東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

本社の理念や保育方針は「入園のご案内」に明記し、本社のホームページでも公開しています。本社の理念等は園長は園長会議で、職員は入社時研修などで理解が深まるようにしています。職員は年度初めや職員会議、昼礼で理念等について話し合っています。職員会議は月1回午睡時間に開かれ、昼礼は毎日14時から20分程度引継ぎや申し送りをしています。保護者には入園申込時などに「入園のご案内」で説明し配付しています。「入園のご案内」はすぐに確認できる場所に保管するほか、会議の場で使用することもあります。

園長は年度末職員に、①職員はいつどこで見られているか分からないという意識を持つこと②商店街の人と挨拶する③子どもがいるのに友達感覚で話すなど職員同士でなれあいをしない④言葉遣いに気を付けるなどの話をしています。園長と本部（社長・エリアマネージャー）との個別面談を定期的におこない、経営層としてより一体化した運営を心がけています。社長や役員が出席する園長会議が月1回開催され、事業報告や就業規則の改訂、賃金規則、社宅制度などが報告され、インターネット会議が用いられています。

園で起こった問題は職員⇒園長⇒エリアマネージャー⇒本部の径路で連絡・相談し、決裁者の承認を得て決定しています。重要な案件は園長を本部に招集し、経営層職員から直接話し、質疑応答をおこないます。決定事項があれば昼礼時などで職員に周知し、本部からも通達を出します。当園は認可保育園への移行の予定があり、保護者には本部からの手紙を配付するほか、9月に保護者や園長、本部担当者からなる臨時運営委員会を開催し、認可保育園への移行について話し合っています。議事録コピーを保護者に配付しています。

守るべき法・規範・倫理は就業規則の服務規律の秩序規律の維持や保育園規則、重要事項説明書のプライバシーポリシーに明記しています。入社時研修で、本部が社会人としてのマナーや就業規則の説明をし、職員の理解を深めています。第三者評価を受審し、その結果を公表するほか、ホームページでも公開しています。区の認証保育園一覧に掲載されるなど地域社会に園の情報を開示しています。

入園見学者の育児相談を受けています。一時保育や休日保育の制度を設けています。夏祭り等の行事には卒園児を招待しています。ボランティア受け入れについて本部に規則があり、園長が担当します。毎月1回ボランティアが来園し、お話し会で絵本の読み聞かせや紙芝居、パネルシアターなどをおこなっています。また、クリスマスにはサンタクロースに扮し、子どもたちにプレゼントするなど楽しく交流をしています。

園長とエリアマネージャーが区の認証保育所連絡会に参加しています。年に数回、区の担当課の巡回職員（元認可保育園園長）と気になる子どもについての相談や、保育全般のアドバイスを受けています。年2回メトロ商店街と協働して、避難訓練をおこなっています。

苦情解決制度については「入園のご案内」や重要事項説明書に明記し玄関にご意見箱を置くほか、保護者会で相談窓口の第三者委員を紹介しています。また、本部にホットラインを設け、意見や苦情をメールで受け付けています。夏祭りでは4月にクッキングで作った味噌を入れた豚汁を提供しました。また、親子でさらしに絞りを作り、園で玉ねぎの皮で染めた豆絞り作りの作業風景を動画にして保護者に公開しました。

登・降園時の会話や、第三者評価の利用者調査、行事後のアンケート、保護者や園長、本部担当者、第三者委員で年2回開催される運営委員会、年2回開かれる保護者会などで保護者の意向を把握しています。また、年度末に園の自己評価や本部が利用者満足度調査をおこなっています。登・降園時に食事を食べない子どもなどの育児の悩みを聞いて、解決に取り組んでいます。

入園見学者や区の認証保育所連絡会に参加し、地域の福祉ニーズを収集しています。福祉事業全体の動向は区役所の担当課等行政からの情報や新聞・月刊誌の購読などから把握しています。保育指針の改定や研修により得た情報を参考にして、求められる保育のあり方について議論し、環境を整備しています。園長会会長が東京エリア系列保育園の園長の指導をおこなっています。

本部が3ヵ年の長期事業計画を策定し、これに基づいて事業計画書を作成しています。年度末には事業報告書を提出しています。年度単位では事業計画書や年間指導計画、年間行事予定表、年間食育計画を作成するほか、本部が年間予算書を作成し、パソコンで管理しています。短期については夏祭りやもみじ会（敬老の日）、運動会、生活発表会などの行事に行事実施案を作っています。

園では前年度末に園長とエリアマネージャー、経理担当者が予算会議を開き、園児数や人件費、修繕費、玩具購入などの見通しを立てています。本部では園長と連携し、前年度末より予算の作成に入り、次年度の収支見込みを立案しています。行事後のアンケートや職員会議、保護者会、運営委員会等の意見を踏まえて計画に反映させています。計画推進の体制は組織図に、役割は職務分担表を事務室に掲示しています。収支について、本部は毎月予実管理表を出し、園では3ヵ月～6ヵ月で見直しをしています。行事の反省会をおこない、次年度に活かしています。

毎月避難訓練をおこない、年1回警察署と不審者対策訓練を実施しています。区役所からは光化学スモッグや高温注意報、不審者情報がFAXで入り、感染症の情報はメールで受信します。感染症や安全面の重大な案件は、エリアマネージャーを通じて行政と密に連絡を取っています。防災・災害や事故防止の対応マニュアルを整備し予防対策を策定しています。転倒などの軽度事故はヒヤリハット報告書に、事故の場合は事故発生状況報告書に記録し、事故の再発防止に努めています。本部安全推進室が安全情報をメールで系列園に配信しています。

人事方針は就業規則に明記し、本部の新人研修などで職員の理解を深めています。園長の要望に基づき人事担当者がハローワークや人材紹介会社、募集サイト等から募集をおこないます。採用については園長が面接し、その後本部で面接を実施し決定しています。職員はキャリアアップシートで異動希望等を表明しています。園長は人柄や能力、乳児あるいは幼児に向いているか、新人同士組ませないことなどを考慮して、適材適所の人員配置を心がけています。

園長は5月に職員と個人面談し、能力向上への希望を把握しています。職員は年間目標や目標内容、行動計画を記入したキャリアアップシートを園長に提出します。目標達成のために受講したい研修を選び、年度初めに個人別研修計画表を作成します。研修を受講した職員は研修報告書を園長に提出し、園長が確認後、本部でも確認をしています。昼礼時や職員会議等で研修報告会をおこない、情報を共有しています。職員の判断を越えた場合は、職員⇒リーダー⇒園長⇒エリアマネージャー⇒本部の径路で相談しています。

園長は5月と10月にキャリアアップシートにより、職員と個人面談をおこない、賞与等に反映させています。就業状況はパソコンで管理し、本部も同時に残業も含めて把握しています。園長は「自分のクラスを持つと大変だが、楽しんでやろう」などと前向きに仕事ができるような助言を心がけています。保育士の処遇改善により給与がアップしています。3年以上在職した職員には、自薦や園長推薦による選抜を経て、海外研修のチャンスもあります。福利厚生としては育児休業や時短の期間延長による改善、飲食・宿泊等で割引を受けられる制度があります。

本部のファイルサーバーはアクセス権を設定し、園長はパスワードにより、園のパソコンで収支や給与等の機密情報を閲覧できます。児童票などの個人情報は鍵付きのロッカーに保管し、鍵は園長と早番の職員が管理しています。開所時間中は職員が必要な書類を見られるように整理・保管しています。基本的な書式については採番ルールにより管理しています。園長が年度末に保存期限に基づいてファイルを更新しています。

個人情報の保護については個人情報保護規程に明記しています。個人情報の利用目的は重要事項説明書のプライバシーポリシーに明記するほか、ホームページでも公開しています。開示請求への対応は個人情報保護規程や重要事項説明書に明記しています。新人職員は入社前に個人情報について研修を受けています。職員は秘密保持誓約書に押印のうえ提出し、保護者からは「個人情報・写真等の取り扱いに関するお願い」に捺印を得ています。

園のホームページには、園の方針や住所、開園時間、対象年齢、定員などの基本情報、アクセス、園の目標、保育料などが簡潔に見やすく記載されています。区のホームページには、認証保育所一覧に電話と住所が記載されています。平成29年度に認証保育所から認可保育園に移行をしますので、平成29年度の認可保育園申請に関するページの認可保育園一覧に「仮称」として定員や保育時間などが記載されています。また、入居するテナントビルのホームページにも、基本情報や写真、園のＰＲが掲載されています。

園長と本社のエリアマネージャーが区内の認証保育所連絡会に参加し情報交換などをおこなっています。認証保育所連絡会では「認証保育園ガイド」の名称でホームページを掲載し、認証保育園の仕組みや、施設一覧、空き情報など様々な情報を提供しています。また、各施設の情報などを掲載した「認証保育所案内」の冊子を発行し、区の担当課や各事務所、健康サポートセンターなどの施設で入手できるようにしています。区の担当課とは、様々な情報のやり取りをしていますが、中でも認可園に移行することについては密接に連絡を取り合っています。

利用希望者の見学については、保護者の都合を聞き個別に対応をしています。時間帯は14：30～15：00に来園してもらい施設案内をしながら保育の様子を伝えています。入園案内のパンフレットを渡し保育時間や料金、戸外活動に積極的に出かけていることなど伝えています。見学の依頼があった時には、29年4月以降の利用希望者には、29年度から認可園に移行する予定であることや10月に説明会を2回実施することを伝えています。今年度の利用が困難な場合は、利用希望者の住所地に近い認証保育所等の紹介をしています。

4月に新たに入園が決まった子の保護者を対象に、入園説明会や個人面談を実施しています。入園が決まった後に、重要事項説明書や契約書、入園のご案内などの書類を渡し説明会に持参してもらいます。重要事項や園のルールを丁寧に説明し、同意を得て契約書や「個人情報・写真に関する取扱いに関するお願い」、「虫刺され薬に関する同意書」などを提出してもらいます。個人面談を実施し、保護者から提出された入園前の生活調査票や健康調査票などを基に子どもの状況を把握し、保護者の意向や要望を聞き児童票に記録しています。

新しい環境に安心して慣れるように、慣らし保育を実施しています。慣らし保育については、入園前の個人面談で、保護者の勤務状況や子どもの状況などを考慮し期間を設定しています。2時間程度から徐々に時間を延長し、概ね1週間を目途に契約時間まで延長していきます。子どもによっては、お気に入りのタオルやぬいぐるみを持参しています。個別対応をおこない抱っこをするなどして寂しい思いをしないように心がけています。登・降園時にはできるだけ担任が対応し保護者と丁寧に情報の交換をして子どもや保護者が安心できるように努めています。

退園する子は、同ビルにある系列園や認可園、幼稚園に入園しています。退園時には、園で製作した作品をまとめた製作帳にメッセージを添えて渡しています。3月にはおやつを持ってお別れ遠足に出かけたり、お別れ給食として特別食を用意するなど思い出作りをしています。転園に際しては、保護者には認可保育園と認証保育園の違いなどを伝え戸惑わないように配慮しています。退園児には夏祭りなどの行事に招待し、近況を伝えてもらうなどのつながりを持っています。

子ども一人ひとりの心身や生活状況は入園時に提出された「家庭調査表」「入園までの生活状況」などの書類を基に、聞き取りや確認をして把握しています。入園後は連絡帳、登・降園時の会話、個人面談などから家庭での子どもの様子を把握し、保育活動の様子や発達の状況を個別保育日誌や児童票、健康カード、発達記録表などの書類に記載しています。月別個人指導計画を作成し、登・降園時に保護者に前月の子どもの様子や保育目標について説明するとともに、保護者の要望などを聞き記録しています。毎月月案の評価・反省をおこない翌月につないでいます。

保育課程に基づき、年間指導計画、月案、週案を作成しています。全園児に月別個人指導計画が作成されています。クラスの月案・週案は、保育目標、前月の子どもの姿を記載し、週案で、ねらい、長時間保育のねらいと配慮、養護、子どもの活動、食育、健康・安全、行事、環境と援助の項目について計画をしています。週ごとに保育士が評価・反省し、園長がコメントを記載しています。月別個人指導計画では、月の目標、配慮、反省・評価、保護者要望を記載しています。月や期ごとに評価をし必要に応じて計画を見直しています。

子どもの様子は、連絡帳や個別保育日誌、健康記録などに記載し、発達記録は、0歳児は毎月、1,2歳児は2ヵ月ごと、3歳児以上は3ヵ月ごとに記載しています。子どもの状況は、職員会議や昼礼などで共有し、指導計画や諸記録は職員がいつでも閲覧できるようにしています。小規模な園の良さを生かして、全職員が子どもや保護者の状況把握に努めています。毎日業務に就く前には、パート職員を含む全職員が、園日誌（今年度途中から申し送りノートの要素を記載するように変更）に目を通し、子どもや保護者の状況を確認しています。

入園時に提出された「家庭調査表」「入園までの生活状況」などの書類や、入園後に記入した「発達経過記録」「月別個人指導計画」などの書類から子どもの姿を把握しています。また、保護者との登・降園時の会話や連絡帳のやり取り、個人面談を通じて、子どもの様子を家庭と園の両面からより細かに捉えています。日々の昼礼で子どもの状況を細かく伝え、毎月の職員会議で各クラスの子どもの様子を報告する時、担任以外の職員から子どもについて違った気づきが語られることもあり、職員同士が連携して子どもに合わせた援助が進められるようにしています。

玄関を入ると、ハロウィンの時季には季節のキノコで装飾され、各クラスも年齢に応じてお化けやコウモリなどに手形、シール、ちぎった折り紙を貼った製作物が室内全体に施され、季節感とハロウィンへの期待を盛り上げています。子どもが好きな玩具を選んでじっくりと遊べるように、0歳児にはぬいぐるみや音の鳴る玩具など用意し、保育者と触れ合い遊びを通して五感を刺激しています。1・２歳児には手指の発達や子ども同士のやり取りができるようにブロックや車、ままごと、絵本などのコーナーを設定しています。玩具は状況に応じて入れ替えています。

子ども一人ひとりを尊重する保育をおこなっています。外国籍の子どもの保護者とは共に勉強しながらコミュニケーションを図り、理解しあえるようにしています。子どもは、保育者や子どもの動きを真似るなど自然と馴染んで生活しています。発達面で気になるところのある子どもには嘱託医と相談しながら、子ども同士の関わりの中でともに成長できる体制を整えています。噛みつき等のトラブルが発生した時には、職員間で子どもの情報を共有し、職員が付いて子どもの情緒を安定させ、両者の気持ちを尊重して対応し、保護者には謝罪し状況説明をしています。

登・降園時には玄関で対応しています。保護者から連絡帳を受け取り、こどもの体調や連絡事項等を聞くなど会話を大切にしながら、健康チェック表に記録しています。健康観察はいつもと違う状態に気付くことを基本として、丁寧におこなっています。連絡帳は複写式になっており、検温や食事、睡眠時間などを記入して、24時間の生活リズムを把握しています。降園時にも保護者との会話を大切にして、担任が子どもができるようになった事や頑張った事などプラス面の話を口頭で直接、伝えるようにしています。

月別個人指導計画には、食事、排泄、着脱などの基本的生活習慣に関する目標を記載しています。保護者と目標を確認し、園での様子を伝え、家庭と一緒に取り組んでいます。トイレトレーニングでは、1歳児は夏からトイレに行き、成功すればパンツで過ごすようにしています。午睡時には防水マットを使用する家庭もあり、保護者と話しながら進めています。上履きはかかとに履きやすいように輪っかをつけてもらい、自分で履けた時は大いに褒め、職員とハイタッチで喜ぶ姿も見られます。「自分で」という意欲を大事にして褒めたりしています。

最適な睡眠時間については保健だよりで周知しています。子どもの月齢や体調、家庭での睡眠時間、活動内容等に配慮して、必要な休息が取れるようにしています。0歳児についてはその子の生活リズムを大切にして、午前睡・午後睡を取り入れています。震災後、すぐに行動できるよう服のまま横になるようにしています。オルゴールをかけ、子どもが好きな絵本を選んで読み、落ち着いて入眠できるようにしています。寝付かれない子どもにはトントンしたり、そばについて援助しています。布団は2ヵ月ごと業者に依頼して乾燥するなど衛生面に配慮しています。

大地にがっしり根を張る「大樹」に育つため、「こころ」「からだ」「生活」の三位一体の保育を方針に掲げています。①個々の生命の維持と情緒の安定を図る②基本的な生活習慣を身につけられるようにする③生活や遊びの中で物事を良く見つめ考え探究する心を育む④心身ともに健康で思いやりのある子どもに育てる、を保育目標としています。保育課程や年間指導計画、クラスと個別の月間指導計画、週案などはこの理念等を達成する方向で作成されています。

子どもの心身の成長発達を科学的に捉えた保育理論に基づくリズム運動を、毎朝おこなっています。子どもたちはこのリズム運動を通じて身体能力を向上させ、転倒するときに手をつく、ぶつかりそうな時に横へよけるなどの反射的な動きを身につけるようになっています。年齢に応じた発達を促し、動きから発達状態の違いに気づくこともあります。製作は、0歳児が絵具を付けてスタンプ、1歳児がお花紙をギュッと握りビニールに詰める、2歳児が皆で大きな画用紙に手形や足形を付けて鯉のぼりを作るなど、年齢に応じて楽しんでいます。

園の周辺には整備された公園があり、天気の良い日には散歩や公園に出かけ、歩行の練習や木陰で眠ったり、遊具やアスレチック、砂場、ボール遊び、追いかけっこ等をして身体を動かしています。夏には室内にシートを敷いてプール遊びも楽しんでいます。蟻や蝉、花、木の実などに触れて季節を感じ、拾ってきたものは製作に活かしています。雨天時には高架下の商店街を散歩して、気分転換を図っています。2歳児はメダカの飼育をおこない「大きくなってね」と餌をあげています。2階の系列園の子どもたちとはお話会や運動会等の行事で交流しています。

行事は子どもたちや保護者が楽しめるよう、テーマを決め、子どもたちと職員が一体感を持って取り組んでいます。七夕会や凧揚げ大会、豆まき等の伝統行事、夏祭りやもみじ会（敬老会）、運動会、生活発表会、毎月のクッキング・お話し会・誕生会など多彩な行事を実施して楽しんでいます。毎月の誕生会には誕生児は主役となって王冠をかぶり、手形の色紙のプレゼントをもらい、歌でお祝いし、出し物を楽しんでいます。もみじ会には祖父母と一緒にうさぎや楽器作り等をおこない、感謝の気持ちを込めて合奏を披露するなど楽しく過ごしています。

今年度の夏祭りはクラスごとに時間設定をおこない、親子がゆったりと輪投げやボール転がし等のゲーム、軽食、写真撮影をして楽しめるよう企画しました。子どもたちは浴衣や甚平を着て、玉ねぎの皮で染めた豆絞りを腕や頭、腰等思い思いに巻き、祭りの雰囲気を盛り上げました。軽食には、春にクッキングで作った味噌を入れた豚汁や、園の給食で提供している唐揚げを体験してもらいました。運動会は成長した姿を見てもらい、広い場所でやり遂げる喜びを味わっています。保護者には4月に年間行事予定表を配付し都合を付けやすくしています。

子どもは日々の散歩で近隣やメトロ商店街の人々、交番のお巡りさん、消防士さんたちと出会い挨拶を交わしています。飲食店の主人からメダカをもらい、2歳児が毎日えさをあげて飼育しています。また、消防署に出かけて消防車を見たり、消防士の服を着せてもらうこともあります。毎月のお話し会にはボランティアが来園し、絵本の読み聞かせや紙芝居、人形劇、クリスマスのプレゼント等で楽しく交流しています。ハロウィンには公園までパレードし、道行く人々に仮装を披露しています。ビル2階にある系列園の職員とは、行事で顔馴染みとなっています。

年間指導計画には長時間保育の目標として、安心して遊べるよう暖かい環境を作るなどと記載してあります。保育時間の長い子どもには、一日の疲れを考慮し、水分補給もおこない、保護者から要望があれば補食や夕食にも対応しています。16時30分から1・2歳児は合同保育となり、0歳児は同じ保育室で、安心して過ごせるようにしています。子どもは好きな玩具や、机上で絵を描く、絵本を見る等落ち着いて過ごしています。玄関のチャイムが鳴るたび子どもが不安にならないよう、童謡を流し一対一の関わりを大切にしています。

子ども一人ひとりの様子は、昼礼の申し送りでしっかりと引き継ぎ、担任以外の職員も、保護者に一日の様子や変化を細かく伝えられるようにしています。保護者には笑顔で、子どもが頑張ったことや出来たことなどを話して、明日も元気に登園できるように心がけています。また、熱などで体調を崩した場合には、担任や遅番保育者から丁寧に経過報告をしています。噛みつかれたりケガをした場合は、担任や園長が謝罪し、丁寧に状況説明や対応を伝えています。翌朝には、保護者に必ず子どもの様子を聞いて確認するようにしています。

系列園の栄養士が持ち回りで2週間サイクルの統一献立を作成しています。メニューには季節の食材や地域の商店等から安全性の高い食材を購入し、バランス良く素材の味を活かした調理をしています。栄養士は子どもが食べる様子を見ながら、より食事を楽しめるように、メニューや味付け、盛り付け等を工夫しています。子どもは自分に合った椅子やテーブルを使い、床に足を付けた正しい姿勢で、職員の明るい言葉かけに励まされて完食する満足感やおかわりをする楽しみを味わっています。行事食やおやつは工夫を凝らしています。

離乳食は食材チェック表で食べたことのある食材を把握し、初めての食材は家庭で試して何事もないことを確認してから、園で提供しています。子どもの体調不良にも対応しています。食物アレルギーを持つ子には「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を基に、担任、栄養士等が保護者と面談し除去食の確認をしています。調理室では担任と栄養士が確認し、子どもの名前と除去食材を書いたファイルと、専用トレイと食器を使い、固定した席に配膳しています。職員はアレルギー除去食を提供しているという緊張感を持ち、そばについて見守っています。

毎月、栄養士を中心として、年齢に応じたクッキングや食育活動を実施しています。季節の野菜や豆、果物に触れ、皮むき、筋取りなどの体験をしています。食育で使用した食材は給食に加えて食べる連動性を持たせています。また、レンコン・オクラ等の断面でスタンプ遊びや、全園児が麹と大豆を混ぜた袋の上から叩いたり指で押す等して味噌を作り、毎週火曜日には色や匂いを観察しました。ジュースやゼリー等のクッキングを楽しむなど食への興味・関心を育んでいます。保護者には給食だよりや、玄関の食育ボードに写真掲示し様子を知らせています。

日頃から子どもたちには絵本や紙芝居等を通して、安全に遊ぶ方法を分かりやすく繰り返し伝えています。散歩や公園に行く前には交通ルールを教え、公園では遊ぶ前に遊具の使いかたや決められた場所で遊ぶ等の約束事を話しています。0歳児は保育者とともに手を洗い、1・2歳児は手の洗いかたを見ながら丁寧に洗う習慣を付けています。5月から2歳児は散歩後のうがいを、6月から1歳児は歯磨きを始め、歯ブラシは殺菌庫で保管して衛生面に配慮し、病気を予防しています。蚊対策として手作りの虫除けスプレーを用意しています。

子どもの健康を守るため、健康観察をおこなっています。また、嘱託医による0歳児クラスは毎月、1歳児クラス以上は年6回の健康診断と、毎月の身体測定を実施しています。受診や測定結果は健康診断記録表に記載し、保護者にも連絡帳などで知らせています。嘱託医には子どもの体調変化時に助言を受けることができ、病気の早期発見、早期治療に繋がっています。園での与薬は原則としておこなわず、慢性疾患の薬に限り「薬・依頼書」「調剤情報提供書」と共に医師の処方薬を園長が預かっています。

感染症については入園のご案内に詳しく掲載し、保護者会でも説明しています。また、毎月保健だよりで季節に応じた健康知識を伝えています。区役所等からの感染症流行情報を配付したり玄関に掲示して、保護者の注意を喚起しています。感染症が園で発生した場合は、現状を随時掲示し、保護者に情報を提供しています。罹患した場合は「登園許可証」の提出を受けています。乳幼児突然死症候群を防止するため、0歳児は5分ごと、1・2歳児は10分ごとにブレスチェック表に記録し、うつ伏せ寝は直し、保育者が側について見守っています。

保護者の事情に配慮して、急な残業によるお迎えの遅れ、夕食の提供についても柔軟に対応しています。契約した保育時間の変更もそのつど相談に乗っています。また、少人数の家庭的な園のため、保護者との対話を大切にしており、離乳食の食材や大きさなどの個別質問に応え、中期食や後期食などを展示して見てもらうなど、いつでも相談に応じています。今回の利用者調査では、「先生方は笑顔が絶えず、園児もにこやかでとても雰囲気が良いです」「製作をはじめ日中の保育活動がとても充実していると思っています」など多くの感謝の声があります。

保護者参加行事には全体保護者会や保育参観、夏祭り、運動会、発表会などを実施しています。全体保護者会後には各クラスの懇談会をおこない、親同士が交流できる場を設けています。保育参観では2日間設け、都合の良い日に、子どもの生活の様子やリズム運動、散歩などを見てもらっています。行事後にはアンケートを取り次回に活かしています。夏祭りではクラスごとの時間設定をしたことで、保護者同士の親睦や職員とより深く交流する機会を持てました。保育者とは登降園時の会話や連絡帳のやり取り、個人面談等で常に対話を心がけ信頼を築いています。

全体保護者会では認可園移行の説明や写真販売、行事について伝えています。終了後、クラス懇談会をおこない、一日のクラスの流れや持ち物、子どもの様子、月齢・年齢ごとの発達の特徴などを話し、共通認識を持てるようにしています。また、保護者同士で意見交換をおこない、視野を広げています。運営委員会は、保護者全員を運営委員会メンバーとして保護者会と兼ねて開催し、園への要望を聞いて、運営や保育に活かせるようにしています。来年度認可園への移行に当たり、臨時運営委員会を開催して保護者へ説明と質疑応答をおこないました。

子ども一人ひとりに月別指導計画を立て、発達に応じた援助をしています。朝夕の合同保育や、誕生会などの行事、リズム運動、散歩、クッキングなど年齢の違った子どもが一緒に過ごす機会を持っています。朝、1・2歳児でリズム運動をおこなうと、0歳児もピアノの曲に合わせて身体を揺すります。2歳児の大きな動きを、座って見ていた1歳児は憧れながら真似をし、2歳児はその動きを優しく見守るなど刺激を受けています。1・2歳児の散歩時には、2歳児はボールを渡す、ドングリを拾ってあげるなど年長であることをわきまえて優しく接しています。

年度途中から新たに入園する子どもは、保護者から離れ新しい環境に不安を抱いているため、保育者が一対一で関わり情緒の安定を図りながら、子どもの興味のあることを察知するようにしています。子どもに合わせた慣らし保育を実施しながら、保護者から家庭での様子を細かく聞き、家庭と園での差がないように配慮し、コミュニケーションを密に取り、園に無理なく慣れていくようにしています。在園児には新入園児を紹介し、クラスだよりに名前を載せて保護者にも伝えています。保育者は在園児と新入園児が自然と一緒に遊べるように仲立ちしています。

来年度より認可園に移行するため、運動会終了後の11月頃から保護者の意向を尋ねるようにしています。認可園への移行については、運営委員会を2回開催し、全保護者へ説明し、質問に応えてきました。子どもと保護者が安心して認可園に移行できるように、また、他の園へ転園できるように、今後のことについて相談に乗るようにしています。保護者とは密にコミュニケーションを図り、日常会話の中から近況を聞いています。そこで得た情報は、職員間で共有し、保護者支援や子どもの保育に活かすようにしています。

重要事項説明書でプライバシーポリシーについて説明するとともに、園児の氏名や写真、動画の使用について「個人情報・写真等の取り扱いに関するお願い」で、行事の様子紹介、保育内容の記録、園内の掲示物、写真の撮影販売（業者に依頼）、パンフレットやホームページへの掲載など6項目の利用目的を説明し、承諾を得ています。また、継続時にも改めて承諾書の提出を求めています。こ?の承諾書は、一括で承諾する形式ですが、保護者によっては一部不承諾の項目もあるかと思われますので、項目ごとに確認をすることを検討されるとよいと思われます。

子ども一人ひとりの気持ちを受け止め、権利を尊重した保育をおこなうように努めています。睡眠時間などのリズムがずれている子どもが多く、個々の子どもが機嫌よく過ごせるように、必要に応じて休息や睡眠が取れるように配慮をしています。トイレトレーニングは園で始め様子を見ながら保護者に勧めるなど、個別状況に応じた対応をしています。子どもの羞恥心については、申し送り時にパンツで過ごしていることを伝え、意識してトイレに誘導し失敗しないようにするなどの配慮をしています。失敗した時には周囲に気づかれないように対応しています。

虐待防止に向け、本部研修や区などが主催する外部研修に参加し、園内研修でフィードバックをおこない理解を深めています。着替えの時には、子どもの身体チェックをおこない、体に痣などがあり疑わしい時には、嘱託医に診てもらうなどしています。虐待が疑われた時には、関係機関と連絡を取り対応をおこなう仕組みがあります。職員の好ましくない言動があった時には、その都度声をかけたり、職員会議で話し合いをしています。園長は、状況に応じて保育に入り散歩に同行するなどして、保育の様子を見ながら助言や指導をしています。

本部で作成したマニュアルは、保育業務を網羅した詳細なものとなっています。このマニュアル集は、事務室に置きいつでも閲覧可能となっています。園では全職員に詳細なマニュアルを学習する機会は取りにくく、業務の中で必要に応じて読み理解をしてもらうように努めています。本部が作成した簡略な「プロケア保育実践マニュアル」と、園の業務マニュアルを合わせて日常の業務を実践しています。提供しているサービスについては、自己評価課題シートなどを活用し定期的な点検・見直しをしています。

園長は、今年度は職員不足のため外部研修などに参加する機会が少ないと感じており、園内研修には力を入れて取り組みたいと考えています。行事が終わった午後の時間を活用して園内研修を実施しています。全職員の意向を聞いて研修テーマを決め、運動会の後の時間を使い、「子どもの声かけの方法」について話し合っています。区の巡回指導の時に、保育園共通で研修のテーマを与えられ年間で取り組んでいます。今回は、実際に発生する可能性のある危険をテーマにした事例で、どのように対応するか検討し報告をしました。

一人ひとりの職員の相談や悩みについては、園長やエリアマネージャーが対応をしています。週案の保育士の自己評価・反省の次に、園長がコメントを記入し、保育内容についてよい点や頑張っていることへの評価の言葉を記載するなど、日常業務を通して保育士の育成がおこなわれています。職員の悩みについても、園長が保育に入り職員関係の様子や保育観の違いなどを見ながらアドバイスをしています。エリアマネージャーの訪問の機会も多く、人事考課の面談などの際には、個別相談なども受けています。