現在位置 : 福ナビホーム > 特集記事 > 成年後見制度の活用にむけて

● 目次 ●

  • 第2回
    成年後見制度の活用に向けた東京都の取組について(東京都福祉保健局)

※この特集記事は平成18年に掲載されたものです。
なお、記事の内容は掲載当時の情報に基づいているため、成年後見制度に関する最新情報は「東京家庭裁判所」のホームページなどによりご確認ください。


はじめに
判断能力が不十分となった認知症高齢者や知的障害の方が地域で安心して生活していくために、平成12年4月に新しい成年後見制度がはじまりました。しかし、現在においても制度を必要とする人の数にくらべて、その利用は十分とはいえない状況にあります。成年後見制度の活用が十分に進まない理由には、利用者の負担能力の問題や、信頼できる親族がいない、多様なニーズに対応できるだけの後見人が不足しているなどがあげられますが、そもそも成年後見制度が十分に知られていないことや、どこに相談したらいいかわからない、ということも大きな課題でしょう。
  今回の特集では、成年後見制度について案内するとともに、判断能力が十分でない方が必要な支援を受けることで安心して地域で自立した生活ができるような、東京都や区市町村における成年後見制度の適切な活用の推進に向けての取り組みを紹介していきます。
第1回 成年後見制度とは

高齢化が進行し、福祉ニーズの増大、多様化に対応するため、社会福祉の大きな改革が進んでいます。介護保険制度の開始にともない、福祉サービスの利用が、行政による「措置」から「契約」に変わってきました。契約は、自己責任のもとに、自分で選択および決定を行うものではありますが、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者などの判断能力が不十分な方々は、適切な福祉サービスを選択して利用に関する契約を結んだり、また、不動産や預貯金などの財産の管理をしたり、遺産分割の協議をする必要があっても、自分でこれらの判断や手続きをするのが難しい場合があります。また、悪徳商法などで自分に不利益な契約を結んでしまうおそれもあります。
現在の成年後見制度は、認知症高齢者など判断能力が不十分な人々も福祉サービスの利用に際して契約が必要になったことを契機に、平成12年4月に、民法の禁治産・準禁治産制度を改正してつくられた制度です。そして、このような判断能力の不十分な方々に対して、代理権などを付与された後見人が、本人の意思を尊重しつつ本人を保護し、支援をするのです。

制度の主な改正点(平成12年4月1日)
禁治産・準禁治産制度が「後見」「保佐」「補助」の制度(法定後見)に改められた。
複数後見、法人後見の実施について明確化
任意後見制度の創設
戸籍への記載にかわり「成年後見登記制度」を新設
身寄りのない人などのために区市町村長による家庭裁判所への申立権
次のページへ