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令和元年度（2019年度）

指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】

法人名称

社会福祉法人武蔵野療園

事業所名称

中野区かみさぎ特別養護老人ホーム

評価機関名称

特定非営利活動法人　アクティブハンディネット

第三者評価結果の構成　　見たい内容をクリックすると該当部分へジャンプします。

事業者の理念・方針
全体の評価講評
事業者が特に力を入れている取り組み
利用者調査結果
組織マネジメント分析結果
サービス分析結果
事業者のコメント

理念・方針
事業者が大切にしている考え（事業者の理念・ビジョン・使命など）	１．使命…地域住民の意向と尊厳を重視し、自律・調和・創造の精神のもと、地域社会に貢献します２．未来像…地域社会の医療・福祉分野において、地域住民から最も信頼されるリーダーを目指します３．自律…常にプロ意識を持ち、利用者・家族・地域の方の最大の満足が得られるサービスを提供します４．調和…法人全職員が一つになり、法人事業の目的に向かい、研鑽を重ね相互協力を行ないます５．創造…現状にとどまることなく、新たな事業・仕事に挑戦します
期待する職員像
職員に求めている人材像や役割	１．利用者の満足を判断基準に意思決定する２．利用者の信頼につながる仕事を心掛ける３．プロ同士の関係で相互啓発に努める４．懐疑心には直接的・率直なコミュニケーションで解消にあたる５．見返りよりも与える精神で仕事にあたる６．的確な情報発信と伝達に努める７．情報は素早く提供し共有化を図る
職員に期待すること（職員に持って欲しい使命感）	１．個々に合ったサービスの提供２．スタッフ一人ひとりの向上心３．プロとして質の高いサービスの提供４．チームワークの保持５．地域福祉への貢献

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看護職員の24時間配置や嘱託医に24時間相談できる体制等を整備して、利用者の重度化に対応したケアの実践に取り組んでいる
委員会等の役割の明確化、自主的な学び合い、多様な働き方の共有等により、職員の定着も安定し、働きやすい環境が整備されている
ＢＣＰ計画を見直し、周知徹底を図っており、更に風水害への対応も検討し、防災対策は地域と連携して進めている

計画的にマニュアルを見直すことで、業務の標準化を図る取り組みに期待したい
利用者が日常的に楽しめる余暇活動の更なる導入に期待したい
サービスマナーについては研修やケアチェックシート等で啓発を行っているがケアの場面でまだ不十分な面があり更なる取り組みに期待したい

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様々なアイディアを企画し提供しており、地域の一員としての役割を果たしている

キャリアパスに基づいた採用・人材育成に力を入れており職員自身の自覚も高まっている

オムツマイスターを中心に、オムツによる排泄がより快適なものとなるよう支援している

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調査対象：利用者100人全員を対象としたが、直接話を聞くことができたのはコミュニケーションが可能な21人であった。回答者は男性5人、女性16人、年齢は80～85歳未満が8人と最も多く、平均要介護度は3.8、生活年数は3年未満が13人である
調査方法：聞き取り方式
高齢者の面接調査の経験を有する調査員3人を配し、1対1で利用者が気兼ねなく回答できる場所で実施した。面接調査の時間は平均30分。利用者の調査協力への同意と不安解消のため、事前に職員から対象者へ趣旨説明と協力依頼を行った。
利用者総数： 100人
共通評価項目による調査対象者数： 21人
共通評価項目による調査の有効回答者数： 21人
利用者総数に対する回答者割合（％）： 21.0％
調査項目：共通評価項目

※読み上げソフトをご利用のかたへパーセンテージの読みあげは「はい」「どちらともいえない」「いいえ」「無回答」の順番で読み上げられます。	有効回答者数/利用者総数 21/100

1．食事の献立や食事介助など食事に満足しているか	はい 90% どちらともいえない 10% いいえ：0% 無回答・非該当：0%
2．日常生活で必要な介助を受けているか	はい 81% どちらともいえない 14% いいえ：5% 無回答・非該当：0%
3．施設の生活はくつろげるか	はい 76% どちらともいえない 10% いいえ 14% 無回答・非該当：0%
4．職員は日常的に、健康状態を気にかけているか	はい 67% どちらともいえない 19% いいえ 14% 無回答・非該当：0%
5．施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか	はい 100% どちらともいえない：0% いいえ：0% 無回答・非該当：0%
6．職員の接遇・態度は適切か	はい 86% いいえ 10% どちらともいえない：5% 無回答・非該当：0%
7．病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか	はい 95% どちらともいえない：5% いいえ：0% 無回答・非該当：0%
8．利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか	はい 86% いいえ 10% どちらともいえない：5% 無回答・非該当：0%
9．利用者の気持ちを尊重した対応がされているか	はい 81% どちらともいえない 14% いいえ：5% 無回答・非該当：0%
10．利用者のプライバシーは守られているか	はい 90% どちらともいえない：5% いいえ：5% 無回答・非該当：0%
11．個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか	はい 19% どちらともいえない 67% いいえ 14% 無回答・非該当：0%
12．サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか	はい 24% どちらともいえない 62% いいえ 14% 無回答・非該当：0%
13．利用者の不満や要望は対応されているか	はい 71% どちらともいえない 24% いいえ：5% 無回答・非該当：0%
14．外部の苦情窓口（行政や第三者委員等）にも相談できることを伝えられているか	はい 14% どちらともいえない 38% いいえ 48% 無回答・非該当：0%

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評点のレーダーチャートを表示する

グラフの見方

このグラフは、「評点の状況」を大項目ごとにまとめています。
「評点の状況」は、大項目に属する標準項目の実施状況を数値化してグラフに置き換えていますので、標準項目の実施状況が良好なほど、グラフが外側に広がります。
グラフの形状から、その施設・事業所によるサービス向上の取り組みの実践状況について、項目ごとの強み弱みを見ることができます。また、同じサービス種別の施設・事業所全体の平均との比較もできます。

※令和04年度以降のグラフには平均値が表示されません（評価実績件数が確定していないため）

組織マネジメント分析結果

←クリックすると詳細が表示されます。

評価項目の評点

評価項目には、2から6個標準項目が設定され、
その標準項目の内容が実施できている場合は

、実施できていない場合は

で表示されます。

1. リーダーシップと意思決定

1. 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

7/7

1. 事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）を周知している

事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている

事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている

2. 経営層（運営管理者含む）は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている

経営層は、事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている

経営層は、事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している

3. 重要な案件について、経営層（運営管理者含む）は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している

利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている

【講評】詳細はこちら

事業所の目指す方向は事業計画書や職員用テキストに明示し全職員に配布している
経営層は役割を明記し、事業運営に関わる担当者の明確化も行って組織をリードしている
運営会議・主任会議・職員会議という流れで重要案件を共有化する体制が整っている

2. 事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

6/6

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している

利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している

福祉事業全体の動向（行政や業界などの動き）について情報を収集し、課題やニーズを把握している

2. 実践的な計画策定に取り組んでいる

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

5/5

1. 事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している

課題をふまえ、事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）の実現に向けた中・長期計画を策定している

2. 着実な計画の実行に取り組んでいる

事業所が目指していること（理念・ビジョン、基本方針など）の実現に向けた、計画の推進方法（体制、職員の役割や活動内容など）、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している

計画推進にあたり、進捗状況を確認し（半期・月単位など）、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる

【講評】詳細はこちら

利用者には嗜好調査や家族懇談会等、職員にはアンケート等で意向を把握している
地域情報や福祉の動向は関係機関等から収集しており運営委員会等で分析・検討している
法人の中期計画を踏まえ全職員からの意向を基に事業計画を策定している

3. 経営における社会的責任

1. 社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

2/2

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる

全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理（個人の尊厳を含む）などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる

全職員に対して、守るべき法・規範・倫理（個人の尊厳を含む）などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している

2. 利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

4/4

1. 利用者の意向（意見・要望・苦情）を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている

苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている

2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている

利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している

虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている

3. 地域の福祉に役立つ取り組みを行っている

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

5/5

1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる

透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる

ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している

2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている

地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている

事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク（事業者連絡会、施設長会など）に参画している

【講評】詳細はこちら

福祉サービス従事者として守るべき規範等についての研修を実施して徹底化を図っている
利用者の権利擁護のため苦情解決制度を設け、虐待防止に対する取り組みを行っている
ボランティアの受け入れ、場の提供や講師派遣など地域貢献事業に取り組んでいる

4. リスクマネジメント

1. リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

5/5

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる

事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク（事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など）を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている

リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる

事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる

2. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

4/4

1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている

情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員（実習生やボランティアを含む）が理解し遵守するための取り組みを行っている

情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている

事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している

【講評】詳細はこちら

ヒヤリハット等でリスクを洗い出し各種委員会で確認検討を行っている
ＢＣＰ計画の見直しと職員への理解浸透、地域と一体となった防災活動を行っている
個人情報保護規程を定めパソコンにパスワードを設ける等、情報管理体制を強化している

5. 職員と組織の能力向上

1. 事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

12/12

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている

事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる

2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している

事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望（キャリアパス）が職員に分かりやすく周知されている

事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望（キャリアパス）と連動した事業所の人材育成計画を策定している

3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる

指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている

4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる

事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇（賃金、昇進・昇格等）・称賛などを連動させている

就業状況（勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど）を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる

2. 組織力の向上に取り組んでいる

サブカテゴリーごとの
標準項目実施状況

3/3

1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる

職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている

【講評】詳細はこちら

キャリアパスに基づいて人事制度を確立し人材の確保・定着を図っている
学び合える機会が多く職員間の交流もあり働きやすい環境が整備されている　
勉強会や伝達研修等を行って組織力の向上に繋がっている

7. 事業所の重要課題に対する組織的な活動

1. 事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている

1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている（その１）

【前年度の重要課題に対する組織的な活動（評価機関によるまとめ）】

事業所では「安心で安全なケアの実践」をビジョンとして掲げており、2016年頃から排泄ケアの向上に取り組んできた。2017年には全て紙オムツにするためにメーカーの選定なども行い、更なる技術の向上と定着を目指してきた。2018年には「ケアの質の向上」を重点課題に掲げ、紙オムツメーカーの導入を機会として、メーカーよりオムツの指導を受け、技術の向上と定着により利用者がより快適に過ごせることを目指した。具体的には、3ヶ月間、介護職員3人がメーカーによる研修を受けた。内容は、排泄に関わる身体機能の理解、紙オムツの基礎的な理解と正しい使用方法、障害疑似体験、の3項目で、研修後3人は「マイスター」の認定を受けた。受講した職員は、紙オムツを正しくし有効に使用するために必要な知識を習得することができた。一方、オムツの使用方法に関して独自のやり方で行っている職員もおり、ケアの統一を図る必要性が出てきた。更なる技術の向上を目指すために今年度も重要課題に掲げ、メーカーに同じ内容の研修を依頼し、「マイスター」の認証を受けることを目標とした。また定期的な意見交換を行い、排泄技術の向上を目指した勉強会も開催している。 【評語】

目標の設定と取り組み	具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証	目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映	次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた

【講評】

「安全で安心なケアを実践する」という事業所のビジョンに即した取り組みであり、計画的に取り組んできた課題でもある。オムツメーカーの導入を機に、重点課題に掲げ、メーカーによる研修を介護職員3人が3ヶ月、「マイスター」を目指して受講するといった、目標を掲げて取り組みを行っている点が評価できる。研修の内容は、排泄について身体機能から学んでおり、オムツの仕様方法も実技を踏まえていることから、「マイスター」と認定された職員は、利用者に合ったオムツの選定とケアの仕方を根拠をもって行えるようになり、自信とやる気向上にも繋がっている。利用者にとっても快適な生活を送ることができ、利用者満足度の向上にも繋がっている。更に適切なオムツの選択と適切な使い方により、オムツにかかるコストも無駄がなく、低下すると言う副次的な効果もみられる。研修の成果を評価し統一したケアを行うことの必要性も認識したうえで、今後も継続して「マイスター」の育成とケア技術の向上を目指し、利用者にとってもより良い排泄環境の構築を進めていくことを目標として掲げており、マイスター主体で学び合いも行っており、ＰＤＣＡサイクルに沿った取り組みとして評価できる。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている（その２）

【前年度の重要課題に対する組織的な活動（評価機関によるまとめ）】

利用者の重度化に伴い、四肢関節の拘縮が強い利用者が増え、介護時の困難さや転倒などによるケガのリスクが増大していた。事業所では「ケアの質の向上」をビジョンとして掲げて継続的に取り組んでおり、利用者のリスクを軽減することも質の向上に繋がるとして、2018年は「拘縮の進行を防止し、安楽な姿勢で過ごせる環境を整備する」を重要課題として掲げた。具体的には、機能訓練指導員からの情報提供を参考にして、介護職員4人を「臥床時の安楽で拘縮予防に繋がるポジショニング」の外部研修に参加させた。研修終了後は、研修に参加した介護職員4人が講師となり「拘縮が強い利用者を進行させない。拘縮予防と有効なポジショニング」をテーマに伝達研修を実施し、研修内容の共有化を行った。実際に利用者に実践も行った。その結果、拘縮していた利用者の関節が伸びたと言う成果が見られた。しかし、明確な成果は見られなかった利用者もいた。拘縮予防に繋がるポジショニングの成果は全員ではないが、一人でも明らかに効果があることが検証できたので、今年度も重要課題として掲げ、看護職員とも連携して更に検討・検証を行っている。成果は法人内研修発表会で報告する予定である。 【評語】

目標の設定と取り組み	具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証	目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映	次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた

【講評】

「安全で安心なケアを実践する」「利用者の生命の質の向上を目指す」という事業所のビジョンに即した取り組みであり、また利用者の重度化に対応するという現状の課題解決を目指した取り組みである。四肢関節の拘縮は転倒などのリスクにも繋がり、また職員介護の困難さも増大すると言った現状分析を踏まえ、拘縮の進行を予防することを重要課題に掲げており、リスクマネジメントにも繋がる課題設定として評価できる。また介護職員4人を外部研修に参加させ、修了後は4人を講師とした伝達研修を行うことは、研修成果の確認と組織全体の質の向上にも繋がる効果的な取り組みである。また利用者に実践することで結果の検証・評価にもなっている。効果の検証には看護職員も交え専門的な視点を踏まえて確認している。一方、利用者に実践してもらう時には、利用者の特性、状況等を十分把握したうえで人選し、計画的に取り組むことによって、更なる分析が可能となることも確認できた。この様な成果と課題を踏まえて今年度も重要課題に掲げており、ＰＤＣＡサイクルに沿った取り組みとして評価できる。更に成果を法人全体の事例発表に公表することで職員のやる気向上にも繋がっている。