東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成28年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 一般社団法人カナリヤ保育園
事業所名称 カナリヤ保育園
評価機関名称 株式会社 販売促進研究所

コメント

第三者評価の実施にあたり、園を訪問する回数を増やすように心掛けた。園長説明会はじっくりと時間をかけて行い、職員アンケート説明会は、職員が多く集まる時間に設定して頂いた。訪問調査は、朝の戸外活動に同行したり、給食を子どもたちと一緒に頂いた。子どもや職員の皆様から日常の話を聞き、エプロンを付けるなどして園に溶け込むように努めた。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)地域で必要とされる子育て支援に最大限力を尽くす 2)ひとりひとりの子どもを大切にし、しっかりとした育ちを保障する 3)保護者が安心して働けるよう子育てをサポートする 4)子どもを真ん中にして大人も子どもも育ち合うことを目的とする 5)核家族化や地域とのつながりが希薄になるなかで、子育ての不安や悩みを抱える保護者への支援

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

明るく優しく健康で子どもが好き。 思いやり・責任感がある。 子育て支援に対し自分の持つ力を積極的に発揮しようとする人材。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

子どもの成長・発達を保障する専門性を活かした保育力。 子ども・保護者(それぞれの家族)の大変さや思いに寄り添い、必要な支援を見極めサポートが出来る力。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 保護者が安心して就業できるように、子どもや保護者の立場にたって援助している

園では、保護者の子育てや就労等の個々の環境に配慮して、保護者が安心して就業できるように努めている。延長保育や急な延長申し入れにもできる限りの対応をしており、保護者からは大変信頼されている。「安心して相談できる」「登園やお迎えで話しを聞いてくれる」「親身になってくれる」「保護者の気持ちに寄り添い、愛情を持って子どもに接してくれる」「カナリヤに通えて本当によかった」と保護者からは高い評価を得ている。園では、「子どもを中心にして大人も育ち合うこと」を掲げており、ともに子育てを楽しむことの大切さを伝えている。
2 園に隣接している「8丁目公園」で遊んだり、積極的な戸外活動に出掛けている

園には園庭はないが、サンルーム側に隣接した「8丁目公園」があり、子どもたちは代替え公園として頻繁に戸外に出て身体を動かしている。また、都電や電車がよく見える場所へ散歩に行ったり、遠出して他の大きな公園に行ったり、天候がよい時には1日2回ほど戸外活動に出掛けることもある。また、季節によっては、どんぐりや落ち葉などを拾い、持ち帰って楽しんでいる。夏場は屋根付きのサンルームでプール遊びを行い、少人数の低年齢児の園ならではのスペースの活用方法で、子どもたちの生活や遊びが豊かになるように工夫している。
3 職員同士が仲良く協力しあい、チームワーク良く保育を行っている

園では、今年度に職員が多く入れ替わったが、当園に勤務経験があった保育士が職場復帰したことから、新体制にもかかわらず、チームワークが良い組織になっている。小さな園のため、職員は個の力を大いに発揮しつつも、職員同士は仲良く協力し合い、何でも相談し合い、明るく家庭的な雰囲気に包まれている。職員は、新人、中堅、ベテランとバランスの良い構成であり、それぞれの世代感覚や、経験などによる持ち味をいかしてお互いを尊重しながらコミュニケーションを取っており、こうした人間関係の良さが、保護者により一層の安心感をもたらしている。

さらなる改善が望まれる点
1 地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向について、理解を深めることが望まれる

地域における福祉ニーズの収集や福祉事業全体の動向については、園長を中心に自治体や地域ネットワークからの情報などを収集し、整理・分析を行っており、その内容は、ミーティングなどを通じて職員に伝えられている。しかし、地域の福祉ニーズや業界全体の動向という問題になると、職員が日々接する保育内容とは異なり、ミーティングに要する会議等の時間に制約もあることから、意識は希薄になりがちである。今後は、全職員が自分に関わる問題として地域や福祉事業全体の動向に理解を深めて取り組むことが望まれる。
2 事務作業の効率化を図り、職員の業務負担を軽減させることが期待される

園では、子どもの情報や日誌を記録したり、様々な計画書を作成したり、多くの書類があり事務作業量が多い。職員は子どもを見ながら、合間を見て記録をつけたり、休憩時間を活用したりして個々に工夫をしながら事務作業を行っている。また、園は新しい事業計画の立案を視野に入れており、その作業量は増える可能性が高いため、今後は事務作業の見直しや書式の改善、パソコン等を増やすなど、早急な対策が必要と考えられる。こうした効率化を図ることで、全職員の負担軽減になり、やる気向上にもつながることが期待される。
3 職員の理解を深めながら、地域との交流を進めていくことが望まれる

園がある地域は、「認証保育所施設長会議(月1回)」、「保育問題協議会(随時)」、「認証協会(随時)」、「城東地区会議」など、保育・子どもに関わるネットワークが数多くあり、活発に情報交換を行い連携を取っている。また、「自治会」「町会」などの活動があり、園長はこうした地域のネットワーク活動に積極的に参画している。また、今年度は、保護者OBや地域のボランティアの人たちの協力を得て、クリスマス会や餅つき大会を実施しているが、職員の理解は十分ではないため、さらに理解を深めながら地域交流を進めていくことが望まれる。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 中長期の事業計画の実現に向けて、地域のニーズに応じた取り組みを行っている

1979年に開設された園は、歴代の施設長の努力や保護者や地域関係者の協力を得ながら、1998年に認証保育所、2015年には、個人から一般社団法人となり、安定した保育所運営を行っている。園では地域の保護者の保育ニーズに合わせたサービスの提供に努めており、周囲の保育環境や時代の流れを見極めながら、園長が中心となり様々な事業計画を策定している。中長期の事業計画では、医療機関と共に病児病後児保育室の開設を目指しており、今後は事業計画の推進について職員の共通認識を深め、実現に向けた取り組みが期待される。
関連評価項目(取り組み期間に応じた課題・計画を策定している)
2 ★ 園では保護者と連携して情報共有を密に行い、保護者から信頼されている

登園時は、子どもの様子や体調をなるべく担任が保護者に尋ねるようにしている。お迎え時は、連絡帳の記録とともに、特に気になる事、発達、発育、遊びなどの子どもの様子を保護者に直接伝えるようにしている。今回の利用者アンケートでは、「子どもの様子について職員と相談出来るか」「保護者の考えをよく聞いてくれるか」「職員の言動、態度、服装等は適切か」「職員は子どもの気持ちを大切にしているか」「保育内容の説明がわかりやすいか」という質問について、保護者が全員「はい」と回答しており、大いに信頼されている。
関連評価項目(家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っている)
3 ★ 保護者が参加できる機会を多く設けて、卒園後の交流を支援している

園では、保護者が参加する行事に「父母会」「交流会」「保護者会」「クラス懇談会」「施設利用」など、数多くの機会を設けている。保護者がゆっくり話ができたり、子育ての講演会に気軽に参加したり、園を利用することで保護者間のコミュニケーションが深まるように支援している。また、保護者の集まりの「父母の会」は、次の代の「父母会」へと毎年しっかりと引き継がれており、カナリヤ保育園で出会った保護者同士が卒園後も子育て仲間として交流が続いている。
関連評価項目(保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:園は住宅街にあり、0歳児から2歳児が在籍している。0歳児が最も多い。アンケート調査時に在籍している19世帯(在籍園児数19名)を対象に調査を行った。

調査方法:アンケート方式  
評価機関で準備した利用者アンケート用紙、第三者評価パンフレット、アンケート封入用封筒を園から利用者に配布していただき、記入後は必ず封をしたうえで園に提出してもらった。

利用者総数 19人
アンケートや聞き取りを行った人数 19人
有効回答者数 19人
回答者割合(%) 100.0%

総括
利用者の総合的な満足度をみると、「大変満足」が63%、「満足」が32%で「不満」という回答はなく満足度は高い。評価が高い理由として、「安心して子どもを預けることができる」「愛情を持って、子どもに寄り添って保育をしている」「先生の話や連絡帳で子どもの日々の様子がよくわかる」などの点があげられている。満足はしているが「保育室がやや狭い」「保育室に太陽の光が入ればいい」といった意見も見られる。共通評価項目別にみると、特に評価が高い項目として、「子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係はあるか」「職員は保護者の考えを聞く姿勢はあるか」「職員の接遇・態度は適切か」「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか」の5項目については、利用者全員が「はい」と回答しており、保護者から信頼される保育所になっている。その他の項目についても全体的に評価が高い。「保育時間の変更に対する柔軟な対応」については「はい」が79%とやや低くなっているが、「無回答・非該当」が21%あり、他の項目にくらべて評価が低いとはいえない。

利用者調査結果

1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
提供される食事について、「子どもの状況に配慮された食事である」が95%、「どちらともいえない」が5%となっており、「アレルギーに柔軟に対応している」「月齢に応じた食事が提供されている」「おいしい食事である」など高く評価されている。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 18人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
戸外遊びの機会については、「十分である」が95%、「いいえ」が5%となっている。「園の隣にある公園での遊び、散歩などが多くてよい」「園の隣に公園があるので安全である」など好意的意見が多く、園の隣の公園で自然に親しむ機会が多いことが評価されている。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
保育時間の変更については、「保護者の状況に柔軟に対応している」が79%、「無回答・非該当」が21%である。「無回答・非該当」は今まで保育時間の変更をすることがなかったため、園の対応がわからないためと考えられる。「お願いしやすい対応である」「柔軟に対応してもらって助かる」などの意見がみられるように、保護者の状況に柔軟に対応しているといえる。
4.安全対策が十分取られていると思うか
はい 16人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
安全対策については、「十分である」が84%、「どちらともいえない」が16%となっている。「子ども目線で対策がとられている」という意見があり、安全対策はとられているといえる。
5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 17人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
行事日程の設定については、「保護者の状況に十分配慮されている」が90%、「どちらともいえない」が10%である。「全員が参加できるような日程になっている」「仕事を持っていても苦にならない日程になっている」などの好意的意見があり、保護者の状況に十分配慮した日程の設定になっているといえる。
6.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
子どもの様子や子育てについての職員への相談については、「相談できる」が100%となっており、「安心して相談でき、解決できる」「気兼ねなく相談できる」など好意的意見が多く、保護者から信頼される保育所になっている。
7.職員は保護者の考えを聞く姿勢があるか
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
保護者の考えを聞く姿勢については、「考えを聞く姿勢がある」が100%となっている。「親身になって聞いてもらえる」「どんなに忙しくてもいろんな方法で考えを聞いてもらえる」などの好意的意見がみられる。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
園内の清掃、整理整頓については、「清掃、整理整頓が行き届いている」が95%、「どちらともいえない」が5%である。保護者からは「清掃が行き届いている」という意見が見られ、清潔な保育所という高い評価を得ている。
9.職員の接遇・態度は適切か
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
職員の接遇・態度については、「適切である」が100%である。「職員はきちんとしていて安心できる」と評価されており、接遇や態度でも保護者に安心感を与えている。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 18人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
子どもの病気やけが、体調変化への対応については、「信頼できる」が95%、「無回答・非該当」が5%である。「しっかりした対応である」「小さなことでも説明してもらえる」など、職員の対応は信頼されている。
11.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 17人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
子ども同士のトラブルへの対応については、「信頼できる」が90%、「どちらともいえない」が5%、「無回答・非該当」が5%となっている。保護者からは「子どもの気持ちを大切にしてもらえる」などの意見があり、子ども同士のトラブルへの対応は信頼されているといえる。
12.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
子どもの気持ちを尊重した対応をしているかについては、「子どもの気持ちを尊重した対応である」が100%である。子どもの気持ちを尊重した対応がしっかりなされている。
13.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 18人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
子どもと保護者のプライバシーについては、「守られている」が95%、「いいえ」が5%となっている。おおむねプライバシーは守られているといえる。
14.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
保育内容に関する説明については、「説明はわかりやすい」が100%である。「丁寧な説明でわかりやすかった」という意見があり、保育内容については、利用者には十分伝わり理解されているといえる。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 18人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
利用者の不満や要望への対応については、「きちんと対応している」が95%、「無回答・非該当」が5%である。利用者の不満や要望への対応については、十分対応できているといえる。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 17人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
外部の苦情窓口にも相談できることについて、「相談できることを伝えられている」が90%、「無回答・非該当」が10%である。利用者への丁寧な説明により、理解されているといえる。平成25年度第三者評価の利用者調査より大きく改善された。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
事業所が目指している理念・基本方針の実現のために、職員一丸となって取り組んでいる

園が目指している理念や基本方針は、園の出入口に「重要事項説明書」を掲示したり、「パンフレット」「チラシ」「ホームページ」等に明記している。年度始めの「方針会議」では、基本方針や目標について職員間の共通理解を深め、新人職員の「オリエンテーション」でもしっかりと伝えるようにしている。定期的に開催している「職員会議(月2回)」では、職員の理解が深まるように内容の確認や勉強に取り組んでいる。また、「総括会議(年3回)」は、振り返りや改善点などのミーティングを行い、園の理念や目標の実現に向けて取り組んでいる。

重要な案件の検討や決定については、決められた手順で職員に周知している

園では、日常的な案件については園長が決定しているが、より重要な案件や課題については、理事会でも検討の上、結果については職員に周知している。利用者には、必要に応じて内容や決定経過を園内掲示や文書により伝えている。日頃の保育サービスに従事している中では、職員同士が理念や基本方針、目標などについて十分に話合う時間は限られているが、今後は、マニュアルの整備をしたり、研修計画をより充実させるなどして、さらに理解を深めていくことが望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理などを周知している

福祉サービスに従事する者として、法・規範・倫理などについては、「オリエンテーション」「保育のポイント」の資料などに職員の心構えをわかりやすく明記している。保護者と日々の情報共有する「連絡帳」や「卒園文集(あゆみ)」には、「児童憲章」が記載されている。職員は、「地域で必要とされる子育て支援に最大限力を尽くす」という運営方針の基で、日々の保育サービスに懸命に努めている。また、第三者評価の結果公表、自治体からの情報発信などについては適宜に行い、地域社会において透明性の高い保育園となるよう情報提供に努めている。

職員の理解を深めながら、地域との交流を進めていくことが望まれる

園がある地域は、「認証保育所施設長会議(月1回)」、「保育問題協議会(随時)」、「認証協会(随時)」、「城東地区会議」など、保育・子どもに関わるネットワークが数多くあり、活発に情報交換を行い連携を取っている。また、「自治会」「町会」などの活動があり、園長はこうした地域のネットワーク活動に積極的に参画している。また、今年度は、保護者OBや地域のボランティアの人たちの協力を得て、クリスマス会や餅つき大会を実施しているが、職員の理解は十分ではないため、さらに理解を深めながら地域交流を進めていくことが望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
利用者の意向を多様な方法で把握し、サービスの向上に努めている

利用者一人ひとりの意見、要望、苦情などについては、日々の会話や「連絡帳」、父母会からの意見、年に数回行われるアンケートなどの方法で把握し検討の上で回答している。職員は、利用者の意見や要望には丁寧に対応しており、収集した情報からサービスの向上につなげるように取り組んでいる。また、利用者の立場に立って分かりやすいように、文書やお便りの作成をしたり、相談しやすいような雰囲気づくりにも力を入れている。こうして収集した情報は、日々の保育内容や次年度の行事等にも反映させている。

地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向について、理解を深めることが望まれる

地域における福祉ニーズの収集や福祉事業全体の動向については、園長を中心に自治体や地域ネットワークからの情報などを収集し、整理・分析を行っており、その内容は、ミーティングなどを通じて職員に伝えられている。しかし、地域の福祉ニーズや業界全体の動向という問題になると、職員が日々接する保育内容とは異なり、ミーティングに要する会議等の時間に制約もあることから、意識は希薄になりがちである。今後は、全職員が自分に関わる問題として地域や福祉事業全体の動向に理解を深めて取り組むことが望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
中長期の事業計画の実現に向けて、地域のニーズに応じた取り組みを行っている

1979年に開設された園は、歴代の施設長の努力や保護者や地域関係者の協力を得ながら、1998年に認証保育所、2015年には、個人から一般社団法人となり、安定した保育所運営を行っている。園では地域の保護者の保育ニーズに合わせたサービスの提供に努めており、周囲の保育環境や時代の流れを見極めながら、園長が中心となり様々な事業計画を策定している。中長期の事業計画では、医療機関と共に病児病後児保育室の開設を目指しており、今後は事業計画の推進について職員の共通認識を深め、実現に向けた取り組みが期待される。

多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している

園では、当年度の利用者のニーズや子どもの年齢に応じたクラス編成を行い、事業計画、年度目標、保育計画、年間行事計画などを決定している。計画は、子どもの様子、保護者の意見や職員への負担、経費など多方面からの検討を加えて作成されている。計画の実施にあたっては、年度始めに全職員参加の「方針会議」を設けて、過去の事例を参考にしたり、課題確認や目標設定などを行い、年度末には「総括会議」を開催し、見直しや反省をするなどして、次年度の着実な計画の推進につなげている。

利用者の安全の確保と向上に計画的に取り組んでいる

利用者の安全の確保・向上を図るために、自治体や関係機関と連携し、職員間の役割分担を決めて計画的に安全対策に取り組んでいる。自衛消防組織の役割分担や休日、夜間などの緊急連絡体制を整備したり、年間避難計画表に基づき、避難訓練(毎月)、消火訓練、通報訓練などもしっかりと実施している。消防車の出動(年1回)や警察署立会のもと、防犯訓練なども行っている。また、緊急時に保護者が利用する複数のメディアに一斉伝達できる仕組みの連絡網「フェアキャスト」を導入して、正確で迅速な連絡体制を構築している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
適材適所の人員配置を行い、職員の就業環境の向上に努めている

園では、年度初めに、目標、要望、研修、振り返りなどの「自己評価レポート」に基づき、個別の「職員面接」を実施している。園長は、職員の経験や能力、要望などを考慮して適材適所の人材配置を行い、職位による業務内容に合わせた人材育成計画を策定している。園外研修の参加は、研修計画にそった自発的な参加を促し、積極的に支援している。人材育成、評価、報酬などの人材マネジメントとしては、キャリアアップ手当の支給や、福利厚生制度の充実に向けて取り組むなど、職員のやる気向上に努めている。

職員同士が仲良く協力しあい、チームワーク良く保育を行っている

園では、今年度に職員が多く入れ替わったが、当園に勤務経験があった保育士が職場復帰したことから、新体制にもかかわらず、チームワークが良い組織になっている。小さな園のため、職員は個の力を大いに発揮しつつも、職員同士は仲良く協力し合い、何でも相談し合い、明るく家庭的な雰囲気に包まれている。職員は、新人、中堅、ベテランとバランスの良い構成であり、それぞれの世代感覚や、経験などによる持ち味をいかしてお互いを尊重しながらコミュニケーションを取っており、こうした人間関係の良さが、保護者により一層の安心感をもたらしている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて、保護・共有に取り組んでいる

園では、情報の重要性や機密性を踏まえて、園長のアクセス権限を設定するなどして、保護・共有に取り組んでいる。収集した情報は、必要な時に必要な人が活用できるように書庫を分別し整理・保管している。保管している文書は施錠管理し、園外持ち出しを禁止している。また、写真販売のためのデータを専門業者に提出する場合は、セキュリティー機能付きUSBメモリーを使用し、持ち出しノートに記載して徹底管理している。今後も個人情報の保護と活用については、適宜再確認を行い、意識をより深めていくことが望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
乳児保育をより充実させることができた
園長のリーダーシップのもとに、園が大切にしてきた、「子どもを中心として育ち合う保育園」「一人ひとりを大切にして子どもの思いに寄り添う保育」という内容について、再度深く掘り下げて、乳児保育の基本を職員一丸となって学んだ。結果、正規職員が入れ替わった年度であったが、保育の見直しを行うことにより、乳児保育の内容をより充実させることができた。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
研修参加を促すことで、職員一人ひとりのやる気向上につながった
職員一人ひとりの課題に合わせた研修に参加する体制を整えた。経験の異なる職員がそれぞれ自分の力になるために学ぶようになり、非常勤職員が保育士資格を取得したり、他の職員も資格取得に向けて学ぶなど、職員のやる気向上につながった。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
個人情報の同意書について、管理が明確になった
個人情報については、利用契約書にあったものに加えて、重要事項説明書の中に詳細なものとして同意書を追加した。重要事項説明書を確認後、同意書を提出して頂くことで、保育園として個人情報の管理が明確になった。 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
きめ細やかな保育の功績が認められ、安定した運営を行えるようになった
今年度は個人から一般社団法人への運営が移行した。子どもや保護者のためにきめ細やかな保育を実践してきた功績が認められ、「子どもが小さいうちは絶対にカナリヤ保育園が良い」という口コミが広がっている。入園希望者が増えて、より安定した運営を行えるようになった。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
利用者アンケートを重ねることで、意見や要望を把握しやすくなった
園は、アンケートの実施、保護者会や運営委員会等を開催して、利用者からの意見や要望などの情報収集を行っている。アンケートは回を重ねるごとに、様々な意見や要望が出るようになり、利用者との距離が縮まってきている。その結果、利用者の案を参考にしながら、よりよい保育環境へ向けて、設備改修を行っている。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
利用希望者が入手できる媒体で、園の情報をわかりやすく提供している

園の情報は、施設パンフレット、ホームページ、荒川キッズニュースなどの自治体の広報誌などで紹介しており、利用希望者が入手しやすい媒体で情報提供している。ホームページでは、園の概略、運営方針、保育内容、子育てアドバイスなどを詳しく記載して、利用希望者にわかりやすく紹介している。電話での問い合わせや見学希望者には、利用者の個別状況に応じて随時対応するようにしている。園の利用が困難な場合は、保育ママ、他の認証保育園などの連絡先を紹介している。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
サービスの開始にあたり、基本的なルールや重要事項を保護者に説明し、同意を得ている

サービスの開始にあたり、「重要事項説明書」に沿って基本的なルールや保育内容等を説明している。また、入園前面談では、サービス内容や利用料金などの説明を行い質問を受けた上で、保護者の同意を得ている。子どもの発達の様子や家庭の保育方針については、「入園前面談」「児童票」に記録をして、職員間で情報を共有しながら入園後の保育に反映させるようにしている。慣し保育は、保護者と子どもが一緒に保育園で過ごすことからスタートして、徐々に時間を長くして子どもが慣れるようにするなど、細やかに対応している。

サービスの開始と終了の際に、環境変化に対応するような援助を行っている

サービスの開始時は、保護者とのコミュニケーションを大切にしており、また、保護者同士も話しやすいように行事などにお誘いをしている。園には、保護者の集まりである父母会があり、父母会主催の楽しいイベント等を多く開催しているため、入園した子どもと保護者が周囲と親しめるように声掛けをしたりしている。卒園・転園後でも、行事などへのお誘いをして、いつでも遊びに来てもらうような受入れ体制ができている。園では、子どもや保護者のOBやOGの仲が良く、交流会を開催したり、園をサポートしたりして交流を続けている。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 子どもの様子や保護者の希望、関係者の意見を取り入れた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、保育課程を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 計画は、子どもの様子や保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目3 計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目4 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目5 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
決められた手順に沿って情報収集や課題設定を行い、保育計画を策定している

職員は、子どもの情報について、「児童票」「保育日誌」などに個別に記録している。子どもや保護者のニーズや課題については、日々の会話や「連絡帳」「児童票」「保育日誌」などで把握している。個別情報や課題をもとに指導計画を作成する場合は、クラスでの打ち合わせや職員会議等で行い、「年間カリキュラム」「月案」「週案」へと落とし込み、反映させている。指導計画は、子どもの様子や保護者の要望や職員の意見などを踏まえて作成しており、「離乳食の進行の説明」「子どもの発達面での促し方、接し方」などを保護者に伝えている。

子どもに関する記録は所定の書式を用い、職員間で情報共有している

園では、子どもの日々の様子を、「児童票」「保育日誌」「あゆみ」などに記録して、全職員が見られるようにしている。職員は、各記録から、「月案」「週案」などの指導計画と合っていたかどうかの評価や反省を行い次に活かすようにしている。また、園では入園後に家庭訪問を実施しており、子どもの生活環境や家族構成を参考にした上で指導計画を作成している。こうした細やかな対応は園と保護者の信頼関係を深めており、必要に応じて情報共有を図る際にも、大いに役立っている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた援助を行っている 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりの発達の過程や生活環境などにより子どもの全体的な姿を把握している
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人やものに働きかけることができるよう、環境構成を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう援助している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
講評
一人ひとりの子どもの発達の状態に応じた援助を行っている

入園時の保護者との面談、入園後の職員による家庭訪問などを通じて、日常の子どもの様子を把握するように努めている。その上で、子どもが周囲の人やものに主体的な働きかけが出来るように、個々の環境設定を工夫したり、丁寧な声かけを行うようにしている。園では子どもが好きな遊びに集中できるように、収納をコンパクトにして出来るだけ部屋を大きく使えるようにしたり、職員が年齢に応じた手作りの玩具や装飾品を制作したり、子どもが好きな絵本を手に取りやすい場所に置くなど、子どもの気持ちに添った細やかな援助を行っている。

子ども同士のトラブルなどには、子どもの気持ちを尊重した対応をしている

園では、発達の過程で生じる子ども同士のトラブルに対しては、子どもの気持ちを理解するために、その時の状況や場面をしっかりと観察して、互いの気持ちを汲んだ声かけや働きかけをするようにしている。その後も職員間で子どもの情報共有を行い、発達の過程を見守りながら、次の成長のステップを見据えた援助ができるように注意深く対応している。また、朝夕の合同保育の際には、子ども同士が年齢や文化、習慣の違いなどを認め合い、お互いを尊重する心が育つよう声かけなどに努めている。

  評価項目2 家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう支援を行っている
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 お迎え時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
園では保護者と連携して情報共有を密に行い、保護者から信頼されている

登園時は、子どもの様子や体調をなるべく担任が保護者に尋ねるようにしている。お迎え時は、連絡帳の記録とともに、特に気になる事、発達、発育、遊びなどの子どもの様子を保護者に直接伝えるようにしている。今回の利用者アンケートでは、「子どもの様子について職員と相談出来るか」「保護者の考えをよく聞いてくれるか」「職員の言動、態度、服装等は適切か」「職員は子どもの気持ちを大切にしているか」「保育内容の説明がわかりやすいか」という質問について、保護者が全員「はい」と回答しており、大いに信頼されている。

一人ひとりの子どもの発達に応じて、基本的な生活習慣が身に付くように援助している

子どもの離乳食やトイレトレーニングなどについては、発達の状態に応じて、家庭と園とで共通認識をもって進めるようにしている。離乳食は、一人ひとりに合わせて作っており、「給食だより」などで保護者に詳しく紹介している。トイレトレーニングでは0歳児は布オムツを使用しており、上のクラスになると、布オムツ、または紙おむつを使用している。午睡は子どもの発達や生活のリズム、体調に合わせて対応しており、こうした子どもの詳細な情報は、全職員で把握するように努めている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の内容は保育目標を反映して構成されている
  標準項目2 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目3 子どもがのびのびと体を動かせるよう、積極的に戸外活動や外気浴等を実施している
  標準項目4 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目5 【0・1・2歳児のみ受け入れている保育所で、取り組みのない場合は非該当とする】 子どもが集団活動を経験する機会(他の保育所の子どもとの交流など)を積極的に設けている
講評
子どもの自主性や自発性を尊重し、安心して生活できるように配慮している

園は少人数の低年齢児保育をきめ細やかに行っており、小さな子どもが一人ひとり安心して生活できる場所となるように配慮している。保育内容は、保育目標を反映して計画されており、月案、週案をもとに日々の活動を設定している。また、クラスは月齢によりさらにグループ分けをして、職員は子どもが遊びに集中できるように、座る位置にも配慮している。保育室では、子どもの自主性や自発性を尊重して、ロッカーや椅子等に、子どもの名前代わりに動物のシールを付けて、自分のことは自分でできるように指導している。

園に隣接している「8丁目公園」で遊んだり、積極的な戸外活動に出掛けている

園には園庭はないが、サンルーム側に隣接した「8丁目公園」があり、子どもたちは代替え公園として頻繁に戸外に出て身体を動かしている。また、都電や電車がよく見える場所へ散歩に行ったり、遠出して他の大きな公園に行ったり、天候がよい時には1日2回ほど戸外活動に出掛けることもある。また、季節によっては、どんぐりや落ち葉などを拾い、持ち帰って楽しんでいる。夏場は屋根付きのサンルームでプール遊びを行い、少人数の低年齢児の園ならではのスペースの活用方法で、子どもたちの生活や遊びが豊かになるように工夫している。

手作り玩具や装飾品で、あたたかな保育環境を作っている

保育室は各クラスごとに分かれており、壁や床には木材を多く使用して、全体に木のぬくもりが感じられるような仕様にしている。職員は時間を見つけては年齢に応じた手作りの玩具や装飾品等を制作して、子どもたちが安心して安全に遊べるように努めている。こうした作品づくりは、開設時より園に受け継がれてきた伝統的なもので、子どもへの想いが込められている。職員だけではなく保護者OBも、大きな手作りタペストリーを寄贈するなどして、子どもの成長をともに喜び、ともに見守り続けている。

  評価項目4 行事等を通して、日常の保育に変化と潤いを持たせるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目2 子どもが興味を持ち、自ら進んで取り組めるような行事等を実施している
  標準項目3 行事等を行うときは、保護者の理解が得られるような工夫をしている
  標準項目4 保育所の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
子どもに無理のない内容の行事を中心に行っている

行事は、「年間行事予定」を年度当初に決定して、クラスだよりなどで保護者に知らせている。低年齢児が多いため、行事内容は、子どもに無理のない範囲で行っており、「春の交流会」「七夕」「夏祭り」「運動会」「焼きいも会」「餅つき大会」「クリスマス会」「節分会」「大きくなあれの会」「親子遠足」などがある。行事の実施にあたっては、職員同士で意見を出し合い、分担を決めて協力し、終了後には反省会を行っている。また季節感や日本の伝統行事を楽しむ他に、「定期健診」「身体測定」「誕生日会」「避難訓練」などは毎月行われている。

地域の人が参加できる行事や講演会などを行い、地域交流の機会を設けている。

園では、保護者が参加する「保護者会」は年3回開催されており、父母の会主催の「交流会」は年度末に開催されており、保護者同士の交流が活発に行われている。この他、「講演会」「焼きいも会」「文化行事」を行っており、「あらかわきっずニュース」等で地域の人々にも参加を呼びかけて、保護者、職員、子どもたちとの交流の機会を設けている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 子どもの様子を確実な方法により職員間で引き継いでいる
  標準項目3 お迎え時には、子どもの日中の様子(担任からの引き継ぎ事項等を含む)を保護者に直接伝えている
講評
保育時間の長い子どもがくつろげるように配慮をしている

園では、保育時間が急に延長になった時でも、睡眠、補食、授乳などは個々に対応している。補食は手作りの料理を提供しており、各家庭や子どもの様子に合わせて個々に対応している。また、朝夕の時間帯には合同保育を行っているが、月例の異なる子ども同士でもお互いが親しく感じられるような環境づくりに努めている。お迎えが遅い子どもについては、シフトによる職員の交替がある場合でも職員間で口頭による引継ぎやメモによる伝達を行い、保護者に子どもの様子を確実に伝えるようにしている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
  標準項目5 保育所の食育に関する取り組みを、保護者に対して伝える活動をしている
講評
子どもが楽しく、落ち着いて食事ができるように個々に配慮している

食事については、安全安心な食材選び、子どもが食に興味を持ち食べる意欲が高まるように一人ひとりに配慮している。区の献立をもとにしているが、午後食(おやつ)は園独自の手作りメニューを工夫して提供しており、管理栄養士や調理師が給食や食育とともに熱心に取り組んでいる。アレルギー除去食の提供や、下痢や体調不良の場合にもしっかりと個別対応しており、保護者からは「とてもよい。子どもが美味しく食べている」と高い評価を得ている。給食では、職員が子どもと一緒にテーブルを囲みながら、楽しく食事ができるように付き添っている。

食育を通じて、子どもが食への関心を持てるように取り組んでいる

食育は、低年齢児中心の園のため、子どもが無理のない範囲で食に興味を持てるような内容にしている。毎月、食育のテーマを決めて、小さな子でもできる豆のさや出しや、野菜や果物に触れたり、なすやトマトのプランター栽培などを行っている。また、季節の行事食や誕生日のケーキは、子どもたちにとっては楽しみであり、日常(ケ)と非日常(ハレ)の日の「食」の違いを知る貴重な体験につながっている。食育は、園だよりや写真掲示などを通じて保護者にも伝えている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 けがや病気を防止するため、日頃から身の回りの危険について子どもに伝えている
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに対し、専門機関等との連携に基づく支援を行っている
  標準項目3 保護者に対して感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する情報を提供し、予防に努めている
講評
けがや病気の予防のために、日頃から細心の注意をして対応している

園では嘱託医と連携し、毎月「定期健診」「身体測定」を実施している。けがや病気を防止するために、職員は日頃から身の回りの危険について、「ヒヤリハット」の情報を共有するなどして、細心の注意を払うように努めている。また、感染症流行の際には、自治体からの情報の文書を配布したり、園内掲示、口頭での伝達を行い、速やかな予防対策を取るようにしている。保護者からは、「小さなこともちゃんと説明してくれて安心」「しっかり対応している」と信頼されている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して接している
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 保育所の保育に関して、保護者の考えや提案を聴く機会(運営委員会など)を設け反映させている
  標準項目5 子どもの発達や育児などについて、懇談会や勉強会を開催し、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
講評
保護者が安心して就業できるように、子どもや保護者の立場にたって援助している

園では、保護者の子育てや就労等の個々の環境に配慮して、保護者が安心して就業できるように努めている。延長保育や急な延長申し入れにもできる限りの対応をしており、保護者からは大変信頼されている。「安心して相談できる」「登園やお迎えで話しを聞いてくれる」「親身になってくれる」「保護者の気持ちに寄り添い、愛情を持って子どもに接してくれる」「カナリヤに通えて本当によかった」と保護者からは高い評価を得ている。園では、「子どもを中心にして大人も育ち合うこと」を掲げており、ともに子育てを楽しむことの大切さを伝えている。

保護者が参加できる機会を多く設けて、卒園後の交流を支援している

園では、保護者が参加する行事に「父母会」「交流会」「保護者会」「クラス懇談会」「施設利用」など、数多くの機会を設けている。保護者がゆっくり話ができたり、子育ての講演会に気軽に参加したり、園を利用することで保護者間のコミュニケーションが深まるように支援している。また、保護者の集まりの「父母の会」は、次の代の「父母会」へと毎年しっかりと引き継がれており、カナリヤ保育園で出会った保護者同士が卒園後も子育て仲間として交流が続いている。

  評価項目9 認証保育所の特性をいかした取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 異年齢児との生活の中にあっても、年齢や一人ひとりの発達にあった援助を行っている
  標準項目2 新たに入所した子どもと、すでに入所している子どもが安定した関係を築けるよう配慮している
  標準項目3 契約や更新の機会をとらえ、保護者と緊密に連携しながら保育を行っている
講評
異年齢児との保育の中にあっても、一人ひとりの子どもに合った支援を行っている

園では、異年齢の子どもの生活の場にあっても、一人ひとりの子どもに合った食事、睡眠、玩具などには細やかに対応している。園児の入園や退園においては、新しく入った子どもが安心して過ごせるように、在園児が他の子どもがいても落ち着いて過ごせるようにするために、職員の人員配置は特に注意をしている。13時間開所という長い時間であっても、園では終日十分な人材を確保して職員配置している。0歳から2歳という人間形成の基礎となる時期に、一人ひとりの個性、性格、成長領域等を大事にしながら、手厚い保育に努めている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
  標準項目4 子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目5 虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関に連絡し、その後も連携できるような体制を整えている
講評
子どもの意思を尊重し、一人ひとりを大切にした保育を行っている

園では子ども一人ひとりの意思を尊重し寄り添う保育を実践している。保護者の価値観や生活習慣を尊重しながらも、必要なところは助言したり、アドバイスをしたりしている。また、虐待防止や育児困難家庭への支援については、行政機関・関係機関との連携体制を整備し、園内外の勉強会等で学習しているが、今後も職員は身近に起こりうることとして専門知識をさらに深めていくことが望まれる。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、子どもの安全性に配慮した支援ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
事業所業務の標準化のために、各種の業務マニュアルを整備している

園には、業務マニュアルの「保育のポイント」が整備されており、保育の基本となるポイントを記載して職員に周知を図っている。職員はわからないことが起きた際には参考書籍やマニュアルを参照したり、先輩職員にアドバイスを受けるなどしている。サービスの基本事項や手順の見直し、改善等は、定期的に職員会議で行われており、職員間の信頼関係ができているため、会議では何でも言い合い、発言しやすい雰囲気になっている。また、各種の園外研修への参加などにより、一定レベルの知識や技術を学べる機会を設けサービス業務の標準化に努めている。

事務作業の効率化を図り、職員の業務負担を軽減させることが期待される

園では、子どもの情報や日誌を記録したり、様々な計画書を作成したり、多くの書類があり事務作業量が多い。職員は子どもを見ながら、合間を見て記録をつけたり、休憩時間を活用したりして個々に工夫をしながら事務作業を行っている。また、園は新しい事業計画の立案を視野に入れており、その作業量は増える可能性が高いため、今後は事務作業の見直しや書式の改善、パソコン等を増やすなど、早急な対策が必要と考えられる。こうした効率化を図ることで、全職員の負担軽減になり、やる気向上にもつながることが期待される。