東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成24年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 株式会社マリア保育園
事業所名称 マリア保育園
評価機関名称 特定非営利活動法人 せたがや福祉サポートセンター

コメント

マリア保育園は2004年より毎年第三者評価を実施しており、せたがや福祉サポートセンターが評価機関として担当するのは5年目である。利用者調査の回収は、回収締切日を延長して、結果報告日の直前まで評価機関で受付ることとした。その結果、回収率がアップした。訪問調査後に評価者で慎重に合議を行い、分析・評価にあたった。また、第三者評価事務局では、内容の整合性をチェックし、より適切な分かりやすい表現になるように提案し、評価者に検討を依頼した。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)児童の健全な育成                                                                                2)利用者の安心と児童の安全                                                      3)保育士の資質向上                                                                            4)情緒教育

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

人間的な立場から 1、円満で調和的なパーソナリティの持ち主で子どもを愛し、その幸せのために全面的に協力しようとする人 2、健康で明るく常に若々しい気持ちでいて、保育の仕事に喜びと情熱を持ち、一生懸命に仕事をしようとする人 保育者としていの立場から 1、保育の目標、目的を深く認識し、それを実現するために子どもを理解し、指導技術の習得に努力しようとする人 2、子どもの立場に立って物を見たり、考えたりすることも出来て、それを指導に生かすことの出来る人 日常の保育現場から 1、常に健康を保つようにすること(保育者の健康は子どもの心身ともに大きな影響を与える) 2、家庭との連絡を大切にする

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

上記のような職員

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 保護者世代にふさわしい情報伝達の手段を導入し、さらなる連携の強化を図っている

3.11の大震災を機に、災害時の保護者との連絡手段を検討してきたが、その対策の延長線上の話として、普段の連絡も電子情報に置き換えてほしいといった要請が多く出された。園では紙で伝え、残さなければならないものと、メールなどの配信によるリアルタイムな双方向通信と区別して検討した。その結果、従来からのテレビ画像のアクセスに加えて「安心伝言板」の導入によって、災害時はもとより、感染症の注意などの緊急連絡事項を瞬時に連絡し、保護者が職場にいても園とのつながりを持てるように工夫している。
2 保育士は、一人ひとりの子どもの生理的欲求や生活リズムを大事にしながら、愛情豊かに真剣に保育に取り組んでいる。

利用者アンケートには「先生方の質、子どもへの愛情、親への対応、カリキュラム全てにおいて日本最高の保育園です。その分、厳しい職場環境だと思います。本当に頭が下がる思いです」との記述があった。保育士は設定保育の経験も長くなり、1つのテーマを様々に展開して子どもの主体性や自主性を発揮させることができるように工夫している。園内はオープンスペースにして、子ども達が自由に遊びこめるように、遊具をまめに変えて変化を与える配慮もしている。常に子どもと保護者のニーズを合わせて保育に取り組み、子どもの健全な育成を心がけている。
3 保護者の立場に立った保育が、マリア保育園の基盤として機能している

マリア保育園にはアメリカの保育カリキュラムの導入や専門家による特別教育といった保育の基本コンセプトがあり、それに沿って日々の保育に取り組んでいる。しかし、その実現を可能にしているのはプログラムやシステムの充実だけではなく、保護者、保育士、園、三者のトライアングルの信頼関係を構築しているからである。保護者の要望にはできる限りのことをして応えていく、という園長の考え方に職員も協調して、一生懸命仕事をしている姿が見られる。保護者もそのことを認めて、大変満足していることが利用者アンケートから伝わってくる。

さらなる改善が望まれる点
1 保育の専門性を活かした地域貢献のさらなる展開を期待する

園では都や区などの行政機関と連携し、地元商店街との協力関係を強めるなど、園と地域との関係づくりに努めているが、その結果としての地域貢献には改善の余地を残す。地元の祭りにベビーシッターを派遣したり、保育講習に一般の参加を呼びかけたり、卒園児のフォローもきめ細かく施しているが、園外に職員の専門スキルを持ち出すことは少ない。園の保育理念の中に「地域における家族援助」「職員の社会性と良識を磨く」とあり、その実現に向けては園内への受け入れから地域に出向いた活動を展開していくことが求められている。
2 人間関係の良さを組織力へ進化させる関係づくりを期待したい

保護者と園の関係が親密であり、保護者同士も仲間意識が強く、職員同士の人間関係の良さも特長である。特に職員同士が仲が良く、保育業務はもちろん、個人的なコミュニケーションも良い。しかし、その関係の良さがそのまま有効な組織力に結びつきにくい。職員アンケートの中には、もっと会議や学習の機会を増やしてほしいなど、専門職ならではの要望が出され、個人的には経営層にもっと聞いてほしいという声がある。パート職員の巻き込みも不足しており、雰囲気の良さが十分な組織力の発揮に至っていない。さらなる組織力の強化を望みたい。
3 職員が外部にも通用するような保育の専門性を高め、分園展開への機動力となることを望む

利用者アンケートには、職員への感謝や賞賛の言葉が多くかかれ、マリア保育園のことを信頼し「日本一の保育園です」と絶賛している人もいる。これらはこれまでの園長はじめ職員が築き上げてきた保育力の賜物と思われる。改善点の上記2点に合わせて、マリア保育園の今後の発展のために、職員一人ひとりが保育の専門性をさらに高め、マリア保育の伝道者として活躍して欲しい。今後分園計画もあり、園長のリーダーシップの下で、全職員がベクトルを合わせて更なる発展を目指すことを期待する。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 園の新たな事業展開に向けて、確かな計画づくりと推進が図られている

現在の園長は1年前に副園長から園長に就任したが、“人・物・金”といった経営資源のすべての掌握が可能となったことで、園の運営がよりダイナミックに展開されている。保育内容の見直しや地域情報の取り込み、安全対策の強化、職員の処遇改善など多岐にわたって計画的な改善を進めてきたが、もっとも大きな課題は分園計画の実現である。すでに構想段階から一歩進んで具体的なシュミレーションに入っており、計画の推進と同時に障害も見えてきている。日々園長の強いリーダーシップのもとで新しい園づくりがすすめられている。
関連評価項目(取り組み期間に応じた課題・計画を策定している)
2 ★ 園の特性を踏まえた人材育成を展開し、職員の“やる気”を育んでいる

職員の育成は処遇面の改善と状況に応じた研修や指導を行うことの両面から行われている。処遇面では正規職員だけでなく非常勤職員も含めて給与や休暇制度を見直し、勤務シフトも可能な限り職員の自主性に委ねている。保育士としての指導は園の内外の研修会などを通して専門スキルの強化を図り、一方でしつけなどを含めた職業人としての人間教育も意識して行っている。定期的な個人面接もあるが、延長保育の担当時には個人的な悩みを聞き、保護者対応などで不具合を目にした時はその場で注意をして育成に結びつけている。
関連評価項目(職員のやる気向上に取り組んでいる)
3 ★ ホームページは随時更新され、より詳しい内容を豊富な絵や写真で紹介している

「ご入園のしおり」をさらに具体的に視覚に訴えて、内容を充実させているのが、「マリア保育園ホームページ」である。入園したい保護者はこのホームページを見ると、子どもの毎日の園での生活や園に関わる情報を一度に入手することができる。毎月の園だよりと給食の献立表、おやつもアップされている。また、入園希望者はホームページの閲覧と見学時の説明で十分に情報を得ることができる。リンクは杉並区と中野区役所、子どもの救急診療と病院などに繋がり、親切で配慮がある。ホームページには、保護者からの要望を記入する欄もある。
関連評価項目(利用希望者等に対してサービスの情報を提供している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:保育園を利用する全保護者33名を対象に実施した。回答者は20名、記入者は母親が18名、父親1名、父母一緒に1名であった。回答者の年齢は20~30歳未満20%、30~40歳未満65%、40~50歳未満15%であった。

調査方法:アンケート方式  
保育園の掲示板に第三者評価の実施を知らせる文書を掲示し、保護者に理解と関心を持ってもらうようにした。運動会が済み落ち着いたところでアンケート用紙と封筒を職員から配布してもらった。匿名性を確保するため、無記名で保護者から直接評価機関へ郵送してもらった。

利用者総数 33人
アンケートや聞き取りを行った人数 33人
有効回答者数 20人
回答者割合(%) 60.6%

総括
毎年第三者評価を実施しており、利用者もアンケートを経験している人が多い。本年度は回収率が60%と昨年に比べて低くなっている。総合的な感想では、大変満足60%、満足35%で合計95%と非常に満足度が高い。特に「はい」と回答して満足度が高いのは、問2戸外遊びは十分95%、問4発熱やケガなどの対応は十分95%、問8職員は話を聞く姿勢がある95%、問10保育所で大切にされている95%、問11職員は礼儀正しく丁寧95%、であり、15問中9問が85%を超えていた。一方低い方では問14第三者委員などにも相談できることを知っているか「はい」45%「いいえ」50%非該当5%であった。自由記述欄へは、「トラブルや心配事について相談すると、どの保育士さんも親身に対応して下さいます」「保育士の皆さんが一生懸命保育して下さっているのが感じられます」「先生方の質、子どもへの愛情、親への対応、カリキュラム全てにおいて日本最高の保育園です」「本当に大好きな保育園です。ずっと、ずっと預かってほしいです」「体調が悪い時なども臨機応変に対応して頂き助かります。子どもも楽しそうです」保育への安心感・満足感と先生方への感謝が多く記述されている。

利用者調査結果

1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 16人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」80%、「どちらともいえない」20%である。記述欄には「雑穀のおにぎりは、安心ですし、子どもも大好きです」「甘い物が出るのですが、出ない方がいいなと個人的に思います。他のお子さんは家でも甘い物を食べているようなので、出るのは当然なんだろうと納得しています」「そこまで子どもの状態にずれてはいないと思うが、実際の食事を見せてくれるサービスがないので分からない」「主食が選べたらなあと思うことがあります。パンが苦手なため」などがある。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい95」%、「どちらともいえない」5%である。記述欄には「一日に二回外出があり、サッカーなどもあり、色々な公園に行ってくれてありがたいです」「子どもの体調を見てお天気なら毎日散歩に連れて行ってくれます」「しっかり遊ばせてくれているようで満足している」などがある。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 17人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
「はい」85%、「どちらともいえない」5%、「いいえ0」%、非該当10%である。記述欄には「この柔軟性、本当にありがたいです。急な残業など当たり前なので」「利用時間を変更する事があまり無いのでわかりません」などがある。
4.子どもの体調変化への対応(処置・連絡)は、十分か
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」95%、「どちらともいえない」5%、である。記述欄には「熱が高かったりすると、すぐ連絡してくれ、また先日じんましんが出た時もあまりにひどいので、と連絡をくれてから病院に連れて行ってくれ助かりました」「きちんと連絡して下さるので本当にありがたいです」「発熱については、かなり敏感に対応してくれる。我が子が熱を出しやすいので、分かってくれていてとても助かる。ケガは、お迎えに行くと口頭で伝えられるのみ」「時々、朝登園時には無かったキズの説明が無いことがある。たぶん小さくて気づかない位でしたが」などがある。
5.安全対策が十分取られていると思うか
はい 18人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」90%、「どちらともいえない」10%である。記述欄には「危険な事思いつきません」「お散歩の時はどうしているのかがよく分からない」「お散歩の時の遊具などで遊んでいる時の様子は見えないので少し不安」などがある。
6.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 15人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」75%、「どちらともいえない」25%である。記述欄には「特に仕事を休むこと無く参加できます」「年間行事として、一年の初めに決まっているので、特にどちらとも言えない」などがある。
7.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 16人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」80%、「どちらともいえない」20%である。記述欄には「お迎えに行くと必ずその日の様子について各保育士さんたちがお話ししてくれます」「素晴らしいのは、いつどの先生に伝えても必ずすべての先生が把握して下さっていることです」「帰りの際に、“今日も元気です”で終了してしまうことが多い。一週間に一度程度でよいので、もう少しディテールを聞きたいしこちらも話したい」「話したり相談できるが、たまに共感して話してくれることがなかったり、ただ聞くだけのことがある」などがある。
8.保護者の考えを聞く姿勢があるか
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」95%、「どちらともいえない」5%である。記述欄には「うちの子しか見ていないのでは?とすべての親が思うほど、各家庭を尊重して下さっています」「困った事について相談するとその場で必要な資料を配布して下さりながら対応していただけました」「希望を伝えると迅速に対応して下さり助かります」「たまに、こちらの気持ちや考えが正しく伝わっていないかも。と思うことがあるがだいたいは」などがある。
9.サービス提供にあたって、利用者のプライバシーは守られているか
はい 17人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」85%、「どちらともいえない10」%、「いいえ0」%、非該当5%である。記述欄には「共有すべきこと、すべきでないこと、きちんと線引きされていると思います」などがある。
10.一人ひとりの子どもは大切にされていると思うか
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい95」%、「どちらともいえない」5%である。記述欄には「保育所に対してのネガティブなイメージがマリア保育園のおかげでなくなりました」「まるで祖父母宅に預ける、その何倍もの安心感があります」「とても大事に可愛がってくれていると感じる。保育士一人ひとりが、一人ひとりの子のことを愛情を持って接してくれているように感じるので安心している」「一番最後まで泣いていて慣れるまで時間がかかりましたが、今では保育園が大好きです」などがある。
11.職員の対応は丁寧か
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」95%、「どちらともいえない」5%である。記述欄には「朝&帰りのお見送りまでして下さり申し訳ないくらいです」「お若いのに丁寧で素晴らしい先生方ばかりです」「通りで仕事帰りの職員に挨拶をしても気付かないふりをしているのか、毎日無視をしていますが、いかがなものでしょうか。その通りは多くの保護者が通る所です。仕事が終わっても職員の態度や服装を見ているので、気をつけてください」などがある。
12.要望や不満を事業所に言いやすいか
はい 14人  どちらともいえない 3人  いいえ 2人  無回答・非該当 1人 
「はい」70%、「どちらともいえない」15%、「いいえ」10%、非該当5%である。記述欄には「何でもその場ですぐに伝え、すぐに対応して下さいます」「保育士によって話しにくい人もいる。人間なので、私自信との性格や相性の関係もあるので特に大きな問題ではないが」「私はこの保育園にほぼ満足していますし、まわりのほとんどの保護者もそうだと思います。なので、わざわざ波風を立てるようなことはしたくない」などがある。
13.利用者の要望や不満はきちんと対応されているか
はい 16人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
「はい」80%、「どちらともいえない5」%、非該当15%である。記述欄には「誠意を持って対応して下さいます」「伝えたことは対応してくれるが、言いにくいことがある」「こんな要望があった、不満があったなど分かりませんし、それにどう対応しているのかも分かりません。0歳や1歳の頃は要望することもありましたが、それにはきちんと対応してくれました」などがある。
14.第三者委員など外部の苦情窓口にも相談できることを知っているか
はい 9人  どちらともいえない 0人  いいえ 10人  無回答・非該当 1人 
「はい」45%、「どちらともいえない」0%、「いいえ」50%、非該当5%である。記述欄には「そういう情報も公にされています」「このアンケートで知ってはいたが忘れていた」などがある。
15.【過去1年以内に利用を開始し、利用前の説明を受けた方に】
サービス内容や利用方法の説明はわかりやすかったか
はい 8人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
過去1年以内に利用を開始した人は9人で、その内説明を受けた9人の「はい」88.9%、「どちらともいえない」11.1%である。記述欄には「内容やカリキュラムは良く説明してくれたが、毎日の持ち物や衣替えのこと、プールなどの準備するものに関して連絡が十分でなかった。散歩用のくつ下・くつを準備するとか、夏と冬でサンダルをくつにかえる、上着などが必要と知らなかったので、初年度はとまどった」との記述がある。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目3 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目4 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
3つの保育コンセプトと7つの安心を提唱し、園の目指す方向を追求している

マリア保育園は昭和41年に託児所として創業し、平成13年に認証保育所となる。平成8年には耐震構造の現園舎に建て替えを行っている。園の定める理念・方針は①児童の健全な育成②利用者の安心と児童の安全③保育士の資質向上④情緒教育であり、その実践に向けては「保育園は、ただお子様を預かる場所ではありません」を合言葉に日々の保育活動を行っている。具体的には「3つの保育コンセプト」と「7つの安心」を提唱し、職員には会議や日常の保育現場で徹底し、保護者や地域には「園のしおり」や「ホームページ」で周知している。

園長は保護者や地域、職員の期待・要望を受け止め積極的な施設運営を行っている

現園長が園長職に就き丸1年経過した。改めて経営職として自らの役割と責任を表明し、園の運営に関する諸会議を主宰しながら保育現場にも立っている。加えて、保護者の期待や要望を真摯に受け止め、地域社会のニーズを敏感に捉えながら、現状の改善と将来に向けた改革を目指している。今でも地元の評判を聞きつけたり、保護者仲間からの紹介で入園してくる子どもが多く、高円寺における45年間の保育事業の足跡とその重みを受け止めている。新たな計画として園舎の移転や分園構想を持つなど、今後の地域貢献に向けて邁進している。

会議の運営やその結果を共有することで意思決定の透明性を確保している

園の各種会議は2つの側面から行われている。ひとつは経営理念や保育方針に基づく育児計画作成などの基本課題であり、もうひとつは育児現場における課題の解決と保護者の要望に応えることである。基本課題は定期的な職員会議において議論を重ね、現場での課題はその場での話し合いを重視して即刻の対応を心がけている。職員には園内研修などを通して適応力の向上を図り、保護者に対しては「保護者会」「園だより」「ホームページ」を活用している。今回の利用者調査でも保護者からは適正対応や即時対応を歓迎する声が多くあがっている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している 実施状況
  標準項目1 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
  評価項目2 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている 実施状況
  標準項目1 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  標準項目2 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
  サブカテゴリー2  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある 実施状況
  標準項目1 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  標準項目2 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
  評価項目2 ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している 実施状況
  標準項目1 ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  標準項目2 ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  標準項目3 ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
  評価項目3 地域の関係機関との連携を図っている 実施状況
  標準項目1 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  標準項目2 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
講評
守るべき法・規範・倫理は各種就業規則や人権マニュアルを作成し、周知している

区の福祉行政の指導の下、保育サービス従事者として守るべき法・規範・倫理などについては、就業規則とあわせて条項に定めている。また人権マニュアルでは「人権を配慮した保育」「プライバシーの尊重と保護」「子どもの人権を守るために」「望ましい保育士としての資質や態度」などの項目が具体的に説明されており、保育現場での実践に活かされている。特に社会背景の変化に伴う重要テーマ(たとえば虐待などの発見や防止)などは職員会議において学習テーマとして取り上げている。

第三者評価の受審、入園のしおり、ホームページなどで事業の透明性を高めている

事業の透明性を確保するため東京都の第三者評価を4年連続受審し、その結果を公表するとともに「入園のしおり」や「ホームページ」などにより、保護者と地域社会に積極的に情報を発信している。「ホームページ」は保育内容、園の紹介、入園案内、お問い合わせなど園の詳しい内容を豊富な絵や写真入りで紹介している。特に園で力を入れている設定保育は、児童の成長過程や季節的な要素を考慮しながら進めているが、実践状況は他の保育計画と併せて「ホームページ」と「入園のしおり」で一目でわかる。

都の認証保育所協会に加入し、地元の事業者の集まりや住民活動にも参加している

都の認証保育所協会をはじめとする公的機関との連携は積極的に進めている。特に最近の保育行政の流れの変化は園の運営に直接的に関係することから、都や区の議会運営などにも強い関心を向けている。一方で、地元商店街の会合や行事などには園長だけでなく、可能な限り保護者や子ども、職員も参加し、園の行事には商店街の人々の協力も取りつけている。地元中学生を体験保育に受け入れたり、地元の大きな祭りでは園の保育士をベビーシッターとして派遣するなどして地域ネットワークの強化を図っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  利用者意向や地域・事業環境の把握と活用
  サブカテゴリー1  利用者意向や地域・事業環境に関する情報を収集・活用している
  評価項目1 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む) 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
  評価項目2 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  標準項目2 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  標準項目3 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
  評価項目3 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  標準項目2 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  標準項目3 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
講評
園内に相談・苦情受付担当者と第三者委員を定め、迅速な対応に努めている

苦情処理の窓口は「園のしおり」や「重要事項説明書」に明記し、苦情処理ボックスを設置している。園内の相談受付担当者、第三者委員のほかに区役所にも苦情相談が可能であることを伝えている。しかし、園の方針としては、日々の保護者との交流を通して“生の声”を聞き、その声を園長に集約して迅速な解決を図ることを最優先としている。今回の利用者アンケートにも園をあげて適正かつ迅速な対応をとっているといった回答が多く寄せられている。しかし、園内や区役所に相談窓口があることを知らない保護者も多いことから、新たな周知が求められる。

利用者の声は直接的な方法と間接的な方法で収集し、サービス向上に活かしている

園ではアンケート(各種行事後、保育計画作成時)個人面談、登・降園時のコミュニケーションなどを通して多面的な情報収集に努めている。入園時には園の保育方針と実践計画を説明し、契約書も交わしているが、実際の保育に入ると保護者の中にはサービスに対する新たな要望も出てくることがあり、直接的に聞くことを大切にしている。一方、折々のアンケートでは全体的な傾向分析が可能であり、普段は聞けない声も把握できる。直接的、間接的に得た情報は職員会議や運営委員会にはかり保育活動の充実に活かしている。

地域の福祉ニーズや業界動向は地域の認証会や都の認証保育所協会などから収集している

地域の福祉ニーズや業界動向については園の所属する都の認証保育所協会や地域の認証会との交流を通して得ており、内閣府の講習会に参加するなどして最新の保育情報の収集と意見交換を行っている。一方、地域のニーズや要望は区議会情報や地元の集まりなどに園長が直接顔を出すことで吸収しているが、それらの情報は職員会議や運営委員会を通して全職員に伝えている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  計画の策定と着実な実行
  サブカテゴリー1  実践的な課題・計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している 実施状況
  標準項目1 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 年度単位の計画を策定している
  標準項目3 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
  評価項目2 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  標準項目3 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  標準項目4 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
  評価項目3 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  標準項目3 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを図る指標を明示している
  標準項目4 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
  サブカテゴリー2  利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  評価項目1 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  標準項目2 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  標準項目3 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  標準項目4 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
講評
中期事業計画の実現に向けた取り組みを加速させている

園の地域には入園を希望する待機児童が多数おり、区の福祉サービス機関からも待機児童減少に向けた協力の要請がきている。3~4年前から園の中期事業計画として施設の拡大や移転、あるいは分園の構想をあたためてきたが、今年に入って分園を柱とした新たな事業拡大に絞られてきた。分園の開設は区議会の承認や区の関係機関の支援を必要とするが、現在は内閣府の関係部門の指導を受けながら、園の財務状況や人材配置などの見直しと再編を手がけている。

園の基本方針を踏まえた指導計画づくりに、保護者の声や意向を活かしている

園では保育理念・方針の実現に向けて年間計画を基本とした実践的な諸計画を策定している。0歳~3歳児までの発達過程に沿って詳細な保育基準を定めており、年間の行事予定もしっかりと組まれている。職務分担表に基づき担当者を決め、目標の達成状況を図る指標を決めたうえで、職員会議などで見直しを行っている。職員の土曜出勤体制については職員同士の話し合いに委ね、無理のない要員確保とサービスの質的維持に努めている。

新しいセキュリティシステムと機器を導入し、さらなる安全確保と向上を図っている

防犯カメラによる録画、毎日2回の巡回警備、園児の防災避難訓練も毎月実施しており、今年は災害時の避難場所の変更も行った。さらに今年度は懸案だったバイオセンサー(乳幼児の心拍数と呼吸を確認するモニター)の設置が実現したが、セキュリティについても従来のシステムに加えて新たに「安心伝言板」の導入を図った。「安心伝言板」は保育園と保護者をつなぐインターネットシステムで、災害時の連絡や催し事の案内などにも活用できる。いずれの安全対策も園の計画と保護者の要望をあわせて検討することで実現している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成に取り組んでいる
  評価項目1 事業所にとって必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  標準項目2 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  標準項目3 適材適所の人員配置に取り組んでいる
  評価項目2 職員の質の向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  標準項目2 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  標準項目4 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  標準項目5 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
  サブカテゴリー2  職員一人ひとりと組織力の発揮に取り組んでいる
  評価項目1 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  標準項目3 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
  評価項目2 職員のやる気向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
講評
職員の採用と配置は園の風土を強く意識して行っている

園では職員に求める人材像として、人間的には円満で調和的、健康で明るく、常に若々しい気持ちで働く人、保育の専門職としては専門資格はもとより、子どもを愛し、子どもの立場に立って考え、指導し、保護者との連携を大切にする人、などを条件としている。採用にあたってはこれにふさわしい人材を確保しているが、その条件以上に、採用後の職員の育成に力を入れ、園の理念や方針の徹底を図っている。今回の利用者アンケートでは担当保育士の取り組み姿勢や対応力を賞賛する声が多く寄せられ、園の期待する人材像が根付いていることがわかる。

外部研修に参加したり、外部講師を招くなどして学習機会の充実を図っている

園では、職員一人ひとりの能力向上に関する希望を聴取し、可能な限り機会を作っている。都や区が主催する保育研修では終了後に園内で発表会を行って情報を広く共有し、テーマによっては職員会議で取り上げて実践に向けた勉強を行っている。また今年は、リトミック、サッカー、英語などは外部から講師を招いて児童の指導をお願いしたが、さらにその場を保育士の指導にも当てるなどして保育力の強化を目指している。それでも、今回の職員アンケートにはさらなる勉強の機会を求める声も出ている。

さらに職員の処遇改善を含めた士気向上策をとり、組織力の強化を図っている

職員の大多数が保育士などの有資格者で、専門職としての適切な処遇がなされており、社会保障に関しても法に基づいて実施されている。加えて今年度は給与のアップと誕生日休暇を実施するなど、新たな処遇を試みている。利用者アンケートや職員アンケートにも表れているように、元来職員の士気は高く、保護者との距離感も近い。降園時には保護者同士が親密に話し込むなど仲間意識が強く、職員の間にはその光景を保育サービスの一環として暖かく見守る風土がある。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  情報の保護・共有
  サブカテゴリー1  情報の保護・共有に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定している
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・保管している
  標準項目3 保管している情報の状況を把握し、使いやすいように更新している
  評価項目2 個人情報は、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえて保護・共有している 実施状況
  標準項目1 事業所で扱っている個人情報の利用目的を明示している
  標準項目2 個人情報の保護に関する規定を明示している
  標準項目3 開示請求に対する対応方法を明示している
  標準項目4 個人情報の保護について職員(実習生やボランティアを含む)が理解し行動できるための取り組みを行っている
講評
重要書類は集中管理し、情報の活用はマニュアルに基づいて厳正に行っている

各種書類は種類別、公開・非公開別に区分して事務所内の施錠ができるキャビネットに保管し、アクセス権限などを明確にした上で、責任者を決めて管理している。またパソコン内の情報にもアクセス権限が定められ、CDやUSBメモリーなどの使用による情報の園外への持ち出しは禁止されている。さらに書類や電子情報だけでなく、職員同士の日常の会話の中でも不用意な情報の漏れが生じないよう注意を促している。

個人情報は「個人情報管理規定」に沿って取り扱うことを徹底している

園児のプライバシー保護については「プライバシー保護規定」と「個人情報管理規定」のマニュアルに沿って取り扱っている。当園のサービスには、保護者の携帯による保育状況のカメラ画像へのアクセスや園児の活動をアルバムに編集して開示しているものがある。いずれも個人情報を侵すことの無いよう規定を設け周知を図っている。また園では「安心伝言板」の配信のため、保護者のメールアドレスの登録と同意書をもらい、その管理については園外の関係業者を含めて万全を期している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー8  カテゴリー1~7に関する活動成果
  サブカテゴリー1  前年度と比べ、事業所の方向性の明確化や関係者への周知、地域・社会への責任の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー1:「リーダーシップと意思決定」
・カテゴリー2:「経営における社会的責任」
・カテゴリー4:「計画の策定と着実な実行」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われているが、成果としては現れていない
待機児童の減少を考えた分園構想を持ち、その実現に向けた計画をすすめている
当園の地域には希望するにもかかわらずすぐには入園できない待機児童が多くいる。分園構想は園の中期的な事業計画として戦略を練ってきたが、今年度に入って行政の要望が明確になり、園としても具体的な資金の見積もりや事業内容、職員配置などの計画を作成し、関係機関と話し合っている。 
  サブカテゴリー2  前年度と比べ、職員と組織の能力の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー5:「職員と組織の能力向上」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
職員の処遇を改善し、学習の機会を増やすことで職員の士気が高まっている
前年の第三者評価における職員アンケートでは給与のアップや有給休暇の円滑な取得が希望として出ていた。園では厳しい経営環境の中ではあったが、今年度は給与のアップと時給の増額に踏み切り、加えて職員の誕生日を休暇に当てるなどを試みて処遇の改善に努めている。一方で専門書などの購入にも力を入れて職員の学習意欲を喚起し、保育の専門職としてスキルの向上に努めている。 
  サブカテゴリー3  前年度と比べ、福祉サービス提供プロセスや情報保護・共有の面において向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、以下のカテゴリーで評価される部分について、改善を行い成果が上がっている
・カテゴリー6:「サービス提供のプロセス」
・カテゴリー7:「情報の保護・共有」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
新たなセキュリティシステムの導入により、情報の共有と保護体制がさらに整う
平成23年の東日本大震災では保護者と園が連絡を取れず、大変な心配と不安な状況に遭遇している。その後の話し合いでは暫定的な対策として全保護者でツイッターの利用を約束したが、今年度は新しいシステムとして「安心伝言板」を導入した。導入に当たって検討した点はシステムの効果性、経済性とセキュリティ体制である。今回は人為的なミスによる個人情報の流出が無いことを確認したうえで導入を決めている。 
  サブカテゴリー4  事業所の財政等において向上している
  評価項目1 財政状態や収支バランスの改善へ向けた計画的かつ主体的な取り組みにより成果が上がっている
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
財務的な健全性が維持され、分園開設に向けた予算化をすすめている
経営層をはじめとする全職員が努力し、きめ細かな収入管理や支出の切りつめを図り、健全な財務状況を維持している。その結果を踏まえて懸案である園舎の建て替えか、移転か、あるいは分園の開設かといった構想を詰めてきたが、区の行政意向や立地的環境を検討の結果、分園の開設の方向で計画が進み、現在資金面での裏づけ交渉に入っている。 
  サブカテゴリー5  前年度と比べ、利用者満足や利用者意向の把握等の面で向上している
  評価項目1 前年度(比較困難な場合は可能な期間で)と比べて、利用者満足や以下のカテゴリーで評価される部分において改善傾向を示している
・カテゴリー3:「利用者意向や地域・事業環境などの把握と活用」
評価結果 改善に向けた計画的な取り組みが行われており、成果として現れている
多様な手段で保護者の声を聞き、園の運営と保育のサービスに高い満足度を得ている
園では現在の保育内容や年長になった場合の通園予定などについて随時保護者からアンケートをとり、さらに父母会による自主的なアンケート調査の結果も真摯に受け止めながら、園の運営に反映させている。福祉サービス第三者評価における利用者調査では、年々保護者の満足度が高まっており、園の運営や雰囲気に対する賛同と感謝の声が多く寄せられている。園内における子どもの様子を保護者と蜜に連絡を取り合い、子どもの目線に立った保育を目指しており、毎年の改善努力が高い評価の数字となって表れている。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
ホームページと入園前に渡される「ご入園のしおり」「園だより」で情報提供している

入園を希望する保護者へは、ホームページと入園前に渡される「ご入園のしおり」「園だより」で情報提供している。ホームページや入園前に渡される「ご入園のしおり」には、園の方針である『3つの保育コンセプト』と日々の保育方針である『7つの安心』が、分かりやすい表現で丁寧に記載されている。また、園の目標『つよい体・優しい心・考える頭』が明記されている。基本的なサービス情報である預かる子供の年齢、保育時間、保育料、年間行事予定、緊急時の対応、給食、人的環境、苦情受付など細かく記載されて具体的である。

ホームページは随時更新され、より詳しい内容を豊富な絵や写真で紹介している

「ご入園のしおり」をさらに具体的に視覚に訴えて、内容を充実させて見せているのが、「マリア保育園ホームページ」である。入園したい保護者はこのホームページを見ると、子どもの毎日の園での生活や園に関わる情報を一度に入手することができる。また、入園の申し込みと見学の受付は利用者の希望に合わせて随時行っており、毎月2回見学会を実施している。見学希望者が多く、多い日は30人の申し込みがある。ホームページの閲覧と見学時の説明で十分に情報を得ることができる。ホームページには、保護者からの要望を記入する欄も設けられている。

行政や関係機関へ情報を提供し、保護者の問い合わせや見学には常時応じている

毎月の「園だより」や「栄養管理報告書」など決められたものを関係機関へ提出し、地域の保育や子育てに関する情報の収集に努めている。保護者からの問い合わせや見学にはいつでも応じているが、2年先の入園についての問い合わせもあり、状況に応じて他園に紹介するなど適切なアドバイスを行っている。ホームページは、関係する行政や機関とリンクされており、利用希望者にすぐに役立つように配慮されている。地域の関係機関と協働して、保護者のニーズを積極的に把握し対応している。、


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園の説明や手続きは保護者の都合に合わせて個別に行い、同意を得ている

保護者には「ご入園のしおり」と重要事項説明書・契約書等を使って園の目標や方針・ルールなどを丁寧に説明している。契約時には保護者の同意を得た上で、時間や保育料を契約書に記入して手渡ししている。保護者との信頼関係を保つように、一人ひとりの保護者の立場に立って利用しやすいサービスを説明し、納得してもらってから契約を交わしている。杉並区だけでなく隣接の中野区などの情報も提供して保護者の利便性を最大に図っている。

保育士は個別情報を把握し、新園児のためのきめ細かな保育に役立てている

入園前の子どもの生活状況や発達状況は保護者が児童票に記入し、入園面接時には園長が詳しい聞き取りを行っている。個別事情や要望・課題などを収集して家庭状況表などに記載し、児童健康表とともに個人ファイルに綴じこんでいる。保育士は協力して支援できるように、保育士間で情報を共有している。また、母乳栄養児には哺乳瓶に慣れてもらうようにお願いしている。保護者の就労状況を配慮しながら、慣らし保育を行って子供の不安やストレスの解消に努めている。

卒園後の子どものフォローは極めてきめ細かく行われている

卒園後の子どものフォローは極めてきめ細かく行われている。そのこともあり、兄弟で利用している園児も多い。卒園後新しい保育園へ入園し、新しい保育園での慣らし保育がある場合は、その新しい保育園まで子どもを迎えに行き、これまで慣れていた当園で降園まで預かることもある。また、保護者へのフォローも積極的に行っている。母親の出産のため、卒園児を幼稚園まで送迎することもある。幼稚園に入園することを希望する園児には、近所の幼稚園を紹介して園長先生との面談をサポートしたり、幼稚園への推薦状を書いている。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 子どもの様子や保護者の希望、関係者の意見を取り入れた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、保育課程を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 計画は、子どもの様子や保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目3 計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目4 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目5 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する情報を過不足なく記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの状況を把握し、保護者の希望や意見を聞き、個別指導計画に反映させている

指導計画は保育課程を踏まえて、子どもの観察に加え、保護者の要望を個人面談(年2回と随時)と保護者会で積極的に聞き取り、合意を得て個別指導計画に反映させている。個別指導計画は担当保育士が作成し、1週毎に園長が目を通して見直しが必要であれば見直している。また、会議での話し合いで緊急に変更することもある。どのような状況においても保護者と良い関係が維持できるように、一人ひとりの保護者の立場に立って考えている。

子どもに関する情報は、定められた書式で記録し個人別にファイルし管理されている

園児一人ひとりに関する情報は、健康診断表・児童票・個人記録表などに記入する仕組みがある。個別指導計画書に基づいてどのように支援し、その結果がどのように推移したかが分かるように記録されている。これらは個人別に保管され、保育士が必要に応じて活用している。また、毎日の子どもの様子と成長を個人別に細かく観察し、個人記録表に記録するとともに、複写式連絡帳に記載して保護者にも報告している。アセスメント表は毎年9月に定期的な見直しを行うことにしている。

個別情報を丁寧に記録・把握し、情報交換して職員間の共有化を図っている

職員間では、日々の申し送り記録や個人記録表を見ることにより、園児の個別の状況を把握している。職員は出勤してホワイトボードと連絡・伝達事項が書かれた「ダイアリー」を見る習慣になっており、園全体と園児の状況を把握できる。毎日午後3時前に各階リーダーは申し送りノートを読み上げて、職員全員に周知を図っている。また、月1回の職員会議で園児の変化を報告しあい共有化している。成果が上がらない場合など、緊急に指導計画を変更する場合は会議で話し合っている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた援助を行っている 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりの発達の過程や生活環境などにより子どもの全体的な姿を把握している
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人やものに働きかけることができるよう、環境構成を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう援助している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
講評
アメリカのプログラムを導入して、一人ひとりの園児の全体的な姿を把握している

園独自のアメリカ式のプログラムで、運動や遊び、音楽、問題解決、言語など10領域の保育テーマを設定して活動する時間(設定保育)があり、それに取り組む園児の特徴が顕著に観察できる。これらは、個人記録表・児童票・健康診断表・連絡帳などにも記載され、子どもの全体的な姿の把握に役立っている。自由保育の時間は自主的な遊びの時間であるが、設定保育で把握した一人ひとりの発達を考慮しながら、自由保育の援助に役立てている。

独自の表現活動や園外活動を実施して、園児一人ひとりの成長を援助している

ひよこ組、うさぎ組ともに午前1回、午後1回近くの5つの公園と児童館へ散歩に出かけることが日課である。園児は公園で充実し、保護者からは園庭の狭さをカバーしていると好評である。うさぎ組は、アメリカ式の保育カリキュラム(設定保育)が組まれている。体・心・頭の発達を考えた独自の保育プログラムである。また、縦割りの合同保育にも取り組み、子ども同士の交流による発達を促している。設定保育は、期末の3月に向けて徐々に難しくなっていくように設定されている。

外部専門講師による英会話・音楽リズム・サッカーの指導を継続して実施している

園児の発達を促進するために、外国人による英語会話教室も継続して行っている。また、音楽大学の先生による音楽リズム、体育大学の先生によるサッカーなどの運動の指導などを実施し、園の特長の一つになっている。これらのことは将来、文化や習慣の違いを認め合うことに繋がり、外国籍の子供や宗教の違う子ども・障害のある子どもとの関係づくりにも役立っていくと考えている。保護者からも好評である。また、一人ひとりの子どもの発達について気になる事があれば、保育士間で話し合い子どもにとって過ごしやすい環境設定を行っている。

  評価項目2 家庭と保育所の生活の連続性を意識して保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう支援を行っている
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 お迎え時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
朝の登園時には必ず保護者と話し合い、全職員が把握するために申し送りを徹底している

朝の登園時には、保護者に家庭での子どもの様子を聞き、「あゆみ」(保育士と保護者の間でやり取りをする保育ノート)を受け取って確認している。職員間の情報共有のために朝の申し送りを徹底し、職員連絡帳に記入して全職員が理解できるようにしている。また、状況によってはホワイトボードに掲示することにより、全員の意識を喚起・徹底を図っている。

子どもの成長過程や生活リズムによって、指導計画に沿った適切な支援を行っている

保育士は、一人ひとりの子どもの生理的欲求や生活リズムを大事にしながら、愛情豊かに真剣に保育に取り組んでいる。保育目標に沿った個別の指導計画に基づき基本的な生活習慣が身につくように支援している。昼寝は一人ひとりの生活リズムや体力などにより、個人差があるのでその子どもに合った長さや時間帯を設定して支援している。利用者アンケートには「先生方の質、子どもへの愛情、親への対応、カリキュラム全てにおいて日本最高の保育園です。その分、厳しい職場環境だと思います。本当に頭が下がる思いです」との記述があった。

夕方のお迎え時にも、一人ひとりに丁寧に一日の報告をして「あゆみ」を渡している

夕方は、ゆっくりと保護者の相談に乗ることが多く、担当の保育士や園長が時間をとって保護者と話し合いをすることもある。保育ノート「あゆみ」には一日の様子が時系列的に詳細に記入され、お迎え時に渡している。保育士は夕方に得た情報も朝と同様に申し送りをして、全職員が把握できるようにしている。利用者アンケートには「子ども自身が毎日楽しく過ごしているのと、園の様子を毎日先生から教えて頂けるので、安心して預けています」と記述されていた。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の内容は保育目標を反映して構成されている
  標準項目2 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目3 子どもがのびのびと体を動かせるよう、積極的に戸外活動や外気浴等を実施している
  標準項目4 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目5 【0・1・2歳児のみ受け入れている保育所で、取り組みのない場合は非該当とする】 子どもが集団活動を経験する機会(他の保育所の子どもとの交流など)を積極的に設けている
講評
保育目標は詳細に設定され、日々のカリキュラムが充実している

年間目標は保育理念、保育方針に基づき、保育目標を0歳児・1歳児・2歳児のそれぞれに設定している。個々の子どもの発達に沿った指導計画が月齢ごとに設定され、食育・環境構成と保護者の援助・家庭や地域との連携など、細かく規定されている。これらの目標に沿って担当保育士が個別の月間・週間・毎日の予定を立てている。保育士は、子ども達が毎日充実した生活が送れるよう、良い刺激が受けられるようにカリキュラムを組んでいる。

設定保育のカリキュラムは変化を持たせ、保育活動の幅を広げている

設定保育のカリキュラムは、保育士が30~40冊の書籍を参考にして組み立てている。保育士は設定保育の経験も長くなり、1つのテーマを様々に展開して子どもの主体性や自主性を発揮させることができるように工夫している。また、園内はオープンスペースにして、子ども達が自由に遊びこめるように、遊具をまめに変えて変化を与える配慮をしている。11月の設定保育のテーマは「五感と反意語」で“いろいろな音を聞いてみよう”“クッキング保育”“箱の中身を当ててみよう!”“紐通しをしよう”など毎日のカリキュラムに変化を持たせている。

豊富な戸外活動は子どもの豊かな感性を育んでいる

園内の生活と近所の公園・児童館への散歩という変化のある毎日が、潤いのある情緒を育む基礎とになっている。1日2回の散歩は、園庭が狭いこともあるが、保育方針としての健やかな体作りのために、外の空気に触れ、体を動かして遊ぶ時間を大切にしているからでもある。自然と触れ合い子どもがいきいきと生活し、公園で自然に親しむことが豊かな感性を育んでいる。また、水族館への園外活動なども子どもの楽しみになっている。アンケートには「一日に二回外出があり、サッカーなどもあり、色々な公園に行ってくれてありがたいです」との記述がある。

  評価項目4 行事等を通して、日常の保育に変化と潤いを持たせるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目2 子どもが興味を持ち、自ら進んで取り組めるような行事等を実施している
  標準項目3 行事等を行うときは、保護者の理解が得られるような工夫をしている
  標準項目4 保育所の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
行事は多彩で、子どもが興味を持って参加しており、みんなで楽しんでいる

毎年の行事は、4月の進級を祝う会、入園を祝う会に始まり、3月の卒園を祝う会まで、季節行事としての子どもの日、七夕、夏祭り、運動会や節分、ひな祭りなど、ほぼ月1回の頻度で行われている。園のユニークな行事として警察署、消防署見学があり、お巡りさんや消防士さんとの交流は、園児の思い出に残るものである。また、毎月の誕生会も行われ、毎月のクッキング保育も楽しみの一つである。これらの行事には子どもが興味を持って参加しており、みんなで楽しむ機会となっている。

保育参観や行事は曜日が重ならないようにし、保護者に参加するように呼びかけている

保育参観や行事の日程は、いつも同じ曜日にしないようにして保護者が参加しやすい日程を設定している。また、朝夕の登降園時には、一人ひとりに声かけをして参加を促している。年4回ある保育参観に参加できない保護者のためには、希望のあるときにいつでも参観をしてもらえるようにしている。毎日の一斉保育の時間は公開しており、保護者には事前に毎月の設定保育のテーマ、毎日のテーマ、毎月の歌と手遊びの内容を情報提供している。

運動会には卒園児が参加し、保育講習会に保護者と友人たちが参加している

昭和41年2月の保育事業開設から、同じ地域で子どもたちを預かってきた歴史は、地域との交流の長さと深さを物語っている。子ども達は商店街のお祭りや阿波踊りにも参加し、保育園の運動会には地域の人への参加をよびかけている。また、卒園児も参加している。毎年マリア保育園が園内で開催している保育講習会には、保護者とその友達が参加している。この講習会は元々保育士の勉強会であったが、保護者も参加したいとの希望があり、発展したもので大学の先生を招聘して行っている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 子どもの様子を確実な方法により職員間で引き継いでいる
  標準項目3 お迎え時には、子どもの日中の様子(担任からの引き継ぎ事項等を含む)を保護者に直接伝えている
講評
ゆったりと遊べるようなスペースを確保し、動と静の保育環境を設定している

平日の平常保育は午前8時~午後5時30分であり、平日の延長保育は(午前の部)午前7時30分~午前8時。(午後の部)午後5時30分~午後8時30分となっている。延長保育の子どもは、最長13時間を保育園で過ごす事になるので、子どもの体調や様子を見ながら、リーダーが保育内容を決め、保育環境を設定している。保育内容は、動きのあるボール遊びと静かなお絵かきのように動と静を考えながら、ゆったりしたスペースで好きな玩具で遊べるように配慮している。

保育士間で引き継ぎをきっちりと行い、保護者一人ひとりに丁寧に一日の報告をしている

延長保育担当の保育士は、担任の保育士から申し送り帳に記入された内容を聞いて確認し、延長担当の全職員へ申し送りをして、内容を把握できるようにしている。また、夜から朝への申し送りも同様に行っている。午後の部はお迎えが遅くなり、保護者が急いで帰りたい様子の時もあるが、できる限り丁寧に一日の様子を報告している。ゆっくりと相談にのることも多く、担当の保育士や園長が時間をとって話し合いをすることもある。保育ノート「あゆみ」には一日の様子が時系列的に詳細に記入されており、保護者からの評判が良い。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
  標準項目5 保育所の食育に関する取り組みを、保護者に対して伝える活動をしている
講評
食育計画に基づき、子どもがゆったりとした雰囲気で食事ができる環境設定をしている

「楽しくなんでもよく食べる元気なこども」を食育方針として、0歳児、1歳児、2歳児それぞれの発達に応じた食育計画を立てている。目標とねらい、内容、援助と配慮の項目に分けて、詳細な内容が網羅されている。これに基づき保育士は子供のペースで一緒にゆっくりと食べながら、苦手な食べ物も頑張って食べられるように援助し、食べることに興味や楽しみを感じるような雰囲気作りを大切にしている。2歳児は毎月クッキング保育があり、りんごのコンポートやクリスマスケーキなど、季節感のあるメニューで園児の楽しみの一つになっている。

食に関する保護者への情報提供は積極的に行われている

今年からメニューは、区立保育園の管理栄養士が作ったものを取り入れ、食材は常時旬のものを使用している。献立表には材料名が書かれ、「熱と力になるもの」「血や肉や骨になるもの」「体の調子を整えるもの」に分類して表記されている。食に関する保護者への情報提供は積極的に行われており、離乳食と普通食の献立表が保護者に配布され、また、昼食とおやつがホームページにも掲載されている。毎日の給食は写真で展示し、量はお皿で展示して分かるようにしている。園児の日々の喫食状況は、毎日保育日誌に記入して保護者にも知らせている。

保護者の希望に沿って、乳児の授乳やアレルギー食などきめ細かく対応している

乳児の授乳やアレルギー食など、個別のきめ細かな配慮がなされている。連絡帳には量や時間など丁寧に書かれて、保護者とのコミュニケーションが適切に行われている。アレルギー児は家庭と医師と相談しながら、除去食・代替食を提供している。また、宗教上の理由による制限など個別の食事にも対応している。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 けがや病気を防止するため、日頃から身の回りの危険について子どもに伝えている
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに対し、専門機関等との連携に基づく支援を行っている
  標準項目3 保護者に対して感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する情報を提供し、予防に努めている
講評
子どもの健康に最大の注意を払い、センサーなどで健康チェックを確実に実施している

毎日の健康チェックを小まめに行い、保育ノート「あゆみ」で保護者と情報を共有している。朝の視診、散歩前の検温、乳幼児突然死症候群の防止に午睡中の睡眠チェック(15分おき)など、保育士による健康チェックを行っている。また、バイオサインセンサー(心拍数と呼吸数を確認するモニター)を導入して完璧を期している。年間2回の嘱託医による健康診断、インフルエンザの予防接種など、園児の健康には最大の注意を払っている。保育ノート「あゆみ」は複写になっており、保護者からの連絡は園にもファイルされている。

健康管理保健計画を整え、保護者へも保健情報の提供を行っている

健康管理保健計画には、健康管理、保健、予防関係、家庭連携の項目を設けて、毎月の計画を策定している。健康管理では、4月には(園児の健康診断と結果の把握、子どもの身体的特徴の把握、生活習慣形成の状況を把握し健康状態の観察励行・検温の徹底をする)9月には(夏の疲労の回復をはかる、運動・遊びを推進する)、1月には(抵抗力をつけるため戸外遊びを推進する)など、それぞれの月と項目に詳細な計画が立てられている。このように保護者・嘱託医・園の三者の連携で、子供の健康管理体制を確実に確保している。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して接している
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 保育所の保育に関して、保護者の考えや提案を聴く機会(運営委員会など)を設け反映させている
  標準項目5 子どもの発達や育児などについて、懇談会や勉強会を開催し、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
講評
保護者の個別の事情に配慮して、きめ細かなサービスを提供している

延長保育や母子家庭への証明書の発行など、保護者の個別の事情に配慮して行き届いた柔軟なサービスを行っている。毎年、大学の先生を招いて保育講習会を実施し、保護者と地域の人・職員で勉強を行っている。また、子供の発達・育児について情報提供を行い、保護者と共通認識を持てるように努めている。個人面談などでもアドバイスをし、いつでも相談してもらえるように配慮している。

保護者間、保護者と職員間ともに良好な関係で信頼を築いている

なるべく親子参加での機会を多くしている。保護者会、親子で行う七夕祭り、遠足、保護者と職員のお食事会など、より良い関係を維持するための行事や会合を行っている。また、保護者同士は毎日お迎えに来て、保育園の保育室で親しく交流するなど、極めて良好な関係ができている。利用者アンケートには「入園前は不安で仕方なかったですが、先生方皆さん熱心で、マリア保育園に入って本当に良かったなあと感じています」という記述があるなど、感謝のコメントが多い。

  評価項目9 認証保育所の特性をいかした取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 異年齢児との生活の中にあっても、年齢や一人ひとりの発達にあった援助を行っている
  標準項目2 新たに入所した子どもと、すでに入所している子どもが安定した関係を築けるよう配慮している
  標準項目3 契約や更新の機会をとらえ、保護者と緊密に連携しながら保育を行っている
講評
認証の特性をいかし、外部の講師による特別カリキュラムを継続している

外国人による英語会話教室も継続して行っている。また、音楽大学の先生による音楽リズム、体育大学の先生によるサッカーなどの運動の指導などを実施し、園の特長の一つになっている。これは園児の発達を促進するためでもあり、一人ひとりの子どもの特徴を知り、その子どもに合った援助をするためのものでもある。保護者からも大変好評である。

初めて保育園に預ける保護者には、親子ともに安心できる居場所作りを心がけている

新入園児には、より緊密に家庭と連携しながら保育を行い、初めて保育園に預ける保護者にとって、親子ともに安心できる居場所作りを心がけている。降園時には一日の様子を詳しく丁寧に伝えている。保育ノート「あゆみ」には家庭での子どもの様子を書いてもらい、園での様子を関連付けながら伝えて、生活のリズムが無理なく整えられるように緊密な連携を取っている。持ち物などは園だよりだけでなく、個別に保育ノート「あゆみ」で確実に知らせるようにしている。

個人記録に基づき、一人ひとりの発達に合わせた援助をしている

個々人の保育計画に基づき、きめ細かな保育を実践している。年齢や月齢の成長に合わせ、お散歩中や公園では発達にあった環境を提供している。新たに入園した子どもには、慣らし保育を行い環境や保育士に馴染むように導いている。クラス担任の保育士は、担任を持ち上がって一人ひとりの子どもの援助が適切に出来るように配慮している。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
  標準項目4 子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視等が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に予防・再発防止対策を徹底している
  標準項目5 虐待を受けている疑いのある子どもの情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関に連絡し、その後も連携できるような体制を整えている
講評
子どもに関する情報は、必ず保護者の同意を得て取り扱いに万全を期している

子どもに関する情報を外部とやりとりする必要が生じた場合に備えて、1年に1回保護者から同意書を受け取っている。日常は、子どものプライバシーには最大限の配慮をしており、保育士は保護者との日常会話にも他の子どものプライベートな話などが出ないように、細心の配慮をしながら会話をしている。今年は「安心伝言板」の配信のため、保護者のメールアドレスの登録と同意書をもらい、その管理については園外の関係業者を含めて万全を期している。

マニュアルには「子どもの人権や主体性を尊重」することが記載され、実践している

マニュアルに「人権」の項目を設け、人権に配慮した保育について考え方、言葉遣い、行動、それぞれのサービス場面における注意事項など、細かく具体的な記述がなされている。また、プライバシーの尊重と保護に関しては、情報提供、書類、対応など日常の業務の中で職員の行動基準が明確に規定されている。人権を否定したり、自尊心を傷つける言葉を使わないように、マニュアルには積極的に自尊心を高める言葉を表記してある。

虐待防止センターに登録し、相談できる体制が整っている

児童相談所や区の虐待防止センターにいつでも相談できる体制が整っている。子どもに少しでもおかしいと思うことがあった場合には、保護者の承諾なしに相談でき、連携できるような体制になっている。これまでは1件も虐待の事例はないが、虐待に関しては、毎年必ず職員が講習会に行き、その後の会議で発表し共有している。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを点検している
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
  標準項目3 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
  評価項目3 さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している 実施状況
  標準項目1 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  標準項目2 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  標準項目3 職員全員が、子どもの安全性に配慮した支援ができるようにしている
  標準項目4 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  標準項目5 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている
講評
多くの職員の勤続年数が長く、手引書を使用することは少なくなっている

手引書は、業務マニュアルなど保育の基本的な考え方や基準や手順を明記したものなどが作成されている。健康安全チェック表や掃除チェック表など、チェックすることで業務の標準化を図るためのものや、感染症マニュアルなどテーマ別に作成され、必要なときに活用されている。また、年に1度、9月に見直しの時期を設定している。しかし、10年以上勤めている職員もおり、8割が5年以上になり、行事や保護者の対応がスムーズにできるようになっている。また、いつでも指導援助は受けられる状態にあり、困ったことがあると気軽に園長に相談できる。

職員間の人間関係が良く、お互いに教えあう雰囲気ができている。

月に1度の職員会議は、勉強会を兼ねて行っている。外部の研修会に参加した場合は、資料を回覧したり、会議で報告するようにしている。各フロアーには責任者を配置し、わからないことが起きた場合は相談し助言を受けられるようにしている。また、園長もOJTを行って個別の指導をするとともに、各人の自己目標に沿った助言・指導をしている。職場は職員間の人間関係が良く、分からない事はお互いに教えあう雰囲気ができている。

職員は、一人ひとり自己目標を設定しセルフチェックで振り返りを行っている

毎年、職員は自己目標を設定している。園長のアドバイスと職員相互間の啓発により、一人ひとりが自己成長を目指している。17問のセルフチェック(アンケート)は自己の振り返りに役立っている。アンケートには、仕事に生きがいを感じているか、から始まり子どもの安全、保護者との関係つくり、プライバシーの問題、同僚の悩みの相談、など多岐に渡っている。毎年の利用者調査では、保護者の満足度は大変高く、職員への感謝の気持ちが多く記述されている。これらのことからもサービスのレベルの高さが分かる。