東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成26年度
サービス名称 通所介護【デイサービス】
法人名称 社会福祉法人奉優会
事業所名称 デイホーム高円寺北ふれあいの家
評価機関名称 特定非営利活動法人 NPOサービス評価機構

コメント

利用者調査は利用者へのアンケート実施のみならず、評価員2名が事業所を訪問し、利用者とともに昼食もいただきながら、利用者と職員の関わり・活動の様子も観察させていただいた。観察したことは報告書に反映している。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1) ご利用者の意思や気持ちを大切にしながらサービスを提供する 2) ご利用者が在宅生活を継続する為に私たちができる支援を常に考える  3) 地域に向けた福祉の拠点となるようなサービスの構築 4) 情報共有と相互研鑽 5) 業務の創意工夫、提案ができる

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

ご利用者の意思や気持ちを大切にし、その方にとって本当に必要なケアを見極めて適切な関わり方ができる職員を求めています。声掛け1つ、表情1つにもおもてなしの心を持って接することのできる職員が理想です。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

ただデイサービスに通ってきて頂いているというだけでなく、デイサービスがご利用者一人ひとりの人生を支えているという認識を持ってもらいたいと思います。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 選択プログラムを導入し、利用者が主体的に好きな活動に参加できるようにしている

絵手紙教室・フラワーアレンジメント・えんちゃん体操(音楽を取り入れた体操)・臨床美術などの教室・講座を実施している。選択プログラムを導入し、利用者が主体的に好きな活動に参加できるようにしている。絵手紙教室では、毎月季節の花を見ながら、絵の具を利用して葉書に絵を描き、真剣な表情で取り組んでいる。手先を動かしたり、頭を使うプログラムが多く、利用者の認知症予防や日常生活動作(ADL)維持にもつながっている。
2 家族への支援を大切にしており、レスパイトケアや生活支援サービスを実施している

家族への支援を大切にしており、レスパイトケアや生活支援サービスを実施している。利用者や家族の希望に応じて、買い物支援や期日前投票の支援、シルバーパスの更新、ヘアカット、通院支援等を実施している。利用者から寄せられる希望に、柔軟に対応している。また、家族介護者教室や定期的な自宅訪問を通じて、家族の話を聞いたり、支援方法の相談に応じるなど、家族の心身の負担が軽減できるよう、日々取り組んでいる。
3 地域交流や情報の拠点としての役割を担い、さまざまな活動を行っている

デイサービスの枠を超えたサービス提供を心掛け、利用者・家族・地域住民・地域高齢者へ対して、生活支援活動や認知症の普及啓発などの情報発信を行っている。その一環として、年4回の地域住民を対象とした介護者教室を開催している。また、「運営委員会」を開催し、町会長が参加し、情報交換を行っている。地域包括支援センター主催の地域ケア会議にも参加している。高齢者福祉センターを活用するサークル団体が、当事業所で日頃の成果を発表している。地域交流や情報の拠点としての役割を担っている。

さらなる改善が望まれる点
1 今後も引き続き利用者にとって居心地の良い生活環境となるよう取り組むことが望まれる

施設が老朽化し、入浴設備がなく、利用者数に対して手洗い・トイレの数も不足の状態である。利用者調査でも、利用者からこの点に関しての指摘・苦情が寄せられていた。区立施設であるため、このハード的環境は当事業所だけで解決できない課題であるが、今後も引き続き、美化活動に取り組み、利用者にとって居心地の良い生活環境となるよう取り組むことが望まれる。
2 職員の定着化に向けたより一層の取り組みが望まれる

職員アンケートでは、「職員の質の向上に取り組んでいる」に関して、一般職員の自己評価が低かった。一般職員(非常勤職員)の離職率も高い。非常勤職員の離職率が高いのは、当事業所に限った課題ではなく、介護業界全体の課題でもある。また、非常勤職員の仕事内容と処遇の整合性に関しては、当事業所だけで解決できる問題ではなく、法人全体で対応策を講じることも必要と考える。職員の定着率を図るための改善策について検討されることを期待する。
3 職員間のコミュニケーションを活発化に向けたより一層の取り組みが望まれる

職員アンケートでは、「事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる」に関して、一般職員の自己評価が低く、また、リーダー層と一般職員との意識の差が明らかになった。月1回、非常勤職員も含めた全職員対象の全体会議を開催し、不参加の者には議事録を回覧しているが、今後も引き続き、職員間のコミュニケーションを活発化に向けたより一層の取り組みが望まれる。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ マーケティング計画を作成し、地域の福祉拠点としてのあり方を明示している

通所事業部としての取り組みとして、各事業所がマーケティング計画を作成し、優秀な計画に対してマーケティング大賞を与えている。外部・内部環境を整理分析し、効果的に市場を開拓するためマーケティングの分析手法を使い、今後の事業所のあり方を検討している。地域における社会福祉法人としての公益性、高齢者のデイサービスに対するイメージの一新、地域の元気高齢者によるボランティアの輩出を戦略とし、当事業所の存在意義・存在価値を再認識し、地域の福祉拠点としてのあり方を明示している。
関連評価項目(取り組み期間に応じた課題・計画を策定している)
2 ★ 毎年、法人内で事例研究発表会を実施し、職員の達成感ややる気向上につながっている

毎年、法人内で事例研究発表会を実施している。法人内の他事業所の取り組みを知ることが出来るため、職員の良い刺激に繋がっている。今年度、重度の認知症利用者に対する支援内容について、本選にて発表予定である。事例発表会を通して職員間でノウハウの共有化を図っている。同時に、職員の達成感ややる気向上につながっている。
関連評価項目(職員のやる気向上に取り組んでいる)
3 ★ いつまでも地域で暮らしていけるよう、生活基盤型サービスを提供している

いつまでも地域で暮らしていけるよう、生活基盤型サービスを提供している。その一環として、買い物支援を実施している。独居生活で買い物に出る機会のない方の支援をしている。車での送迎もあるため、一週間分の食材等を買うことができ、利用者から喜ばれている。また、夕食持ち帰り・延長サービス、訪問美容でのヘアカットなどがあり、利用者・家族から好評を得ている。
関連評価項目(施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立的な生活を送ることができるような工夫(アクティビティ等)を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:登録している利用者全員。

調査方法:アンケート方式  
①調査のお願い文書、②調査票、③返信用封筒を施設側に送付し、施設の職員から利用者個々に配布してもらい、利用者からは返信用封筒にて直接評価機関へ返送していただいた。

利用者総数 82人
アンケートや聞き取りを行った人数 82人
有効回答者数 53人
回答者割合(%) 64.6%

総括
・調査に回答した方々は、「利用者本人」21名(39.6%)、「本人が家族や介助者と相談しながら回答」14名(26.4%)、「家族が本人の気持ちを推察して回答」9名(17%)、無記入9名(17%)である。 ・総合的な感想は、「大変満足」21名(39.6%)、「満足」21名(39.6%)、「どちらともいえない」3名(5.7%)、無記入8名(15.1%)であった。 ・「はい」と答えた方々が回答者の80%以上で、高い満足を得ていた設問は、問1「利用時の過ごし方」、問3「必要な介助」、問6「生活スペースの清潔管理」、問7「職員の接遇マナー」、問8「利用者同士のトラブル対応」、問10「利用者の気持ちの尊重」、問11「プライバシーの保護」、問14「不満や要望への対応」であった。 ・自由コメントでは、「いろいろなイベントやレクリエーションまた日々のゲーム等で楽しませてくれています」「送迎の時間も、変更がある場合は必ず連絡を下さいます」などの日ごろの職員の対応についての感謝の声と共に、「トイレが少ない」「入浴設備がない」などのハード的環境整備についての不満が寄せられていた。

利用者調査結果

1.利用時の過ごし方は、個人のペースに合っているか
はい 44人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」と返答した方々は回答者の83%で、利用時の過ごし方に関しては高い満足を得ている。「こちらで過ごしているのが一番の楽しみになっています」などの声が寄せられた。
2.食事の献立や食事介助は満足か
はい 41人  どちらともいえない 8人  いいえ 2人  無回答・非該当 2人 
「はい」と返答した方々は回答者の77.4%で、食事に関して概ね満足を得ている。「とても満足しています。栄養もカロリーも計算してあります」「体調が悪かった時に献立を変えてもらったりした」などの声が寄せられた。
3.利用者が必要と感じた介助が提供されているか
はい 50人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
「はい」と返答した方々は回答者の94.3%で、必要な介助に関して高い満足を得ている。「細心の注意力で他の方に接しているのをみて、私も信頼できます」などの声が寄せられた。
4.利用中の楽しみな行事や活動があるか
はい 42人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 4人 
「はい」と返答した方々は回答者の79.2%で、行事や活動に関しては概ね満足を得ている。「フラワーアレンジメント、書道、脳トレーニング、楽しいゲーム」「書道や絵」「特に歌声喫茶、臨床美術は特に楽しみです」「動物園や植物園や名所などへの小旅行、有名な神社やお寺の参拝など」「ドッグセラピー、ピアノ」などの声が寄せられた。
5.個別プランに基づいた事業所の活動・リハビリは、家での生活に役立つか
はい 37人  どちらともいえない 12人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
「はい」と返答された方々は回答者の69.8%、「どちらともいえない」22.6%、「非該当・無記入」5.7%であった。「午前中に習った体操で足腰をきたえる運動を家でやっている」「体操やウォーキングは良い」「体操が日常生活に良い影響となっている。」「認知症に有効だと思っています」などの声が寄せられた。
6.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 47人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
「はい」と返答された方々は回答者の88.7%で、清掃、整理整頓に関しては高い満足を得ている。「建物が古い?ので見た目は地味ですが中は整理整頓されています」「建物の構造、広さなど古いので、改善が無理と思う」「出来ればもう少し広いとなお良いと思います」などの声が寄せられた。
7.職員の接遇・態度は適切か
はい 51人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と返答された方々は回答者の96.2%で、職員の接遇・態度に関しては高い満足を得ている。「言葉遣いや態度は穏やかで、服装なども地味で適切だと思います」「認知症の方もいるので、難しいが、良く対応している」などの声が寄せられた。
8.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 48人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
「はい」と返答した方々は回答者の90.6%で、緊急時の対応に関して高い満足を得ている。「私自身は杖をついておりますが、他の人が病気になった時を見ておりますので(信頼できます)」「体調が悪くなった方のお世話を見て、冷静に行動される様子に信頼できます」などの声が寄せられた。
9.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 40人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 7人 
「はい」と返答した方々は回答者の75.5%で、利用者同士のトラブルへの対応に関しては概ね満足を得ている。「配慮が行き届いていますので安心です」「いさかいやいじめなど全然ありません。聞いたこともありません」などの声が寄せられた。
10.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
はい 50人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と返答した方々は回答者の94.3%で、利用者の気持ちの尊重に関しては高い満足を得ている。「情け深くて暖かな心が伝わります」「職員の方との会話はいつも温かいと感じています」などの声が寄せられた。
11.利用者のプライバシーは守られているか
はい 48人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と返答した方々は回答者の90.6%で、プライバシー保護に関しては高い満足を得ている。
12.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
はい 39人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
「はい」と返答した方々は回答者の73.6%で、個別計画作成時の要望把握に関して概ね満足を得ている。
13.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 42人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
「はい」と返答した方々は回答者の79.2%で、計画の説明に関して概ね満足を得ている。
14.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 46人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
「はい」と返答した方々は回答者の86.8%で、不満や要望の対応に関しては高い満足を得ている。「親切に聞いてくれた」などの声が寄せられた。
15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 26人  どちらともいえない 11人  いいえ 1人  無回答・非該当 15人 
「はい」と返答した方々は回答者の49.1%、「どちらともいえない」20.8%、「非該当・無記入」11.3%であった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
今年度のビジョンを事業計画書に明示し、全職員へ周知している

今年度の事業所ビジョンは、「インクルージョン計画~好縁地包括ケア宣言~」を明示し、①地域高齢者向け機能として交流や生きがい活動、②要支援者が中心で機能訓練プログラムの実施、③一般型デイにて、イベント・入浴・機能訓練、④認知デイにて本人への自立支援と家族支援の4つのサービスを確立し、その連携を図ることにより、高円寺地域全体を巻き込んで包括的なケアを目指し、具体的な施策を立て、事業計画書に明示し、全職員へ周知している。また、4月の全職員対象の全体会議にて、目指すべきビジョンについて具体的に伝えている。

「職員個々のスキルアップ」と「チームワークの強化」に取り組んでいる

サービス向上に向けて、「職員個々のスキルアップ」と「チームワークの強化」に取り組んでいる。そのため、毎月の全体会議で、先月までの決定事項と現在の取り組みについて振り返りを行い、確認し合っている。また、業務改善にも積極的に取り組み、実習生や内部監査の結果などを職員へ伝えている。たとえば、レクリェーションで音楽や雰囲気で盛り上げる、職員が一定の場所に集まっていることがないようにする、整理整頓に気をつけるなど、具体的な改善事項を伝えている。

業務分担表を作成し、職員個々の仕事の責任を明確化している

法人内組織図・職務権限規程等を作成し、法人内指示命令系統・意思決定ルールを明確化している。また当事業所内での常勤職員における業務分担表を作成し、職員個々の仕事の責任を明確化している。当事業所内には「常勤会議」(月1回、常勤職員が参加)、「全体会議」(月1回、パート職員も含めた全職員が参加)を設けており、これらの会議において連絡事項を周知、情報共有し、問題解決についての討議、意思決定の場としている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
全体会議では、利用者とのコミュニケーション時の留意点について確認し合っている

福祉サービス従事者としての法・規範・倫理等については、法人全体での採用時の研修にて指導教育している。また、通所事業部では、毎月、「新任職員研修」を実施しており、新人職員のみならず、入職して1~2年目も職員も派遣し、再度、接遇マナーについて確認している。毎月の全体会議では、利用者とのコミュニケーション時の留意点について、具体的な事例を通して注意喚起を促し、職員皆で確認し合っている。

年4回、地域住民を対象に介護者教室を開催している

年4回、地域住民を対象に介護者教室を開催している。地域住民の高齢者福祉・介護に対する理解を促すことで、福祉人材の育成と福祉コミュニティをつくることを目指している。今年度は、①脱水予防講座、②認知症サポーター養成講座、③ふぉーゆー体操、④認知症と治療薬など、企業からの派遣、当事業所の職員、法人理学療法士などが講師となり、介護に役立つ内容となっている。実施前には、案内のチラシを地域包括支援センターなどに置き、広報活動も行い、実施後はアンケートを行い、次回の改善のつなげている。

「運営委員会」を開催し、町会長などに参加し、情報交換している

今年度の事業所ビジョンの達成に向け、地域の関係機関との関わりにも力を注いでいる。町会長などに地域の有志に参加していただく「運営委員会」を開催し、当事業所の取り組みを報告し、情報交換を行っている。また、地域包括支援センター主催の地域ケア会議にも参加している。そのほか、区保健所、区役所所管部署、地域包括支援センター、クリニックなどとの連携に努めている。さらに職場体験学習で近隣の高校生・中学生を受け入れたり、区の委託事業で配食サービスを行い、地域高齢者に食事を提供し、地域の高齢者の生活を支えている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
利用者本人・家族から寄せられた意見は、全職員で情報共有し、改善に取り組んでいる

苦情解決制度に関しては、利用開始時に重要事項説明書を提示し、説明している。重要事項説明書には当事業所のお客様相談・苦情担当者の氏名・連絡先のみならず、区役所担当部署・介護報酬請求先の連絡先を記載している。事業所責任者は、クレームにつながる前に対応するよう職員へ伝えている。利用者本人・家族から寄せられた意見に対して、当日内に「申し送りノート」に記入、回覧し、また業務日誌やケース記録に記入し、翌日の朝礼でも全職員へ伝るなどして全職員で情報共有し、改善に取り組んでいる。

ケアマネジャーへのアンケートを実施し、集計分析し、利用者のニーズを把握している

ケアマネジャーへのアンケートを実施し、集計分析し、利用者のニーズを把握している。たとえば、昨年度のアンケート結果では、当事業所への紹介理由として「外出プログラムがある」との声が最も多く寄せられ、希望サービスとして「買い物・散歩などの個別対応」「夕食提供」が最も多かった。そのほか、「送迎エリアの拡大の希望」「必要時の延長サービス」の希望も寄せられた。これらの集計結果を今年度の事業計画に反映している。

外部・内部環境を整理分析し、マーケティング計画を作成している

杉並区の「ふれあいの家」デイサービス事業所の連絡会や、杉並区配食連絡会などに参加し、地域の福祉ニーズを収集している。地域包括支援センター主催の「地域ケア会議」に参加し、地域包括支援ネットワークの構築に努めている。東京都・杉並区のホームページを随時、確認し、介護業界に関わる情報収集を行っている。通所事業部としての取り組みとして、これらの収集した外部・内部環境を整理分析し、マーケティング計画を作成し、今後の事業所のあり方を検討している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
計画作成後は、毎月の全体会議で、進捗状況を確認している

法人にて中・長期経営計画作成し、それに基づいて毎年度、事業計画を作成している。計画作成にあたっては、前年度の計画の振り返りを行い、リスクを想定し、また内外環境分析を行い、利用者満足度調査結果も計画に反映している。事業計画には、事業目標の担当者・施策の目的・具体的な行動計画・スケジュールなどを明確化し、全職員が取り組み目標とその目標達成までの道程を理解できる計画書となっている。作成後は、毎月の全体会議で、全職員が進捗状況について確認し合い、着実な目標達成につなげている。

毎月、全体会議で、ヒヤリハットについて報告し、職員の意識改革を促している

洗剤している現状の問題点を把握するため、重大な事故には至らない、ヒヤリハットしたことを沢山出してもらよう職員に伝え、職員の気づきを促している。事業所独自のヒヤリハット書式を作成し、非常勤職員が簡単に報告できる仕組みを作っている。毎月、1か月間のヒヤリハットを集計し、全体会議で報告し、対応を検討している。毎月、ヒヤリハットについて報告し、職員の意識改革を促し、事故未然防止に取り組んでいる。

年2回、防災訓練を実施し、消防署職員も来所し、館全体で訓練を実施している

年2回、防災訓練を実施している。1回目は消防署職員も来所し、併設施設も合同で館全体で訓練を実施し、利用者も消火器を使っての訓練に参加している。法人作成の「防災マニュアル」を用意し、災害時に迅速に対応できるようにしている。感染対策としては、11月に感染症マニュアルの読み合わせをしている。また、12月~3月まで職員は毎日、検温をし、37.5度以上の場合は受診することなどのルールを定めている。嘔吐部処理キットを各フロアおよびトイレに置いている。利用者・職員とも手洗い・うがいの徹底、換気などに留意している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
昇格ルートも明示し、昇格者も出ており、やる気向上につながっている

新人職員の採用は法人による一括採用であるが、非常勤職員の募集・採用・決定は事業所責任者の裁量に任せられている。新人職員に対しては、プリセプター(育成担当者)のみならず、事業所責任者もほぼ毎日個別面談を実施し、育成している。非常勤職員に対しては「目標管理シート」を使って仕事目標を立て、年度ごとに上司面談を行い、契約更新の可否を判断している。昇格ルートも明示し、昇格者も出ており、やる気向上につながっている。また、法人全体で人事異動を行い、職員の能力開発と活性化を図っている。

他デイサービス事業所に研修し、視野の拡大につなげている

①法人全体の研修、②通所事業部内研修、③事業所内の勉強会など、職員育成の仕組みは充実している。通所事業部内研修は階層別、職種別、課題別に分かれている。外部研修の派遣も多く、「東京都認知症会議実践者公開講座研修」「介護サービス事業者支援研修会」「杉並区高齢者虐待対応従事者研修」などの外部研修に職員を派遣し、全体会議などで受講した職員が研修内容についてフィードバックしている。また、他法人他デイサービス事業所に研修派遣し、視野の拡大につなげている。

法人全体での「事例研究発表会」に当事業所の取り組みが本選にて発表予定である

年4回、全職員に対して個別面談を実施している。業務上の問題課題や労務環境に関するヒアリングを行い、働きやすい環境づくりに努めている。月2回、残業デーを実施している。常勤職員はさらに月2回追加し、月4回のノー残業デーを設け、業務効率のアップと職員の心身の健康に配慮している。毎年、法人全体で、1年間の取り組みの成果を発表する「事例研究発表会」を開催しており、当事業所の取り組みが本選にて発表予定である。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
「文書管理規程」を作成し、これに則って保管している

利用者情報はパソコンでのデータ管理と文書管理であるが、データベースでの管理はパソコン1台に一つずつのパスワードを設定し、アクセス権限を敷いている。また、介護保険ソフトは常勤職員1人づつIDカードとパスワードを持って管理している。また、「文書管理規程」を作成し、これに則って保管している。業務終了時には保管場所に鍵をかけている。また、利用者情報は、職員以外の目に触れない様に注意しており、デイルームの机の上に放置することなく、取り扱いに注意している。

「個人情報保護規定」を作成し、これに則った対応に努めている

「個人情報保護規定」を作成し、これに則った対応に努めている。「個人情報保護方針」等を所内に掲示している。職員が個人情報保護の遵守に向けて取り組むべき内容を「第三者への情報提供」「個人情報の適正・安全な管理」「帳票等の情報管理」等の項目毎に分類し、「個人情報保護方針」を遵守するにあたっての具体的・実践的な実施内容の文書を作成している。法人内他事業所で発生した個人情報に関する事案についても、全体会議等で周知し、類似事故が起きないよう注意喚起を促している。

契約時に本人・家族に同意の確認を得たうえで広報紙等に掲載している

利用者に対しては、重要事項説明書の中に「個人情報の収集、利用及び提供」にて、契約時に説明し、納得と同意を得た上で署名・捺印をいただいている。職員に対しては、採用時研修において、個人情報保護法の遵守について教育指導している。契約時に本人・家族に同意の確認を得たうえで広報誌等に掲載している。ボランティアに対しては、初回のオリエンテーション時に「ボランティアのしおり」を通して、活動中の守秘義務に関する留意事項を説明し、同意を得た上で登録してもらっている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
介護者教室の開催など、地域における交流や情報の拠点としての役割を担っている
・デイサービスの枠を超えたサービス提供を心掛け、利用者・家族・地域住民・地域高齢者へ対して、生活支援活動や認知症の普及啓発などの情報発信を行っている。その一環として、年4回の地域住民を対象とした介護者教室の開催があり、介護に役立つ内容となっている。また、「運営委員会」を開催し、町会長が参加し、当事業所の取り組みを報告し、情報交換を行っている。地域包括支援センター主催の地域ケア会議にも参加しており、地域における交流や情報の拠点としての役割を担っている。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
職員個々の強みを生かしたサービス提供を行えるような体制の構築を図っている
・職員一人ひとりが自分の強みを生かしたサービス提供を行えるような体制の構築を図り、今年度、新たなプログラム(サークル)が発足し、利用者の満足度向上にもつながった。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
歩行訓練や買い物、外出など個別対応を実施し、利用者の満足度向上につながった
・人員配置の厚い時間帯を活用し個別対応に努めた。歩行訓練や買い物、外出など個別対応を実施し、利用者の満足度と共に職員の仕事のやる気向上にもつながった。
 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
適切な人員配置を検討し、経費削減に努め、収支バランスの健全化を図った
・物品購入先の再検討も実施するなど経費削減に努めた。また、適切な人員配置を検討し、派遣ドライバーを削減することで、収支バランスの健全化を図った。
・利用者満足度向上を図り、営業にも力を注いだ結果、認知デイサービスの稼働率55%、一般型デイサービスの稼働率92%で収支が黒字化している。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
新たなニーズについて確認、個別のニーズにも対応できるように改善した
・プログラム会議などにて新たなニーズについて確認し、午後の活動を選択制とし個別のニーズにも対応できるように改善した。歩行訓練や買い物、通院、理美容、少人数外出などご利用者のニーズへ対応する事ができた。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用者が入手できる媒体で、利用者に事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ソーシャルメディアを活用し、事業所の情報を利用希望者等に発信している

利用希望者等に対しては、ホームページ、ブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)などのインターネット上で情報発信している。ホームページは、ほぼ毎日更新されており、文章や写真で事業所の活動が伝えられている。プログラム表も、ホームページからダウンロードすることが可能である。活動の様子、職員の事例発表の様子、地域との交流の様子等、掲載されている情報量は多く、ホームページを見れば事業所のサービス内容のほとんどを知ることができる。

ケアマネジャーには、事業所の特徴や曜日毎の空き状況を毎月伝えている

ケアマネジャー向けに作成している営業ツールとして、プログラム表、献立表、高円寺北ふれあい新聞(認知デイは「活動報告にじ」)を使用している。空き情報のチラシでは、曜日ごとのプログラム内容と空き情報を記載している。ホームページでの情報量が多いことから、パンフレットや新聞にはホームページ・アドレスなど掲載し、情報発信に努めている。毎月作成している「高円寺北ふれあい新聞」や「活動報告にじ」では、利用者や家族にも見やすいように、写真を多く取り入れて作成しており、事業所の雰囲気が感じられる。

体験を受け入れ、希望に応じて昼食提供や送迎サービスも実施している

見学は、希望活動や希望時間、希望曜日によって見学の日程を決定し、相談員が対応している。見学者が来所の際には、事業所の「新聞」を活用して説明することで特徴が伝わるようにしている。体験も随時受け入れ、昼食提供やプログラムの参加も可能であり、希望があれば無料送迎も行っている。胃ろう・ストーマ・尿道カテーテル等の医療処置のある方でも、できる限り受け入れている。毎年ケアマネジャーにアンケートを実施し、紹介理由や希望するサービス等を集計分析し、地域に求められる事業所となるよう取り組んでいる。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援している 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、利用者の不安やストレスを軽減するよう配慮している
  標準項目3 サービス利用前の生活をふまえた支援をしている
  標準項目4 サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援をしている
講評
利用開始前には、生活相談員が自宅に訪問し、サービス内容を説明している

初回利用日の契約時までに、生活相談員が自宅に訪問し、事業所の利用方法やサービス内容を契約書や重要事項説明書を用いて説明し、契約を交わしている。また、ケアマネジャーに提出を依頼している利用申込書の内容から、おおまかな情報を前もって把握し、その情報に基づいて利用者および家族の意向を確認し、詳細な情報をヒヤリングしている。また、サークル活動や外出に関わる利用者負担金については、事前に参加希望を確認する書類を配布し、同意書に署名してもらっている。

事業所に馴染めるよう、相性に配慮して座席を決定している

新規で利用される方の情報は、事前に全スタッフへ申し送り、受け入れ体制を整えている。初日は生活相談員が利用者を迎え入れ、一日の流れや、設備の仕様の仕方等を説明している。利用初日や最初の数回については、誰もが不安を感じる時期であり、新規利用開始する場合、既存の利用者と距離を少しでも早く縮めることができるよう相性を考え、話が合いそうな方と同テーブルにする等の配慮をしている。また、職員が間に介入することにより、他者との関係性構築に努めている。

帰宅要求のある方には、マンツーマン対応や傾聴をし穏やかに過ごせるよう努めている

認知デイには、医療依存度の高い利用者や、認知症症状の強い方などが混在して過ごしている。帰宅要求のある方には、マンツーマン対応をしたり、傾聴したり、気分転換を進めたりと、利用者一人ひとりに適した対応に努めている。昨年度の利用終了者は26名である。医療機関への入院や、福祉施設への入所、死亡が理由になるケースが多い。他施設・医療機関へ以降する際には、家族やケアマネジャーからの要請があれば、事業所での様子を書面等を用いて伝えることも可能である。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  標準項目2 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目2 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  標準項目3 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目4 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 利用者一人ひとりに関する情報を過不足なく記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
本人・家族・ケアマネジャーの意向を確認し、計画が立案されている

通所介護計画書は、日常のサービス中の様子、サービス担当者会議、利用者・家族・ケアマネジャーから上がってくる要望を踏まえて作成されている。また、毎月作成している目標達成状況報告書の内容も確認している。通所介護計画書には、「送迎」「食事」「入浴」「趣味生きがい活動」「機能訓練」「備考」の項目を設け、項目ごとの個別支援内容を記載している。計画作成後は、月1回、カンファレンスを行い、定期的にモニタリングを行えるよう仕組み作りをつくっている。

計画書更新一覧表を用いて、計画的に計画作成を実施している

通所介護計画書の見直しは、要介護者が半年に1度、要支援者が3か月に1度と設定して取り組んでいる。評価員の訪問調査時点で、利用登録者数は62名である。62名の通所介護計画を漏れなく更新していくため、「計画書更新一覧表」を作成している。一覧表を活用することで、カンファレンスや計画作成を計画的に勧めていくことが可能である。また、定期更新以外にも、利用曜日の変更や介助方法の変更など、利用者に対するサービス内容が変わった際には随時計画を更新している。

シフト勤務の為、業務日誌等の書類を用いて職員間の情報共有をしている

本人または家族に、通所介護計画書の内容を確認してもらい、新たな要望がないか聴き取りをし、計画書を渡している。計画の改定時には利用者または家族に変更内容を説明し、生活相談員が直接家族に説明できないときは、文書にて変更点を記載することで対応を行っている。職員の勤務時間は、シフトによって決められている。シフト制勤務の兼ね合いにより、全職員に一度に利用者に関することを申し送ることが難しいため、書面での確認が行えるよう業務日誌等の書類を整備し情報共有できるようにしている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援している 実施状況
  標準項目1 介護計画に基づいて支援を行っている
  標準項目2 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  標準項目3 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
  標準項目4 利用者の支援は家族や関係機関、関係職員が連携をとって行っている
講評
話がしやすい座席配置や、個々の状態に合わせた声掛けをする等、柔軟な対応をしている

利用者同士でコミュニュケーションが取りやすいよう、事前に座席の配慮をしている。例えば、聞こえやすい側に仲の良い利用者の座席を設定したり、司会の職員の声が聞こえにくい方については、司会の近くの席に配置したりと考慮している。評価員の場面観察時には、「何時に家に送ってくれるんですか」と何度でも繰り返し聞いてくる利用者がいたが、そのたびに「~さんは5時30分です。ちゃんと送っていきますよ。お家も知っていますから、大丈夫ですよ」等と対応していた。

関係機関と協力をしながら、本人の想いを叶えられるように取り組んでいる

認知デイでは、「インクルージョン計画~好縁地包括ケア宣言~」とし、利用者の笑顔と、家族の安心を住み慣れた地域でサポートすることに取り組んでいる。その中で、本人の想いを形にできるように取り組んでいる。認知症症状が激しい状態であり、「家族が通っていた当事業所に通いたい」と契約前から事業所に来所し、自治体や地域包括支援センターとも協力して、介護保険申請、サービス利用開始まで繋げた。開始後は、認知症高齢者に対する感情評価を実施し、プラス感情が増えるよう取り組み、成果が現れている。

ケアマネジャーとの密な情報交換により、連携を図りながら支援している

ケアマネジャーには、月初に1か月の様子を目標達成度状況報告書にまとめ、報告している。必要時には電話やファックスを利用して情報伝達し、ケアマネジャーとの信頼関係構築を図っている。サービス担当者会議は、利用者に関わる方々と接し、話ができる貴重な機会と捉え、可能な限り参加するようにしている。今年度の6月には、地域包括支援センター、民生委員、町会長、防災会副会長、宮前事業所職員が集まって運営委員会を開催し、事業所の活動報告や、地域開放事業の情報を伝え、より連携していけるよう取り組んでいる。

  評価項目2 栄養バランスを考慮したうえで、おいしい食事を出している 実施状況
  標準項目1 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  標準項目2 利用者の状態や嗜好に応じて献立を工夫している
  標準項目3 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  標準項目4 食事を楽しむ工夫をしている
講評
嚥下・咀嚼能力や、アレルギー等に合わせて、利用者に適した食事を提供している

食形態は、主食が常食・柔らかめ・粥、主菜・副菜が普通・粗刻み・極刻みなどの食形態を用意し、利用者の嚥下・咀嚼力の状態に合わせて提供している。アレルギーや嗜好にも個別に対応し、当日のメニューに応じて代替食を提供することも可能である。評価員の訪問時に検食した際は、献立が、えび天うどん 根菜の煮物、もやしの和え物、フルーツであり、高齢の方でも食べやすくしていた。利用者からは、「熱いのをふーふーしながら食べたいわ」という声が聞かれた。

利用者から要望や意見が出た際には、厨房職員と連携して対応している

調理は厨房で実施し、随時連携を取りながら対応している。「食べにくい」「お肉がかたい」等の意見が利用者から出た場合には、厨房職員と話をして改善できるように取り組んでいる。一般フロアでは、体調不良等の何らかの事情で既定の食事時間に食事のとれない方に対し、厨房でお膳を保管し、時間をずらして食べてもらうことも可能である。食事前には、安全に美味しく食べられるよう嚥下体操を習慣化している。また、食事前の手洗いや、食後の口腔ケアも徹底して声かけや介助を実施している。

調理プログラムや外食を通じて、食事を楽しむ機会を定期的に設けている

定期的に調理プログラムを実施し、様々な料理やお菓子作りを楽しんでいる。バレンタインデーにはホットケーキを生地を作るところから利用者にしてもらい、「危ないわよ、やけどしないように!」、「そろそろ引っくり返した方が良いんじゃない?」等、利用者同士で声をかけ合いながら調理している。11月には、ランチバイキングの外食に出かけている。自分のお皿に好きなものを好きなだけ取って食べて、食事を楽しんでいる。その他にも外食の機会を定期的に設け、普段とは違う食事の機会を提供している。

  評価項目3 【入浴介助体制のある事業者のみ】入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている 実施状況
  標準項目1 入浴前に利用者の健康状態のチェックをしている -
  標準項目2 利用者の状態に応じた入浴方法や介助を行っている -
  標準項目3 入浴時には利用者の皮膚の状態など身体状況に留意し、必要に応じて関係者に連絡を入れるなどの対応をしている -
  標準項目4 浴室や脱衣室は清潔で、快適な状態にしている -
  評価項目4 排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている 実施状況
  標準項目1 排泄介助が必要な利用者に対して、一人ひとりに応じた誘導や排泄介助の支援をしている
  標準項目2 トイレ(ポータブルトイレを含む)は使いやすさや安全面を考慮し、それに応じた環境整備をしている
  標準項目3 トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面に配慮し、清潔にしている
講評
排泄の有無を「排泄表」で管理し、少しでも自立度の高い介助に取り組んでいる

契約時に、家族から排泄方法や排泄支援での留意点などを聴き取り、事業所内でのケアの方法や使用物品注意点について整理し、「排泄表」に介助方法を記入している。職員は排泄表をみて、利用者個々の介助方法や排泄パターンを把握し、トイレ誘導を行っている。尿意や便意が感じられない利用者に対しては、排泄サイクルを設定し、定時に声掛けや誘導を実施している。その際、パット内での失禁が続くようであれば誘導時間を見直すなど、少しでも自立した排泄ケアに取り組んでいる。

必要な手すりやひじ掛けを設置し、安全・安楽に自立した排泄が可能である

男女別のトイレは個室トイレ1か所、男女共用の車椅子対応が2か所であり、利用者のプライバシーや羞恥心に配慮された環境である。支援が必要な際は、希望者に対して同性介助を実施するように取り組んでいる。トイレは広さが十分確保されており、介助がしやすい環境である。また、手すりやひじ掛けが必要な場所に設置されているため、体を支えながら安楽に自立した排泄することができる。トイレには呼び出しボタンも取り付けられており、手伝いが必要な利用者に対して、必要な時に必要なだけ支援している。

トイレ汚染時には随時清掃・消毒をし、衛生状態を保っている

トイレは、利用者の帰宅後の夕方に毎日職員が清掃・消毒を行っている。利用中の汚染や感染症の方が利用された際には、その都度清掃や消毒を行い、清潔保持に努めている。また、消臭剤を置き、臭いにも気を配っている。手洗い場の整備が望まれているが、区の指定管理施設であり改装が難しい現状である。その中でも、少しでも快適に排泄や口腔ケアが行えるよう、整理整頓をしスペースを有効活用できるよう取り組んでいる。

  評価項目5 利用者の健康を維持するための支援を行っている 実施状況
  標準項目1 利用者の主治医や常用薬等について把握している
  標準項目2 必要に応じて利用者の状態に応じた健康管理や支援をしている
  標準項目3 健康に関する利用者からの相談に応じている
  標準項目4 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  標準項目5 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
講評
バイタルチェック時に看護師が話しかけ、気軽に健康相談ができるようにしている

朝の送迎の際に体調確認をし、変化がある場合は看護師や家族に連絡を取りながら対応している。事業所到着後は、血圧や体温などのバイタルチェックを行い健康状態を確認している。バイタルチェック時に、看護師が体調に変わりないか利用者に話しかけることで、利用者が気軽に健康相談ができるようにしている。今年度、「延命措置に関する意思確認書」を作成し、一人ひとりに口頭で意向を確認している。救急救命措置や延命措置の希望の有無について、救急隊から判断を求められた際に応えられるよう取り組んでいる。

配薬時には名前を声出し確認し、間違いがないように取り組んでいる

連絡帳に昼薬袋を付け、薬のある方は必ず袋の中に入れてもらっている。服薬の持参忘れがないか朝の送迎時に添乗職員が確認し、センター到着後、事務職員が帳票に基づいて再確認している。その後看護師が持参薬をチェックし、内容に誤りがあったり、通常と異なる内容の薬の持参があった場合は、すみやかに確認をとるようにしている。配薬をする時は、必ず名札の名前と服薬袋の名前の確認をし、声出し確認をして間違えないよう取り組んでいる。様々な職員がチェックしており、誤薬防止のため、厳重な体制を整えている。

体調不良や急変時には、看護師やケアマネジャーと連携を取りながら対応している

利用者の日々の健康状態をチェックし、必要に応じて受診を促しているが、独居高齢者等ですぐに受診ができない場合は、ケアマネジャー報告し、指示を仰いでいる。また、送迎中に体調の変化があった場合には緊急対応マニュアル通りに対応できるよう、マニュアルを車内に設置し、送迎対応者と事業所の責任者や看護師が連携を取りながら対応している。利用中の体調不良や急変の場合には看護師の判断にて対応し、緊急対応マニュアルに沿って行動している。

  評価項目6 利用者の負担にならないよう送迎サービスを工夫し、安全を確保するための支援の方策をとっている 実施状況
  標準項目1 利用者の状況に応じて安全に送迎を行っている
  標準項目2 利用者の負担軽減を考慮し、乗車している時間を少なくするなどの工夫をしている
  標準項目3 送迎中の緊急時のために連絡がとれるようにしている
  標準項目4 利用者が帰るまでの待ち時間の過ごし方に工夫をしている
講評
利用者の生活スタイルや希望に合わせて、柔軟な送迎対応を実施している

利用者の身体状況に合わせて、ステップ乗車、車いす乗車、リフト乗車を使い分け、本人が一番安全で快適に乗車できる方法を選択している。送迎の順番やルートは決まっているが、支度が間に合わない場合や、本人・家族の希望等に応じて、臨機応変に調整できるようにしている。送迎中は、朝は気分を盛り立てる声掛け、夕方はゆったりした話し方等、利用者の1日の流れを大切にしている。また、定期的にドライバーミーティングを開催し、事故なく安全な送迎が行えるように取り組んでいる。

法人で安全運転講習会を開催し、安全な送迎が出来るように努めている

送迎職員は運転手・添乗職員とも携帯電話を所持し連絡をとりながら対応している。車内に常備している送迎表には事業所と管理者の電話番号を掲載し、いざという時に備えている。利用者の状況によって、ステップ乗車・車いす対応リフト乗車にて対応対応している。法人が主催し、年に2回の安全運転講習会が行われている。適性検査から見る運転傾向の分析や、教習所教官による運転する上での心構えや注意点の講習、冬場の積雪に備えたチェーンを装着する講習、実際に教習所を貸し切って運転講習が行われる等、安全に送迎ができるよう取り組んでいる。

帰宅までの待ち時間には、利用者の希望や個性に応じた過ごし方をしてもらっている

帰るまでの待ち時間には、利用者の希望や個性に合わせてプログラムを提供している。歌会やゲームなどを楽しんで過ごす方もいれば、雑誌を読んだり、塗り絵やカレンダー作りなどの手作業をしたり、ベッドやソファで横になって過ごす方など、本人の気分やペースに合わせて提供している。

  評価項目7 利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機能訓練サービスを工夫し実施している 実施状況
  標準項目1 機能訓練が必要な利用者に対しては一人ひとりに応じたプログラムを作成し、評価・見直しをしている
  標準項目2 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
  標準項目3 機能訓練指導員等の指導のもと、介護職員が活動の場で活かしている
  標準項目4 レクリエーションや趣味活動に機能訓練の要素を取り入れるなど、楽しんで訓練を行えるような工夫をしている
  標準項目5 福祉用具は定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
講評
希望者に対して、歩行訓練や階段昇降等の訓練を職員が実施している

機能訓練加算は算定せず、希望者に対して職員が対応できる時間に、歩行訓練や階段昇降、立位訓練等を行っている。空き時間に希望がかなえられることで利用者や家族にも好評である。事業所に機能訓練指導員は配置されているものの、看護師が兼務しており、作業療法士や理学療法士等の専門職はいない。そのため、機能訓練指導員を含めた体操の担当職員にて、通常のプログラム活動に生かせるような資料を集め、ファイリングしている。この資料を参考にして介護職員全体で日々の体操を行っている。

体操やレクリエーションでは、全身や五感を使える内容になるよう取り組まれている

評価員の場面観察時には、利用者の前でリードする職員が、「こうしてくださいよ。こうじゃあないですよ」と実際に良いやり方とダメなやり方をやってみせながらゆっくり進めていた。繰り返しの場合は、よく知っている歌を歌いながら身体を動かしているため、利用者も飽きずに体操に取り組めていた。10月には「ふれあい大運動会」を実施している。パン食い競争や徒競争など、車椅子の方でも楽しめる方法で行い、事前の練習から利用者が張り切って身体を動かしている。

利用者が好きな活動に参加することで、心身の活性化と機能訓練に繋がっている

歌の好きな利用者が集まって、「ハッピークラブ」を作っている。ハッピークラブでの練習の成果を披露するため、イベントを開催したり、他事業所を訪問している。評価員の場面観察時には、昼食後、どの曲を歌うのか、ギターを弾く職員を交えて話し合っており、利用者から「楽しみ」という声が聞かれた。利用者が自分の行いたい活動を選んで参加することで、無意識のうちに機能訓練も行えている環境が自然とできている。自己実現することで心身の活性化に繋がっている。

  評価項目8 施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立的な生活を送ることができるような工夫(アクティビティ等)を行っている 実施状況
  標準項目1 さまざまな内容のバランスに配慮したプログラムを用意している
  標準項目2 活動中の利用者の状態に変化がないか確認し、適宜休息ができる配慮をしている
  標準項目3 利用者が落ち着ける雰囲気づくりをしている
  標準項目4 食堂やトイレなどの共用スペースは汚れたら随時清掃を行う体制があり、安全性や快適性に留意している
講評
様々な教室や講座を開催し、本人の好きな活動に参加してもらっている

教室・講座として、絵手紙教室・フラワーアレンジメント・えんちゃん体操(音楽を取り入れた体操)・臨床美術を実施している。選択プログラムを導入したことにより、幅広いプログラム提供ができるようになってきている。絵手紙教室では、毎月季節の花を見ながら、絵の具を利用して葉書に絵を描き、真剣な表情で取り組んでいる。完成した作品は事業所内に展示している。手先を動かしたり、頭を使うプログラムが多く、利用者の認知症予防や日常生活動作(ADL)維持にも繋がっていると考えられる。

ベッドやソファ等の休息できる場所を確保し、希望者や体調不良者に使用可能である

1階フロアの北と南の窓にはカーテンがかかっている。部屋には和風の額縁が2か所飾ってあり、部屋の奥は静養室になっている。静養室にはベット1台、休息用の椅子が数台置いてあり、窓は障子である。和風の額縁や障子が和める雰囲気になっている。認知デイは2階の一室を利用している。室内にはベッド1台、ソファ1台、テレビ等を設置しており、スペースは決して広くはないが、休息できる場所を用意している。部屋の壁には大きな虹と利用者の写真を飾り、環境を整えている。

毎月催し物を開催し、ギター演奏やドッグセラピーなど利用者に楽しみを提供している

ドッグセラピー、歌声喫茶、ギター演奏会等、毎月催し物を企画し、利用者に楽しめる機会を提供している。歌声喫茶では、利用者のリクエスト曲を、講師のギターの音色に合わせて、コーヒーや紅茶を飲みながら楽しんでいる。ドッグセラピーでは、多数の犬と触れ合い、利用者の癒しの時間を提供している。毎月の予定は、「プログラム予定表」で事前に配布しており、利用者はいつ何が催されるのか楽しみにしている。フロアの清掃は、毎日全ての利用者が帰ったあとに職員が実施している。汚れた際はその都度対応している。

  評価項目9 施設と家族との交流・連携を図っている 実施状況
  標準項目1 利用者の日常の様子や施設の現況を家族や介護支援専門員に知らせている
  標準項目2 利用者の家族などの見学はいつでも希望に応じている
講評
ケアマネジャーには毎月目標達成状況や活動の様子を伝えている

初回利用日の様子や状況に変化があった際には、随時担当ケアマネジャーに様子を電話報告している。また、毎月、月次報告として目標達成度状況報告書を送付し、利用者の様子を伝えている。毎月のプログラム表および、先月の活動の様子等が記載された「ふれあい通信」をケアマネジャーに配布し、また、各曜日の空き情報も伝えている。きめ細やかな情報交換がされている。事業所が発信する情報量は非常に多く、ホームページでは、ほぼ毎日記事が更新されている。

連絡帳を利用し、事業所と自宅の様子を家族と情報交換している

事業所での様子や排便の有無、水分量、プログラムへの参加状況は、送迎時に職員から口頭報告したり、連絡帳を通して伝えている。連絡帳に家族からのコメントがあった際は、必ず返事を記載するように徹底している。緊急時や報告内容によっては、生活相談員や看護師等から連絡をすることもあり、状況に応じて伝達手段を選択している。家族の見学はいつでも受け入れ可能であり、希望があれば昼食提供も可能である。行事、イベントでは、家族にも参加を促している。

家族負担軽減のため、様々な生活支援サービスや自宅訪問を実施している

家族への支援を大切にしており、レスパイトケアや生活支援サービスを実施している。利用者や家族の希望に応じて、買い物支援や期日前投票の支援、シルバーパスの更新、ヘアカット、通院支援等を実施している。利用者から寄せられる希望に、柔軟に対応しており、介護への家族負担軽減につなげている。また、家族介護者教室や定期的な自宅訪問を通じて、家族の話を聞いたり、支援方法の相談に応じるなど、家族の心身の負担が軽減できるように日々取り組んでいる。

  評価項目10 地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  標準項目2 利用者が職員以外の人と交流できる機会を確保している
  標準項目3 利用者が地域のさまざまな資源を利用する機会を設けている
講評
外食や初詣等の外出機会や買い物支援を実施し、利用者が地域に出る機会を作っている

区役所展望レストラン、ランチバイキング外出、初詣、お花見等、年間で様々な所に外出する機会を設けている。敬老の日には、外出し、洗い観音で悪い所を頭から爪先まで丁寧に洗った方や、買い物を楽しんだ方、帰りに塩大福やお煎餅などのお土産で荷物が一杯になった方等、利用者一人ひとりが楽しんでいる。また、生活基盤型サービスとして買い物支援を実施しており、独居生活で買い物に出る機会のない方の支援をしている。車での送迎もあるため、一週間分の食材等を買うことができ、利用者から喜ばれている。

ボランティアや近隣の保育園や小学校との連携により、楽しいひと時を提供している

地域のボランティアの助けを借りて、利用者に様々なプログラムを提供している。臨床美術や、フラワーアレンジメント、歌声喫茶、フラダンス、ピアノ演奏、ドッグセラピー等、様々なイベントや講座が開かれ、利用者の楽しみの一つとなっている。企業ボランティアも訪れ、利用者とおしゃべりを楽しんでいる。近隣の保育園や小学校との関係も良好に築くことができており、保育園の運動会や小学校の学習発表会に出かけたり、逆に子どもたちが来所して利用者と触れ合ったりする機会がある。

介護者教室を年4回開催し、家族や地域の方々が参加している

介護者教室を年4回開催している。今年度は製薬会社による脱水予防講座・認知症と治療薬、認知症サポーター養成講座、法人の理学療法士による「ふぉーゆー体操」を開催し、利用者家族や地域の方々が参加している。また、併設事業として、高齢者福祉センターがあり、健康増進、教養の向上、介護予防、生きがい支援の場として地域の方々が利用している。高齢者福祉センターを活用するサークル団体が、事業所のフロアで日頃の成果を発表する機会もあり、コーラスサークルや朗読サークルの方々が実際に活用している。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 利用者のプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  標準項目2 日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮している
  標準項目3 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  標準項目2 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視等が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に対策を検討し、対応している
  標準項目3 虐待被害にあった利用者がいる場合には、関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  標準項目4 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
講評
毎日使用する記録は利用者の目に触れないよう、プライバシー保護に取り組んでいる

個人情報の取り扱いについては、契約時に重要事項説明書等を用いて説明している。チラシやホームページ等、事業所の活動の様子を撮影した写真を多く掲載しているが、承諾を得ていない利用者の情報は一切使用していない。バイタル表や排泄表は、利用者の名前や個人の記録が一覧で記録されているため、プライバシーに配慮し、他者の目に触れないようにしている。また、個人情報が記載された書類を利用者の手の届くところに置かないよう徹底している。

プログラムの前には、必ず利用者一人ひとりに参加の意思を確認している

活動にあたり、必ず利用者一人ひとりに参加の有無を確認しており、プログラムに強制的に参加を促すことはない。また、評価員の場面観察時には、食後に一人ひとり、午後の活動の参加について意向を聴いて周っていた。また、利用者に確認中、20分ほど1人の利用者と話し込んでいた。職員は、利用者と目線の高さを合わせるようにして、利用者の心配事の相談を聞いていた。利用者に対して、丁寧に接している様子をうかがうことができた。

排泄時の羞恥心に配慮し、できるだけ自分で行えるような声かけを行っている

排泄介助時は、羞恥心が強く出る場面であり、できる限り利用者自身で対応してもらえるような声かけに取り組んでいる。また、利用者自身ではできない部分に関しては、職員が介助している。同性介助を希望される利用者には、必ず同性の職員が対応するようにしている。職員同士で気になる言動は、ミーティング等の場で話し合い、全職員が振り返ることができるように取り組んでいる。また、新人職員は法人の初任者研修に参加し、マナー研修を受講している。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 手引書等は、職員の共通理解が得られるような表現にしている
  標準項目3 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを点検している
  標準項目4 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、利用者の安全性に配慮した支援ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
マニュアルやフローチャートは、職員がいつでも確認できるようにしている

通所事業部としての委員会活動で内部監査委員を設置している。内部監査では、サービス内容や運営基準について点検している。法人全体でも内部監査制度を導入し、定期的に点検を受けている。職員間の業務の標準化を図る為に事業部マニュアル活用し、事業部マニュアルを基本に事業所の現状に合った方法へ改善を図れるようにしている。時間ごとに業務の流れを追えるフローチャート等、内容は充実している。必要に応じて新しいマニュアル作成にも臨機応変に取り組んでいる。

法人内での事例発表会や連絡会を通じて、他事業所の取り組みを勉強することが出来る

毎年法人内で事例研究発表会を実施している。法人内の他事業所の取り組みを知ることが出来るため、職員の良い刺激に繋がっている。今年度、重度の認知症利用者に対する支援内容について、認知デイから1事例を発表している。また、事業所内だけでなく、法人全体での情報交換も盛んに行われ、生活相談員、機能訓練指導員、看護師などの職種別連絡会や、事業所責任者、一般職員などの階層別連絡会が開催されている。事業所を越えた勉強の場は、豊富に設けられていることがうかがえる。

リスクを軽減するため、「見守りの考え方」について整理し、資料を作成している

利用者の抱えているリスクに対する支援のため、利用者への「見守りの考え方」についてまとめ、資料を作成している。見守りは、単に「いつでも手を貸せる」という介護職の状態ではなく、起こりうるリスクを最小限に捉え、要介護者の生きる内在的な力を発揮させ、最大限のリターンを得られる可能性を探していく、高度なスキルが求められるものであるとしている。そのため、利用者の能力やニーズ、必要性、リスク等をアセスメントし、どういう見守りが必要なのかを具体的に計画立案することが必要であるとまとめている。