現在位置 : 福ナビホーム > 特集記事 > 平成27年度介護保険法改正に向けて > 第3回 1.はじめに

平成27年度介護保険法改正に向けて 第3回 平成27年度介護報酬改定の方向について

1 はじめに

  •  介護報酬の改定内容が示される前の段階ですので、考える材料としては「平成26年介護保険制度改正」、「介護報酬改定の考え方平成26年12月19日第117回厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会資料)」及び平成26年12月26日に公表された「介護報酬算定構造のイメージ(案)」(外部リンク「WAM NET」該当ページへ)を参考に方向について検討します。
  •  今回の介護報酬の改定は、報道等によれば基本的に減額改定です。特に「平成26年度介護事業経営実態調査結果の概要(案)」(第110回厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会資料1)で示された介護保険事業収入の収支差率が大きいサービス、特定施設入居者生活介護12.2%、認知症対応型共同生活介護11.2%、通所介護10.6%、介護老人福祉施設8.7%、介護療養型医療施設(病院)8.2%等については、相対的に減額幅が大きくなると思われます。
    表 各サービスの収支差率
      収支差率
    介護老人福祉施設 8.7%
    地域密着型介護老人福祉施設 8.0%
    介護老人保健施設 5.6%
    介護療養型医療施設(病院) 8.2%
    認知症対応型共同生活介護(介護予防を含む) 11.2%
    訪問介護(介護予防を含む) 7.4%
    夜間対応型訪問介護 3.8%
    訪問入浴介護(介護予防を含む) 5.4%
    訪問看護ステーション(介護予防を含む) 5.0%
    訪問リハビリテーション(介護予防を含む) 5.3%
    通所介護(介護予防を含む) 10.6%
    認知症対応型通所介護(介護予防を含む) 7.3%
    通所リハビリテーション(介護予防を含む) 7.6%
    短期入所生活介護(介護予防を含む) 7.3%
    居宅介護支援 △1.0%
    福祉用具貸与(介護予防を含む) 3.3%
    小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む) 6.1%
    特定施設入居者生活介護(介護予防を含む) 12.2%
    地域密着型特定施設入居者生活介護 6.8%
    定期巡回・随時対応型訪問介護看護 0.9%
    複合型サービス △0.5%
    第110回厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会資料1を基に作成)
  •  今回の改定で、基本報酬部分で減額し、その減額を、加算等で取り戻す形がみこまれ、加算等によるサービス内容の誘導が行われるとともに、加算へ対応したサービス提供を行わないと事業所の収支が悪化すると思われます。
  •  在宅重視の中、介護保険サービスの充実のためには、介護人材の確保、介護サービスの質の確保等が課題となっていますが、その中で職員の待遇の改善がどのように図れるかが課題です。現在でも、介護サービス従事者の賃金等が他の産業平均と比較して低いといわれる中で、介護報酬の減額が予定され、「処遇改善加算」等が措置されるとしても、厳しい環境に変わりはないと思われます。
  •  そこで、最初に過去の介護報酬改定の経緯を、入所系と在宅系に分けて見てみます。
    表 過去の改定状況(下段は平成12年を100とした伸び率) 介護報酬改定率(%)
      平成12年 平成15年度 平成18年度 平成21年度 平成24年度
    在宅系   0.1 -1.0 1.7 1.0
    伸び率 100 100.1 99.1 100.8 (イ)101.8
    施設系   -4.0 -4.0 1.3 0.2
    伸び率 100 96.0 92.2 93.4 (ロ)93.5
    合計   -2.3 -2.4 3.0 1.2
    伸び率 100 97.7 95.4 98.2 (ハ)99.4
    ※資料は厚労省発表の改定率から作成、27年度は減額改定が想定されている。
  •  上表のように、在宅系は平成12年度に比較して平成24年度には1.8%改善されていますが(イ)、施設系では6.5%減です(ロ)。全体でもわずかに下回る結果となっています(ハ)。
  •  以上のように、平成12年度の介護保険創設以来14年が経過するなかで、介護報酬額の伸びは、全体では平成12年度比99.4%と減です(ハ)。今回が減額改定ですから、平成12年度の水準以下の介護報酬額となります。

▼ご登録はこちら▼ メールマガジン

最新記事の掲載をメルマガでお知らせ!