。また、得られたアンケートの結果については、整理したものを保護者会でお知らせするなど、保護者の理解を得るよう努めている。

第三者評価の受審結果を受け、送迎時の対応の改善に取り組んでいる

第三者評価は毎年受審し、積極的に職員や利用者意向の把握を行い、園の現状や課題を明らかにしている。本年度は、お迎え時の待ち時間の過ごし方についての課題を踏まえ、延長保育を1階から2階に変更し、夕方の職員配置も手厚く変更した。これにより、子どもは落ち着いて絵本などを読んで過ごすことができ、職員も保護者とのコミュニケーション時間にゆとりが出るなど、システム変更の効果がでている。

園長会の要職を担い、小学校との連携などを推進している

園長は、当該区の園長会で副会長を務めており、板橋区全体の保育園運営のみならず、小学校との連携や地域貢献にも関係者と連携して取り組んでいる。本園で毎年開催している文化芸術に親しむ講座においては、作品展として、卒業した園児にも参加を呼びかけ作品の作成、出展につなげている。また、園として、フードドライブの活動も支援している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
第6次3カ年中期事業計画の実行に取り組んでいる

第6次3カ年中期事業計画においては、社会福祉法改正の目的と制度改正の理解に努め、組織の改正に取り組み、新評議会設置を行った。また、保育制度・保育向上の取り組みを継続し、外部専門家による勉強会を継続しており、小学校教育内容との連携に注目している。さらには、経営コンサルタントを導入し、経営コンサル会議を立ち上げて、従業員意識調査、経営方針の聞き取り調査等経営組織の全面的見直しを進めている。

経営方針を踏まえて、園長中心に事業計画に落とし込んでいる

中期計画にもとづき、事業計画の策定は園長が中心に策定を担い、適宜、職員の意向や補助金の動向等を把握し、計画に反映している。職場の意向反映については、特に職場会議において、物品購入等の意向を把握し、行事計画は、職員幹部のチームで検討の上決定して、事業計画に反映している。策定した案は、毎年度3月末に園長、主任、リーダーで共有し、年度初め(4月)の職場会議で確認している。

主任を中心として職員会議で検討し、BCP(事業継続)計画を策定している

事業継続計画の作成に、主任を中心とした職員会議で検討し取り組んでいる。職員で検討する中から、アレルギー食の対応、準備に不十分な点があることがわかり、対策に取り組んでいる。また、消費期限の近づいた備蓄食糧品を消費するようにしている。さらに、ヒヤリハットについては引き続き数多く出すことの意味を学ぶなどして、提出促進に取り組んでいる。ヒヤリハットの様式も軽くするなど見直しをしつつヒヤリハットの定着にもつなげてほしい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
職員一人ひとりの育成計画をアクションプランシートで明確にし実行している

職員一人ひとりのアクションプランシートを作成して、育成方針を明確にし実行に取り組んでいる。プランは、3カ月ごとに振り返り、その結果を主任に提出している。主任による新人職員面談を導入したことは、問題の早期発見につながっている。資格取得援助制度も設け、講習費、受験費、交通費を支給して、講習を支援しており、保育士資格取得につながっている。

受け入れ・受け渡しの職員体制を工夫し、残業のない就労環境となっている

子どもの受け入れや受け渡しの際の職員体制を、1週間交替とすることで、職員が保護者とのコミュニケーションを取りつつ安心感を与えることができている。職員の残業はほとんど見られず、勤務時間内で業務を終え、働きやすさにつながっている。さらに、現在の園の敷地の隣接地の用地取得を予定しており、就職支度金制度も次年度導入し、さらなる就労環境の充実が期待されている。環境の整備により、職員の定着につながるよう期待したい。

保育現場の改善に職員をあげて取り組み、職員集団のまとまりが生まれている

昨年、お迎え時の玄関の混雑や、子どもの過ごし方について指摘があったことを受け、職員全体で対策を検討し、改善に取り組んでいる。第三者評価の準備に、より多くの職員が関わったことや、主任による新人職員面談を導入したことなどともあいまって、職員組織の風通しが改善され、よい方向で、職員集団のまとまりが生まれている。職員の表情も一層明るい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
個人情報保護の対応については、法人の個人情報保護規程に定めている

重要性、機密性の高い情報については、事務室の書庫内に施錠をして管理しており、園長もしくは主任が鍵を保管している。保管している情報は、年度ごとに整理してリストにしている。児童票は永久保存とし、個人情報に関わる書類は、5年間を保管年限として、更新しており、年度ごとにリストにして整理している。これら個人情報保護の対応については、法人の個人情報保護規程に定めている。

園関係者への個人情報保護対策の周知、対応の徹底を図っている

個人情報保護法については、年度当初の職員会議で、遵守事項を記した書類を配付している。周知を図るため、年度当初の職員会議で、個人情報保護規定を配付し読み合わせを行っている。保護者に対しては、入園のしおりに個人情報の保護規定を明示している他、入園前面接やオリエンテーションでも話している。「個人情報保護と園の基本方針について承諾のお願い」として、年度はじめに、保護者に対し同意書をとりつけている。

園内の情報共有にむけIT化を加速している

4月から、国の補助金を活用し、システムを導入してIT化を進めている。これによって、月案、週案、児童票などは、パソコンでも作成できるように準備をしており、来年4月から現場に導入予定となっている。実現すれば、情報入力の手間等は省力化されることになる。日誌は、システム化にはしていない。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
好機をとらえ、改革を進めた園長の判断が、組織全体に好循環を生み出している
利用者意向を踏まえて送迎時間の子どもの過ごし方を変更したことは、保護者に大変好評となり、取り組んだ職員にとっても、かけがえのない経験・成功体験となっている。園長が不在時の保護者の問い合わせ等の対応についても、現場で主体的に判断できる仕組みに変更したことで、利用者の満足度がさらに高まると同時に、職員の活躍の機会もひろがり、やりがいや達成感にもつながっている。
また、人の紹介を通して、常勤2名、パート1名の採用が決定し、職員集団に安定感が出てきている。好機をとらえ、改革を進めた園長の判断が、組織全体に好循環を生み出している。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
職員の高い改善意欲が、複数の現場の改善を実現した
昨年の保護者アンケートにおいて、延長保育の申し込みへの対応方法の変更について要望が多かったことを受け、職員で対策を検討している。見直し後は、保護者からの申し込みに対し、速やかに現場で判断し、待たせることなく返答できるよう手続きを変更した。また、お迎え時の待ち時間の過ごし方についての課題を踏まえ、延長保育を1階から2階に変更し、夕方の職員配置も手厚く変更した。これにより、子どもは落ち着いて絵本などを読んで過ごすことができ、職員も保護者とのコミュニケーション時間にゆとりが出るなど大変好評となった。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
コーナー遊びの充実を図り、子ども同士のコミュニケーションが活発になった
送迎時間の過ごし方をどう豊かにするかという課題に向き合う中で、以前から課題としていたコーナー遊びの充実に取り組んだ。お迎え時間帯の玄関での子どもの待機をやめ、各部屋で落ち着いて過ごすように変更したが、その際に、どのようにしてコーナーでの遊びを充実させるかを検討した。乳児については、スペースを3箇所決め、選択できるようにし、幼児については、コーナーで好きな遊びができるよう、自由遊びを充実させている。好きな遊びで自由につながる子ども同士のコミュニケーションが活発になる成果があった。 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
毎月の節電に取り組んでいる
毎月、検針票で先月との値を記帳して比較しており、節電に取り組んでいる。ごみ処理券の購入も少ない。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
保護者からの意見にこまめに応え、個別面談も行っている
朝の受け入れ及び夕方の受け渡し当番が1週間で固定されているため、保護者とのコミュニケーションがとりやすくなっている。保護者からの意見があった場合は、こまめに声かけや個別面談を行っている。こまめなコミュニケーションを取ることで、信頼関係を気づくことにつながっている。保護者アンケートについては、前年度に比べ、回収率も改善し、また満足度も高まる結果となった。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ホームページやパンフレット、掲示板等で園の情報を分かりやすく伝える工夫をしている

園発行のホームページ、パンフレット、区のホームページの認可保育園一覧、区市立保育園園長会公式サイト等で園の情報法を知ることができる。園のホームページは、現在新しい形にリニューアル中で、保育園紹介、園からのお知らせ、一日の生活リズム、園のスケジュール、保育関係行事、保健関係予定表、体験・学習、給食・お弁当、遊び場紹介、トピック、幼児保育、写真ギャラリー等細かく分類して、知りたい情報を、写真を交えて分かりやすく紹介している。また、園舎道路側の掲示板に、保育所体験等の情報を掲示している。

ホームページの更新や入園のしおり、保育の手引きに英語、中国語版を作成している

リニューアルするホームページには、知りたい情報を細分化した中で、一日の生活リズムを、43日~12カ月、12カ月~1歳、1歳~2歳、2歳~というように低月齢の生活をわかりやすく示したり、駅から園までの地図も掲載している。区担当課に園の情報を報告し、区ホームページの認可保育園一覧や、区の広報紙に概要や、空籍状況を掲載している。区の赤ちゃん駅紹介のホームページの中にも該当園として掲載されている。入園のしおりの英訳版、保育の手引きの英語版、中国語版を用意し、言語の違う利用希望者への配慮をしている。

パンフレットでの概要説明と園内を案内しながら保育の特色の実際を説明している

利用希望者の対応は、主任または、庶務主任が行い、基本的には個別対応をしている。保育中の子どもの様子も見てもらえる時間帯を設定している。園のパンフレットを基に、理念、方針、保育の特色、定員、保育時間、一日のスケジュール、年間行事等を説明している。園内を案内しながら保育の特色である、異年齢保育、グレンドーマンの器具や、モンテッソーリの教具を使っている様子を見てもらっている。質疑等受けながら、出産を迎える保護者の体験や子どもの体験保育のできる事を伝えている。英語、中国語の保育の手引きを使用することもある。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園前オリエンテーション、個別面接で重要事項等を説明し同意書をもらっている

入園前にオリエンテーション、個別面接、家庭訪問を実施している。オリエンテーションは、新入園の保護者対象に、園長が入園のしおり、重要事項説明書を基に運営方針、保育目標、保育方針、園の概要、入園心得、個人情報保護と園の基本方針について等説明している。個人情報保護と園の基本方針については、個人情報保護、ホームページや園だより、掲示物への写真掲載、オリエンテーション時に説明した入園のしおりの内容について等、保護者が確認し、同意の可否を記載し署名押印をしている。入園式後の保護者会で更に説明している。

入園前家庭訪問、慣れ保育、育児講座を実施し子どもと保護者の不安軽減に努めている

入園決定後、家庭訪問日程を決め、主任と新担任で家庭訪問を実施して、家庭での子どもの様子や保護者の意向等を把握して、家庭訪問記録に記録し、個別面談記録と共に職員に報告周知している。子どもの慣れ保育期間中に、新入園児保護者対象に育児講座を行い、給食の試食や、離乳食やミルクの内容や適量、母乳の飲ませ方の指導、子育て相談をしている。園での子どもの様子もわかり、保護者同士の交流もできることで、保護者の安心につながっている。勤務シフトを1週間同じにして決まった職員が朝や延長保育を担当している。

父親保護者会を縁に同窓会長を父親とし、親子でおしゃべりやゲームを楽しんでいる

卒園、進級前の1月~2月に個別面談をして、保護者や子どもの不安や悩み等相談に乗っている。卒園、退園時には、いつでも遊びに来たり、相談に来てよい事を伝え、同窓会の予告をしている。父親保護者会のつながりから、同窓会会長を父親とし、同窓会の連絡や開催等園と協力して実施している。親子一緒におしゃべりやゲーム等しながら、近況を話したり情報交換をしている。作品展には、在園児が卒園児にお便りを配り、卒園児も作品の展示に参加し在園児も卒園児も同じところで育った仲間として保護者共々一体感を作っている。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 保育課程や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、保育課程を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの成長や課題を保護者と共有し、定期的に発達状況を確認し、記録し把握している

子どもの心身状況や生活状況は、入園前の状況は、入園児個別面談記録、家庭訪問記録に、入園後の日々は、保育日誌、連絡帳に記録をして定期的に児童票に記録把握している。5月に個別計画指導面談を行い、子どもや保護者のニーズを把握するとともに、園と保護者が子どもの今と育つ力への援助の意識を共有している。毎月10日にグレンドーマン教育の発達評価を行い発達状況を確認し、評価表に記録をして次の計画に反映させている。

全体保護者会で園の保育姿勢、年間指導計画面談で個々の目標を保護者と共有している

年度末のカリキュラム会議で保育課程の見直し、確認をして、保育課程や各領域を踏まえて各クラスリーダーを中心に、年間指導計画、月案、個別指導計画を作成し、職場会議で確認をしている。年間計画、月案に自己評価欄と子どもの姿欄を設け、保育日誌に園長考察欄を設けて、次の計画作成時に見直しをしている。入園式後の全体保護者会で園の保育姿勢、年間指導計画面談でクラス及び個別の指導計画について説明し保護者と話し合っている。毎月の園だよりに各クラスの欄を設け活動の様子や次の目標等を伝えている。

業務連絡簿の回覧や引き継ぎノートの活用等職員間の情報共有の工夫をしている

毎日の子どもの様子は、保育日誌、連絡帳に記録し児童票に、0・1・2歳児は毎月、3・4・5歳児は4期に分けて記載をしている。グレンドーマン教育の発達評価表に毎月記録し入園から卒園までの推移を把握している。指導計画や週案はパート職員もクラス会議に出て共有したり、職場会議の報告をクラスリーダーから受けて職員が周知するように努めている。当日の行事、クラス別連絡事項、与薬、欠席連絡等日々の業務連絡は業務日報に記載し、毎朝の朝会に回覧をして見たら○をしている。またクラス毎に引き継ぎノートで共有化をしている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
子どもが関心を持ったことに自分で働きかけられるようにコーナー等環境を工夫している

入園前の家庭訪問や個別面接と、保護者が記入した「入園までの生活状況」と、入園後の発達や生活状況を児童票に記録し把握している。また、グレンドーマン教育での発達評価を月に1度行い発達評価票に記録をして次の計画作成に反映させて、保育をしている。子どもが関心を持ったことを自分から働きかけられるようにコーナー設定に努め、今年度はままごとキッチンを新しくする等遊びの環境を整えている。子どもが興味や関心を持ったことを更に深めたり広げられるように、図鑑、写真等関連するものを用意する等配慮している。

異年齢交流、行事、給食等色々な形で文化や習慣に触れ互いを尊重する心を育てている

3・4・5歳児が3階、1・2歳児が2階のフロアで過ごしており、朝夕の保育は1階の0歳児室で実施している。日常生活の中で異年齢で過ごすことにより、年下の子どもにやさしくしたり、お兄さんお姉さんになったらできると年長児の姿に憧れたり、目標となっている。異言語で遊ぶ英語の時間、茶道の時間や各国の料理、七夕や節分等の伝統行事の会をしたり、行事にちなんだ給食の提供等文化や習慣の違いを色々な形で伝えている。特別な配慮の必要な子どもには状況に合わせた関わりができるようにしている。区の巡回指導を受ける仕組みがある。

子ども同士のトラブル対応について、保護者の不満解消への対応検討が求められる

子ども同士のトラブルについては保護者会や個人面談で子どもの発達の年齢的特徴等説明している。トラブルが起きた時は、子どもの気持ちを汲み取る配慮をしている。保護者には、防げなかった謝罪と状況、対応を説明しているが利用者調査では、子どもへの対応、保護者への説明等への不満が見られる。こうした不満の解消に向けた対応を考えることが必要と思われる。年長児が、近隣小学校の幼保小交流会に招かれ、学校案内、1年生の教室体験、1年生と昔遊び等をして、学校への期待が持てる取り組みをしている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登降園システムの導入、1週間同じ職員が受け入れる等スムーズな対応に取り組んでいる

朝の受け入れ当番を1週間固定として、受け入れ時の状態を連続して把握し、安心して登園できるように配慮している。受け入れは玄関で行い、登園時の子どもの顔色、表情、機嫌等健康観察や、保護者から家庭での様子を聞く際も、連日の継続した様子を分かっての確認等もでき、コミュニケーションが取りやすく配慮している。把握した内容は業務日報、引き継ぎノートに記入している。今年度から、登降園システムを導入し、保育時間の管理をスムーズに行えるようにした。

保護者と連携し個別に進めたり、子ども同士で学びあえる活動を日常生活の中でしている

食事や排せつ等の基本的生活について、各年齢毎に子どもの発達に合わせて、クラス会議で話し合い指導計画に反映させると共に、個人面談、保護者会、連絡帳、送迎時等を通して、保護者と連携し個別の支援をしている。また箸で消しゴムをつまむから、豆をつまむ等モンテッソーリの教具で段階を踏みながら遊びで習得したり、着替え、トイレトレーニング等繰り返し子ども同士の中で学びあえる活動を日常生活の中で行っている。午睡は年齢や発達の状況、家庭での生活リズム等、子どもの生活状況により配慮している。5歳児は就学に向け4月から午睡はない。

朝会、業務日誌、引継ぎノートで職員間の連絡を密にして保護者に伝える工夫をしている

夕方の保育当番を1週間同じにし、連続して子どもとの関係を作り、保護者とのコミュニケーションを取りやすくしている。朝の状況は業務日誌、引き継ぎノートに記録をし、朝会で報告、担任に周知している。日中の様子や連絡事項を引き継ぎノート、業務日報に記録をして夕方の保育当番に引き継いでいる。お迎え時には当番職員は、業務日報、引き継ぎノートを確認し、保護者に口頭で伝えている。0・1・2歳児は連絡帳に記載している。玄関のスライドショーで日中の活動を紹介している。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
個々のイメージや考えを表現しながら大きな行事へとつなげている

大人主導でなく子どもが自ら選び遊べるような環境を作りたいと、職員が検討し合い、どのクラスであっても、コーナー遊びを充実させ自由遊びが十分できるように今年度は、ままごとキッチンを購入している。1・2歳児では、午後の活動を自分で遊具を選んだり、ままごとなどの活動ができるようにコーナーを作っている。事前にスケジュールを説明し「何時になったら帰りましょう」等予告をしておいたり、作品展では、年長児クラスは、ランドセルの制作をしている。作品展という全体行事の中でも、自分自身のイメージや考えを表現できる場を作っている。

子どもたちで話し合い、工夫し、楽しめる活動に取り組んでいる

「ありがとう」「貸して」「いいよ」等会話や絵本等、大人との関わりの中で、言葉でのコミュニケーションを知り、繰り返しの言葉の面白さがごっこ遊びや、子ども同士のままごとへと発展している。子ども同士で話し合う機会を多く作っており、作品展では、テーマ「海」にちなみ「逆立ちすると軽くなるものなーに?」等、5歳児が自分たちでクイズを考え、魚のマークをめくると答えがわかるように工夫している。表現の選択肢を増やす取り組みとして、モンテッソーリ教育、グレンドーマン教育、英会話、音楽、茶道、プール指導等している。

計画を立て目的地で季節を五感で感じたり、ルールを守って遊ぶ楽しさを体験している

戸外活動を月案、週案に取り入れ、目的に沿って計画的に園外活動を実施している。慣れた公園でのかけっこでも、吐く息の白さや風の心地よさを感じ、11月の園目標では「たくさんの秋を見つけましょう」とし、0・1歳児もドングリや落ち葉を見つけたりと秋の自然に触れている。野菜の栽培や収穫等土に触れる体験もしている。玩具の貸し借りを言葉で表現したり、公園での遊びのルールを遊ぶ前にみんなで確認し合う等、毎日の生活の中で状況に合わせた指導をしている。不審者への注意「いかのおすし」の言葉と内容も計画し実施している。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
子どもの興味や発想を更に深めたり充実できるように環境を作っている

作品展では、どんなことをしたいか話し合い、「海の生き物」とした。海への関心を持てるように、図鑑、カレンダー、写真等子どもが興味を引きそうなものをさりげなく設置して環境を作っている。海の生物に関心が強まった頃に、水族館に行き、実際に見て作品作りに取り掛かっている。異年齢グループで、それぞれ共同作品と、0歳児が手形でイカやタコを作る等、各年齢毎の作品を作っている。水族館のように、天井に魚を吊るし、トンネルから魚が見えるようにする等子どもの発想を職員が少しヒントを出して更に充実したものになるように取り組んでいる。

自分たちで考え、実行し、認められたことが達成感となり自信となっている

誕生会でミニミニ運動会として、玉入れ競争をしてお友だちと一緒に遊ぶ楽しさを体験したり、自分たちで計画し、準備し、実行する体験へと年齢を追いながら計画し、進めている。作品展では異年齢のグループ毎に話し合い、大きな魚を作ったり、クイズを考えたりしている。子どもたちの作品は、家族や卒園児たちに見てもらい褒めてもらうことで自信となり、次への意欲を育てている。クリスマス会では音楽指導を受けた成果として鍵盤ハーモニカや、英会話の指導を活かして合奏や劇遊びを披露している。地域のお祭りにダンスを披露し達成感を味わっている。

年間行事予定表の配付や園だより、掲示等で予定、取り組みの様子等を伝えている

年度当初の保護者会で行事についての説明をし、年間行事予定表を配付している。毎月の園だよりで行事予定や、子どもの取り組みの様子を伝えている。事前に玄関や外の掲示板に掲示をしている。利用者調査では行事の日程や時間等への意見が散見しており、検討が必要と思われる。公共心を育てる機会として、赤い羽根街頭募金に子どもたちが参加することについて、保護者に説明し理解を得て、子どもたちにも困っている人を助けるための募金と説明をし、5歳児が日中15分交替で参加している。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
子どもの興味を持つ玩具をコーナーを作って遊べるように配慮している

園舎全体の壁、カーテンの色、質感、照明、室内に飾りつけを少なくする等、長時間園で過ごす子どもが家庭的な雰囲気の中で落ちついて過ごせるように環境に配慮している。遊びに合わせてコーナーの広さを調整できるように、薄めのマットを購入している。延長保育に入る子どもと、6時までにお迎えに来る子どもと保育室を分け、低年齢児が口に入れない大きさのブロックを2~3種類、ままごと、シール、お絵かき、絵本等子どもの興味を持つ玩具をコーナーを作って遊べるように工夫している。

職員体制、保育室等を見直し変更してお迎えまで安心して過ごせる環境作りに努めている

朝夕の保育士の勤務番を1週間同じにし、子どもと保護者が安心できる配慮をしている。迎えの時間まで、遊びを楽しめる環境の工夫を昨年度職員で検討し、今年度、職員の体制と環境の見直しにより、5時30分から延長保育に入る子どもと、6時までの子どもとの保育室を2階の1・2歳児室と1階の0歳児室に分けた。このことにより、お迎えまで子どもが落ちついて自分の遊びができるようになり、お迎え時の玄関での待ち時間をなくした。今後、延長保育日誌にも具体的に活動内容と子どもの様子を記載し、次の日の保育につなぐよう充実が期待される。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
集中して食事ができる環境作りと、楽しめる食事の工夫をしている

食事前は遊んでいた遊具は片付けて、室内を整頓し、雰囲気を変え、排せつをすませ、集中して食事ができる環境を作っている。0歳児は離乳食やミルク等の子どもの状況により保育士と1対1で、1・2歳児はテーブル毎に職員がつき、食事に関わる雑務はフリーの職員がしている。3・4・5歳児は、異年齢グループで食事をしている。お弁当箱に給食を詰めて、ピクニック弁当、バーベキュー、お誕生会は世界の料理をテーマに日本の日は、栗ごはん、茶碗蒸し等季節感も加味し、色々な国や食事への関心をもち楽しんで食事ができるよう工夫をしている。

本物の味を知らせるために食材を吟味し、食物アレルギーには別献立を作成している

色々な食材や味に慣れるために、献立は1カ月を2サイクルとして、毎月の給食会議でメニューや味付け、刻み方等検討して、次のサイクルに改善している。食材は国産、調味料は添加物のないもの、出汁は昆布、椎茸、鰹節を使用し、地元業者から納入している。食物アレルギーや宗教上食べられない食材がある場合は、個別の献立表を作成している。食物アレルギー児については、これまで食器を全て色別にして一目でわかるよう配慮してきたが、さらに職員提案で、対応する職員のエプロンの色を決め、その職員は動かず見守りに徹することを申し合わせている。

年間計画を立て0歳から年齢に合わせた食育を行い食への関心を高めるよう努めている

給食年間計画、食育年間計画、行事食年間計画、乳・幼児食月別目標・配慮点を作成している。各年齢に合わせて食育活動を計画に沿って実施している。トマトやキュウリ、キャベツ等今年度は栽培する野菜の種類を大幅に増やし、苗植えから水やり、収穫、調理等の体験、自分たちで育てたものを食べるおいしさから食べる意欲につなげている。0歳児も野菜に触れ、感触や香りを感じ、幼児クラスは、調理器具を使ってカレー作り等食への興味を育てている。食育の様子をお便りで家庭にも伝え家庭と共に食への関心を高められるように努めている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
年間衛生目標に沿った保健指導や、手洗いうがいが習慣となるよう取り組んでいる

手洗いうがいの習慣をつけ、風邪や感染症予防に努めている。年間衛生目標を作成し幼児クラスは月に1回「バイキンてなんだろう」「命の大切さ」等時には絵本を使う等して保健指導を行っている。冷水+乾布摩擦を年間通して全年齢で実施しており、インフルエンザの感染が拡大しなくなっている。グレンドーマン教育の中で体についての絵カードを読み、年齢に合わせた知識を繰り返しの中で習得している。日々の園外活動を通して、公園で遊ぶとき、道路を歩くときの安全について気づき、注意できるよう年齢に合わせた繰り返しの指導をしている。

関係機関と連携し巡回指導や情報共有の機会を作り適切なケアに努めている

園医とは、いつでも相談したり対応してもらう連携ができている。看護師が、感染症流行時には便座を消毒するものを作ったり、感染症対策や汚物処理方法などの説明を全職員に行っている。保護者了解のもとに区の心理士から月1回の巡回指導を受けている。発達支援センターとの連携ができている。SIDS予防として、0歳児5分おき、1歳以上は10分おきに睡眠チェックを行っている。チェック表の様式を今年度変更し、入眠時間、起床時間、室温、湿度、顔の向き、1回寝、2回寝を記入できるようにした。

保健だよりや育児講座等病気や健康への意識を保護者と共有できるように取り組んでいる

感染症が園で発生した場合は、すぐの園医に掲示をし、感染予防に努めている。感染症流行期や予防接種等保健センターからのポスターを掲示し、情報提供している。保健だよりを定期的に発行し、季節や流行に合わせたテーマで健康や安全に対する情報を提供している。育児講座で、保護者向けに感染予防の講座を行っている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
父親保護者会、慣れ保育時間を使っての保護者会等保護者が交流できる場を設けている

連絡帳、送迎時の会話、個人面談、保護者会等で個々の事情を把握し、内容により月案の個別の保護者支援欄に支援方法を記載している。急な保育時間の変更依頼については、従来園長が決定していたが、今年度から担任判断で即答できるように改善している。慣れ保育の時間帯に新入園児保護者対象にゆったりとした雰囲気を作り、育児相談や交流する機会を作っている。父親保護者会、育児講座やワークショップ等を開催し、父親同士、同じクラスの母親同士等保護者同士で意見交換をする場を設けている。

日常の子どもの様子を伝え、相談に丁寧に関わることで信頼関係を深めるよう努めている

日頃の子どもの様子を伝えたり、育児相談にすぐ対応することで保護者との信頼関係を深めるよう努めている。連絡帳で、園と家庭との連絡を密にしたり、お迎え時間まで子どもが、自分の遊びをたのしめるように、保育室の使い方を工夫する等改善に努めており、利用者満足度も上がっている。グレンドーマン教育や、モンテッソーリの教育の実践のようす、保育士との日常の子どもの自然な姿を保護者に紹介する機会を更に作ることで、園の保育への理解を深め信頼関係が更に深まるのではないでしょうか。

保育士体験やワークショップ等養育力向上のための活動に取り組んでいる

保育士体験では、午前中の保育を保育士として子どもと過ごし、子どもの生活を知る機会としている。父親保護者会も恒例となり、今年度は「乳幼児期の子育てにおける父親の役割」をテーマに、講師と共にワークショップを行い、終了時に感想を書いてもらい次の参考にしている。育児講座では「小学校就学前までに取り組みたい幼児教育とは」をテーマに話し合っている。また地域の祭りに子どもと一緒に参加する等子どもの今の様子を知る機会を作っている。園だより、クラスだより、給食だより、保健だよりで育児の情報を提供している。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
地域の行事に保護者も子どもも積極的に参加をして地域の方と交流を図っている

地域に大小の公園があり、目的に合わせて行き、マラソンや縄跳び等体を使った活動や、自然物を使った遊び等、子どもにとっては自分の庭のように親しみやすい場所となっている。5歳児による、赤い羽根街頭募金参加の趣旨を保護者に説明し、了解を得て、子どもたちにも説明し、15分ずつ街頭募金を行い、地域貢献をしている。地域の祭りに子どもと保護者がダンスを披露する等地域の行事に積極的に参加をして地域の人との交流を図っている。

同年代から高齢者まで色々な世代との交流が子どもの生活体験を広げている

作品展、プール開放、誕生会への参加を園の外の掲示板にポスターを掲示して地域の人の参加を呼び掛けている。作品展には卒園児も作品を作り参加したり、卒園児同窓会をして在園児、卒園児が交流する機会を作っている。クリスマスキャロルでは地域や警察、消防署、高齢者施設を回ってクリスマスの歌を歌い、ふれあいの時間を作っている。職場体験の小学生、中学生との交流、姉妹園との交流、英語や音楽教室、茶道の先生との時間等色々な方々との交流が生活体験を広げている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
  標準項目4 子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目5 虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関に連絡し、その後も連携できるような体制を整えている
講評
個人情報の取り扱いや赤い羽根街頭募金参加について保護者の同意を得ている

入園時オリエンテーションと個別面接時に個人情報の取り扱いについて説明をして個人情報承諾書に署名をもらい同意を得ている。今年度赤い羽根街頭募金に、5歳児が参加することについて保護者の同意を得て実施している。子どもの羞恥心への配慮として、着替えの際は全裸にならないようにすることや、プール時などの配慮について職場会議で申し合わせをしている。1歳児がおまるを使用する時は衝立を使用している。子どもが粗相や嘔吐をした時は他クラスであっても連携して素早く処理をして羞恥心に配慮し、安心できるようにしている。

子どもの気持ちを受け止め大切に向き合う保育に取り組んでいる

4月の職場会議であすなろ福祉を配付し、あいあい憲章の読み合わせをして一人ひとりを大切にすることを職員が再認識している。一人ひとりのお誕生を皆でお祝いする誕生会や、探究心に応えて、図鑑や写真集を用意する等子どもの気持ちを受け止め、大切に向きあうよう取り組んでいる。入園時個別面接、入園後の保護者会、個人面談、送迎時等に子どもや保護者の価値観や生活習慣を把握し、保護者と相談しながら柔軟な対応ができるように努めている。英語、中国語の入園のしおりや保育の手引きを用意しコミュニケーションをとれるように配慮している。

職場会議で虐待防止についての読み合わせをして理解と認識を深めるようにしている

外部研修「虐待が疑われる子ども」を受講した職員は職場会議で内容を報告している。また職場会議で虐待防止について、読み合わせをして全職員が理解を深めるようにしている。虐待の疑い等の情報を得た時は、虐待マニュアルに沿って関係機関と連携する仕組みができている。コンサル会議や職場会議で職員の言動を振り返る機会を作っている。作成中のマナーブックも活用し、職員一人ひとりが子どもへの言葉がけ等を定期的に振り返る機会を得られるよう検討してほしい。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、子どもの安全性に配慮した保育ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
各種マニュアルを作成し必要に応じて読み合わせ、確認をして共有している

保育園運営規程、就業規則従業員閲覧、保育カード、児童虐待防止マニュアル、事業継続計画(BCP)、園外保育安全マニュアル、感染症マニュアル、非常時対応マニュアル等各種マニュアルを整備している。保育カードは、各クラスにも置き、プールの入れ方、沐浴について等明示しており、必要に応じて該当箇所の読み合わせをしている。衛生チェックや閉鎖障害等の点検、年2回の安全点検等確認をしてチェック表に記録をしている。

保護者や職員の意見や提案を受け業務の改善に取り組んでいる

マニュアル類はマニュアル一覧に、マニュアル名、マニュアルの責任者、改変時期、進捗チェック、内容等まとめてあり、改変時期は毎年9月と明示している。基本事項や手順について保護者の意見を聞く機会として連絡帳、個人面談、保護者会、意見箱等で把握している。保護者会からの意見反映例としては、急な延長保育希望に対して、決められた時間内であれば担任が即決できるようにした。父親保護者会終了時に次回のテーマ希望アンケートをとり保護者の希望に添えるようにしている。職員提案で、睡眠チェック表の記述方法の変更をしている。

園内研修で職員全体の質の向上と個々の目標設定等取り組んでいる

あいあい憲章を職場会議で読み合わせ、園の基本姿勢を確認共有している。園内研修では、講師による「新しい保育指針について」の連続講座や、個人別行動計画書を作成し、3カ月毎に振り返り主任が二次評価をして本人に返している。 園長、看護師、主任が年2回園内を回り、安全点検をしている。上級救命技能研修の認定証を全職員が取っている。食物アレルギーの子どもへの給食提供の方法、脱臼予防方法について看護師が中心になり職員に伝えている。今後に向けては、ヒヤリハットのさらなる活用を期待する。