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福ナビ >> 特集トップ >> 福祉と人権を考える目次 >> 人権侵害の実態



目次
福祉と人権を考える目次
1「人権週間」に考えて見ましょう
(1)はじめに
(2)平成16年 第56回人権週間の強調事項
2 国連や国の取組み
(1)世界人権宣言と国際人権規約
(2)「人権教育のための国連10年」と我が国の取組み
(3)人権擁護法案のゆくえ
3 人権侵害の実態
(1)平成15年人権侵害事件の状況
(2)差別虐待の現状
(3)新たな人権問題
(1)福祉関係者と人権
(2)「利用者本位の福祉」と人権の尊重
(3)福祉施設における取組事例

3 人権侵害の実態


(1)平成15年 人権侵害事件の状況

「自分は差別や虐待をしたこともされたこともない」という人がいるかもしれません。しかし、今でも人権問題は私たちの身近で起きています。

法務省の人権擁護機関が取り扱った平成15年中の「人権侵犯事件」の状況について取り上げてみます。

○ 新規受理件数は、18,786件(内、公務員、教育職員等による人権侵犯にかかるもの1,760件、私人間の人権侵犯にかかるもの17,026件)

○ 事件の内容は、公務員等の職務執行に伴う人権侵犯事件では、「いじめ」に対する学校側の不適切な対応等が542件、教職員による体罰が275件、刑務職員によるものが222件、警察官によるものが155件。

私人間の人権侵犯事件では、暴行虐待(夫の妻に対する暴行、児童虐待等)が5,093件、強制強要(離婚の強要、職場での嫌がらせ等)が4,632件、住居の安全に関する侵犯(騒音を巡る近隣間の争い等)が3,330件、プライバシーに関する侵犯が1,267件、労働権に対する侵犯が918件、差別待遇が739件。

公権力による人権侵害のほか、差別、虐待の事案にみられるように私人間における人権侵害も深刻な社会問題になっています。

(2)差別虐待等の現状

日本の人権侵害の現状をみると、差別と虐待という問題が顕著となっています。その中で、私人間でみると、次のような問題があります。

差別の関係では

○ 女性、高齢者、障害者、同和関係者、アイヌの人々、外国人、HIV感染者、同性愛者等に対する雇用における差別的取扱い

○ ハンセン病患者、外国人等に対する 商品・サービス・施設の提供等における差別的取扱い

○ 同和関係者、アイヌの人々等に対する 結婚・交際における差別

○ セクシュアルハラスメント

○ アイヌの人々、外国人、同性愛者等に対する嫌がらせ

○ 同和関係者、外国人、同性愛者等に関する差別表現

虐待の関係では

○ 夫、パートナーやストーカー等による女性に対する暴力

○ 家庭内、施設内における児童・高齢者・障害者に対する虐待

○ 学校における体罰

○ 学校、職場等における「いじめ」

これらの問題は、その性質上潜在化しやすく、回りの人が気付かないうちに深刻化しているものが少なくありません。差別や虐待など人権問題をなくすには、一人ひとりが人権を理解し、差別や虐待を受ける人の心の痛みや苦しみを自分のものと受け止め、差別や虐待を許さない強い心を持って行動していくことが大切です。

(3)新たな人権問題

また、近時、社会問題化しているものとして、マスメディアによる犯罪被害者等に対する報道によるプライバシー侵害・名誉毀損等の問題があるほか、インターネットを悪用した差別表現の流布や、少年被疑者等へのプライバシー侵害の問題があります。そのほか、高齢者・障害者にかかわる家族等によるその財産の不正使用や悪質な訪問販売・悪徳商法による財産侵害の問題等様々な問題があります。

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