東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成28年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 株式会社ネス・コーポレーション
事業所名称 ナーサリールームベリーベアー八雲
評価機関名称 株式会社 地域計画連合

コメント

・事前説明にあたっては、平成28年度方式の評点基準、確認根拠資料の準備について、わかりやすい独自資料を用意し、事業者の負担を軽減する工夫を行っている。
・分析シートは記入のポイントを用意し、効果的、効率的に情報が整理できるよう工夫を行っている。
・確認根拠資料は、訪問調査の概ね3週間前までに評価機関への提出を依頼し、根拠の事前確認を行った上で、訪問調査を実施し、当日は、事業所の課題や良い点を把握するためのヒアリングに重点を置いて実施している。
・合議は、訪問調査終了後、同じ日のうちに、速やかに実施している。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)安全・安心して過ごせる保育 2)子どもの主体の愛情あふれる保育 3)心身ともに健康で、遊ぶこと学ぶことの出来る保育 4)感性豊かに育む保育 5)保護者の方や地域の方と共に協力し育む保育

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

安全面に気を配れる事 協力する気持ち 保護者に寄り添う気持ちをもち、相手の立場にたち考えられる人。子どもの手本になれる言葉遣いや清潔感をもてる人。成長しようとする気持ちをもっている人 素直な人 感動する気持ち、共感する気持ちを持っている人

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

子どもの成長に喜びがもてる 思いやりの心を持ち、相手の立場を理解しようとする 目標を持ち取り組むことができる 健康管理ができる 書類作成を通して日々の保育を振り返ったり、見通しをもった保育をする 協力を惜しまず仕事に前向きな人 報告、連絡、相談の大切さがわかる。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子どもが自分の意思で玩具を出したり、遊んだりすることができる環境整備がされている

本園では、子どもが自分の意思で玩具を出したり、遊んだりすることができるよう、子どもの発達の状態に合わせた玩具が、各保育室に多数配置され、子どもが自由に取り出して遊べるようになっている。また、玩具の配置も、例えば人形はきれいに寝かせたりするなど、子どもに物の大切さを覚えてもらえるよう配慮しているのが特徴である。
2 本園では、子どもの活動として、英語、茶道など多数の活動メニューを実施している

本園では、子どもの活動としては、英語(月2回、3歳以上)、体育(月2回、3歳以上)、リトミック(2歳のみ、月2回)、絵画(4歳以上、月1回)、茶道(4歳以上、月1回)、お話し会(月1回)など多数のメニューを実施しており、このようなメニューを通じて、特に幼児に対して多様な感性の発育を促している。
3 開設2年目であるが、地域向けに多数の講座等を行っている

本園では、開設2年目であるが、地域の乳児を抱える保護者向けに年12回講座を実施しており、施設長以外の職員や栄養士などが担当して、例えば離乳食や沐浴の講座や子どもの遊びなどに関する講座を行うなど、多彩な活動を行っているのが特徴である。

さらなる改善が望まれる点
1 園以外にも相談できることについて、さらなる周知を図ることが期待される

本園では、相談先としては、園以外にも法人本部や、第三者委員などに相談できる体制を整えているが、利用者アンケート結果をみると、保護者にはまだ十分に伝わっていない状況である。そのため、園以外の相談先についても、周知を図っていくことが期待される。
2 地域向けに、さらなる保育園のノウハウを還元していくことが期待される

本園では、開設2年目であるが、すでに乳児を抱える地域の保護者向けの講座を実施しており、一定の参加を得ているが、今後は園が有する保育のノウハウをより地域に還元するため、地域のニーズを十分に把握しながら、より多様な人が参加できるような地域活動を実施していくことが期待される。
3 法人が有するノウハウをさらに園に還元していくことが期待される

本園では、年度の前半に、玩具の配置などの設備面において、法人が有するノウハウを活用して、レイアウト変更等を行ったことで、設備面ではノウハウが一定程度移植されたが、個々の職員への移植は、現在行われているが、現状では道半ばの状態となっている。そのため、引き続き法人が有するノウハウをさらに園に還元していくことが期待される。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 職員研修、特に内部研修に力を入れている

本園では、法人の社内研修について大幅に充実を図った。具体的には、法人内の認可保育園で主に実施する社内研修を大幅に増強することで、園内で複数の職員が、同じ研修に参加できるようになるなど、職員研修に非常に力を入れている。また、外部研修についても、積極的に参加できるよう、勤務時間の調整を図ったりしている。
関連評価項目(職員の質の向上に取り組んでいる)
2 ★ 子どもが使うおもちゃや絵本が大変充実している

本園では、子どもが使う玩具については、各保育室に子どもの手が届く場所にきれいに配置されており、子どもが自分で手にとって遊ぶことができるようになっている。また、絵本については、本園の中にある絵本室の棚が埋まるだけの冊数の増強を図るなど、子どもの玩具の充実を図っている。
関連評価項目(日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している)
3 ★ 食育活動を積極的に実施している

本園では、食育活動を積極的に実施しており、栄養士は子どもたちと一緒に給食を食べながら箸の使い方や料理によって食具の使い分け、食前・食後の挨拶など、食に対しての大切な知識を伝えている。また、月に1度クッキング活動を行っているだけでなく、5歳児はプランターでミニトマトやキュウリなどを栽培している。
関連評価項目(子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:平成28年11月1日現在の施設の利用者(保護者)60世帯(利用者総数68名)を対象とした。

調査方法:アンケート方式  
アンケート(自記式)。施設にて担任が保護者に手渡しする形で調査票を配付。記入された調査票は封緘のうえ返信用封筒による郵送または施設に設置した回収箱による回収。

利用者総数 60人
アンケートや聞き取りを行った人数 60人
有効回答者数 40人
回答者割合(%) 66.7%

総括
・総合的な満足度としては、「大変満足」が 40%、「満足」が 40%となっており、満足と答えた人が 80%を占めている。 ●設問の中で「はい」の比率が高かった上位は、次の項目であった。 問1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか 問5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か (各々 93%、37人) 問10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか ( 90%、36人) 問8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか ( 88%、35人)

利用者調査結果

1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 37人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
給食の内容は使用食材が多岐にわたり、バランスがよくとても工夫して作っているのが分かります、という意見がありました。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 24人  どちらともいえない 11人  いいえ 5人  無回答・非該当 0人 
特に意見はありませんでした。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 33人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
特に意見はありませんでした。
4.安全対策が十分取られていると思うか
はい 30人  どちらともいえない 10人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見はありませんでした。
5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 37人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
日程は工夫されていると感じます、という意見がありました。
6.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 28人  どちらともいえない 8人  いいえ 4人  無回答・非該当 0人 
特に意見はありませんでした。
7.職員は保護者の考えを聞く姿勢があるか
はい 29人  どちらともいえない 8人  いいえ 2人  無回答・非該当 1人 
子どもの教育姿勢(思いやりを大切にすること)個性を大切にしてくれて助かっています、という意見がありました。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 35人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
いつも床がピカピカで入室する際もかおり(木のぬくもり)にも十分配慮していると思います、という意見がありました。
9.職員の接遇・態度は適切か
はい 31人  どちらともいえない 7人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
清潔感のあるユニホームがとても印象よい、という意見がありました。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 36人  どちらともいえない 1人  いいえ 3人  無回答・非該当 0人 
病院などへ早急に対応してもらい感謝しています、という意見がありました。
11.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 25人  どちらともいえない 13人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
公平に対応してくれています、また親にも知らせていただいています、という意見がありました。
12.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 28人  どちらともいえない 9人  いいえ 2人  無回答・非該当 1人 
特に意見はありませんでした。
13.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 29人  どちらともいえない 8人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
特に意見はありませんでした。
14.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 25人  どちらともいえない 13人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
特に意見はありませんでした。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 26人  どちらともいえない 10人  いいえ 2人  無回答・非該当 2人 
多忙な中、家庭内でのことを相談した際もじっくり聞いてくれて感謝しています、という意見がありました。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 18人  どちらともいえない 12人  いいえ 6人  無回答・非該当 4人 
特に意見はありませんでした。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
本園の理念、ビジョンは掲示や書類、ホームページ等にて周知している

本園の理念、ビジョンについては、入園時に契約書や重要事項説明書、入園のしおりを基に保護者に対して説明を行っている。入園のしおりには、記載方法を工夫しており、保護者が準備すべきものについては図解で説明を行うなど、表現方法を工夫している。また、本園は開設2年目であるが、職員会議やミーティングなどの機会を通じて園の進むべき方向性を共有している。

開設時に、法人が多様な支援を行うことで、落ち着いた保育ができるよう支援している

本園は、平成27年4月に新規に開設したため、まだ2年を経過していないが、非常に落ち着いた雰囲気で保育ができるような環境となっている。これは、開設にあたって、法人が落ち着いた雰囲気で保育ができるよう、設備面での配慮を行うだけでなく、法人内で、他の園で実施しているノウハウの提供や、玩具などの整備に力を入れたため、2年を経過していないにもかかわらず、落ち着いた雰囲気となっている。

職員での検討事項を施設長会議に諮る体制ができている

本園では、重要な案件は職員会議で検討し、その上で施設長会議で検討するシステムができている。そこには、年1回実施されるマニュアルの改訂だけでなく、色々な事項を提案できるような体制となっている。また、本部や施設長会議での決定事項については、翌日のミーティングの中で職員に周知できる体制ができている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
全職員に対して規範等を定期的にチェックできる体制となっている

本園では、職員の規範や守るべきことを確認するため、年度当初の研修で規範に関するテキストの読み合わせを行っているだけでなく、1年に4回、保育士としての規範に関するチェックシートによる確認を行っている。また、それとは別に日常の保育の中でも気がついた点はお互いが確認できるようになっている。そのため、利用者調査の中では、規範、モラルに関する満足度が高くなっている。

開設2年目であるが、保育所地域活動計画に基づき、地域向けの活動を行っている

本園では、保育所地域活動計画に基づき、世代間交流事業、地域の高齢者との交流事業を計画し、その計画に基づき各種事業を実施している。特に、地域の赤ちゃんを育てる保護者を対象に実施される「ぴよぴよクラブ」は、年に12回開催され、施設長以外の職員や栄養士などが担当して、保護者向けにノウハウを提供する事業であり、例えば離乳食や沐浴の講座を行っている。

ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している

本園では、ボランティアの受け入れについては、法人でボランティア受け入れマニュアルを作成して、その基準に則して実施している。なお、ボランティア受け入れにあたっては、担当保育士を決めて、活動報告書を作成していただく体制を決めているだけでなく、個人情報保護規定に基づき説明を行った上で、機密保持誓約書に署名・捺印をいただいている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
苦情解決制度を明示しているが、第三者への相談先の周知の拡大が期待される

本園では、苦情解決制度として、入園のしおりや重要事項説明書に苦情解決制度の内容を記載しているだけでなく、入園時にも丁寧に説明を行っている。なお、窓口としては、施設長や法人窓口だけでなく、第三者委員として地区の民生委員にもお願いをするなど、非常に手厚い体制となっているが、利用者アンケートの結果からみると、まだ保護者に対して十分浸透していない状況となっている。そのため、今後は第三者への相談先の周知の拡大が期待される。

園の保護者の意向などの把握を積極的に行っている

本年では、開園2年目で第三者評価を初めて受審するが、1年目においても法人が定める書式での利用者調査を行ったり、行事の後にはアンケートを行うなど、保護者の意向を積極的に把握している。また、保護者からの意見を受けて例えば運営協議会の議事録を、玄関に提示するよう改善するなど、保護者の意見を基に積極的な改善を行っている。

地域のニーズにあった保育園づくりを目指している

本園は、閑静な住宅地に新規に開設したこともあり、地域の声やニーズを分析し、その意向を受けた保育園の運営を行っている。そのため、例えば園庭などの一部園の施設が基本は使えない状況となっているが、地域との調整の結果となっている。また、地域の動向を把握するため、区で実施する研修に出席したりして情報収集し、職員間で共有している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
中長期計画や年度別計画に基づき園運営を行っている

本園では、中長期計画は、法人本部で作成しており、世の中の動向を法人本部で分析し、今後の保育園の進むべき姿を明示している。年度別の計画は、法人本部で指定した書式に基づき策定されている。本法人の園の年度計画の特徴としては、大きな枠組みは法人本部から示されるものの、例えば園での習い事を何にするかなどは、園の裁量で決めることができるようになっており、職員が知恵を出し合って工夫を行っている。

1年を4期に分けており、期毎に計画の達成状況を検証している

本園の計画は、基本は年単位であるが、1年を4つの期に分けており、保育計画等はこの期単位で詳細な計画を策定しているだけでなく、職員のチェックリストなども期単位であるため、年4回、提供しているサービスや、個々の職員が行っていることについて検証を行う機会がある。また、事業計画に基づき、保育計画や行事計画が連携する形となっている。

多様な災害を想定して、避難訓練を行っている

災害対策については、規定に基づき月1回の訓練を行っているが、想定する災害は多様な内容で実施している。感染症対策としては、定期的に職員間でマニュアルの確認や、実際の発生時を想定した訓練等を行っている。また、事故があった場合には、本部職員も含めてすぐに必要な対応を行うとともに、区にも事故原因、経過を含めて連絡を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
職員の待遇を大幅に改善している

職員ができるだけ、本法人の園に長く勤めることができるよう、給与水準の改定を行うだけでなく、都の新制度に呼応して、保育士の処遇改善のためのベースアップを行うなど、特に積極的に仕事に取り組む職員に対しては、給与水準の改善を積極的に行っている。また、職員採用のため、法人のホームページを大幅に改善し、職員の具体的な「働き方」を見せることで、新規の就労希望者が本園で就労するイメージを具体的に持っていただけるよう努力を行っている。

法人で実施する内部研修が大幅に充実した

本園では、研修は社内研修と社外研修に分かれるが、この1~2年で法人内の認可保育園で主に実施する社内研修を大幅に増強して、園内で複数の職員が、同じ研修に参加できるようになった。この場合でも、研修報告書は、参加した職員全員が別個に記載するため、職員の到達度を個々に計測できるようになっている。

研修に非常に参加しやすい環境をつくっている

法人として、職員が研修に参加しやすい環境をつくっている。例えば、保育関係の全国組織が実施した、保育園の今後の動向についての研修には、法人内の保育園の全施設長や本部職員が25人程度参加するなど、研修の場を通じて学ぶことが非常に重要と考えて取り組んでいる。なお、研修の参加にあたっては、シフト調整はもちろんのこと、勤務時間外や休日の場合には、必要な賃金を支給するなどの対応を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
アクセス権限の設定により、適切な情報管理を行っている

本園では、園で所有するパソコンには、職層別にパスワードが設定されており、アクセスできる情報の内容を区分している。また、ホームページで管理する園の写真館については、適宜パスワード変更を行うことで、適切なアクセスができるようにしている。書類の保管年限は文書で明記しており、年数がきた書類は適正な手法で破棄を行っている。

個人情報保護方針に基づき対応を行っている

本園では、個人情報保護方針に基づき個人情報を管理している。入園時には「個人情報及び肖像権に関する依頼書」に基づき、保護者に個人情報の取り扱いについて確認を行っており、確認書は児童票と同じファイルに入れて保管している。行事等の項目ごとに、公開の可否をチェックするようなシステムとなっている。また、写真、ビデオ撮影が可能な行事の場合でも、許可申請書を出した上で撮影となるのが特徴である。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
地域の保護者向け講座を開始した
本園では、本年度から地域の保護者向けの講座として「ぴよぴよクラブ」を始めた。年12回実施のなかで、地域の保護者に対して園のノウハウを伝授している。また、大きな行事については、地域の施設を借りて実施することで、より多くの保護者に集まっていただけるようにした。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
職員の待遇を大幅に改善している
本年度は、単純に給与水準の改定を行うだけでなく、都の新制度に呼応して、保育士の処遇改善のためのベースアップを行うなど、特に積極的に仕事に取り組む職員に対しては、給与水準の改善を行っている。また、職員採用のため、法人のホームページを大幅に改善し、職員の具体的な「働き方」を見せることで、新規の就労希望者が本園で就労するイメージを具体的に持っていただけるよう改善を行った。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
今年から、保育園で茶道などを新たに導入した
本園では、職員間で話し合いを行った結果、今年度から茶道やお話会を新たに導入して、子どもたちがより多様な体験ができるよう改善した。また、本園には絵本室があるが、今年度は1年間かけて絵本の充実を図ったことで、より多くの絵本をそろえた。部屋の玩具の配置については、本年度前半で見直しを行った結果、子どもがその時々に応じて、自分の意思で取り出して遊べるように改善を行った。 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
入園者が定員を充足することで、財政基盤がより安定した
本園では、入園者が定数をほぼ満たしていることで本園の財政基盤が安定している。また、収支のバランスをより適正な数値にしていく反面、職員の給与等の待遇改善を行うなど、長期的な視野で安定して運営ができるよう改善した。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
本年度から、運営協議会の会議録を玄関前に配置して公開した
本園の運営協議会については、保護者の方から記録をいつでも閲覧できるようにしてほしいという要望を受けたため、玄関にクリアファイルを3つ配置することで、誰もがいつでも議事録を確認できるように改善した。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ホームページやパンフレットにより提供している

本園の情報は、園のパンフレットやホームページにて提供を行っている。ホームページでの内容は、本園の基礎情報が掲載されているだけでなく、法人で実施している研修内容や、保育に関するトピックなどの情報が掲載されている。ホームページの更新は原則1カ月に1回で、本部の職員によって更新されている。園のパンフレットは、希望者には配付している。

見学記録簿を整備してその中で感想を聞いている

本園では、見学希望者に対しては、施設長が保育の内容等を説明しながら原則対応する形で園内を見学していただいている。なお、施設見学に際しては、見学希望者に対して申込書だけでなく、施設の説明を聞いた感想をアンケートでとっている。また、見学の時に保育相談等を希望される方に対しては、施設長が随時対応している。

区で発行する保育園一覧に掲載するため、園の情報を提供している

園の情報は、区で発行する保育園一覧に掲載できるための情報を提供している。保育園一覧は、区のホームページにより閲覧が可能であるため、保護者はアクセスがしやすくなっている。また、保育園の空き情報についても定期的に区に提供していることで、区で定期的に空き情報を更新するようになっている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
施設長が重要事項説明書、入園のしおりに基づき説明している

サービスの利用開始時については、施設長が重要事項説明書と入園のしおりに基づき、保護者に対して時間をかけて説明している。なお、本園では重要事項説明書等の説明後に、これらの説明を理解したかどうかをお互いが共有するため、入園のしおりと重要事項説明書に付随している説明・確認同意書に署名捺印をいただくシステムとなっている。

職員間で生活状況、身体的状況を入園面談票にて把握するだけでなく、共有を行っている

入園時に保護者から、子どもの状況を個人面談により、本人や保護者の生活状況や身体的状況、あるいは意向等を把握して、その内容を入園面談表に記載している。入園面談票は児童票のファイルの中に保管している。なお、主な記載内容としては、基本的生活及び家族との対人関係について、食事、生活の特徴、排せつ、衣服の着脱、清潔、養育、発育、言葉、遊びの特徴などの項目について、把握した内容を記載している。記載内容については全職員で共有している。

入園直後の支援は、保護者の勤務状況も考慮しながら、無理のない対応をしている

本園では、入園直後については、子どもに負担がかからないよう、保護者の状況を勘案しながら、無理のない保育時間を設定したりすることで、子どもの「慣れ」の状況を見極めながら対応を行っている。また、本園では幼稚園などに行くために退園する子どもの保護者に対しても、退園後でも継続的に相談できる体制にあることを周知している。なお、昨年度は開設初年度であったため、5歳児の設定はなく、卒園という形での退園は今年度が初めてとなる。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 子どもの様子や保護者の希望、関係者の意見を取り入れた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、保育課程を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 計画は、子どもの様子や保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目3 計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目4 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目5 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
児童票等に心身状況や生活状況を記録し、1冊のファイルにまとめている

本園では、児童票等に心身状況や生活状況を記録しており、入園面談票や健康記録票などの書類を一冊のファイルにまとめて保管していることで、この冊子を見れば子どもの状態が適切に把握できるようになっている。保護者のニーズについては、普段の会話や、連絡帳での記載などからも把握している。全体的な傾向は運営委員会や保護者会、各種アンケートから、保護者個々の状況は個人面談により把握している。

園児1人ずつ、毎月の個人目標として「保育のねらい」を明記している

本園では園児1人ずつ、毎月の個人目標として「保育のねらい」を記入して、その内容を保護者の方に確認していただくようなシステムとなっている。この個人目標は、連絡票に挟んで保護者に提示しているため、保護者は園が、その時々でどのような意図を持って保育をしているかが分かるようになっている。この個人目標は、保育計画と連動しているが、その部分が一部の保護者の方には少し分かりづらいようにも見受けられる。

保護者が確認できるよう、週案を玄関に提示している

本園では、クラス単位で毎月どのような意図を持って保育しているかを保護者にわかりやすく伝えるため、週単位で、週案及び目標を玄関前に提示しており、その日に急な変更、例えば雨が降って公園に行けなかったなどの変更があった場合には赤字で訂正を行っている。また、受け入れ時などで発生する申し送り事項については、健康記録表や申し送りノートの活用により、職員全体で共有できる体制となっている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた援助を行っている 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりの発達の過程や生活環境などにより子どもの全体的な姿を把握している
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人やものに働きかけることができるよう、環境構成を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう援助している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
講評
主体性を尊重し、自由に玩具を選び、好きな遊びができるように環境を整備している

保育室は年齢別にわかれ、どのクラスにもままごとのキッチンが備えられている。玩具は子どもの手の届く棚にきちんと収納されていて、いつでも取り出して遊べるようになっている。5歳児クラスのままごとコーナーには子どもたちによって段ボールハウスが作られていた。毎日粘着テープを貰いに来て修繕したり、新たな造作を加えてたりして遊んでいるという。子どもの発想を大切にし、実現させることで充実した遊びに発展するとともに、遊びながら学ぶことや、意欲や活気も生まれてくる。主体性が重んじられた遊び込める環境を整備している。

ケース会議を開いて配慮の必要な子どもへの援助の仕方等などを話し合っている

現在は特別に配慮を要する子どもはいないが、発達がゆっくりな子どもには、理解できるような話かけをすることで、他児にも見通しを持った行動ができるようにしている。制度としては行政が行っている巡回指導を受けることができることを保護者にも知らせているが現在は巡回指導を希望する人はいない。園では個人月案を基に気になる子についてケース会議を開き援助の仕方などを職員で話し合っている。

子ども同士のトラブルが起きた時は年齢に応じた対応をしている

子ども同士で生じたトラブルの場合、年齢に応じて相手の気持ちが伝わるように保育士が仲立ちとなって、代弁しながら「どうすればよかったのか」「どうすれば楽しく友だちと遊べるのか」など遊び方や話し方を伝えている。落ち着いた場所で、やってはいけないことを子どもに解るように話し、どうすればよかったのか投げかけて、自らが「ごめんなさい」が言えるようにしている。噛みつきなどについては園が止められなかったことに対して保護者に謝罪し、噛みつきに至ってしまった経緯などを説明している。

  評価項目2 家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう支援を行っている
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 お迎え時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
受け入れ時に体調や機嫌などを保護者から聞き、園での生活に支障がないか確認している

受け入れ時に早番保育士が体調や機嫌、家庭での様子などを聞き取り把握している。口頭で、戸外遊びをしてもよいかや、薬の服用の有無などを聞き、健康記録表に記入している。また、健康記録表には検温や食事の摂取、午睡などの項目が設けられているため、受け入れ時に園の方で検温しながら体にけがなどないか、体調の変化などで園生活に支障がないか確認している。保護者からの伝達事項は早番保育士が健康記録表に記入し、責任を持って各クラス担任に伝えて漏れのないようにしている。

基本的な生活習慣の確立は保護者と連携して行っている

懇談会や個人面談などで保護者の意向や要望を把握している。また、乳児は毎日保護者と園とで取り交わす連絡ノートによっても保護者の意向を知ることができている。園では把握した情報を基に子ども一人ひとりの月の目標を立て、保護者に伝え、了解の基に基本的な生活習慣の確立を目指して保育を進めている。例えばトイレトレーニングや衣服の着脱など園と家庭とで同じような方法で進めていき、4歳児後半で歯磨きを開始するが、家庭と連携して、取り組めるようにしている。

お迎え時には、その日の様子を保護者に直接伝えている

午後6時15分まではクラスでの保育となっているため、直接担任が保護者にその日のことを伝えている。6時15分から6時30分の間に遅番保育士に引き継ぎを行い、これ以降は遅番保育士が保護者と対応することになっている。遅番保育士は担任から引き継いだ事項は健康記録表に記載し、確実に伝達をして伝達漏れがないように努めている。また、延長時間中に起きたことは延長保育日誌(さくらんぼ日誌)に記述するが翌日伝えたいことは次の日の健康記録表に記載して、翌日の出勤者にすぐに伝わるようにしている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の内容は保育目標を反映して構成されている
  標準項目2 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目3 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目4 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
講評
日常の保育の内容は保育目標を反映したものになっている

年間指導計画や月間指導計画は園の保育目標を基に作成されている。例えば5歳児は保育課程で「進んで活動できる子ども」を保育目標に掲げ、これを受けて、年間指導計画で「役割や分担から生まれるような共同遊びを行い、満足するまで取り組む」としている。更に、月間指導計画で「仲間と簡単な約束を作りだし遊びを発展させる」と立案され、配慮点に「遊びが広がるようないろいろな素材を用意したり、作った物は壊さないように、置いておくスペースを用意する」としている。5歳児の段ボールハウスづくりはまさに保育目標を反映したものである。

簡単なルールのある遊びを取り入れ集団遊びを楽しめるようにしている

順番のある遊びを用意したり簡単なルールのある遊びを取り入れて、楽しめるようにしている。乳児は、固定遊具(滑り台やブランコ)などで遊ぶ時、順番を守る大切さを伝えるために保育士が順番を守らない子の役を演じて、危険なことを伝え、ルールを守って遊ぶと楽しいことを知らせている。幼児クラスは子どもたち同士で、活動内容を話し合う機会を設け、人の考えを聞いたり、仲間の意思を大切にしようとする気持ちを育てている。カードゲームなどは保育士が仲立ちとなって楽しんでいるが年長児は子ども同士で楽しむことができている。

四季の移り変わりを感じさせながら戸外遊びを楽しんでいる

散歩中子どもたちに、四季の移り変わりや風、草花などの自然に気が付けるように言葉かけをしている。また、その季節でしか遊べない、木の実拾いや、色づいた紅葉などを園に持ち帰り、製作物に使用して楽しむことができている。自然豊かな散歩道に恵まれているが、時には、子どもの声がうるさいとクレームが入ることもあり、園としては悩みどころでもある。園には園庭もあるが騒音などを理由に、近隣からクレームがよく入ってくるため、園庭遊びはせず天候さえ良ければ戸外に出て伸び伸び遊ばせるなど子どもたちや近隣への心配りを行っている。

  評価項目4 行事等を通して、日常の保育に変化と潤いを持たせるよう工夫をしている 実施状況
  標準項目1 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目2 子どもが興味を持ち、自ら進んで取り組めるような行事等を実施している
  標準項目3 行事等を行うときは、保護者の理解が得られるような工夫をしている
  標準項目4 保育所の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
夏まつりや運動会などでやり遂げる喜びや達成感を持たせるように配慮している

大きな体育館を借りて夏まつりにお店屋さんごっこを行った。それぞれのクラスが年齢に合った目標に向かって、取り組めるようにした。神輿を3歳児が受け持ち、4歳児は盆踊りのやぐらを作った。5歳児は店屋のスタッフになったり、来客用のうちわを作ったり、店屋の景品づくりと何役もこなしたが、繰り返し取り組むことで達成感ややり遂げた喜びを感じることができた。また、運動会や発表会などの大きな行事は園外で行うことによって、保護者の人数制限をすることがなくなり、行事も伸び伸び楽しめるようになった。

行事の日程表は年度初めに配付し、保護者の理解を得ている

行事の日程表を年度初めに配付し、それぞれの行事が近づいてくると、園だよりやお知らせのプリントなどを配付して知らせている。夏まつりや運動会、発表会は小学校の校庭や体育館などの広い土地を借りて、実施している。今回の利用者調査でも「行事の日程は参加しやすいように配慮がされているか」の質問に93%の人が「はい」と回答をしている。また、行事の手伝いを「ボランティアの募集」のチラシや掲示板で募り、荷物の積み下ろしや飾り付けの撤去を保護者に手伝ってもらい保護者と保育士が連携して作業を行うことができた。

園の行事に近隣の人を招待して、交流できるように努めている

創立2年目を迎える園では、設立当初、住民から設置反対の声が寄せられていた。園では、年間の行事予定表を近隣の人に配ったり、行事のたびに誘いのプリントを配付している。園で物置を設置する場合も両隣に声をかけ、住民の意向を取り入れて設置場所を決定するなど細やかに配慮しているため、徐々に理解してもらえるようになってきた。また、施設見学者も増えているので、行事への参加を呼び掛けることができているが、近隣の人の参加が見られない。もっと行事があることを伝えていく必要があると、園では改善する必要があると思う点で述べている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 年齢の違う子どもとも楽しく遊べるような配慮をしている
  標準項目3 子どもの様子を確実な方法により職員間で引き継いでいる
  標準項目4 お迎え時には、子どもの日中の様子(担任からの引き継ぎ事項等を含む)を保護者に直接伝えている
講評
保育時間の長い子が落ち着いて迎えが待てるように工夫している

6時15分まで自分のクラスで過ごした後、合同保育のために部屋を移動している。環境を目新しくして、落ち着いて保護者の迎えを待つことができている。また、長時間保育専用の玩具を用意して、保育に飽きが来ないようにしている。保育士もゆったり構え、子どもが寂しさを感じないように関わっている。玩具は大勢では遊べないような物や、普段の保育には出されていない種類のままごとなどを用意して人数が少なくても面白くて変化のある時間になるように工夫している。今年度は0歳児で遅番にあたる子どもはいない。

保育士が仲立ちとなって合同保育をし、優しさや思いやりの心を育てている

6時15分からは1歳以上児が1歳児室に集合して合同保育になる。小さい子は大きい子の遊び方や玩具の使い方などに憧れの気持ちを持ったり、大きい子は、小さい子の力量の差を知って、手を貸したり、いたわりの心が芽生え、自然に優しさや思いやりの心が育っていく。延長時間ではこうした異年齢保育の良さを取り入れながら、担任でない保育士との関わりや、年齢の違う子どもたちとの関わりの中で、幅広く人間関係が構築されている。

迎え時、遅番保育士はクラス担任から引き継ぎを十分行い伝達漏れがないようにしている

午後6時15分を過ぎると延長保育時間となる。遅番保育士はクラス担任から、日中の活動や一人ひとりのその日の様子を引き継ぎ、健康記録表に記入している。クラス担任と遅番保育士の引き継ぎは十分時間をかけて行っているが、その間、子どもたちはサブ遅番保育士の絵本や紙芝居の読み聞かせ、手遊びなどをして楽しみながら待っている。伝達事項や延長保育日誌はクラス担任が、同じ事項を遅番保育士が健康記録表に記載することで二重に記録し、伝達漏れを防ぐ工夫をしている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
  標準項目5 保育所の食育に関する取り組みを、保護者に対して伝える活動をしている
講評
落ち着いた雰囲気の中で、子どもたちが楽しく食事ができるように配慮されている

栄養士が食事の配膳を行うことで、子どもたちがテーブルで待つことなく食事ができるようになっている。各クラスの保育室が広々としているため、ゆったりとした席を確保することができ、保育士も細やかに援助することができるようになっている。訪問時に食事の様子を見ることができた。テーブルの高さに合った椅子のためか子どもたちは姿勢がよく、箸の持ち方もぎごちなさがあるものの正しい持ち方で楽しそうに食べていた。散歩の後だったからか乳児も幼児も残量がなくほとんどの子どもが完食していた。

様々な食育活動を通して子どもの食に対する関心を高めている

栄養士は子どもたちと一緒に給食を食べながら箸の使い方や料理によって食具の使い分け、食前・食後の挨拶など、食に対しての大切な知識を伝えている。また、5歳児がプランターでミニトマトやキュウリなどを栽培し、収穫がたくさんあった時は、給食で調理して全園児で食べたり、近隣の人に配って、喜んでもらっている。月に1度クッキング活動を行っている。クッキングを始める前に大切な話として食材の3色群の話などをした後にバター作りやサンドイッチ作りに取り組むなどして、食材への興味や食への関心を高めている。

園の食への取り組みは給食だよりや写真を掲示して保護者に伝えている

毎月栄養士は給食だよりを発行して食育活動の予定を伝えている。例えば1月号ではお節料理や七草粥の由来、お雑煮のこと、七草クッキーのレシピ、今月のクッキングの内容がかわいいイラスト入りのわかりやすい文章で載せられている。クッキングの様子は連絡ノートや玄関前のクラス掲示板に掲示して保護者に伝えている。訪問時は誕生日会であった。手作りのデコレーションケーキにロウソクを3本立てて給食サンプルと一緒に玄関に展示されていたが大変手の込んだ子どもが喜びそうなキャラクターケーキであった。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 けがや病気を防止するため、日頃から身の回りの危険について子どもに伝えている
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに対し、専門機関等との連携に基づく支援を行っている
  標準項目3 保護者に対して感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する情報を提供し、予防に努めている
講評
手洗い・うがいの大切さを伝えるとともにけがや感染症の予防に努めている

感染症予防のためには手洗いやうがいが大切なことを紙芝居や絵本の読み聞かせで伝えている。正しい方法が身につくまでは保育士は傍で見守っている。また、休息することが健康につながることも折に触れ伝えて、午睡などでしっかり体を休めることの大切さを知らせている。散歩時は交通安全に留意し、歩き方や横断歩道の渡り方などを知らせているが、目的地の公園などでは遊ばせる前に広場や固定遊具などの安全性を確認した後に遊ばせるようにしている。

嘱託医に相談して医療的なケアの必要な子どもの対応をする仕組みがある

園の嘱託医は1週間に1度0歳児の健康診断に来園しているため、嘱託医とは毎週相談する機会がある。また、医療的ケアが必要な子どもがいる場合は、保護者と看護師、園長とで面談を行い、子どもの状態が変化し緊急対応が必要な場合は保護者に連絡し、子どもの主治医の指示を仰ぐことを確認している。急な状態の変化を見逃さないために、受け入れ時と午睡時に保育士が検温し記録する体制も整えている。

感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)について掲示をして保護者に情報を伝えている

行政から感染症の発症の通知が来た場合には速やかに、玄関先に掲示をして、保護者に伝えている。また、感染症流行時期になると毎月発行する「保健だより」に詳しい症状や予防法などを記載し注意を喚起している。乳幼児突然死症候群については入園のしおりに記載し説明をしている。園としての予防として睡眠チェック表を使用して、毎日、0歳児は5分毎、1歳から2歳児は10分毎に寝ている時の体位などをチェックし、うつ伏せ寝の場合にはあおむけ寝に直している。園見学の人にも説明してあおむけ寝を推奨し、予防を呼び掛けている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して接している
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 保育所の保育に関して、保護者の考えや提案を聴く機会を設け反映させている
  標準項目5 子どもの発達や育児などについて、懇談会や勉強会を開催し、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
講評
行事を通して保護者同士が交流する機会を設けている

保護者会などでは意見交換などで交流ができる場を設けている。また、夏まつりや運動会などの行事では保護者同士が交流できるようなゲーム、例えば大縄跳びや大型オセロ(カードを裏、表にひっくり返す)ゲーム等を取り入れて楽しく交流する場になっている。年2回開かれる保護者会では議題の1つに子どもたちの日々の様子をビデオ撮影して見てもらった。仲よく遊ぶ子どもたちの姿や、家庭では見たことのない姿に保護者同士も話が盛り上がり、良い交流の機会となったという。

連絡ノートを通じて、保護者と保育士の信頼関係が高まるように努めている

園と保護者の間で取り交わす連絡ノートは保護者にとって毎日の子どもの様子を知る手がかりとなる大切なものである。園では連絡ノートに書かれた質問には丁寧に回答し、栄養面や健康面についての質問にもそれぞれ専門職である看護師や栄養士と連携を取って答えている。玄関そばの事務室は保護者がいつでも話かけやすいように開放している。保護者が希望すればいつでも面談や相談に応じようとする園長の配慮であり、信頼関係を高めようと努めている姿勢であることが窺える。

運営委員会などで保護者の意見や要望を聞く機会を設けている

年2回運営委員会を設けて保護者からの意見や要望を把握している。昨年運営委員会の議事録が公開されていないとの意見があったことに対して、今年度は玄関の壁にウォールポケットを付け、その中に運営委員会の議事録を入れて保護者がいつでも見られるように改善した。その他、近隣の人との交流などについて前向きな意見が多々提案され、園のために懸命に考えている保護者の姿が印象的であった。また、玄関の給食のサンプルケースの横に意見箱を用意し、保護者の提案を受け付ける体制も整えている。

  評価項目9 地域のニーズに即した子育て支援を実施している 実施状況
  標準項目1 地域における在宅子育て家庭のニーズに応じた子育て支援事業を実施している
  標準項目2 地域における在宅子育て家庭同士が交流できるような支援を行っている
  標準項目3 提供している子育て支援事業の評価・見直しをしている
講評
地域の子育て中の親子を園の行事や教育プログラムなどに誘い、子育て支援に努めている

地域の子育て中の親子の福祉ニーズについては、行政が行う研修や公立の保育園等から情報を収集している。園では毎月開催される誕生日会や園の行事、子どもたちが外部講師から指導を受けるリトミックや英語教室などに地域の子育て家庭の親子を誘っている。また、出産間もない保護者を対象に看護師や栄養士が講師になって沐浴の仕方や離乳食の進め方、感染症についてなどの講演会を開催したり、ベテラン保育士が育児相談に応じたりして、地域の子育て家庭の支援を行っている。

「ぴよぴよクラブ」を開催して、地域の子育て中の親子が交流する機会を作っている

地域の子育て家庭における育児不安や子育ての孤立化を解消するために園は今年度から「ぴよぴよクラブ」と名付けた子育て支援事業を開始している。主に、看護師と栄養士が講師になって講演会を3回行ったり、0歳児クラスを見学して、園児とふれあったり、身体測定を行ったりしている。参加者は同じような悩みを持つ親子が多く、講演を聴いて親子同士が質問や意見を交わしたり、言葉を交わしたりするなどして交流が図られている。

地域子育て支援事業は年に1度評価・反省を行っている

地域子育て支援事業については専門誌や行政からの配布物に目を通し、情報収集し、職員間でも回覧をして共通の認識を持つようにしている。年に1度、「ぴよぴよクラブ」の年間計画を基に反省をしたり、見直しをしている。地域の親子の参加は見られるが創立2年目の園であるために園の認知度がまだ低い。今以上に参加者が増加するように広報活動に力を入れたいと園では考えている。地域の親子にとって園の教育プログラムに参加したり、0歳児とふれあう機会などはめったにない機会である。さらなるPRに努められ参加者の増加を図られたい。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
  標準項目4 子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目5 虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関に連絡し、その後も連携できるような体制を整えている
講評
個人情報に関する同意書を、事前に保護者からいただいている

本園では、事前に保護者からどこまでの個人情報を出して良いかを確認しており、各種掲示物等における子どもたちの写真の取り扱いについては、個人情報及び肖像権に関する依頼書によって、園内の掲示から名前をおたよりなどに記載して良いかなど、4つの項目において保護者は可否を判断できるようになっている。ビデオ撮影については、撮影できる行事を明示した上で、撮影した後の個人情報の管理や行ってはいけないことなどを詳細に記載した書類を作成して、入園時に保護者に説明して同意を得ている。

法人で虐待防止の研修会を行っている

本法人では、法人内の研究会として、10以上のチームをつくって個別課題を検討しており、その中の1つとして、虐待防止の研究会をつくっている。ここには本園の職員が昨年度は2名参加して、虐待防止のため、法人全体として必要な取り組みの検討を行った。また、職員が個人の保育を年4回振り返りができるよう、保育士のチェックシートに基づき確認を行い、施設長に提出している。

子どもの羞恥心に配慮した対応を、設備だけでなく、職員も実施している

本園では、おむつ交換台を周囲から見えにくい場所に置いたり、お手洗いの個室にはすべてドアをつけるなど、子どもの羞恥心に配慮した構造になっているだけでなく、子どもが着替えを行う場合には、全裸にならないよう、上下を交互に着替えていくよう話をしている。また、虐待防止や育児困難家庭への支援については、職員会議で検討したり、事例検討を行うなど、そういう事態が発生した時にスムーズに対応できるようにしている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、子どもの安全性に配慮した支援ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
マニュアルの見直しに、職員も関わることができる

本園では、マニュアルの見直しの手順が確立しており、毎年度後半になった時期に、マニュアルで見直しが必要な点はどこかを保護者や職員の意見をもとに職員会議で検討を行うため、個々の職員が提示する改善課題について、必要があれば法人本部で行う施設長会議で報告して検討を行うことができる体制となっている。その検討結果を受け、施設長会議で精査してマニュアルの改訂に結びつけている。また、新たに改訂したマニュアルについては、職員会議の中で説明して、変更点等について全職員が共有できるようになっている。

職員は、チェックリストを活用することで、業務の見直しができるようになっている

本園では、保育士のチェックリストや、散歩チェックリスト、給食日常点検リストなどに基づき、業務の内容を点検できるようになっている。このうち、保育士のチェックリストについては、年間を4期に分け、期毎に保育士が見直しを行っており、その結果を施設長が確認できるようになっている。

職員の創意工夫により、業務の改善に取り組んでいる

本園では、ミーティングや職員会議に基づき、業務の改善について検討を行っている。最近の改善事例では、子どものお手洗い利用時の職員の配置を改善することで、子どもの安全が確保されるよう改善を行っている。また、職員の能力向上のために積極的な研修を行っており、特に社内研修については、1つの研修に複数の職員を出すことにより、研修の効果を高めるだけでなく、研修報告書を個別に書くことで、職員の到達状況を把握できるようになっている。